ハーレムにはなりません、妙に拗らせるやつはいます
しばらくするとユニット越境も
章ごとにニュアンステーマとか付けてますが、ただのイメージなので気にせず
スマホだと恐らく読みにくいです、すいません
パソコンに合わせちゃってるのでうざったい人はパソコンから読んでください
ストックは少しあるので、可能な限り続けていきます
返信などは出来ないかもしれませんが、自己満足二次小説で良ければ読んでって下さいな
一章 ニュアンステーマ nano.RIPE 「ノクチルカ」
1話
ぼくにとって“とおるくん”はだいじなともだち
それはきっとずっとかわらない
だって“とおるくん”といると、いつだって毎日がキレイなんだ
なんだろう
目の前はカラフルなのに、ずっと遠くまで見えてるみたいな、そんなふしぎな感じ
だから一緒にいたいって思うんだ
思ってたんだ
もしかしたらそれは私の方だけだったのかもしれない
それならそれでいいけど
もしも、この入部届けに名前を書いて…キミの所まで私を連れてってくれたりしたら
おもしろい、よね─────
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会場に着いてすることと言えば学校への挨拶、それから体育館への挨拶だ。
キャプテンの号令に従って全員が荷物をその場に下ろし、声をそろえる。
「「「よろしくお願いします!!」」」
選手が試合をするために最も必要なものは場所だ。
練習ならボール一つあればいい、1on1なら二人いればいい。
だけど試合をするなら2つのゴールとラインの引かれたコートも必要だ。
それを用意し選手に貸してくれている学校に黙って入っていくなんてスポーツ選手のすることじゃない。
そんな精神を入部から叩き込まれた俺たちは、半ば作業のように荷物を持ち上げて高校の敷地内へと入っていく。
「あれ、お前今日スタートからだっけ?」
「いや後半から。ぶっちゃけ桂さんがミスんなきゃ出番ないかも」
アスファルトの照り返しが直に顔に突き刺さる。
出番が無いなら別会場の偵察に回してほしかったが、一軍に入れてもらっている以上そんな自分勝手なことは言えない。
この背番号には一軍に入れなかった仲間たちの悔しさが乗っかっているのだから。
「今日はいけるっしょ。別になめてるわけじゃねーけど、向こうの今までの見た感じはうちがキツイ展開にはなんねーって監督言ってたし」
「わかんないだろ、急にキャプテンが足攣ったりしたらどうすんだ。お前のとこチェック厳しくなるんじゃないのか?」
体育館前に整列し、キャプテンの号令で揃って挨拶を済ませる。
外履きを綺麗に揃えたやつから、選手たちの更衣室兼食堂兼控室の空き教室につながる渡り廊下へ進んでいく。
「キャプテンそんなバカやんねーだろ…てか3番ポジションなら今田さんもいるし、俺がスリー狙っとくのが一番プレッシャーになるだろ?」
「ずっと練習してたドライブは試さないのか?」
「あんなん公式戦でやったらAチーム下ろされるわ!監督も俺が練習してんのなんか知らねーだろうし」
「そういうとこ見逃すような監督だとは思わないな、鬼畜だけど」
「俺らを今から試合に出してんのとかも先を見据えてだろうな、鬼畜だけど」
各々アップに備えて荷物を準備する。
まだインハイ予選だからアップ用のコートなんてものは当然無いので、この照りつける日差しの中で体を慣らさないといけない。
誰だって汗まみれのユニで試合なんか出たくない、皆ユニフォームを試合用の荷物袋に入れてアップ用のウェアに着替える。
「ん?紺野お前スポドリ1本で足りるのか?今日ガッツリ出るんだろ?」
「あ…やっば!自販機で買ってねーわ!家に余ってたやつ持って来てこっちで買うつもり…ストレッチ終わるまでに戻ってくるからキャプテンに言っといて!」
「はいはい、さっさと戻ってこいよ」
財布を手に校内の自販機を探しに行ったようだ。
ここに来るまでに見た自販機なら…グラウンド脇に確かあったが、そこまで行くならしばらくは戻ってこないだろう。
試合の準備をしているキャプテンに伝えに行こう。
「中村先輩」
「ん、どうした久我?」
「紺野がスポドリ追加で買いに行ったので、戻って来るまでストレッチはソロメニューをやっててもいいですか?」
「あいつ…別に俺にひとこと言ってから行けばいいのに…わかった、お前は今日は出場時間が短いかもしれないけど、怪我しないようにきちんと伸ばしておけよ」
「はい、わかりました」
紺野が見切り発車なのは誰もが諦めて受け入れている。キャプテンもいつもの事なので特に怒ることもなく、俺は1人でストレッチを進める許可をもらえた。
あいつのああいう所は良くも悪くも性格なんだなぁと常日頃、プレー中も感じる。思いつき、それが最善と確信した瞬間に一直線、後は後で考える…それが硬直した試合展開を動かす起爆剤にもなるし、起死回生の好プレーにもなる。もちろんうちが掴んでいた流れを崩してしまう悪手にもなり得るが、それでも一軍であるAチームでスタートから出ているという事は、監督はその試合を動かす勢いを生み出す始点として紺野の力を認めているんだろう。
先輩方と外に向かい、脇にスポドリを置いて1人で柔軟を始める。
散々出番は少ないとは言われても、いざ名前を呼ばれた時に自分の空気を瞬時にゲームに合わせられないようではこのユニフォームを託される資格はない。
いつもと同じように…徐々に体の各部分のスイッチを入れていく。
セミが鳴いている
今日の相手は特別うちの壁にはならないだろうというのは全員が思っているし、事実だ。
それでも俺はいつも通りのパフォーマンスを出せるように準備を怠らない。
それは選手として当たり前だ。
セミが騒がしい
さっき紺野と話したように、もしかしたら同じポジションの桂さんがミスをして、俺の出番が来るかもしれない。
もしかしたらキャプテンが怪我をして俺もゴールを狙いに行くことになるかもしれない。
だからこうやって蒸した熱の中でも試合の展開を予測しながら備える。
セミがうるさい
そろそろ紺野が戻って来る頃だろうか…
あいつは見切り発車ではあるけど、自分勝手な奴じゃない。
試合に出る出ない関係なく、チーム全員でアップをするという行動は全員の意識を試合に集中させ、士気を向上させるという狙いもある。
それがわからないあいつじゃない。
後ろからコンクリートを歩いてくる音が微かに聴こえる。
セミが大人しくなった
違う
セミの声より、歩く音が気になるんだ
すると突然、左の頬を冷たい刺激が襲ってきた。
「はい、これ。差し入れ?ってやつ」
やる気のなさそうな声
やる気がないというより無駄な力の入っていない声
良く言うなら気取らない、自然体
それだから周りの熱で中も外も蒸された体の空気は、一筋の碧い風に吹き流されていく。
「あ、Splash…せっかくPRとかしたんだからさ、こっち飲んでよ、SMOOTH WATER」
「どっちだって中身は変わんないだろ」
「じゃあ混ぜてみようよ。美味しくなるかも」
「だから変わんないだろって…効果落ちるかもしれないからやるなよ」
セミが──────
いや、もう目を逸らすのはやめよう
集中出来てないのはセミのせいじゃない
俺を惑わせる、夏そのものに反するみたいな清涼を具現化したかのような存在
家からは近くても俺からは遠い高校の制服を着崩す、かつてバスケ少女だった、今はアイドル
「じゃ、今度一緒に試そうよ、
浅倉、透─────
やっと会えた、なのにびっくりするほど変わっていなかった私たちの間隔、キョリ
近づけば平行線、なのに離れたら交差線
私が選んだ道の先には、選ばなかった道を行くキミがいた
「
久我、透─────
「うーん…どうなるかわかんないし、やろう」
「それは試合中に飲むやつだからやめろ!」
久我透と浅倉透
透明と透明が混ざりあう
透明と透明が混ざったら
もっと透き通るのか、それとも濁ってしまうのか…
おもしろそう、だよね─────
【聞こえてた方々】
PG 桂 (なんだかんだ、久我も同レベルな時あるよなぁ…)
SF 中村 (急にスポドリをほっぺに食らっても驚かないのか、流石だな、久我…!)
SG 今田 (マジ久我ちゃんには感謝だわ…この距離であの浅倉透を見れるとか!)
PF 南 (俺もふゆちゃんに試合見に来てほしい~)
C 鷲崎 (何で樋口円香来てねェの?呼べよォ…久我のバカやろォ…)
SG 紺野(何でこいつら会って早々スポドリ混ぜようとしてんの?)