原作死亡キャラに転生したので適能者として戦う!   作:火野ミライ

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EP.9 変態 -メタモルフォーシス-

夜空に流れる流星群の下、無数の羽虫の怪物【インセクトタイプビースト ビーセクタ】が一人の少女を狙い舞う。彼女の名は【小日向未来】、こと座の流星群を見に来た彼女は運悪くビーセクタの狩り場へと入り込んでしまったのだ。

 

中学時代のひと時、陸上競技に身を置いていた身とは言え足元の見えない夜道と未知の恐怖に体力を蝕まれていく。やがてビーストとの鬼ごっこは足元にあった石で未来が転倒した事により終わりを告げた。

 

「ピキキキッ!」

 

「キャーーーァアア!」

 

腰が抜けて立ち上がる事ができない未来目掛けて、一匹のビーセクタが口を大きく開け迫る!

 

「ヘアァッ!」

 

空の彼方から振り下ろされた銀色の拳がビーセクタに突き刺さり明後日の方向へと吹き飛ばした。大地を僅かに振るわせ地面に着地するのは無数のビーセクタを相手取る為、自身の身長を2メートル程に留めたウルトラマン。失神した未来の姿を目視するとすぐさま立ち上がり、目の前に広がる無数のビーストへ構えを取る。

 

「ピキキキッ!」

 

「ッフ!」

 

目の前に現れた天敵へ威嚇をしその場に留まるビーセクタの軍勢。ウルトラマンもまた後ろで眠る少女を守るため、下手に動く事ができない現状。風の音色が煩く感じる程の時が流れる中、しびれを切らした一体のビーセクタの突進が戦闘開始のコングとなった。

 

顔面目掛けて迫るビーセクタへ正拳突きを放ち吹き飛ばすとそのまま走り出し、右手から光の刃【パーティクル・フェザー】を何発も放ち続ける。本来の戦いでは牽制に使われる技ではあるが人よりも小さなビーストであるビーセクタ達にとっては、触れた瞬間に切り裂かれる凶弾だ。

 

ゆえにウルトラマンの攻撃は最善手であり最もしてはいけない悪手でもある。その事はセレナ本人が良く分かっているが背にした命を守るため、ウルトラマンは攻撃の手を緩めない。

 

「ピキキキッ!」

 

「シュッアァァーーッ!」

 

自らビーセクタの群れの中へと入り込んだウルトラマンは四方八方から絶え間なく放たれる攻撃を無視し、左腰で右手と左手の掌と内側同士を向かい合わせにする事で左右の手にエネルギーが迸る。エネルギーの糸を引きちぎるかのように腕を十字に組む事でオレンジ色に煌く光線を放つ。

 

【クロスレイ・シュトローム】の光に飲まれたビーセクタは中枢から分子崩壊されていき、青き光の粒子となって夜空へと消えて行く。薙ぎ払う様に光線を放ち続けるその姿には一匹も逃さないという気迫さえ感じられる中、空が不気味な輝きを帯び始めていた。

 

「___ッ!」

 

その輝きがビーセクタの群れへと降り注ぐ。この異常な様子に何度攻撃されようと光線を撃ち続けていたウルトラマンも光線を中断。すぐさま腕のアームドネクサスをクロスさせ身体を高速で移送する【マッハムーブ】で群れの中から脱出し、不気味な輝きから逃れた。

 

「ピキキキッ!____ギギュラアアァァァーーーッ!」

 

「シュッ!?」

 

一方、輝きにの飲み込まれたビーセクタた一か所に集まり、溶けては混ざりを繰り返し一つの巨大な怪物へと変貌した。その名は【バグバズン】、逆立ちしたゴキブリの様な姿をした40mサイズのインセクトタイプビーストだ。

 

「シュッ!ヘェッァァアアーーーー!」

 

バグバズンを見上げたウルトラマンはジュネッスへと姿を変えると両腕を【コアゲージ】を挟むように合わせた腕を一気に振り下ろす事で光の渦に包まれ巨大化。そのまま頭部目掛けて後ろ回し蹴りを放つ。不意の一撃を受け地面に倒れ込むバグバズンを睨みつけるウルトラマン。その両者の戦いを見つめる赤と黒の影は静かにこの場を立ち去っていった。

 

「ギギュラアアァァァーーーッ!」

 

「ルァァーッ!」

 

立ち上がりざまに振り上げた右腕のかぎ爪が肩部を切り裂く。怯んだところをバグバズンが見逃すはずもなく、何度も左右の腕を振り下ろしの連撃がウルトラマンを襲う。だがウルトラマンは後退しようとする身体を気合で押さえこみ、頭上でクロスさせた両腕で受け止めるとそのまま腹部をケンカキックを放ち距離を取る。

 

バグバズンが数歩下がり体勢を立て直す僅か間に飛び掛かり頭部を抑え込むとエルボーを後頭部に数発叩きこみ投げ飛ばす。本来であればこの後にフェーズシフトウェーブを放ち自身が有利な空間に移動したいところではあるが、背後で目覚めない未来を巻き込んでしまう距離の為に使用できずにいた。

 

それは他の技も同様であり、バグバズンも遠距離攻撃の手段を持っていない為、自然と肉弾戦のみの戦いが展開される。そうして互いに決定打を与えられないまま時間が過ぎていく。

 

「シュッ!?」

 

戦局に変化が訪れたのはウルトラマンが遠くの方から流れて来た強大な技の余波を感じ取った時だった。ほんの僅かに気を取られた瞬間、バグバズンが咆哮を上げると周囲に転がる切り裂かれたビーセクタの肉体を取り込み1対の羽に!

 

「ギギュラアアァァァーーーッ!」

 

そのまま羽を広げ夜空へ舞い上がるバグバズン。ウルトラマンもその後を追い飛び上がろうとしたその時、尾の先にある第二の口から長い舌を振るう。迫りくる影に飛び上がろうと姿勢から咄嗟に顔を庇うように腕をクロスさせたウルトラマン。

 

ビーストは知っていた飛んで逃げようとしたところでウルトラマンは進行方向にゲートを作り出し逃がさない事を。ビーストは学んだウルトラマンは人命を優先する事を。ゆえにビーストは決断したウルトラマンから確実に逃げ切れる方法を。

 

「シュッ!」

 

鞭の様にしなる舌はウルトラマンの横をすり抜け、背後の未来へと延びていく。

 

「ヘァッ!」

 

「ギギュラアアァァァーーーッ!」

 

とっさに振るった右手からパーティクル・フェザーを放つ事で舌を切断。バグバズンはその痛みに悲鳴をあげながらも夜空の雲の中へと消えて行きこの場を去る。

 

その様子を後目に地面に転がり僅かに跳ねているバグバズンの舌を掴み空へ放り投げるとクロスレイ・シュトロームで分子レベルで消し飛ばしたウルトラマン。その後にバグバズンの去った空を見上げ、未来の方へ振り替えると蜃気楼の様に消えるのだった……




to be continued
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