五条悟の次に強いやつって言われたいじゃん   作:五条悟のディスク

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幕間について感想で様々な考察やご感想をいただきました。ここは私も難産でいろいろこねくり回しながら書いたところでとんでもなく助かりました。

ちょこちょこ加筆を加えましたのでよろしければ前話を見てから本話を読んでいただければと思います。



再び日記でキンクリ


結構な時間を飛ばします。そろそろ次に進みたいと思いましたので。


では








なにか始まりそうじゃん

〇月〇日

何の罪もない人を殺してまで作る世界に意味はないと思って手を払った。が本当にその選択でよかったのかはわからない。

 

俺は誰も死なせたくない。だけど夏油先輩の手を取ることもできない。

 

一体俺は何のために呪術師になったんだっけ。

 

始まりはただ物語の主人公みたいに、強くなって、誰かを助けられるようになりたかったんだっけか?

 

結局どっちにもなり切れない。

 

今思えばただ誰にも死んでほしくないだけだ。きっと根底に前世の自分が居続ける限り、俺はきっと本当の意味で呪術師のように狂えない。俺の中の価値基準は前世のなんもない平和な世界で形成されたまんま、呪術師としての新たな測りを見出すことができていない。

 

人が死ぬことを許容できず、傷つく姿を直視できない。

 

見たくないそれを実現させないために俺がやらなければならないこと、それは至極単純だ。

 

強くなるしかない。

 

甘えるな。たとえこの世界が物語の中だろうが俺が生き、人が生きている現実だ。

 

能力でどんなに優れていようと上には上がいることはもう散々知っている。

 

強くなれ。じゃなければ救える命も救えない。

 

ひとまず目下の目標は定まった。やはり俺は何かに向かって進むのが性に合っている。なんも考えないで済むから。

 

 

〇月〇日

灰原のお見舞いに行ってきた。利き手を失ったということで呪術師としては正式に引退するらしい。代わりに監督補佐になるとのこと。

 

義手を用意してあげれば何か変わるかと思って蒼崎さんに連絡を取ろうかと思ったが、繋がらなかった。

 

何とかしてあげたかったが、灰原本人からもういいといわれてしまえば俺がすることはもうない。

 

 

〇月〇日

七海にまず感謝された。助けてくれてありがとうって。なんか涙出ちゃった。

 

体に異常はないそうなので整い次第リハビリから入って復帰するとのこと。失ったものは小さくはないが、ひと段落したような感じがして肩の荷が下りた。

 

早かったら一週間以内には復帰できると担当医の方が言ってた。

 

退院したら高くてうまいレストランに連れていくと約束して別れた。

 

 

 

 

 

〇月〇日

今日は都会の夜景が見えるお高い焼肉屋に来た。

 

今日は俺のおごりだ、好きなだけ食べていいよって言ったら灰原なんて本当に容赦なくてびっくりした。言ってみたいセリフ上位を言えたことで少し感動しているすきにやられた。七海に関しては病み上がりだから多少は、と思っていたが前に一緒にご飯行った時以上によく食べる。

 

財布いつもよりパンパンにしてきてよかった。こんなかっこつけて払えないのは本当にダサいからね。

 

七海も体を慣らしながら順々に任務を受ける予定だと。灰原はもう監督補佐としての研修を始めたらしい。

 

各々がやること目指して頑張ろうって感じの決起集会になったんじゃないだろうか。

 

 

〇月〇日

五条先輩に絡まれている子がいた。面倒くさそうなので避けようと思ったら捕まった。

 

絡まれている子は伊地知というらしい。なんだか苦労人っていう概念が服着て歩いてる感じの子だった。さっそく五条先輩にパシられてたし。

 

何かと苦労しそう、強く生きて欲しい。

 

そういえば五条先輩の一人称が『僕』になってた。あんなに口調変えろって言われても変えなかったのにどうしたんだろうか。

 

夏油先輩が離反したことがきっかけで心境に変化があったのか、ただ俺にはそれが何なのかはわからない。たぶん理解することもかなわないだろう。

 

 

〇月〇日

五条先輩に稽古をつけてやるって言われたのでお世話になった。

 

技術面の技として『黒閃』を教えてもらった。一年時に教わらないのは純粋に必要とされるレベルが高いため、通常任務をこなすのに慣れてきたレベルとわかる二年の後半から三年にかけて教えるらしい。

 

黒閃とは、自身が放つ打撃に呪力を乗せることで威力を増幅させるというもの。呪力の上乗せを打撃との誤差を0.000001秒に抑えることで空間が歪み、爆発的な威力を持つ。その威力は通常の呪力強化による打撃の実に2.5乗という近接戦闘では抑えておきたい技術の一つだ。

 

この黒閃というのが戦闘面で大きな力となるそう。

 

しかし実際にやってみるとかなり難しい。初心者は呪力を流すことで全身に呪力を巡らせていることが多いため、打撃との呪力の上乗せに時間差がどうしても生まれてしまうというミスに陥りやすい。その点、俺はほぼ無意識に呪力を全身から漏らしていたため初心者的な悩みを抱えることはなかった。

 

だが、誤差を時間内に収めるのが本当に難しい。これから戦うことになるかもしれない圧倒的な相手に対しての技として必ず修めておきたい。

 

 

〇月〇日

五条先輩は最高で二回連続の黒閃を発動させた経験があるそうだ。

 

そんな五条先輩からアドバイス、曰く『時間操作の術式をうまく使えばいいんじゃない?』と。

 

確かにそれは盲点だった。呪力を時間内に調整するのではなく、呪力速度に合わせるように肉体を調整すればいいんだ。体外を纏う呪力の流れと体内の呪力の流れ。インパクトの直前で体内の時間を時間操作の応用で停止、呪力が乗った瞬間に再生。理論の中では100%黒閃を発動できるようになる。

 

領域展開とは異なり、黒閃の正体は呪力によって生まれる歪によるもの。つまり消費呪力量は莫大ではない。もし俺の攻撃がすべて黒閃になったなら。

 

今度こそ五条先輩以外に負けない呪術師になれるだろうか。

 

 

 

〇月〇日

狙って黒閃を出せるようになれた。五条先輩に勝負を挑んでみたものの、やはりまだ全然勝てない。領域展延による無下限術式の中和をもって、攻撃は通るはずなのにやはり技術面でまだまだ勝ることができない。

 

まじでバケモンだあの人。

 

展延を発動しているときは生得術式を使うことができない。うまい具合に無下限術式をオンオフするもんだから黒閃も本体に届かない。

 

試しに任務で呪霊に黒閃を使ったら木っ端みじんにはじけて死んだ。俺も大概バケモンかもしれない。

 

 

〇月〇日

そういえば俺の生得術式の名前を決めていないことをいまさらながら思い出した。

 

術としての技名みたいなものは決めていた。術式の名前が決まっていれば呼び出すときのイメージがよりまとまるので悪くはないが、術式開示による威力の底上げとしてはそこまで恩恵を受けることができない。

 

自身の術式のすべてを象徴する生得術式の開示による底上げがやはり一番効果があるそうだ。

 

適当にはいった喫茶店のカウンター席でうんうんと考えていた。

 

閃いた、なんかピキーンて来た。

 

『----繰術』

 

これで行こう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〇月〇日

暫く日記書いてなかった。夜蛾先生が見かねて強制的に休みを取らされた。

 

ここ最近は高校と同じように一般的な授業を受け、時間があればすぐに任務に出て呪霊を祓って祓って祓って祓って祓いまくっていた。

 

もしすべての呪霊を消し去ったら夏油先輩が帰ってくるんじゃないかと空想してしまう。呪霊がいなくなれば、夏油先輩の企みも潰える。

 

聞いた話がある。

 

常人が抱えられる殺人はたった一度だけ。それは自身の命を絶つとき。二人以上の大義のない殺人はただの殺戮だ。当然すでに100人以上を殺めている夏油先輩は常人と定義することはできない。夏油先輩が帰ってきたところで昔のように接することはできないかもしれないが、これ以上誰かを傷つけることをしてほしくない。

 

ただの人間であった時の価値観が、これ以上知人が殺戮行為に及ぶことを許容できない。

 

だからこれは俺のわがままなんだろうと思う。

 

でも考えたところで答えが見えないから俺は祓い続ける。

 

いつもは最低限の睡眠で行動をしていたが、なんだか凄い疲れた。

 

とても眠い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〇月〇日

高専を卒業した。

 

たった三人の卒業式だったが、五条先輩が遊びに来てくれた。今何をやってるのかと興味本位で聞いてみたところ、五条先輩はいろいろ企んでいることがあるそうで呪術高専の教師になるらしい。

 

俺はいったん呪術界から離れて旅でもしようかと思う。

 

夏油先輩と最後にあった日から、時間を見つけては報告に上がった呪霊を祓い続けてきた。術式が体になじんだとでもいうべきだろうか、低級とはいえ戦いを重ねるごとに実力が上がっているのを実感した。

 

なんか前世で見た作品にそんなんあった気がするわ。いろんなパターンのやつ倒して強くなる的な。

 

 

でも、ちょっと疲れた。

 

暫くゆっくりしたいと答えた俺に五条先輩は何も言わなかった。

 

灰原は監督補助として、七海もいったん呪術界から離れてサラリーマンを目指すと聞いた。

 

またご飯を食べに行こうと話して別れた。なんかしんみりとした空気で当分会うことはないみたいな感じになったが、意外とすぐに会いそうな気もする。

 

 

ひとまず太平洋沿いに南に向かってみようかなと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

〇月〇日

やはり海沿いと言えば海鮮だろう。

 

うまいものを食べると幸福指数が上がるとかなんとか。朝市の海鮮丼を食べたが、本当においしいものって口角が自然と上がるものなんだな。みんなといった焼肉もおいしかったが、一人になるとよりそれを実感できる。

 

今後の予定としては、日本を大きく周回して最終的には富士樹海で呪霊を祓いながらゆっくりしようかなと。

 

もともと海鮮は好きなので、海沿いを巡りながら海鮮を堪能しつつ行こうかなと思う。

 

 

 

 

 

〇月〇日

京都校に立ち寄ってみた。

 

やっぱり過去の情景が濃く残っている京都にある呪術高専校舎は東京校のものよりも規模が大きくなんとなく荘厳な感じがした。

 

とくにアポとかなかったし、外見を観光しただけで退散した。

 

京都に来たら和菓子を食べまくると決めていたので、明日早速行ってみようと思う。

 

 

〇月〇日

禪院家にお呼ばれした。なんでも京都に来ていることを聞いたので、話がしてみたいということで呼び出された。

 

別に断ることもできたが、五条家にならぶ御三家が気になったので行ってみることにした。

 

まず通されたのは大広間。いきなり当主が居座る大空間に案内されれば誰だってびっくりする。

 

禪院家現当主、禪院直毘人。

 

一目でわかる、実力者だ。小さな台座に体を預け、畳に坐した状態でおそらく酒が入っているであろう瓢箪を傾ける姿はダメ人間。しかし、御三家の一当主としてふさわしい力を持っているのは見て取れた。

 

何が目的で呼んだのかと聞いてみれば、非呪術師の家系から生まれたとは思えない俺の術式が欲しいのだと。急に言われたので思わず聞き返した。

 

直毘人と呼べと言われたので一応日記では直毘人さんと書いておく。直毘人さんの娘さんは禪院家の相伝の術式を引き継ぐことができなかった落ちこぼれなのだと。しかし、俺の術式を受け取る器程度にはなるだろうと。

 

簡単な話、その娘さんに婿入りする形で禪院家に来いということだ。

 

もちろんお断りしておいたが。しかし、呪術界の現状というかなんか嫌な部分を見てしまったような気持ちになり、いい気分ではなかった。

 

一人が嫌なら二人でもいいぞとか抜かしたので無視して部屋を出てやった。お茶うけに置いてあったお菓子は全部持って帰ってやったがな。

 

去り際に胸糞悪い話を聞かされた。

 

やっぱり呪術界上層部をいつか何とかしないとなとは思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〇月〇日

西日本を一周してきて昨日、富士樹海に到着した。

 

樹海の中を適当に歩いていたら熊にあった。熊も変わった様子がなく、そして特に深く何も聞かずに俺を迎え入れてくれた。

 

俺がぶち明けたクレーターは、半分くらいが埋まっており元の形を取り戻しつつあった。自然の元の形になるように再生しているらしく、元々は破壊によって開けられたクレーターだったが、今はただの湖にしか見えない。

 

熊もだんだん面倒になってきたようで、もうこのまま湖にしちゃおうかなとか言ってた。

 

もう一日くらいはこのほとりでゆっくりしようと思う。

 

 

〇月〇日

呪具についていろいろ教えてもらった。昔ここから高専に進んだときに渡された呪具『鹿羅』についてだ。

 

黒髪と戦ってた時に、特に後半のほうは無意識だったこともあってはっきりと覚えてないが鹿羅の力を使った気がする。追い込まれた局面を打破した呪具でもあるからその力を何とか使いたいと思ったのだが、ずっと使えずだったのだ。

 

今日熊から説明を受けて初めて効果を知った。

 

切っ先で展開している術式を強制的に一定時間吹き飛ばす(・・・・・)術式を込めた呪具らしいのだ。

 

それを知ってもなおまだ俺は鹿羅を使いこなすことができず、やたらと切れ味のいい刃止まりだった。

 

熊にさらに話を聞くと、内包した呪力で術式自体を吹き飛ばすことで対象の術式を無力化しているとのこと。今の鹿羅は燃料がすっからかんになった車と同義らしい。

 

しかも、ただ呪力を込めておけばいいというわけではなく、神気に触れる必要があるらしい。ちょうど樹海にいるし、次外に出る時までに呪力が貯まればいいな程度に思っておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〇月〇日

だいぶ心の洗浄ができた。

 

そろそろ任務を受けるペースを戻してみようかと思う。最近は樹海に湧く呪霊を祓ったり、自殺をしようとする人をなだめたり、森林区画の整理や遭難して迷い込んだ人を案内したり。特に規則に縛られることなく適当に過ごしていた。

 

樹海の周辺には、樹海を監視する目的で高専が敷設した施設がある。そこに仲介してもらって任務を受けようかなと思う。

 

頑張ろう

 

 

 

〇月〇日

油断はしない。

 

今日は二級と一級の呪霊の討伐がそれぞれ舞い込んだ。

 

灰原たちの例もあるし、油断をせずに向かった。まあ瞬殺だったが。

 

熊へのお土産にフルーツタルトを買っていった。えらい喜んでたのでまた今度買って帰ってやろうと思った。

 

 

 

〇月〇日

成人になった。

 

成人式には当然呼ばれなかった。というかそもそも呼べないと思うが。

 

代わりに熊が祝ってくれた。木の実や魚のフルコースをふるまってくれた。以前残していったサバイバルキットと調味料を使って料理されたそれはなんだかとんでもなくおいしく感じた。

 

 

 

 

〇月〇日

仕事帰り、ちょうど七海とばったり会った。

 

その場のノリでご飯を食べに行くことになった。

 

七海は完全に呪術師を辞め、先日大手証券会社に就職することができたそうだ。今日はもろもろの契約と案内だけだったと。お祝いもかねて少しお高いところを提案したが、却下された。

 

向かった先は高専の時に通っていたラーメン屋。七海がここがいいんですとかたくなに譲らなかった。

 

なんだかあっという間に時間がたってしまった気がする。

 

短い時間だったがとても楽しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〇月〇日

なんか起きそうな気がして樹海の観測所に足を運んでみれば、そこには目を隠すように包帯を巻きお茶を飲みながらくつろぐ五条先輩がいた。

 

曰く、面白い子が来たから副担任手伝ってくんない?とのこと。

 

聞いてみれば特級に分類される呪霊に愛された(憑りつかれた)男の子だと。

 

自身と向き合う時間も十分に取れた、そろそろ本格的に戻ってもいいかもしれない。

 

これ書いた後に荷造りをしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




久々に空の境界を読んだことでだいぶ影響を受けてしまった。


次回から0巻


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