五条悟の次に強いやつって言われたいじゃん   作:五条悟のディスク

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原作呼んでたんだけど、マジでつらい。みんな幸せになってほしい...


あと、定期的にランキングに上がっているようで。これも皆さんのおかげです、今度とも本作をよろしくお願いします。


2021年1月18日
感想欄での指摘や、差し替えたと思って差し替えられてなかった点を修正しました。


幕間-1
踏んだり蹴ったりじゃん


円李の日記

 

 

 

○月○日

起きたら腕亡くなってた、マジで違和感が凄い。

始めに眼があったのが天内だった。「目を覚ましたのじゃ!!」って叫んで走っていったのでマジでびっくりした。

 

無事に蘇生することができたようで安心した。あの様子だったら問題なく生きている状態に戻せたんじゃないか。

 

その後部屋に来た夏油先輩に諸々の説明を聞いた。なんと二か月も寝たまんまで目を覚まさなかったらしい。そして頭を下げられ、「理子ちゃんを救ってくれてありがとう」と、「もし私があの時倒していれば、円李の腕も失わずに済んだかもしれないのに」って。

 

確かに腕を一本失ったのはでかいけれど、未来ある少女を救えたのならそれでいいと思う。

 

腕がない分を補うためにも早く復帰しなくては

 

 

○月○日

自身に反転術式を行使してみたが、腕が治る様子はなかった。

 

俺の反転術式はなくなったものをはやすんじゃなくて、既存のものをもとの状態に戻すという形で結果的に治療になっているのではないかと思った。

 

だからこの場にない腕は戻らないし治せない。試したことはないし試したくもないけど、たぶん四肢が切断された意識のある人がいれば治せるって意味だと思う。

 

 

○月○日

念のためということで次の日も休みだった。明日から徐々に運動量を増やして体を慣らしていく形になるらしい。

 

暇になった時間でいろいろ考えてみた。どうして自分の腕を犠牲にしてまで助けようとしたのかって。考えてはみたもののはっきりとした答えは見つからなかった。思い出すのは自由の利かない身でありながら学校に行きたいと願う姿、そして行方と安否が不明になった唯一の家族を心配する姿だ。

 

たった数時間の付き合いだったとしても、俺にそれを切り捨てる勇気はなかった。多分それだけ。

 

お見舞いに天内が来てくれた。黒井さんも一緒だった。

 

学校にも通えているようで、日常生活に戻れたそうだ。その話を聞いただけで誰かを救えたんだという実感が出てきた。

 

 

○月○日

五条先輩からいろいろ聞いた。

 

俺達が表でやり合っている間にもう一人の星漿体(・・・・・・・・)が無事天元と合体したから天内はお払い箱だと。昨日天内を見た時に抱いた疑問はこれで解決された。もし星漿体が一人なら今頃天内は天元と合体してるはずで学校になんて行けるはずがない。

 

大義のために自身の人生をあきらめ、同化のための覚悟をした天内の意思を何だと思ってるんだ。

 

 

○月○日

あんなにイラついても数日間と時間が立てば感情が薄れてしまう。こればっかりはしょうがない。

 

近接戦を想定した動きをしてみるが、腕一本亡くなるだけでマジでバランスが取れない。たぶんこれ腕一本を慣れるより同じ重さの義手を用意する方が速いぞ。

 

今日は七海と灰原が来てくれた。組み手をしたがやっぱり片手じゃうまくいかない。二人にも謝られたが気にしないでほしいと伝えた。これに関してマジで何も悪くない。むしろ復帰のための特訓に付き合ってくれて感謝してる。

 

いろいろ術式についても特訓しないと。領域展開のための掌印は両手で行うため、このままだと領域展開を覚えたのに使えない。一番多く使う天重維谷や永永無窮など自身の体のみに作用する術式の掌印は片手なので問題ないが、地爆天星や点無に領域展開など対外に作用する術式の掌印が両手なのでこれらが一切使えなくなったということにである。

 

目下の目標は掌印のショートカット、何とかして掌印を使わずに術式を使えるように調整していかないと。

 

あと、反転術式にも慣れていかないといけない。片手で数えられるくらいしか反転術式を使える術師は少ない。他人に行使できるのは現状家入先輩と俺だけだ。生きていればどんな状態でも死なせはしない、ぐらいの自信を持てるようにしたい。

 

 

○月○日

五条先輩がサプライズと言って俺を誘拐した。

 

なんでも本家五条家の蔵に何か使えるものがあるかもしれないとのことらしい。

 

五条先輩は俺の腕については何も触れてこなかった。ただ、最初あったときに短く「ありがとう」って言ったきりだ。

 

あれ以来五条先輩も色々と模索しているらしい。

 

無下限術式の自動制御、赫と蒼の複数同時発動、長距離移動に領域について。領域展開について根掘り葉掘り聞かれたが、ためになるアドバイスができたかわからない。

 

五条家は禪院、五条、加茂の呪術界の御三家の一門。当然倉に納められているものも相当なものだと思ったのだが、どうやら五条先輩ありきの五条家らしく好きなもの持って行っていいよとのこと。

 

いろいろ見てみたが欲しいものは特になかった。そのあとは昼ごはんに回らないお寿司屋さん、夜ご飯に高級感あふれる料亭に招待してもらった。あんなにうまいものを食べたのは始めたかもしれない。そこで義手についても伝手を当たってみると約束してくれた。

 

五条先輩なりの気遣いなのかもしれない。当分回転寿司には行けない舌にされてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

○月○日

実地に慣れるために受けた低級任務の帰り、胡散臭い人形作家に声をかけられた。どこから聞いたのか俺がいい義手を探しているのを知って訪ねてきたとのこと。

 

呪術師として登録はしていないが、呪骸作成に似たような術式を持つフリーランスの呪術師らしい。蒼崎とだけ名乗った女性は先日特級呪具を二つオークションで落札し、そのせいで明日の生活もままならないほどの金欠らしく義手の案件をぜひ任せてほしいと。金はとるが品質は必ず保証するとも言っていた。

 

しかし実績が確認できなければ頼むこともできない。そういうといくつかの写真を見せてくれた。その写真に写る人形はまごうことなく『人』だった。人に劣ることもなければ勝ることもない完璧な人形。久々に本気で驚かされた。家具もないコンクリートのむき出しの壁にただポツンと座るその人形は人にしか見えなかった。

 

この人なら任せても問題ないと勘が告げていたのでぜひお願いすることとした。とりあえず前金としてそこそこの値段を請求されたが、任務で稼ぐだけ稼いであまり使ってなかったため近所の銀行から引き出してそのまま渡した。

 

拍子抜けするほどに簡単な採寸の後解散となった。

 

一週間後には高専にお届けに上がるとのこと。

 

あの人は信頼できそう。

 

 

○月○日

もしかしたら熊から預かってた素材とかが使えるんじゃないかと思って連絡したら、是非使わしてほしいと連絡が来た。そのためもらったものもろもろを今日は蒼崎さんに渡してきた。

 

ものを見せた時目を見開いていたが、やはりすごいものなのだろうか。余った分をあげる代わりに料金を安くしてほしいと半分冗談で言ったら、むしろ買い取らせてほしいという想像していなかった回答が。もし呪詛師に貴重な呪物を渡すことになれば、と一瞬考えはしたものの悪い人じゃない気がするので大丈夫だろう。

 

 

 

 

 

○月○日

義手が出来上がったので見せてもらった。人間の見た目そのままの義手は最初本当に切断した腕を持ってきたのではないかと驚くほどの精度だった。

 

試しに着けてもらったが、これが驚くほどになじむ。接続面が多少じくじくと痛むが自分の思った通りに動く。短い間ではあるが片腕で生活したため、両腕がそろった今再び違和感を感じるけど過去に両腕があった時の感覚とほとんど遜色ない。蒼崎さん曰くこんなにすんなりとはまることはほとんどないと。幼少期に過ごした富士樹海の素材を使ったことにより、体になじみやすく仕上がったのではないかと話していた。

 

さらにはいくつかのギミックも仕込んでいると。

 

物理的な作用を受けない場合が多い呪霊を捉えつかむことのできる手、そして予備武装として使える呪霊特攻を持つナイフが義手の中に仕込まれていると。手でつかめる大きさのもののみを掴める縛りによって一級呪霊程度までなら掴めると説明された。また、義手の中に呪力をため込むことができるため呪力を充填しておくことで足りなくなったときにそこから取り出すこともできると。イメージとしては充電式の電池だ。

 

また純粋な強度も高く攻撃を受けたりしても損傷しないとのこと。今まで通りの使い方をしても全く問題ないそうだ。

 

 

○月○日

五条先輩の新技お披露目会に呼ばれた。どうやら、無下限術式の自動制御を完成させたらしい。実際にデモンストレーションを見せてもらったが危険物の自動判別までもオートで行うようだ。

 

たいして俺はいまだに絶対的な防御を手にしていない。現状五条先輩と俺とを隔てる大きな壁が完成した瞬間である。

 

あと、特級呪術師に任命された。五条先輩と夏油先輩が任命されたのと同時だ。腕にも慣れなきゃいけないし、特級という階級上の最強格にもなったことだしガンガン任務を受けようと思う。義手の支払いに結構金かかったし。

 

あと、査定の段階では腕が一本なくなってることが大きく響いたらしい。が、反転術式を行使できる点や伏黒甚爾を撃退した件もあって特級へと昇格したらしい。

 

 

それとは別だけど、夏油先輩なんか瘦せたかな?

 

 

 

 

 

○月○日

俺、ななみん、灰原ご指名の任務が与えられた。明日から少し遠出をする。なんか灰原がやけにやる気満々だったけどなんかいいことでもあったのだろうか?

 

しかし、二級呪霊の討伐任務を我々一年にご指名するとは何でだろうか。まだまだ調子が万全ではないと考えた上からの気遣いだろうか。なんにせよ、体の状態が変わって間もないからこそ気を付けて臨みたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○月○日

二級呪霊の討伐任務と聞いていたが、騙された。

 

産土神信仰、土地神。呪霊としては特級に相当する呪霊だと思う。歪んだ地域信仰と、土地柄呪霊が集まりやすい状況が今回の呪霊を生んだと。土地と信仰と強く結びついた呪霊だった。

 

一応こちら側に死者は出なかった。

 

俺の反転術式によって戦う前の状態まで巻き戻した。しかし、灰原の右腕は消し飛ばされてしまったため、巻き戻すためのもともとの腕がなく戻してやることができなかった。これで事実上の引退だろう。

 

七海はどこも欠損していなかったので、五体満足の状態まで巻き戻せた。しかし、まだ目を覚まさない。

 

家入先輩曰く、反転術式はうまく作用してるし意識がないのも一過性のものでしばらくすれば目を覚ますだろうと。

 

依頼元が情報を誤ったのか、それとも故意に偽の情報を与えたのか。

 

なんだかとても疲れた。

 

 

 

 

 

 

○月○日

夏油先輩が村人殺して呪詛師になったらしい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この場にいれば何か起きる、という漠然とした直感により俺は今カフェの屋外席に座っていた。こんな時はコーヒーでも飲んでいれば様になるのか、なんてわけのわからないことを考えながらクリームを多く追加してもらった抹茶ラテをちびちびと傾ける。いまだにコーヒーは飲めない。

 

「やあ、円李」

 

視線をあげればそこにはいつもと変わらない笑顔を浮かべる夏油先輩が立っていた。

 

「何しに来たんすか」

 

「君と話がしたくてね」

 

許可も足らず対面の椅子を引き席に着く。

 

「すいません、コーヒーのホットを」

 

店員ににこやかに注文する姿は俺の知る夏油先輩そのままで、呪詛師になったなんてますます信じられなくなった。

 

「単刀直入にいこう。円李、私とともに来ないか?」

 

一緒に?それは呪詛師として夏油先輩についていくってことだよな。疑問符を浮かべる俺に笑いながら言葉をつづける。

 

「いや、説明が先かな」

 

運ばれてきたコーヒーで口を湿らせる。

 

「たぶん硝子からある程度は聞いてるだろう?術師だけの世界を作ろうと思う。いや、少し違うかな。下等な猿を間引く。呪術師と非呪術師のバランスを適切にするっていうほうが正しいかな。呪霊は非術師から生まれる、極端な話全員が呪術師なら呪霊は生まれないってことさ。醜い思考から生まれる呪霊を間引くことにもつながる」

 

「それで?」

 

「私たちが命を懸けて必死に行っているのは対症療法に過ぎない。私が目指すのは原因療法、呪霊が発生する根源にメスを入れる」

 

「なぜそれで俺があなたに付いていくと思ったんですか?」

 

「それもそうだ.......円李、君はテレビのニュースで人が死んでしまったと聞いた時どう思う?」

 

「どうって言われても」

 

「心を痛めるかもしれないがあくまでも他人だ、しばらくすれば忘れる程度の痛みだ。だが灰原や七海はどうだ。呪霊による被害で死ぬのは君の知らない人間より君の身近にいる人間の方が多い。呪術師は知っての通り少ない、いずれ呪霊に対応できなくなる未来が見えると思わないか?」

 

 

 

「私たちは世界を呪霊から守るための部品だ、消耗品といってもいい。非術師は守られる、しかしその先に私たちが見る未来はなんだ、先はなんだ?呪術師が人を守って死ぬのは果たして正しいのか?」

 

 

 

「君は自分とかかわりを持った人に対して執着と言ってもいい感情を抱いているだろう?この先消えていくのは間違いなく君の近くにいるものだ。先日の産土神の件もそうだ、いつまでも自分たちが呪霊に勝ち続けられる保証はない。現に七海は昏睡状態で灰原はもう呪術師としてやっていくことはできない。幸運なことに死者はいないがこんな状況があってもまだ誰も死なないなんて言えるのか?」

 

 

 

「君の蘇生術式なら死んだ人をも生き返らせることができるかもしれない、しかしそれこそ対症療法だ。君がもし動けなくなったら、死んでしまったら。君の大切な人の保証はどうなる?」

 

 

 

夏油先輩の言葉はある意味正しいのだろう。しかし俺はどうしてもその考えを受け入れることができなかった。

 

「...そうか、じゃあ最後にだ」

 

コーヒーを一息に飲み干すと財布を取り出す。

 

「先日の特級相当の呪霊の討伐任務について一つ話しておこう。富士樹海で突如確認された正体不明、悟を瀕死までに追い込んだ伏黒甚爾を単独撃退した呪術師。そして条件付きとはいえ死者すらも蘇生させる反転術式の使い手。そう、君だ円李。上層部は君を恐ろしく思ったらしい」

 

「何が言いたいんですか」

 

「七海と灰原もろとも君を消すための虚偽情報だったってことさ。上層部に通ずる人間に吐かせた」

 

まぁもっともその術師も今はいないけれどね、と言いながら一万円札を俺の前に置く。

 

 

「私はね、円李。無垢なすべての命に救いを与える。それは呪術師だって例外じゃない。いずれ腐った上層部にも手を入れる。さて、これで私が君に話したいことは以上だ」

 

 

 

 

 

「この手を取れ、円李」

 

 

 

 

 

 

 

「君と私なら世界を変えられる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




申し訳ない、あと一話だけ続きます。



というわけで。本作では天内の蘇生に先立ってもう一人星漿体がいることが同化後に公開されています。また、さらっと流しましたが一年s大ダメージです。

準一級のオリ主がいたのに大ダメージを食らったのは呪霊が原作より強かったという解釈でお願いします。たぶん地域振興によって生まれた呪霊って相当強いと思いました(神道とかいろいろ調べた結果)。


夏油先輩はたぶんどうあっても離反すると思いました。根底にあるのは呪術界を変えたいという意志で、遅かれ早かれ彼はいわゆる原因療法に必ず手を出すと思ったからです。

一応離反しないエンドも考えたんですがなんか自分が納得できなかったので没です。



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あなたなら夏油先輩の手を

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  • 取らずこの場で、---ろす
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