八幡side
はぁ……もう夏休みも終わりか。長かったような短かったような夏休みももう終わりに近づいている。こんなに早く終わるものだっけ?後2ヶ月足りないような。そうだ数え間違いじゃないかもしれない。そう思い数えてみたが、何も間違っていなかった。ちくしょう〜。おかしい…帆波達と色んな事して遊んだ記憶があるのにもう夏休みが終わりだとは。いやはや恐ろしいものだ。でもオレがそんな事している間に両親は仕事をしている。いや、ホント毎日お疲れ様ですわ。かなり連勤続きで母ちゃんと親父の体が心配になってくるな。というよりも働きすぎるだろ。上の方の職に就いているせいか責任を押し付けられたりと苦労が絶えないのかね。オレも働きたく無くなってきたな。いや、でもな〜…将来は働かないと生きていけないしな。帆波だけに働かせる訳にはいかねぇ……って何考えてんだオレは!!なんでオレは帆波と結婚する前提で考えてんだよ!おかしいだろ!?まったく……でも帆波と結婚…か。仕事から帰ってきて、玄関のドアを開けると帆波が出迎えてくる。そして一緒にご飯を食べて、一緒にテレビを見る。なんだこれ?めっちゃくちゃ楽しいそうじゃん!って、そうじゃなくて!何本気で考えてんだよオレは!
八幡「はぁ…何やってんだろうな…オレ」
小町「なにやってんの?お兄ちゃん」
そんな事をしていると小町が上からこちらを見ていた。いや、ホントなにやってんだろうな。
八幡「別に、ちょっと考え事をしていただけだ」
小町「カレンダーを見ながら?」
八幡「あ、うん」
小町「ふーん。あ、そうだお兄ちゃん。お兄ちゃんはどうするの?」
八幡「何がだ?主語を言え」
小町「今度、花火大会があるじゃん?そん時に帆波お姉ちゃんと一緒に行くの?」
八幡「あー」
そういえばそんなのがあったな。花火大会か…そうだな。その花火大会に帆波を誘ってみるか。ほとんど遊びに行く時は帆波から誘われて行ってるからな。偶にはオレから誘ってみるか。そう思いテーブルに置いてあった携帯を手に取り、画面を操作して連絡先から帆波の連絡先を選び、電話をかける。2、3コールした後、帆波の声が聞こえてくる。
帆波『もしもし?どうしたの?八幡』
八幡「もしもし、帆波。今大丈夫か?」
帆波『うん、大丈夫だけど、どうしたの?』
八幡「いや、今度花火大会があるだろ?それ一緒に行かねぇか?」
帆波『まさかあの八幡から誘ってくるなんて、明日大雨でも降るんじゃ…』
八幡「ひでぇなおい。そんな事言うんならもう行かねぇぞ」
帆波『あー、ごめんごめん。冗談だよ冗談。八幡と一緒に花火大会行きたい!』
八幡「オレも冗談だ。オレも帆波と一緒に花火大会行きたいしな」
帆波『もう、そういうことならそう言ってよ』
八幡「初めに言ってきたのは帆波だろ?」
帆波『そうだけど。もう!いじわる!』
八幡「すまんすまん」
帆波『うん許す』
八幡「そうか。じゃ当日は駅集合でいいか?」
帆波『うん、いいよ』
八幡「わかった。じゃ当日」
帆波『うん、またね』
八幡「ああ」
そう言って通話を終了する。
フゥ…なんとか誘えることができた。というかこんなにも緊張するだね。
小町「良かったね」
八幡「ああ」
小町「あ、そうだ。花火大会に行った時お土産もよろしくね」
八幡「あれ?小町は行かねぇのか?」
小町「当たり前じゃん。小町受験生だよ?お祭りに行く余裕があるなら、勉強をしてるよ」
八幡「まさかお前の口からそんな事を聞くとは思わなかったぞ」
まさか小町の口から勉強の事を聞くとは思ってもなかった。
小町「あ、ひっどーい!小町だって勉強するよ!」
八幡「ははっ、すまんすまん。まぁ、勉強を頑張っている小町の為にお土産買ってやるよ」
小町「うん、よろしくね」
そう言って小町はリビングから出ていった。まぁ、小町も勉強を頑張っている事だしそれぐらいしてやらるか。
八幡が帆波を花火大会に誘っている時。ある1人の少女が家の自分の部屋で計画を企んでいた。
もうすぐしたら花火大会がある。そこでヒッキーの家まで行って誘う。連絡先を知らないから直接家まで行かないとダメだけど。でも、それでヒッキーと一緒に花火大会に行く。ヒッキーは行く相手がいないからあたしが誘えば絶対に来てくれるし。そして一緒に屋台を回ったり、色んな事を話したりして過ごす。そして最後に一緒に花火を見て、そしてそこでヒッキーに告白する。ヒッキーもあたしの事好きだと思うから、絶対に成功するし。そしてヒッキーと恋人同士になったら、一之瀬さん達とはもう関わらないようにしてもらう。だっていつも近くにいて鬱陶しいだもん。そうなればもうヒッキーはあたしの物。もう、誰も近づけさせないし、触らせもしない。ヒッキーはあたしだけのものなんだから!待っててねヒッキー。もうすぐで一之瀬さん達の呪縛から解放してあげるね。だからその時まで辛抱してね。
でも結衣は知らない。もう手遅れだということに。
また違うところでは2人の少女が電話で話していた。
かおり『ねぇねぇ千佳』
千佳『何?かおり』
かおり『もうすぐ花火大会だね』
千佳『確かにそうだね』
かおり『その花火大会さ。多分帆波と八幡は2人で行くよね』
千佳『そうじゃない?前だって2人でプール行ってたしね』
かおり『だよね〜。だからさ、私と一緒に花火大会に行かない?』
千佳『うん、いいよ』
かおり『ほんと?ありがとう千佳。あ、そうだ雪乃も誘う?』
千佳『いいね!』
かおり『よし、じゃあ早速誘ってみるよ』
千佳『うん、わかった』
と楽しそうに一緒に花火大会に行く約束をするかおりと千佳であった。
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今日は待ちに待った花火大会当日。
オレは待ち合わせ場所である最寄り駅に来ている。柄にもなく楽しみで待ち合わせ時間よりも前に来ている。
八幡「ちょっと早く来すぎたか」
そう小さく呟きながら周りを見渡す。そこにはまだ帆波の姿は無かった。やっぱり早く来すぎたようだ。帆波が来るまで待つか。そう思い柱にもたれかかりながら携帯をいじる。待っていると少し人が多くなっている気がしたので周りを見ると、浴衣を着た人達がいた。女子同士の友達やカップルなどが駅の方へ入っていく。どうやらあの人達も花火大会に行くのであろう。そんな事を思いながら待っていると声をかけられる。その声の主はよく聞く声だった。
帆波「おまたせ八幡」
そう、オレの彼女である一之瀬帆波だ。
八幡「いや、待ってない…ぞ」
声のした方を振り向くと赤色の浴衣に身を包んだ帆波がいた。それを見たオレは一瞬言葉を失う。
帆波「どう…かな?似合ってる?」
帆波はそう言って浴衣の裾を握りながらその場でくるっと一回転して、浴衣全体を見せてくる。
八幡「お、おう…に、似合ってるぞ。すげぇかわいいぞ」
帆波「うん!ありがとう八幡」
そう言って満面の笑みをオレに向けてくる。それを見たオレはドキッとしてしまい、思わず視線を逸らしてしまう。くっそ、マジでかわいいなおい。
帆波「ふふっ、何照れてるの?」
八幡「うっせ」
帆波「ふふっ。それじゃあ花火大会に行こっか」
八幡「そうだな」
そんな会話しながら電車に乗って花火大会会場がある駅に向かう。電車の中ではマナーを守り喋らず目的地である駅まで向かう。
帆波「きゃっ」
短い悲鳴とともにカツッと下駄が鳴り、肩にふわっと甘い香りが鼻をつく。履き慣れない下駄のせいもあるのだろう。バランスを崩した帆波はオレの方へ倒れ込んできた。自然とそれを受け止める。
八幡「っと」
帆波「あ、ありがとう」
八幡「おう、気にするな。混んでくるしな。それより大丈夫か?」
帆波「うん、大丈夫だよ。八幡が受け止めてくれたから」
良かったケガが無くて。そして降り立った駅前は人で溢れかえり、ざわざわとした喧騒に満ちている。そびえ立つ千葉ポートタワーはその鏡のような壁面で、下界を照らし返し、数倍にも輝きを増した夕日が、開幕を待ち望む人々の期待をさらに盛り上げていくようだ。誰しもが笑いさざめき、きらきらとした喜びの視線を交わす。道々には多くのたこ焼きやお好み焼きと言った定番を始めとした出店が立ち、近所のコンビニやら酒屋やらも軒先に商品を並べ、レストランは花火が見えると触れ込んでは盛んにお客を呼び込んでいる。日本の夏だ。遺伝子レベルで刻まれているのか、ワクワクしている。千葉市民花火大会は今まさに開幕せんとしていた。
駅前から花火大会会場までの道のりは近い。公演全体が駅に隣接しているといってもいい。だが、大勢の人でごった返しているせいで容易には進めない。普段は閑散としており、だだっ広い印象しか受けない広場が、遠目にも人波で埋まっているのがわかった。人いきれの中で、海からの風が心地よく吹き抜けていく。時計を確認すればまだ18時過ぎ。確か開始は19時半とかだったはずだ。
八幡「まだ時間あるな。その間どうする?」
帆波「うーん、そうだな。色んな屋台を回ったりとか、後は小町ちゃんと瑞希の為に何か買ったりとか」
八幡「まぁ、それしか無いか。それにしても人多いな」
帆波「そうだね。でも、それは仕方ないんじゃない?」
八幡「そうだな」
帆波「でもこんなに人が多いと逸れちゃうかもしれないから、はい」
と手をオレの方に差し出してくる。あー、なるほどね。
八幡「お、おう」
少し緊張しながらも帆波の手を握る。帆波の柔らかい手の感触が伝わってくる。
帆波「これで逸れないね」
八幡「そ、そうだな」
その後オレは小町からの買い物リスト確認する。
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小町買い物リスト
焼きそば 400円
わたあめ 500円
ラムネ 300円
たこ焼き 500円
花火を見た思い出プライスレス
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なんだこれは?最後のやつもあれだな……。妹がドヤ顔でこれを打ったと思うと、お兄ちゃんちょっと恥ずかしいわ。そんなオレの表情を見た帆波が気になったのかオレが見ていた携帯の画面を見る。するとあははと苦笑いになる帆波。やめて!こっちがもっと恥ずかしくなっちゃう。まぁ小町も小町なりに気を使ったのだろう。
八幡「まぁ、とりあえず順番に買ってやるか」
帆波「うん、そうだね」
でも、小町の気の抜けるようなメールのせいか、それとも祭りの陽気に当てられたのか、帆波は楽しげに鼻歌交じりで歩く。人の流れは広場へと続いている。いくつもの出店が軒を連ね、そのいずれもが大盛況だった。味はそれなりとわかっているのに、裸電球の灯りに照らされ、いざ目の前に並べられると存外外食をそそられる。さて、まずはわたあめだな。わたあめの屋台は機械をぶんぶんいわせながら、甘い香りを周囲に漂わせてふわふわとした白い糸を絡め取ってはまとめ上げていく。それから袋に詰められ、軒先に吊るされていた。どれもアニメキャラクターやヒーローがプリントされた東映にお金が入ってそうな感じの袋だな。
帆波「あ、これだね。小町の買い物リストの1つの」
八幡「ああ、そうだな。すいませんこれお願いします」
適当に選んで買うか。どれを選んでも中身は同じだしな。そう思いオレは手前にあったピンクの袋をさして、500円払う。小町にあげるんだし、女児向けアニメとかの袋を選んだ。店にある袋はプリキ○アとかアイ○ツとかジュエルペッなんとかなどがプリントされていた。その後もラムネ、たこ焼きと買っていく。
八幡sideout
そんな八幡と帆波が楽しそうに会話をしながら買い物を済ましていく中、1人の少女がいた。
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もう!なんでヒッキーは家にいないんだし!せっかくあたしが誘って上げてるのになんでいないんだし!しかも家にいた小町もなんだか怒っているような感じだったし。なんであんなに怒ってるんだし。あたしが何したって言うんだし!あーもう!なんでこんなに探してるのにヒッキーはいないんだし!早く見つけて一緒に花火大会を回って、花火を見ている時に告白する予定なのに。早くしないと花火が始まってしまう。ホントヒッキーはどこにいるんだし!
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そんなある時、違う場所では……
かおり「やっぱ人多いね」
千佳「だね。雪乃ちゃん大丈夫?」
雪乃「ええ、大丈夫よありがとう」
かおり「もし、無理そうなら言ってね」
雪乃「ええ」
浴衣を着た友達3人は楽しげに店を回っていた。
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八幡side
東京湾にようやく日が落ち、中天を藍の闇が満たす。月は高々と昇り、打ち上がってくる花火を楽しみにしているようだった。屋台の連なっている道から続く、メイン会場となる広場は既に人で溢れかえっている。隙間なく引き詰められたビニールシート、始まる前から杯をかわす人々、遠く子供の泣き声がこだまし、かと思えば近くでは怒号が飛び交っている。さて、オレ1人ならどこぞに腰掛けるのだが、今は違う。帆波が一緒だからそうはいかない。浴衣で地面に直座りというのもいかない。なのでオレは小さいビニールシートを持ってきているのだ。
帆波「ホント混んでるね」
八幡「そうだな。ビニールシート持ってきたから、どっか座れるところ探そうぜ」
帆波「そうだね」
その後色々探し回り、空いているスペースを見つけたのでそこにビニールシートを引き座る。
八幡「空いていて良かったな」
帆波「ホントだね」
そんな会話をしながら空を見上げる。星はそこまで見えないが、何個かキラキラと光っている星と綺麗な月が見えた。そして他愛もない会話しながら花火が始まるのを待つ。
そして今の時刻は19時40分、定刻より10分押しで花火大会の開幕を告げるアナウンスが流れた。ぱちぱちと拍手が起こり、どこかでお調子者の指笛も聞こえてくる。自慢げに指笛を吹くやつの5割は普段おとなしいくせにこういうときだけ何故か騒ぐ奴が多いイメージ。まぁ、そんなことよりも帆波と一緒に花火を見るか。空に、一輪の光り輝く大輪の花が咲いた。その後、続けて何発も花火が上がる。花火の明かりが、暗い丘を照らす。
帆波「わぁ…綺麗」
八幡「ああ、だな」
こういう時は君の方が綺麗とか言う人もいるが、そんな言う勇気はまだ無いぞオレは。そんな時だった。帆波がオレの服の袖を引っ張ってくるくる。そちらを見れば若干顔が赤いようにも見える。いや、これは花火の明かりでそう見えるのかもしれない。すると帆波は顔を俯きながら何回か深呼吸した後、再度顔を上げてオレの見ると。
帆波「ねぇ…八幡………キス……しよ」
八幡「………へ?」
あまりにも急な事でマヌケな声が出てしまう。
八幡「い、いきなりどうした?キスしよだなんて」
帆波「私達さ、付き合って2年以上経っても、そういう事してないでしょ?だから、さ……しない?」
そう言って少し首を傾げる。
八幡「良いのか?」
帆波「私がしたいと思ったから言ったの。……八幡はいや?」
八幡「んわけねえだろ。オレも…その…帆波としたいと、思ってる」
帆波「!?」
やべぇ…緊張し過ぎて鼓動がすごいことになっている。顔も熱くなっていくのが分かる。多分、オレも顔が赤くなっているのだろうか。自分で確かめる術はない。
帆波「じゃあ…しよっか」
そう言って帆波は自分の顔をオレの顔に近づけてくる。オレも鼓動がうるさい中、帆波の顔に自分の顔を近づける。けど何故だろうやけに時間が長いようにも感じる。そして夜空に大きな火花が散る。花火は、夜空を満開の花畑のように彩る。錦冠が、流れ星のように夜空に降り注ぐ。そして大輪の花が咲く夜空の下で、見つめ合ったまま、オレ達の影は、繋がった。
帆波「ん…」
八幡「ん」
帆波の柔らかい唇の感触が伝わる。どれくらい時間が経った分からない中、お互いの唇は離れる。
帆波「にゃはは、しちゃったね」
八幡「ああ…そうだな」
帆波「私初めてだったんだ。八幡は?」
八幡「オレも初めてだったよ」
帆波「ふふっ、そっか。また八幡の初めて貰っちゃった」
だからそういう事言うのはやめてください。他の人が聞いたら誤解されちゃうだろ。
帆波「ねぇ……八幡」
再び呼ばれて帆波の方を視線を向ける。
帆波「もう1回…しよ」
その言葉を聞いたオレは黙ったまま、再び帆波と唇を重ねる。さっきよりも長い時間の口づけを交わす。そしてお互い息が続かなくなったオレ達は唇を離す。
帆波「もう…長いよ…」
八幡「…悪い」
帆波「ううん…嬉しい」
八幡「お、おう…そうか」
帆波「あ、照れてる〜。顔赤い八幡」
八幡「それを言うなら帆波もだろう」
帆波「にゃはは、そうかもね」
八幡「ふっ」
帆波「にゃはは」
その後、オレ達は小さく笑う。そして帆波はオレの肩に頭をのせて、身を寄せてくる。オレはそれを受け入れオレも帆波に身を寄せる。横から甘い香りが匂う。そして身を寄せあった後、手を繋ぎ、花火を見るためお互い空を上げる。
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一方その頃1人の少女は
あーもう!ヒッキーは一体どこにいるのさ!もう花火は始まってるっていうのに見つからない!早くヒッキーを見つけて、告白して恋人にならないといけないのに!あーもう!ホントどこにいるのさ!
その後も探し回るがこの少女と八幡が鉢合わせすることは無かった。
そしてまた一方その頃。3人の少女達は
千佳「綺麗だね」
かおり「そうだね」
雪乃「そうね」
千佳「あの2人も花火見てるのかな?」
雪乃「多分そうじゃないかしら」
かおり「イチャイチャしながら見てるのかな?」
千佳「はぁ…やっぱりかおりはかおりね」
雪乃「ふふっ、そうね」
かおり「あ、2人ともひっどーい」
千佳・雪乃「「ふふっ」」
かおり「もう〜!」
3人は冗談を言い合いながら花火を見ていた。
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現在時刻は午後9時。花火も終わり早めに会場を後にした。同じ考えを持った者が多かったようで駅はそれなりに混雑していた。花火大会の影響か若干の遅れでホームへ電車が入ってきた。乗り込むと、ぎりぎり座れない程度の混みぐあいでオレと帆波は扉の前に立った。でも今は帆波の顔が直視できない。だって彼女と初めてキスをしたんだ。やばい、思い出しただけで恥ずかしい。チラッと帆波を見ると帆波も若干赤いようにも見える。
帆波「ねぇ、八幡」
すると帆波の口が開いた。
八幡「どうした?」
帆波「楽しかったね」
八幡「…ああ、そうだな」
確かに楽しかった。やはり好きな人と行く祭りは格別に楽しく感じるものなのか。それはオレにも分からない。けど、楽しかった。それだけの事実が知ってるだけで良いと思う。
帆波「今日はさ2人だけで来たけど、今度はさかおり、千佳、雪乃ちゃんも誘って、みんなで行こっか」
八幡「そうだな。今度は全員誘ってみるか」
帆波「うん」
今回は帆波と一緒に来たけど、かおり達と一緒に行けばもっと楽しくなるのかもしれない。
その後、最寄り駅につき電車から降り、オレは帆波を家まで送る事にした。帰っている途中で帆波がオレの手を握ってくる。オレはびっくりしたけど、それを振り払わずに受け入れる。そして無言のまま帆波の家まで送った。
そして帆波の家の前に着く。
帆波「送ってくれてありがとう」
八幡「気にするな。こんな夜道を1人で歩かせる訳には行かねぇだろ」
帆波「あれ?随分素直に言うんだね」
八幡「オレはいつだって素直だ」
帆波「そっか」
八幡「ああ」
帆波「…もう夏休みも終わりだね」
帆波がそうつぶやく。
八幡「そうだな」
帆波「この夏休み色々あったね」
八幡「ああ」
帆波「千葉村のボランティア活動、プール、かおり達と一緒に宿題をしたりしたね」
八幡「そうだな」
確かに色々あったな。宿題に関してはかおりが悪戦苦闘していた。それで泣きながら(嘘)オレらに助けを求めて来た。それを見たオレらはやれやれと思いながらかおりの宿題を終わらす手伝いをしたしな。まぁ、なんとか終わらす事ができてかおりも喜んでいたが、千佳の提案で助けたお礼にオレらに何か奢ることになった。かおりも少し渋っていたが、助けられたのは事実なのはかわらなかったので、結局奢ることになった。
帆波「二学期もまた一緒に思い出作ろうね」
八幡「ああ」
帆波「じゃあまた明日ね八幡」
そう言って帆波は顔を近づけ、唇を重ねてくる。再びあの、柔らかい感触が伝わってくる。そしてオレはあまりにも急な出来事だったので反応が遅れた。
八幡「…ほ、帆波!?」
帆波「ふふっ、これはおやすみのキスだよ。…な〜んてね!じゃあまたね八幡。送ってくれてありがとう!」
そう言った帆波はササッと家の中へ入っていった。そしてオレはそれを見送った後、帰路に着いた。
いかがでしたか?ではまたお会いしましょう。