「ふむ、久し振りだな」
「げぇ」
その日、駒王学園に行くと、そこで待ち受けていたのは、以前のエクスカリバーの事件で知り合ったゼノヴィアだった。
「なんでこんな所に?」
「聞いていないのか?
私は少し前、ここに転校したんだ。
それにしても、本当にここにいるとは思わなかったぞ」
「いやぁ、あの時は本当に申し訳ない。
ははっはぁ、それでは」
「まぁ待ってくれ」
そう俺はすぐにその場から逃げだそうとしたが、ゼノヴィアが俺の腕を掴んだ。
「君には以前の件で私に借りがあるはずだ。
その借りを返してくれないかな」
「借りと言うと」
「エクスカリバーを勝手に売った事だ」
「・・・ナンノコトカ?」
「まぁ良い。
なに、借りを返して欲しいと言っても、君の強さを教えて欲しいだけだ?」
「強さって言われてもな。
別に普通の事だぞ」
「普通って、何が」
「えっと確か」
そう言いながら、俺はそのまま懐からとある物を取り出した。
「これは」
「魚強」
「鰯?」
それは俺が弁当用に用意していた魚強の塩焼きだ。
「魚強で本当に強くなるのか?」
「何を言っているんだ!
魚強はDHAやIPA,EPAにペプチドまで含まれている安価で理想的な食材なんだぞ!」
「・・・どういう意味なんだ」
俺が言った言葉に疑問に思って、そのまま首を傾げる。
「まぁ簡単に言うと血液サラサラになったり生活習慣病の予防だけではなく脂肪を燃焼させる効果をも期待できるんだ!」
「はっはぁ、確かに健康に良いかもしれないが、それが強さに繋がるのか?」
「繋がる!
その証拠に俺はここまで強くなってくれたし、俺の師匠もこれで強くなった!}
「師匠!
それはまさか超魔流の!」
「いや、あれは護身術」
「えっ?」
俺の言葉に驚いたゼノヴィアは一瞬だけこけたが
「では、どういう師匠なんだ?」
「まぁ簡単に言うと、俺に魚強の魅力を教えてくれた師匠だ!
まぁ、まだ俺は師匠の域に達していないから、丸ごと食べる事はできないが」
「それは私でもやらないぞ。
というよりも、その師匠は本当に人間か?」
「えっ吸血鬼だけど」
「・・・吸血鬼だと?」
俺の言葉に一瞬驚いたが
「なぜ、吸血鬼が魚強を」
「いや、俺も詳しい事は分からないが、とある事情で人の血を吸わなくなって、そこから魚強を食べ始めたんだけど、思いの他、魚強が素晴らしかったらしい」
「・・・人の血ではなく魚強の血を吸ってる吸血鬼。
それは果たして、強いのか」
そう言っているゼノヴィアだが
「強いって、何を言っているんだ。
俺が師匠に勝てるビジョンなんて思い浮かぶ事ができない程に強いに決まっているだろ」
「魚強を丸ごと食べる吸血鬼が!」
何やら驚いた声で叫ぶが、そこまで驚く事ではないだろ?
「それで、もう良いか?」
「あっいや、もう一つ伝言なんだが、なんでも魔王からだが。
以前の結婚式で会議に出てこなかったラハール殿達に来て欲しいとの事だが」
「ラハールさん達を」
それはまた
「命知らずな」
「そこまでなのか」
「あの人達は基本容赦ないから。
何か菓子は絶対に用意しておいた方が良いよ」
「そっそうなのか」
そう言いながら、俺は頭を悩ませながら、家に帰ったが
「何事!?」
「あれ、藤木さん、お帰りなさい」
そこにいたのは珍しくもフロンさんだった。
普段はあまり見掛けないはずのフロンさんだったが、その格好は
「フロンさん、その格好は?」
「おぉ、気になりますか!
実はこの前魔界に遊びに来た子が着ていた悪口なんですがね!
なんだかとっても格好良くて、真似してしまいました!」
そう言いながら、確かにメイド服がとても似合っているようだが、俺はそれよりも気になるのはなぜか生えている角と鉄球だ。
「その角と鉄球は」
「その子が付けていた奴です。
どうですか似合いますか?」
「似合うと言ったら似合いますが。
あっそういえば、フロンさんに頼みがあるんだった!}
「頼みですか?」
そう言いながら、俺はゼノヴィアから頼まれたラハールの件を伝えた。
「なるほど、会議ですか。
私は別に構いませんが、なんで私から?」
「ラハールさんに伝えると面倒なので、ここはフロンさんから頼んで貰おうと思いまして」
実際、ラハールさんはなんだかんだフロンさんに甘い所がある。
「まぁ良いでしょ!
これも愛の為だと思えば、良いですね!!
「頼みますよ」
次回、戦うXENOは
-
マオXENO
-
ラズベリルXENO
-
シシリーXENO
-
エミーゼルXENO
-
影丸
-
サリア
-
サファイアXENO
-
フーカXENO
-
セラフィーヌXENO
-
デスコXENO