基本シリアスな話を長々と続けすぎたせいか溜めてあった日常パートが暴走気味だ・・。
・・まず最初に謝罪を。
このキャラクター好きな方。本当にすいません。
タグ「キャラ崩壊」今度つけますので。
先日漫画喫茶で読んだ某漫画のあるキャラが面白くてつい・・。
新人やっと襲来
「だから・・!やっぱりフェデリコは解って無いんですよ!」
「アネットこそ解ってないよ。あらゆる局面で生きるのは結局こっちだよ」
エントランスでがやがやと騒がしい少年少女二人が何やら議論を交わしている。
一人は金髪を後頭部でくるりと巻き、決して貧相ではないスタイルにもかかわらず少しきつめの上衣を着、少し鈍重でおっとりしていそうな少女、もう一人は黒い短髪を赤いバンダナでまとめ、暗色ながらもソーマほど重い印象を持たないツートーンのフードつきの上着を着、真面目そうな眼差しを持った少年であった。
この二人がアリサ、コウタが待ち望んでいた「後輩」。
少女―アネット・ケーニッヒ
少年―フェデリコ・カルーゾ
の二人である。
二人とも新型の神機に対応しており、アリサ、そしてエノハの二人が着任した日即、教官ツバキを通して指導に当たるように言い渡され、紹介された。
エノハを前にして真面目でまだすれてない尊敬のまなざしを持った二人の隣でエノハの視覚を少し拝借し、レンが隣に並んで
―新人のレンです!よろしくお願いします!
と、はしゃいでいた。彼も新しい後輩(の神機)が入る事が嬉しい事だったらしい。
実地訓練では二人とも戦闘経験はほぼ無いも同然であった為、危なっかしいやり取りでハラハラしたものだ。何せ新型を教育するマニュアルは新型自体がまだ少なく情報や知識の蓄積が十分ではない為、存在しない。
これでいいのか、正しいのかを疑いながら行う手探り状態である。
そう考えるとエノハは自分とは異なり、新型のノウハウが全く無いにもかかわらず新人の頃の自分を不安にさせず、リラックスさせて滞りなく最初の任務を乗り切らせてくれたリンドウの手腕を改めて感心した。
そしてエノハ、そしてアリサ新型二人の話を興味深そうに真剣にスポンジのように吸い取っていく真面目な二人。お互いにその日に学んだ知識を共有し、話し合う。
自分の成長を測る全く同じスタートラインの競争相手、比べる相手がいるのはいいことだ。
しかし、議論が口論に近い段階にまで白熱する事も多かった。
何せこの二人性格も戦闘スタイルも正反対なのだ。
大雑把と几帳面。バスターとロング。手数重視のアサルトと一発重視のスナイパー。
そして今回の議論のお題は「火力」と「防御」どっちが大切か。である。
答えの出ない永久の命題。それに優劣をつけることこそある意味、文字通り「矛盾」とも言えるが白熱したこの二人には「時と場合だよ」という言葉は通用しまい。
「先輩どうなんですか!」
「どっちが正解なんですか?」
結局その最後の判定はエノハに委ねられる。
「はいはい。どっちも正解だよ~」
いかにも適当な声色でそう言った。
「そんなんじゃ駄目です!!」
「それでは納得いきません!!」
「それで・・どっちも間違いだ」
いきなり声色を冷やし、しっかりと二人を見据えたエノハにすこし二人は気圧される。
「「!?」」
「・・火力を追求し敵を素早く倒すこと、守りを追求し、己や他者を守り、戦線を維持することはどちらも正解。でも・・君ら二人が己を鑑みること無くそれを議論すること自体不毛。間違いだよ」
「・・?」
「・・?」
「アネット」
「は、はい!?」
「君は足が遅すぎる」
エノハの告げるドストレートな事実に少女は一気に青ざめる。
「そ、それは重くて火力のあるバスターハンマーを使ってるからであってですね・・」
「確かに君の火力、気絶や昏倒を引き起こしやすい君の戦闘スタイルは魅力がある」
「そ、そうですか?」
アネット少し照れる。
「でも火力を追求する上でそれは矛盾しないか?足が遅ければ行軍速度が遅れ、時間が経てば経つほど当然アラガミは俺達の気配を察知する時間と機会が増える。配置についた時には既に索敵、警戒状態になっている可能性も当然あがる。つまり先制攻撃が難しくなる。基本的にアラガミ戦闘は奇襲、先制攻撃が基本だからね?」
「・・」
「逃げ足の速い、素早い敵には手数を稼ぐ、そもそも攻撃を当てることすら困難になる。デカイ火力も君のマヒ効果がある神機の特性も生かす事が出来ず、まさしく宝の持ち腐れ。おまけに君はスタミナも無いから戦場で置いてかれてどうしていいか解らず立ち往生がこの前も何度かあった。指揮するこっちとしては分散、索敵指示が怖くて出せない」
「・・あう」
しゅんとアネットはへこむ。
「フェデリコ」
「へっ?は、はい!!」
「君は比較的スマートな戦い方だ。神機特性上、遠距離、近距離共にバランスがいい。他の神機使いをフォロー、受け渡しで強化するにも最適な位置取りを取りやすい。君の性格にもあったスタイルだと思う」
「ほ、ホントですか?」
フェデリコ少し微笑む。
「でも・・君は適合率が高いにも関わらず妙に神機の扱い・・特に形態変化にもたつくことが多い。守りを重視するのに神機の形態変化―攻撃形態から盾形態への移行がスムーズに行かなければ例え盾の防御が高かろうと意味が無いよ。直撃食らえば身体能力、基礎能力が圧倒的に高いアラガミの攻撃力が結局勝る」
「・・・」
「と、言うわけでお互いの長所を伸ばすことだけに注視しないこと。長所を延ばすことで打ち消せる、目をつぶれる短所なら大目に見てもいい場合があるけど・・君達の場合お互いの短所が長所に密接に関わってるからね。そこをまず見直した方がいいと俺は思う」
「わ、解りました・・」
「精進します・・」
「と、言うわけで。アネットは走ってこい。遠距離で持久力、小回りを利かす為に20メートルダッシュ、反復横とびも追加。けど無理はしない事。任務前に既にへとへとじゃ意味が無い。休息と補給はきっちり取ること。いいね?」
「了解です!早速行ってきます!!」
猪突猛進タイプらしいアネットは早速元気よく駈け出した。
「あら~っ!?」
しかし勢いは良かったものの少女はやはり体が重めなのかべちゃりとこけた。パンツが見える。水と白の縞模様だった。
―・・見えました?
とでも言いたげに残された二人に無言で振り返り、二人が目線を逸らすと恥ずかしさを振り切るように走って行った。
「・・・」
「・・・」
「・・フェデリコ、君は神機と居る時間を増やして暇さえあれば形態変化を何度もすること。形態変化の速度を上げるのは結局反復練習だ。整備室のリッカには話通しとく。神機の休眠時以外は積極的に神機に触って『武器』というより体の一部になるようにイメージを昇華させろ。嫌でも早くなるはずだ」
「は、はい!!為になるお話有難うございました!先輩!」
少し遅れてフェデリコも駆けだした。
ここで理論どうこう言う前にとりあえず動いた方が為になる。何しろ延びしろがでかいのだ。まだまだ二人は。
そんな後輩二人を見送った後―
「んんっ・・?」
エノハは妙な視線を感じた。
振り返ると奴「等」がいる。
「・・。いいよなぁ~エノハは。何せ『先輩』だからな~」
ぷいっ。
「別に羨ましくありませんけどぉ~だってエノハさんは正真正銘『先輩』ですもんね~GEとしても人生の先輩としても~」
つーん。
「いや・・そこどうこう言われても困るよ。コウタ、アリサ」
先日
アネット、フェデリコの新人二人がコウタ、アリサにわざわざ挨拶に来てくれた。きっちりとした敬語、尊敬の念を込めた眼差しと態度、「先輩」という甘いフレーズにアリサ、コウタは酔っていた。
―もっと・・もっと言って?
しかし・・なぜかコウタは口走ってしまった。
自分達が彼らより年下故に、そして同時にGEとしては先輩であるがゆえに意地を張る。「大人は逆に大人ぶらないもの」だ!と、大人っぽく振舞おうと背伸びしてコウタの口から自然とこの言葉が出てしまった。
「あ、そんなに畏まらなくていいよ。二人はGEとしては年下だけど、人生としては先輩なんだからさ」
―やっべ!言っちまった!!
アリサはきっ!と非難の目でコウタを見る。心なしかその眼にはうっすらと涙すら浮かんでいた。
―何言ってるんですかコウタ!!
―ゴメン・・。
―いけない!このままじゃ!ここは私が・・
「そ、そうですよ。だから二人ともそんなに畏まらなくていいですよ~」
―・・・!!!あ~何言ってるんしょう私も!?とほほ~!
結果―どうにか「先輩」はついたものの、この新人二人が呼ぶ「アリサ先輩」と「コウタ先輩」にはどことなく「君付け」に近いニュアンスが含まれていた。
アリサ、コウタの望んでいた「先輩、後輩の理想像」はエノハ、そしてソーマあたりが全てかっさらって行った。
「行こうぜ~」
「そうですね~」
コウタ、アリサはそそくさと去っていく。その光景を見送ってエノハは
―う~ん。全く・・可愛い部下達だなぁ。
ほんわかした。
アネット
―極東に来て二週間が経ちました。
極東は噂通り、いえ噂以上に激戦地区でした。アラガミの動物園といわれているだけあります。
数が多いのはもとより、多種多様で強い個体が多いのも特徴です。
そんな中でも上手くやれているのは極東にいる皆さんが親身になって私の事を助けてくれたり、闘い方を教えてくれるからです。
最初は強くて怖い人たちが一杯いるのかなってとても不安でしたが皆さんとてもいい人達です。
ソーマ先輩、アリサさん、コウタ君・・はっ!!ア、アリサ先輩やコウタ先輩!サクヤさん、防衛班の方々、オペレーターのヒバリさん、ツバキ教官、整備士、他職員の皆さん、榊支部長漏れなく皆本当にいい人達で同時に凄い人達です。
皆さんの足を引っ張らない様に頑張らなければ・・と、気が引き締まる思いです・・まる。
そして個人的に私は最近気になっている事があります。
この極東支部で最もお世話になっている方のお一人。第一部隊隊長エノハさんについてです。
すごく強くて、頼りになって、結構厳しくて、でも優しい素敵な先輩です。
そのエノハさんとテラスで何時も向かい合わせで何かお話している整備士リッカさんの事が凄く気になります。
すごく仲良さそうに話しているので見ていてとても「ああ、いいなぁ」と思います。お似合いの二人です。
あ。といっても純粋な気持ちで嫉妬とか羨ましいとかではないですよ?
なんと言うか・・こう・・
付き合ってるかどうかとか調べたくなっちゃうじゃないですか!!!???
きっとあの二人は・・・きっと!きっと!!・・あぁ~っ!?きゃぁ~っ!!考えるだけで興奮しちゃう!!
これは調べるしかないでしょ!!アネット!!ウフフフフ!!!
・・アネットはこういう子だった。
早速下世話少女―アネットはリッカと非常に仲が良いヒバリとコンタクトを取る。
「あ、あのヒバリさん」
「あ、アネットさん。こんにちは。何か御用でしょうか?」
「えっとちょっと変なこと聞いてもいいですか?」
「・・変なこと・・ですか?」
「あの・・その・・エノハさんとリッカさんって付き合ってるんでしょうか!?」
下世話少女は同時に直球少女だった。遠まわしに、順を追ってなど考えない。
「あ・・そういうお話ですか・・」
プライベートの話は少し・・と誤魔化そうとヒバリは言葉を紡ぎかけたが畳みかけるように
「だ、だっていつもテラスで楽しそうに一緒にお話してますし!同い年でお互い呼び捨てですし!そうなんですよね!?ねっ?ねっ!?」
アネットの目がキッラキッラ輝いている。まるで少年のように。
「・・・」
ヒバリは口ごもるように絶句し、視線をやや泳がせる。
「で、どうなんですか!?ヒバリさん。お願いです!!教えて頂けませんか!?」
―私の妄想、暴走の為に!!
しかし
「・・・。多分今の所は・・・無い、と、思いますよ。あのお二人は」
ヒバリから意外な返答が返ってきた。
「え!?そ、そうなんですか!?」
嘘だい!そんなのおかしいやい!とアネットが床を転げ回ってジタバタと駄々をこねそうな少年ぐらいの光をした目をヒバリに向ける。
重症だなぁこの子は。と、ヒバリは苦笑いをする。
「・・・良ければなんですが・・あの二人がテラスでお話している内容を側で一度お聞きになってはいかがでしょうか?」
「え?そ、そんな❤怖れ多い❤」
と、言いつつも即実行に移しそうな嬉しそうな表情を浮かべ、アネットは再び目を輝かせる。「い、いいの?」とでも言いたげに。
「わ、解りました・・・。か、考えておきます・・ありがとうございました!ヒバリさん」
直後
―あ。行くな。この子。
と、確信を持ってヒバリはその後ろ姿を見送る。進行方向が既にテラスだ。恐らく「流石に変装は必要かナ」ぐらいに思案を巡らしているに違いない。
彼女なりの工夫のつもりなのだろうが...違う。違う。そうじゃない。
お付き合いありがとうございました。
短編集のお話の跨ぎは初めてだな・・。
色んな意味で新しい挑戦だ・・今回のお話。
もう一度謝罪を。
本当に・・・すみません。