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憎まれっ子、世に蔓延る
◆◇◆◇◆
「もしもし。俺だ、『正義の味方』は行った。そっちはどうなってる」
『――――――――――――』
「……なるほど、随分と面白そうだ。頭の螺子外れてる学生を相手しなくちゃいけないこっちとは大違いだぜ。しかしながら、本流はこっちだろう。そちらに比べ到達速度でも優っているが、なによりもひとりで偶然辿り着いた、ってのがいい証拠だ」
『――――――――――――』
「『貴方が動かしたんじゃないのか』だと? 冗談。そんな下らない手入れはしねえよ。ゴールに辿り着いたのは、やつ自身の力だ。まぁ、仕向けたかどうかで言わせてもらえば、肯定以外の言葉を返せないがな」
『――――――――――――』
「しかし、流石の俺も肝が冷えた。さて仕込みは終わったしどうするか、と休んでいた俺のところに、あの『正義の味方』が飛んでくるんだからな。しかも、そいつの全身に傷のない場所はなく、流れ出る血の量は卒倒ものだ。よくもまぁ治療できたと、俺自身を褒めてやりたいぐらいだぜ――いや、ここは魔術という特異な技術を称賛するべきか。こうも短期間で人を治せるとは。十年間、俺を飽きさせなかっただけはある」
『――――――――――――』
「『魔術を某青狸の万能道具のごとく使うのは貴方ぐらいなものだよ』か、ふん。流石の俺にも、そりゃ過剰評価だぜ。他人の身体を治療するのは存外難しいんだ。それでも、当分死なない程度に辻褄を合わせることぐらいできる。まぁ、才能と素養は必須だし、施せた治療も当座しのぎでしかないがな」
『――――――――――――』
「そう考えると俺がキャスターとして召喚されたのは行幸以上の何でもないが………ふん。これも運命ってやつなんだろう。…………しかし、どうにも想定通りにいかないな。かみ合わないというか、ちぐはぐというか」
『――――――――――――』
「なに、『全てが貴方の予測ないでしょう』だと? それはあくまで予測を修正したからだ。今回のことだってそうだ。どれもこれもが想定通りになんか欠片も進んじゃいない」
『――――――――――――』
「だいたい、最初のサーヴァント召喚から計画が狂ってる。アサシン、バーサーカー、キャスター、マーダーとそこまでは良かったが、なんだその後は。『虚刀流』『忍者』ときて、しまいには『吸血鬼』かよ。一応この世界の『真祖』とは違うようだが、わけがわからん」
『――――――――――――』
「『全てがうまくいわけじゃない』だなんて、わかったようなことを言うな。確かにサーヴァント召喚は狙った相手を出すのは難しいらしいが、しかし今次に限ってこれは異常だ。直接聖杯のシステムを弄り召喚されるサーヴァントの触媒を
『――――――――――――』
「……ふん、確かに悪いことばかりじゃあないが。事実、『俺の敵』が召喚されるかは賭けの部分が多かった。最悪、サーヴァント全員が俺の部下であるところの『十三階段』って可能性もあったんだからな。それに比べれば遥かにマシだ」
『――――――――――――』
「しかし、そのせいで事態がややこしくなったのも事実だ。どう動くかわからない三者に、明らかに偏った戦力配置。どう考えても勝負になる盤面じゃあない。十年、俺が先んじていたことを踏まえても、ハンデが過ぎるってもんだ」
『――――――――――――』
「実際、対抗手段を持たない『
『――――――――――――』
「『私では彼女に劣ると言うのかな』か、ふん。あんたのそういうところは俺も十分評価してるが、しかしこの状況でのそれは強がりにしか聞こえないぞ。確かにあんたは『俺の娘』に対する切り札だが、同時に限られた場面でしか切れないそれでもある。簡単に言えば、今の
『――――――――――――』
「……うるせえ。そうがなりたてるな。機会は創ってやる、それは約束した。違えるつもりはさらさらない。しっかりと用意してやるさ、あんたの本懐を達成する機会をな」
『――――――――――――』
「あぁ、そうだな。あんたは好きにやればいい。獲れると思ったら、やってもらっても構わない。そこに関知するほど狭量じゃねえよ」
『――――――――――――』
「だが、気を付けろ。多分だが、『俺の敵』は気が付いてるぞ。流石にあんたが誰かまで推察は出来てないと思うが、俺に隠し札がある程度は見抜いてるはずだ。過去一度見抜かれてるんだろ。せいぜい、もう一度名探偵に暴かれないよう気を付けるんだな」
『――――――――――――』
「……あぁ。それじゃあ――縁が遭ったらまた会おう」
『……………………………………』
「……ふん、切りやがったか。まぁ、これで少しは動き出すだろうが……。しかし、まさかこれほど混迷するとは。良いところ、世界を終わらせるアプローチの三つ手前程度の感覚だったんが…………。これはひょっとすると、ひょっとするな」
「……………………………………」
「なぁ、あんたもそう思うだろ?」
と。
通話を終えた電話を放り投げ、狐面の男は隣に立つ英霊に向かってそう問うた。
次から六日目だと言ったな。あれは嘘だ。
ということで、はい。少し、いや限りなく短いですが、取りあえずこれで。
サーヴァントが召喚された順番はある程度原作に準拠しています。正しくは、バーサーカー→キャスター→(「ランサー→ライダー」または「ライダー→ランサー」)→アサシン→アーチャー→セイバーですが。ここではアサシンが一番先頭に来てますね
それと、サーヴァント自身が触媒になることですが、霊体のままでは触媒になりえないことが確定してますが、受肉したサーヴァントは可能かどうか定かではありません。一応、無理やり解釈するなら、受肉した時点で『座』にある本体とは別物に変性すると考えれば、触媒程度にはなりえるんじゃないでしょうか。
まぁ、この時空では可能だったということでひとつ…………
後で、三日目時点でのサーヴァント情報も追加します
以下サーヴァント情報
【元ネタ】戯言シリーズ
【CLASS】キャスター
【マスター】不在。聖杯の汚泥により受肉
【真名】***
【性別】男
【身長・体重】191cm・72kg
【属性】中立・混沌
【ステータス】筋力E 耐久E 敏捷E 魔力A 幸運D 宝具A
【クラス別スキル】
道具作成:A
魔力を帯びた器具を作成できる。
魔術なしに自動人形を創る製作者としての技能。
陣地作成:B
魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
“工房”の形成が可能。
彼の“死んでしまった”因果による逆転した結果。
【固有スキル】
???:A
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カリスマ(偽):C
“主要登場人物”を否応なしに惹きつける天性の才能。悪役のカリスマ。
彼に対する感情は、崇拝、興味、嫌悪のいずれかに固定される。
死者:C
生きながらにして因果から弾きだされた性質の顕現。
重要な場面に居合わせることが敵わず、探索フェーズにマイナス判定を追加する。
【宝具】
???
ランク:―――
種別:―――
レンジ:―――
最大捕捉;―――
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