原作死亡キャラに転生したので適能者として戦う!   作:火野ミライ

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EP.6 異空間 -メタフィールド-

赤土色の大地が地平線の向こうまで続き、露出した岩肌からは淡い光を放つ。空にはオーロラの様な光で満ちており、湖が大地と空の輝きを反射する。

 

ここはウルトラマンが展開した戦闘用不連続時空間。ウルトラマンがセレナと会う以前、シンフォギアの存在しない世界で人々をスペースビーストの脅威から守る組織によって名付けられた名は【メタフィールド】。この異空間でウルトラマンは本来の実力を発揮する事が可能なのだ。

 

「_____!!」

 

周囲の変化など意にも留めずセルノイズは背部の身を分離し眼前に立つウルトラマン…… 正確にはその背後に立つペドレオンへ向けて絶え間なく放ち続ける。続けてウルトラマンが動き出した。

 

「ヘアッ!」

 

なんと迫りくる爆発へ向け一気に駆け出した。自身に当たる寸前に右へ、左へと躱していく。背後からペドレオンが遊撃に放った火球が迫る中、宙へと跳び上がったウルトラマン。セルノイズの頭上を越え背後を取ると急転換。

 

「デェヤァァアアーーーッ!」

 

光を纏った右足を突き出しセルノイズの背中目掛けて急降下。ウルトラマンの一撃はノイズの身体をすり抜ける事無く命中、【ティンクルストライク】の一撃を受け小さな爆風に乗り大きく吹き飛んだ。しかし攻撃が当たっただけ、仮に先の一撃が装者によるものならノイズは忽ち灰となっていたであろう。

 

それでも人間と同じくノイズに手も足も出ないウルトラマンだが、このメタフィールド内だと様々な条件がかみ合わさった結果、触れる事が可能となる。そしてノイズが炭化できる生物にウルトラマンは含まれていない。つまり簡潔に説明すると対等に戦えるようになったと言う事だ。

 

「キィィィーーーーー!!」

 

脇の横を飛んでいき後方の岩山に激突セルノイズを無視し、一番の脅威と見定めたウルトラマンへ向けて土煙を上げながら駆け出す。そしてウルトラマンもまた駆けだした!

 

「キィィィーーーーー!」

 

「ヘェッア!」

 

身体の輪郭がぶれる程の速度で駆けるウルトラマンに向け、腕の触手を鞭の様に振るうが僅かに首を傾けるだけで躱される。一方のウルトラマンは変化した右腕のアームドネクサス、【アローアームドネクサス】に光を迸らせた拳をペドレオンの口に向けて突き刺す。

 

【ジェネレードナックル】の一撃を受け先のセルノイズ同様、大きく後方へと吹き飛ばされ赤色に輝く大地に体を打ち付ける。腰を深く落とすと拳を握りしめる右腕を視線の先に伸ばし、手刀を作り出した左手を胸の前に添える独特の体制を取るウルトラマン。

 

「_____!」

 

「ヘアッ!」

 

「キィィィーーーーー!!」

 

体勢を立て直したセルノイズとペドレオン、そしてウルトラマンが激突する。3つ巴の戦いの中、互いの身体をぶつけ合う。周囲に砂煙が舞い上がる中でセルノイズがウルトラマンごとペドレオンを殴り飛ばそうとラリアットを放つ。

 

迫りくる一撃を左腕で受け止めたウルトラマンはそのまま胸部のディスプレイに向けて拳を振るう。ディスプレイから火花を吹き出しながら後退するセルノイズに腹部目掛けて強烈な蹴りを放ち大きく吹き飛ばした。

 

地面を転がるセルノイズを後目にペドレオンへと振り返り突進、下半身の生え際を掴むとそのまま力づくで押し出す。ウルトラマンの腹部を蹴り上げる事で引きはがしたペドレオンはそのまま頭突きを繰り出した。その一撃を受けとめて押し返し、後退したところに飛び蹴りの一撃を入れる。

 

「__?___!___$#___!?%#$」

 

一方のセルノイズは壊れた人形のような挙動をしながら出鱈目に実を周囲にばらまく。メタフィールド内のあちこちで爆炎が上がる中、ウルトラマンとペドレオンは戦闘を続けていた。

 

「ッシュア!」

 

「キィィィーーーーー!」

 

防御を捨てたウルトラマンの打撃の数々にタジタジになりながらも僅かの隙を見つけては触手で反撃を与えていくペドレオン。溝内に一撃を受け後退するウルトラマンであったがすぐさま回し蹴りで反撃と共に距離を保つ。

 

のけ反ったペドレオンの触角に向けて右フック、左フックを流れるように当てていく。ふらつくペドレオンの頭部を脇に抱えると2度の膝蹴りの後、力任せに地面に投げつける。そこに迫りくるセルノイズの実をバク転する事で次々と回避。

 

「キィィィーーーーー!!」

 

「ルァアアアアーーーーーッ!」

 

煙の向こう側で立ち上がったペドレオンへ向けて一気に駆け抜け跳びかかろうとしたその時、口内を発光させウルトラマンへ向けて衝撃波を放つ。不意に放たれた一撃をもろに受け大きく吹き飛ばされたウルトラマン。地面に身体を打ち付けたその瞬間、偶然にもセルノイズの実が降り注ぎ爆炎に包まれる。

 

あちこちから煙を上げながらも何とか立ち上がろうとするウルトラマン。そこにペドレオンが何度も鞭を振るい阻止する。

 

「ッウ!」

 

「キィィィーーーーー!!」

 

その背に何度も触手を振るわれて地面に倒れ、蹴りを受けては地面を転がる。セルノイズの実で地面が揺れるたびに体勢を崩しては、再び両手を地面につけ立ち上がろうと模索するウルトラマン。そしてその時は来た。

 

「シュアァーッ!」

 

迫りくるセルノイズの実を避けるため距離を取ったペドレオン。真横で起きた爆発に身を焼くような痛みを感じながらも膝立ちの状態まで持って行けたウルトラマン。このまま立ち上がらせないと再びペドレオンが接近してくるがそのまま足を延ばし、口元に向けて蹴りを入れた。

 

「キィィィーーーーー!?」

 

痛みと衝撃で数歩後退するペドレオン。その隙に立ち上がったウルトラマンが次々と打撃をたたみこむ。怯んだペドレオンの腕を掴みそのまま投げ飛ばそうと力を込めたその時、触手が抑える腕の上に巻き付いてきた。

 

「___ッフ! ルァァァアアアアアーーーーーーーーーーーーーッ!!」

 

その事に気を取られた刹那の瞬間、触手から電撃を流し込まれ苦痛の声を荒げる。眼前で苦しむウルトラマンの姿に気を良くし電撃を浴びせ続けるペドレオン。

 

「フウァァァアアアアアーーーー!! ____デェヤァッ!」

 

左腕のアームドネクサスの側面に付いた刃【エルボーカッター】を輝かせ引き絞る事で触手を切り裂いた!

 

「ギュヴァワァワァーーーー!?」

 

今度はペドレオンが悲鳴の声を荒げる中、左腕をアッパーの様に振るい上げエルボーカッターの残光を残しながら右腕に巻き付く触手を切断。自由になったウルトラマンは蹴り飛ばすかのようにペドレオンに身体を駆け上がり後退。

 

吹き飛ぶペドレオンを他所に地面と背中を水平にしながら、弧を描く軌跡で宙を舞い華麗に着地。立ち上がりながら両腕を頭上に伸ばし指先を整えピンと伸ばした手を拳一つ分ぐらい開けて水平に合わせる。そのまま胸元に持っていきながら右手を上、左手を下にし横に。

 

そのままボールを撫でるかの様な動作をしながら前後に腕を回し上下を逆に。勢いよく右手の指先を眼前の地面に向けて伸ばし、左手は腰に持っていく。

 

「シュッア!」

 

すると金色に輝く竜巻が発生。合わせた両手を振るい竜巻を前方に押し出すと立ち上がろうとするペドレオンに向けて一直線に進んでいく。【ネクサスハリケーン】によって巻き上げられた巨体は勢い良く地面に叩きつけられ、下半身が埋まり身動きが取れない。

 

「ッフ! ウォォォオオオーーー ……………デヤァァアアーーーー!!」

 

抜け出そうと藻掻くペドレオンに最後の一撃を与えるべく必殺の構えを取るウルトラマン。両腕を下方でクロスさせ、ゆっくりと左右に広げながら腕を曲げる。腕と腕の間にエネルギーが迸る中、引き千切るように腕を大きく斜め上に広げた。そのまま腕をL字に組む事で右腕から青白い光線【オーバーレイ・シュトローム】が放たれる。

 

「キィィィイイイーーーーー!?!?」

 

光線はペドレオンの口内へと吸い込まれるかのように命中。徐々に身体から青い粒子光が溢れ、やがて耐えきれず破裂し分子分解され光の粒子としてフィールド内に消える。

 

「____!」

 

「ヘァーッ!」

 

ペドレオンの最後を見届けたウルトラマン。胸の青いクリスタル【コアゲージ】が心臓の鼓動音と警告音を混ぜた音と共に赤く点滅を始める。だがそれを気に留めず視線を未だ暴れ狂うセルノイズへと向けた。

 

顔の前でクロスさせた腕を一気に振り下ろし、拳を握りしめた手を腰に持っていき気合を入れる。そのままこれまで何度も見た防御を捨てた走りで爆発の嵐の中へと飛び込む。身が当たりそうな時はステップで回避するとすぐさま駆け出す。

 

セルノイズとの距離があと僅かとなったその瞬間、右腕のアローアームドネクサスから光の剣【シュトロームソード】を形成。回すらも捨て攻撃受けながらもセルノイズの懐に駆け込み、すれ違いざまに切り裂く。

 

「_________!」

 

振り切った右腕の刃が収納されるかのように消える中、セルノイズもペドレオンと同じく青い粒子となりオーロラの中へと消えて行った。戦いを終えたウルトラマンは勝利の余韻に浸る事無く姿勢を正すと胸のクリスタルを輝かせる。

 

するとメタフィールド事態が金色に輝きだし、水が気体になるかのように消えていく。また時を同じくしてウルトラマンも蜃気楼の様に姿を消した。破壊音が絶え間なく鳴り続けた戦闘が嘘の様に、静かな夜が地上を包み込む。こうして巨大生物同士の戦いは、誰にも目撃される事なく幕を閉じた。




to be continued


●ティンクルストライク
通常と異なり力を込めたキック。アンファンスの状態でも使用する事が出来、命中の際には小規模の爆発を起こす。早い話がキック版「ジェネレードナックル」。
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