五条悟の次に強いやつって言われたいじゃん   作:五条悟のディスク

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ミゲルだいたい一年ぐらい遅滞戦闘頑張ってたわ


出オチじゃん

 

とんでもない外れくじだ。

 

ミゲルは一つ一つが致命傷になりうる拳と脚を捌きながら舌を打つ。

 

夏油から聞かされていたが実際に対峙することで、目の前の男のやばさを感じることができる。

 

地球上に存在する限り生物や無機物問わずすべての存在を捉える重力を局所的とはいえ操る特級呪術師。節円李の本質は重力操作による攻撃ではなく、重力を操ることによる時間操作。タイミングを任意で操作することを可能とするその技術により、すべての攻撃が呪術師として一つの到達点である黒閃となりミゲルに襲い掛かる。

 

殺気を感じてから動くのでは遅すぎる、攻撃が通るすべての手に対応しなければ終わってしまう。すべてに意識を向けることによって自身の集中力が信じられない速さで削られていく。

 

(クソ、コノママジャジリ貧ダ!!)

 

余り余裕のない黒縄を振るい、先ほどのお返しとばかりに力のまま円李を吹き飛ばす。

 

(コレデ時間ハデキタ、考エロ!オレノ目的ハ勝ツコトジャナイ、アクマデモコイツヲコノ場ニトドメテオクコト!)

 

ずり落ちたサングラスを直して帽子をかぶりなおす。

 

攻撃の雨が止んだ瞬間を狙って、夏油が放った呪霊が数十匹と円李に襲い掛かる。円李が吹き飛ばされた先を呪霊の波が覆いつくすが、水風船のように弾け飛んで行ってしまった。

 

倒壊した建物の残骸の中でもひときわ大きなコンクリートの塊を蹴り飛ばしてその影は現れる。

 

「おいおいおい、貴重なその縄使っちゃったなおい」

 

何でもないような風体で円李は歩む。

 

「ウオ!?」

 

悪寒を感じ取りミゲルは大きく横に跳ぶ。元居た場所には大小さまざまな瓦礫が矢のように降り注いだ。もし少しでも遅れていれば下敷きにされて動けなくされていただろう。

 

余りにも派手に登場する円李に意識を向けられていた。

 

上を見ればいくつもの瓦礫が宙に浮いており、鋭いほうではなく()になっているほうをこちらに向けて狙いを定めていた。

 

「優シイナ、ドウヤラ本当ニ死ヌコトハナサソウダ」

 

「死ぬほど痛い目見てもらうがな」

 

「マッタク、勘弁シテクレ」

 

一瞬の静寂。

 

瓦礫が動くのと同時にミゲルは全身の強化に回していた呪力を脚に集め駆ける。

 

(ソウダ、アクマデモ時間カセギ。致命傷ニナリニクイ攻撃ヲシテクレルナラ上々、コノママ適当ニ避ケテヤル)

 

その時に気が付く。

 

(マテ、アイツハドコダ!?)

 

気づいたと同時に襲い掛かる腹部への衝撃。呪力が奔っているが、服に編み込んだ黒縄によって致命傷レベルの攻撃は致命傷にはならなかった。

 

連撃、黒縄と脚に回していた呪力を全身に巡らせて円李に対応する。

 

しかし無限にも思えるほど繰り出される攻撃を捌くことによってミゲルにはある気付きがあった。

 

(ソンナコトイッテモナァ...)

 

「いい加減にしてくれよ、俺は可愛い後輩のためにもさっさと高専にもどらなきゃならないんだから」

 

瞬間

 

また円李の姿が消失する。円李は命までは狙ってこないらしい。死ぬほど痛いことはあっても。

 

であれば円李は戦意の喪失か継戦不能を目標として動くはずだ。ミゲルに戦闘を放棄する意思は少しもないことは交わした拳によって察しているはず。よって消去法で

 

「クッ!!」

 

考える前に体が動く。円李が狙うのはミゲルの背後。

 

頭を下げ、振りかぶられた拳を躱して背後に向かって足を掃う。気絶を狙った当身、そうくるだろうと見当をつけていたため辛うじて動くことができた。

 

大きく飛び上がることでそれを回避した円李はお返しとばかりに踵を振り下ろす。降りかかる攻撃を両手で受けながら先ほどから感じていた違和感にミゲルは確信する。

 

(ヤハリソウダ、間違イナクコイツモ疲労ガキテル!コノ攻撃ダッテ術式ノトモナッテイナイタダノカカト落トシ!コレハ...)

 

黒縄を振るって改めて距離をとる。

 

時間操作によってすべての攻撃を黒閃へと転ずることができるというのに、今の円李の戦い方は鋭い攻撃に間に虚を突くように黒閃を混ぜてきている。

 

理由はどうあれすべての攻撃が黒閃でないのであれば黒網の消費量も抑えられてより時間を稼ぐことができるだろう。

 

行ける、何とかなるかもしれない。

 

若干の期待による高揚感がミゲルの心に湧く。

 

(イケル、イケルゾ!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

くっそ疲れた、なんだこの外国人呪術師は。

 

殺せないなら行動不能にしてしまえ。ミゲルとかいう男の背後をとった俺はとっておきでこの戦いを終結させた。

 

今だ煙が揺蕩う義手の人差し指。青崎さん謹製のこの義手に仕込まれた隠しギミックの一つ。銃だ。

 

ある程度の実力を持った呪術師には銃弾なんて効果がないだろう。所詮ただの物理ダメージである銃は呪力による身体強化で容易に耐えることができる。大きく吹き飛ばされても五体満足でいられるような身体強化によれば容易い。

 

元気があればだが。

 

身体強化も施せないほど疲れている相手、もしくは圧倒的に油断しているような相手に有効な攻撃手段。それが銃であると。

 

さらにこの銃は術式や呪力に全く依存しない、火薬で玉が飛んでいく由緒正しい銃である。呪力による感知にも引っかからないためなおのこと状況によってはハマる事だろう。

 

弾丸はミゲルの右太ももを貫き動きを止める。そのすきを狙って腕を捻って地面に伏せさせる。

 

言葉にすればあっけない終わりかもしれないが勝ちは勝ちだ。夏油先輩からの言葉から五条先輩並みに俺のことを警戒するはず。まさかこんなしょうもない手を打つとは思ってなかろう。

 

ミゲルを下に敷いて息を吐く。戦闘の余波で壊れ飲み物をばら撒く自販機からオレンジジュースと書いてある缶を引き寄せる。

 

カシュッという聞きなれた音が心地よく感じる。

 

久しぶりにとんでもなく疲れた、また大きく息をついてオレンジジュースを呷る。

 

「おい、何が目的だ」

 

空いた手で頭を小突きながらミゲルに問いかける。

 

「ヘ、夏油ガ言ッタトオリダヨ」

 

「いや違うだろ、だってこの場に夏油先輩いないじゃん。ねらいは乙骨君、だろ?」

 

「シランナ」

 

「ああそう」

 

携帯電話を取り出して時間を見る。自身が想定していたよりも時間を稼がれてしまったらしい。五条先輩からの連絡もないから、まだ状況は継続していると考えていいだろうか。

 

「さて、どうしようかな」

 

さっさと動くべきではあるがこの男、相当の術師だ。手を離した瞬間に逃げおおせるだろう。流石にこのレベルの男を無視できるほど楽観視はしていない。

 

信用のある誰かに引き渡してしまいたいがどうしたものか。

 

そう考えていた時、視界の端に火の粉が舞った。

 

「やぁ円李、かなりボロボロじゃないか!!」

 

俺ほどではないものの、全身に煤や汚れが見える灰原がそこにいた。

 

「おつかれ灰原。状況はどうなってる?」

 

「そうだね...戦局を読めるほどの人間ではないけどいわゆる撤退戦っていうやつに移行したように見えるかな!!」

 

「なるほどね」

 

その時、ひときわ大きな鳴き声と共に倒壊音が響く。まるで気を引くかのような行動にも見えるそれをみて、灰原の感じる撤退戦の雰囲気を実感する。

 

「結構な数がいたと思うけど、他の術師は大丈夫だった?」

 

「大丈夫じゃないね!かなり損耗させられた、硝子さんもかなり忙しそうだったよ!!」

 

一種の戦争であり、夏油先輩の目的が達成されるまでほぼ無限に呪霊が襲い掛かってくる様に最後まで戦う気力を奮い立たせて立ち向かい続けるのは難しいだろう。

 

「俺も向ったほうがいい?」

 

「どうだろうね、さっきも言ったけどもう撤退戦って感じだし。どちらかというと呪詛師を守る形で動いている感じだからね、ここからの猛攻はないんじゃないかな!!」

 

「おっけ...おいお前のところ、クソめんどいことしてくれたな。どうしてくれんだオイ」

 

呑み切ってからになった空き缶で文字通り尻に敷いたミゲルの頭をコツコツと叩く。

 

「俺ハ夏油ノ指示ドオリニ動イタダケ、シランナ」

 

もしかしたらこいつ、いいやつなのではなかあろうか。交わした言葉から純粋な悪意を感じないし、どちらかというと利害の一致だったり雇い雇われみたいな関係性を感じる。

 

どうするかはいったん五条先輩に判断を仰いだほうがいいだろうな。触れただけで術式を雲散させる呪具の作成に関するノウハウだったり関係者であるミゲルの扱いについて、上層部が入ってくればまた面倒なことになりかねない。

 

どうにか信頼できる(・・・・・)術師だけでとりあえず収容しておきたい。

 

「灰原、俺は念のためもっかい戻る。信頼できそうな術師と補助監督を、そうだな。それぞれ二人ずつ連れてきてくれ」

 

「わかった!じゃあ少しだけ待っててくれ、すぐ戻るよ円李!!」

 

灰原を取り囲むように炎が生じ、先ほどと同じように火の粉を残して姿を消した。

 

さて、あとは高専がどうなったかだな。

 

憂太の潜在能力は五条先輩に匹敵するようなレベルにあるんじゃないかと思っている。少なくとも技術の経験がない人間がたった数ヶ月で真希と打ち合えるほどの剣技に至れることはない。

 

起爆剤

 

取った手としては最悪だったかもしれない。夏油先輩にはかなわないとわかっていた。同期が傷つく姿をきっかけに呪力の本質に触れ、制御できるのではないかと思った。

 

「里香ちゃんに殺されても文句は言えないな」

 

俺に備わる第六感のような勘では最悪のケースには至ってないように感じ取っている。

 

携帯電話を見れば五条先輩から簡潔にメッセージが届いていた。

 

内容は『高専に合流した、問題なし』

 

とても短い量ではあるが、五条先輩がいるなら一人でもなんとかなるだろう。

 

 

 

なんせあの人は最強なのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




呪術廻戦0上映おめでとうございます。

乙骨シンジ君とか言われてたけど、意外とそんなことないなと思いました。戦闘シーンがいい感じにマシマシにされていてめちゃよかったです。

そろそろ空き始める頃でしょう...



さて、大変お久しぶりです。書きたいことをつらつらと書いていた本作品、辻褄合わせが難しくなってしまいモチベの低下もあり離れていました。が、ありがたいことに感想をいただきまして投稿のほうさせていただきました。

とりあえず0巻何とかまとめて、本編も頑張りたいなと思います。



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あと明けましておめでとうございます、本年もよろしくお願いいたします。
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