GOD EATER カスタマ   作:GREATWHITE

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続きです。

レン君。やはり有能。

見直し無しの突貫です・・。また見なおします。
矛盾、めちゃくちゃな理論等多々あると思いますが「またか」と思って諦めてください・・。



エイジスの歌 後篇

「で、在るからしてハンニバルは他の炎属性のアラガミと比べても突き抜けて高い炎の因子、そしてしなやかで強靭な肉体を持つ新種アラガミだということが解って貰えたと思う。そして何よりあの異常な回復力、コア再生能力を持つ不死鳥の如き力を持つまさしく難敵だね。はっきり言って現在の所では有効な対策は無い」

眼鏡をスッとかけ直しながら科学者らしくハンニバルの映像、細胞組織の写真を映写したプロジェクターの前でそうペイラー榊は言いきった。

映写を止め、電気をつけるとペイラー榊を取り囲む各部隊のGE達から溜息を吐きだす声が聞こえる。

 

これはエノハがエイジスで真帝と対峙する数ヶ月前のハンニバル対策のブリーフィングの時間である。

この時点ではまだハンニバルのコアがようやくエノハの怪我と離脱と引き換えに入手できた頃であり、ハンニバル再生の対策因子は完成に至っていない。

 

「よってGEの諸君には厳密な対策が確立されるまで遭遇した場合は速やかに撤退する事。ハンニバルのテリトリー範囲には絶対に侵入しない事を厳守してもらう。不幸にも人的被害の出る地域に出現した場合は住民の避難を第一に考え、最大限戦闘は避けるようにしてほしい。まさしく今は『触らぬ神に祟りなし』だからね」

「一ついいだろうか?」

前方の席でかじりつくように熱心に榊の話を聞いていた大柄な青年、ブレンダンが手を上げる。

「お。なんだいブレンダン君?」

「・・運悪く遭遇、または住民を逃す為の遅滞戦闘行為を行う上で対峙せざるを得ないケースも考えられる。何か対策が欲しいのだが・・?」

「そうだね・・完全に倒すことは今の時点で不可能である以上、彼らの頭部を中心に打撃、火力を集中させて彼らをひきつけて時間を稼ぎ、住民の避難完了後、スタングレネード等で怯ませてその隙に君達も撤退すると言うのがベストと言ったところだろう。よってスタングレネードを多めに支給できるように資材班、整備士班に話を通してある」

「ふむ・・」

ブレンダンは真面目そうに頷く。その表情から在る程度は納得したようだがどこか不安は隠せない。何せ彼は極東支部で初めてハンニバルに接触した人間の一人だ。その異常性を間近に体験した者として、そして何事も慎重を期する彼には懸念が尽きないのだろう。

 

「・・ま。かといって全く何もかも通用しない相手ではない事も確かだね。この世界に絶対の存在が存在しない様に彼らにも弱点がある。意外にもこの種の弱点属性は多い」

「・・・」

「炎に特化している種だけあって炎属性は全く効かないが反面、反属性の氷、そして雷属性とどちらもハンニバルの細胞分裂を抑えたり、神経組織に打撃を与え、行動を阻害を出来ることが判明している。対策として刀身、弾頭双方にこの二つの因子を含ませておくことをおススメするよ」

「討伐は無理でも弱体化させたり、撃退させることは十分可能ってことすね?」

ブレンダンの隣で話を聞いていた防衛班タツミも少し明るい声を上げ、重くなりそうなブリーフィング室の空気を緩和する。

 

「うん!そういうことだ。ま。油断は禁物だけどね?触らぬ神に仕方なく触れる際の苦肉の策と考えてくれ」

「元々神殺しをする俺らに今更祟りも何もないでしょう?」

 

ハハハとタツミは苦い顔で笑い、他の隊員も続く。

 

「・・・。私やリッカ君もハンニバルの不死の謎を一刻も早く解き明かして見せる。だからそれまでは決して無茶をしないでくれ。いいね?」

 

 

―そう。

ハンニバル種には意外にも炎以外の二つの属性の効果が高い。

 

現在―

エノハの目の前の光景がそれを証明している。

 

強力な電圧を体中に浴びた真帝の各部位のあちこちでスパークが起き、真帝の体温で蒸発した海水の水蒸気とは異なる妙に焦げくさい臭いを放つ煙が上がっている。

足元もぐらぐらとおぼつかない上に両手に携えた黒い炎の剣もコアからの神経伝達が上手くいっていないのかぶらぶらと固体なのか気体なのか解らない「ぶれ」を起こしている。

 

赤信号とは行かなくとも明らかに黄信号、点滅状態であることが伝わる所作で強靭な右腕を思わず地につけ、

 

「やってくれたな」と言いたげに真帝はエノハを睨む。

 

が。

 

!!??

 

「・・まだまだ・・」

 

自らも電撃の嵐の中心に晒され、煙を放ちながらも再び何かを装填したかのようにガコンと音を立てたエノハの銃形態の神機の砲身が未だ降りしきるスプリンクラーの水浸しのエイジスドーム床に向け、光を放っていた。

ダメージの抜けきらない体で接近することもかなわず、真帝はエノハの次の手を見送ることしかできない。

 

雷属性のお次は。

 

氷属性だ。

 

氷の放射が再び海水を伝う。

今度は青白い放電ではなく、真っ白な鋭い氷柱が一気にエイジスドーム全面を包み込み、ドーム内はさながら氷河期に逆戻りしたかの様に白銀の世界となった。

 

真帝の体表に纏わりついた海水も一気に凍らされ、細胞組織、神経組織の回復が一気に鈍化する。神経組織を電撃で焼き切られ、業火のコントロールが難しくなったうえにその回復を妨げる絶対零下に真帝の細胞組織は半ば冬眠状態に陥らされていた。

戦闘力の減衰が著しい。真帝は瞬時に無理やり最大戦力を三分の一以下に堕とされたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

五分前―

地下鉄構内

 

(出来ません。)

むすっとレンはそう言いきった。さっきまでの自分の心配がアホらしくなるぐらいのアホなエノハの提案にぷりぷりレンは怒っていた。

 

―頼むよ。レンの力が必要なんだって。

 

(嫌です。)

 

―頼むって!!

 

(1.海水を濾過する機械を一時的に止め、スプリンクラーから出される水を全て海水に変える。)

―うん。

(2.エイジス各部施設(居住区含む)の火災警報を誤作動させ、スプリンクラーを作動させる。)

―うんうん。

(3.その為に用いられる大量の海水を全部エイジスドームに集結させてスプリンクラーのある天井から降らせる!?)

 

―・・そう。そういうこと。

 

(馬鹿ですか!?相当馬鹿なんですか!?神機使いのくせに「神機使い」が荒いにも程があります!第一ハッキングをなめ過ぎてないですか!?ボクは一応情報生命体なんですよ!?違法に侵入した情報プログラムを攻撃するファイヤーウォールに突っ込めば自我を失う恐れだってある!消滅する可能性もあるのに・・)

 

―すまん・・。

 

(・・嫌です!!あわよくば成功して海水を降らせることに成功したとしてもその海水に雷、氷の順で属性バレットを放ってハンニバルを痺れさせ、凍らせて弱体化させる!?少なくともボクはともかく・・貴方が死にますよ。)

 

―かもな・・でもレン、君は・・リンドウさんの神機には雷属性の因子が入ってる。絶縁体だ。その上に立てば・・冷気はともかく体を通過する電気は最低限になるはずだろ?生き残れる可能性はある。

 

(そうは言ったって・・!)

 

―やってくれないかな?レン・・。

 

(・・なんでですか?)

 

―え?

 

(なんでですか?エノハさん・・ボクとハンニバルから離れた所で属性弾頭を放てば貴方だけでもその被害から逃れられるはずだ。それなのになぜ・・)

 

―・・・。通常弾頭撃ち切りじゃ威力、電圧量、電力も低い。持続時間が長い放射が一番だ。かといって放射では射程が短すぎるんだよ。おまけに敵もこっちが自らを巻き込んでここまでの事するとは考えていないだろうしさ。確実に喰らわせて敵の力を削ぐ為には俺が奴に出来るだけ接近した方がいい」

 

(・・・)

 

―それに。

 

(・・?)

 

―「仲間」にだけ痛い思いはさせない。やばい時はいつも一緒だ。神機使いと神機はいつも一緒。昔からそうだった・・だろ?

 

(・・・)

 

その時、

珍しく軽薄そうにそう言い放ったエノハにレンはかつてのリンドウの面影を見た。

 

 

 

 

 

もう目の前で大事な主と引き離されるのも、大事なものが喪われていくのも、誰かが悲しむ姿を見るのももう嫌だ。

ずっと目の前で見てきた。

もうたくさんだ。

 

腕輪とボクを失った直後のリンドウの苦悶の声。

ボクをディアウスピターのお腹の中から引きずり出してくれたアリサさんが泣く声。

その隣でリンドウの腕輪を抱え、泣き崩れるサクヤさん。

泣くアリサさんを介抱しながらも涙をこらえきれないコウタさん。

俯いたままのソーマさん。

 

リンドウの隊長の座を引き継いだゆえ、泣くことを許されずただじっと光のさし込む教会の天井を眺めつづけていたエノハさん。

 

もう嫌なんだ。

だからボクは戦う。

 

エノハさんと一緒。

リッカさんと一緒。

 

ボクも

 

逃げない。

 

 

 

先程エイジス全域を照らしだした幻想的な光。イルミネーションのごとき美しい光はその実、レンの全存在を賭けての死闘の証拠であった。

エイジスのメインコンピュータの幾多の防壁を駆け抜け、潜り抜けて侵入を繰り返し、時に弾かれる。トライアンドエラーの繰り返し。

 

その度に消えて無くなりそうな自らの灯を点けては消し、点けては消しての繰り返し。

 

エイジス全域を包み込んだその美しく幻想的な光景はレンがその命を、全存在を賭けた結果生まれたエイジスの歌だったのだ―

 

その先にレンは辿り着いたのだ。

再び「生きて」エノハの手元に舞い戻ったのだ。

 

そして成した。目の前の強大な真帝のこれ以上ない弱体化を成功させたのだ。

 

エノハ。

レン。

たった二人で。

 

 

 

「・・・」

グルルルル・・

 

氷河期の如く冷え込んだエイジスドーム内で両者は向かい合う。

共に満身創痍。両者の力関係は再び混沌の渦の中にある。

 

お互いに白い息を吐く。エノハ、真帝、互いに最早余力は無い。

 

最終決戦の最終局面。

決着の時である。

 

ズズッ・・・

 

真帝は歪でまとまらないながらも今の全精力を両手に集中。先程までと比べると小さくも極限まで凝縮させた黒炎の刀を両手に形成。

両手を左右に大きく開き、エノハを迎え撃つ姿勢は整った。

 

片やエノハ。

ゆっくりと赤い神機から降り、まるでアイススケートリンクの様になったエイジスドームの床を踏みしめる。そして・・

 

がちゃり・・

 

右手の自分の神機を左手に持ち替え、その空いた右手にしっかりと・・リンドウの神機―レンを携えた。

―レン。

 

(はい)

 

―行こう。

 

(・・はい!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読了お疲れさまでした。
よろしければまたお付き合いください。
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