五条悟の次に強いやつって言われたいじゃん   作:五条悟のディスク

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懐玉編
顔合わせじゃん


春、それは出会いの季節。

 

新しい学年での出会い、新しい学校での出会い、新しい環境での発見。

 

単純な人と人との関係性だけではなく、生活的要因での新しい発見もある。まさに始まりの季節にふさわしい時期である。

 

 

と同時に呪術師の界隈ではいわゆる繫忙期と呼ばれる時期にも相当する。

 

対人関係の変化、生活環境の変化は人間の無意識に相当のストレスがかかる。自覚し症状として発症する人もいれば、無自覚にとんでもないストレスを抱えている人もいる。

 

そういった負の感情は多くの呪霊の火種となり、また上位の呪霊が発生しやすくもなる。

 

なので冬から春の終わりにかけての期間、非呪術師の精神状態に振り回される呪術師という字面だけ見れば奇怪なことが起きるのだ。

 

 

話は戻る。

 

俺こと節円李は約一年間の自主学習期間を経てついに今日、東京都立呪術高等専門学校一年生として華々しいスタートを切るはずだった。

 

しかし今の俺は、都内オフィス街の中心にそびえたつ某大手企業が所有するビルディングの前で人を待っていた。

 

待合室として案内された教室で、新たな一年生として紹介されるはずだったのに、急遽予定変更とだけ告げられて補助監督の運転する車に揺られてここまで送り届けられた。

 

『円李君、急な予定変更になって申し訳ありません。自主学習期間にもやったと思うのですが、この時期は呪術師として忙しい時期です。本来なら、同じ一年生との顔合わせを行ってもらうのですが、さっそく任務の方に出てもらいます』

 

とのこと。

 

一年生となるのだが、肝心の五条悟が何年生かは教えてくれなかった。なぜ今世で五条悟を知っているのかって話になるが、ここもぬかりない。自主学習期間に、御三家について学んでいるときに話の流れで五条悟が出てきたのだ。転生者として抱える矛盾がまた一つ減って安心だ。

 

現地集合ののち、人員が集まったら情報を伝えるといわれたが約束の時間より10分ほど早くついてしまった。車を飛ばしてくれたおかげで早く着いたのだが、補助監督の方にはぜひとも法定速度というものを学びなおしてほしい。

 

今俺が抱えている不安としては、今回の呪霊の規模とどれくらい力を出していいのか、そして一年生が誰なのかという点だ。

 

両面宿儺の話が自主学習期間に出てこなかったので、おそらく原作での虎杖と近い学年というわけではないのではないかと個人的には思っている。一番問題なのが、五条さんの学生時代でもなければ虎杖の学生時代でもないその間の学生になってしまうこと。原作登場人物の誰ともかかわらない時期の一年生になること。関係性も中途半端になりそうだし、ここは避けたい...。

 

関係各所によってここら一帯は人払いが済まされている。そんな中でこちらに向かってくる足音。おそらくこの足音の主が今回現地で合流する呪術師なのだろう。

 

(たのむよー、たのむよー)

 

「おや、10分前行動ができるとは...五条先輩よりもはるかに好感が持てますね」

 

来た!!!!そして聞こえた『五条先輩』という言葉!!

 

声の方を見る。高身長にきれいに整った七三分け、鋭い目つきに全身からあふれる真面目ですと言わんばかりのオーラ。

 

(髪型違うしメガネもないからとっさにわからなかったけど、七海さんだ!!一番恐れていた原作キャラの誰もいない学年というのは避けられた。神は俺を見捨てはしなかった!!)

 

「しかし、声掛けに対して返事ができないのは減点ですね」

 

まぁ、返事でわけのわからないことを言われる方が面倒ではありますが、とため息をつきながら肩にかけたバッグを地面に下す。

 

 

おちつけおちつけ。

 

 

と自身に唱えることで先ほどまで昂っていた熱が一気に覚める(冷める)

 

「自己紹介が遅れてごめん..なさい、高専一年になる予定の節円李だ..です?」

 

「七海建人です。あぁ、敬語についてはなしでいいと思いますよ。私たち同学年になりますので」

 

ついオーラに当てられて敬語になってしまった。

 

「呪術には全然触れてなかった元一般人ですが、多分最強の次に最強です。よろしくお願いします。」

 

ちょっと今のかっこよかったんじゃないだろうか。

 

「うわさは聞いています、ぜひその活躍を見せてください」

 

 

 

・・・・あれ?

 

おっかしーな、もうちょっと反応があるかと思ったんだけど。というか最強の次に最強とかバカみたいな事言ってんじゃんはずかし。

 

 

ちなみにこの時の俺が知る由もないが、当時七海からは五条悟のような人間が増えそうだという悩みの方が大きく、まじめに俺の最強の次に最強という言葉を聞いていなかったそうだ。

 

 

そうして流れる沈黙が続くこと数分。車を置いてきた補助監督の方が駆け足気味で登場。

 

「お待たせしました、駐車場が混んでたもので」

 

「いえ、許容の範囲内です。今回の件の概要について説明していただいてもよろしいでしょうか?」

 

「よろしくお願いします!」

 

「今回の現場はここです」

 

そういい、眼前の高層ビルを見上げる。

 

「業界ではブラック企業で有名な、ヨツハシ電機の本社ビルですね。単純なオフィスとしてのみではなく、一般公開されている食堂やカフェテリアなども有名なのでまさにこのオフィス街の中心的な立ち位置にありますね。今回は、二級相当の呪霊が複数発生していると窓から報告がありました。心理的にも立地的にも中心にあるこの企業のビルを起点に呪霊が一気にあふれ出したようです」

 

「複数の二級呪霊相手に我々二人だけですか?ほかの呪術師は?」

 

「それに関してこちらも対応しました」

 

そうして補助監督の方が俺の方を見る。それにつられて七海さんの視線もこちらに向く

 

「彼、節円李はすでに一級相当の腕前を持つ呪術師です。被害を考えなければ、一人ですべてを殲滅できると思います」

 

すでに準一級呪術師として扱われていますとついでのように重要なことを話す補助監督のそれを聞いて目を見開く七海さん。

 

「それは本当ですか?」

 

「えー、術式に触れた瞬間即死する呪霊相手で勝ったことがあります」

 

あの時戦った呪霊、どうやら特級に分類されるものだったらしく、俺は小学生の段階であのレベルの呪霊と戦うことができていた。これを聞いて、七海さんの目つきが変わった。

 

「円李君はまだ室内での細かい制御が苦手なので、決定的なスキを作れる七海君とペアで今回の件に当たってもらいます。あと、君たちはあくまでも学生なので、もし手におえないと感じたのならすぐに撤退してください。現場の判断は七海君、君に一任します。節君は七海君の指示に従うように、何か質問はありますか?」

 

「ないです」「ありません」

 

「では、さっそくビルに向かってください。私は離れた地点で帳を落とします。何かあれば連絡してください、よろしくお願いします」

 

 

 

 

 

 

ビルの上空から補助監督によって帳が下ろされていく。

 

「行きましょう。作戦の組み立てとしては、呪霊はオフィスフロアである23階にいるようなので、エレベーターで20階まで登り、そこから23階に向けて非常階段を使って進んでいきます。何か質問は?」

 

「なし!」

 

初の同世代とのエンカウントだったけれども、これは大きなチャンスだ。初めての仕事、ここで自分が使えるやつだと証明して見せよう。ついでに七海さんとの距離を縮めて一緒にご飯行けるくらいの関係になるぞー!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

23階に上がった瞬間に円李と七海は走り出した。

 

『モシ、モォォオオシィ!!!』

 

いくつもの歯車が人型になるようにめちゃくちゃに組み合わされたような見た目の呪霊4体が、こちらと目が合うと同時に襲い掛かってきた。

 

呪霊は特徴の一つとして様々な形状を持つことが挙げられる。七海の術式の関係上、人型という寸法を規定しやすい形状の呪霊とは相性がいい。決定的な弱点を強制的に作ることができる七海を前衛に、円李は七海の補助や取りこぼしを抑えるように動く。

 

七海が襲い掛かる呪霊を頭、腕、足、胴体の6つの部位に切断し自由を奪う。そうして大きくはねた頭部を呪力をまとった脚で踏み抜き前へ進む。

 

円李は、広域制圧として超重力による押し付けを行おうと考えていたが、今立っているのが建物の上であり、どれほどの荷重に耐えられるかの判断ができないため選択から外した。術式による攻撃ではなく呪具を用いての攻撃に切り替える。呪霊がたつ範囲を中心に術式を作用させる。呪霊を構成する呪力、粒子にかかる重力に作用させ自身との間に相対的な時間のずれを作り。まるで時が止まったかのように動きを止めた呪霊の首を、熊に持たされた苦無『蕉鹿(しょうろく)』で撥ねる。

 

刹那のうちに4体の呪霊を祓った二人だが、そこで何かがおかしいと気が付く。

 

「普通呪霊って祓ったら消えるよね?」

 

「そうですね」

 

「じゃ、何で消えなッぶな!?」

 

体を大きくそらし背後から飛んできた物体をよける。それは、先ほどの呪霊を構成していた歯車だった。死骸から歯車が分離し、手裏剣のように回転しながら二人に襲い掛かった。

 

天重維谷(てんじゅういこく)

 

円李は多に対して圧倒的な力を持つが狭いうえに、床が抜け二次災害につながる可能性を危惧し対応できない。また、七海も術式の都合上これ程の物量をいっぺんに対処する技量を持ち合わせていない。ちょっとやそっとの荷重で底抜けしないことを願い術式を発動させる。飛来する歯車が圧倒的な引力によって床に叩きつけられる。

 

得物を構えを解かないまま七海が円李に問いかける。

 

「今のは術式ですか?」

 

「はい。1平方メートルあたりの重力加速度を弄りました。そこの呪霊だけ4Gですよ。きりがないならここでまとめて置いておくのが得策でしょ」

 

「素晴らしい判断です。これでこちらも状況を把握する時間が確保できる」

 

「これ、消そうと思えば消せますがどうします?」

 

「先ほどのように再び飛んでこられても困りますからね。できますか?」

 

「できます」

 

 

点無(てんむ)

 

 

歯車を覆うように膜が広がる。そうしてそのすべてをまとめてしまうと、圧縮され点となり、床の一部を削る形で消滅させた。そして感じる嫌な気配。なんとなくこんな簡単にことは済まないだろうと思っていたがやはり嫌な予感ほどよく当たる。

 

「素晴らしい術式ですが、まだ終わりではないようですよ」

 

「なんちゅー...」

 

フロアを見回すと、そこには二人を囲むように展開する先ほどと同じ見た目の呪霊が何十と立ち並んでいた。

 

 

 

 




オリ主君は五条先輩の一個下、ななみんと同期でーす。


戦闘スタイルのアンケートもご協力ありがとうございます。感想でもいろいろと聞くことができてうれしいです。ストーリーの流れは決まってるのですが、まだ細かいところが定まってないのでその辺も考えつつ更新していきます。

ぶっちゃけここに時間を使わずにさっさと原作に入りたいので次回、事の顛末をダイジェストでお送りいたしまーす。


感想・評価まじで助かってます。
おかげでモチベがまだあるっすよー((新田さん好き)

ちなハーレムは苦手なので(オチのつけ方が思いつかない)ないのですが、ヒロイン的な話は皆さん好きですか?ところどころ日常回を入れる予定なのでその延長に...

まあ書くとは言ってないんだけどね。


2020年12月3日
原作知識に関する内容の修正、作中内の単語についての修正
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