機動戦士ガンダム00 A.R   作:NY15

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人の心の光

 地球の化石燃料は枯渇し人類は新たなるエネルギー資源を太陽光発電に委ねた。半世紀近い計画の末全長5万kmにも及ぶ3本の軌道エレベーターを中心とした太陽光発電システムが完成する。半永久的なエネルギーを生み出すその巨大構造物建造のため世界は大きく3つの国家群に集約された。

 

 米国を中心とした世界経済連合、通称ユニオン 

 

 中国・ロシア・インドを中心とした人類革新連盟

 

 そして新ヨーロッパ共同体、AEU

 

 軌道エレベーターはその巨大さから防衛は困難であり構造上の観点から見てもひどくもろい建造物である。

 

 そんな危うい状況の中でも各国家群は己の威信と繁栄のため大いなるゼロサムゲームを続けていた。24世紀になっても人類は未だ一つになりきれずにいたのだ...

 

 しかし仮に人類が一つの組織として纏まることが出来たとして争いが無くなることなどあるのだろうか?

 

 

 

 

 

それとは対照的に別の世界...人類の、地球連邦という人類の統一組織が存在する世界、宇宙世紀0093年某日...連邦政府との和平交渉を騙し討ちしシャア・アズナブル総帥率いる新生ネオ・ジオンは連邦軍の宇宙要塞ルナツーを占領、また彼の率いる艦隊は小惑星アクシズを占領しついに地球寒冷化作戦を実施したのだ。

 

 それを阻止するため地球連邦軍外郭新興部隊、通称ロンド・ベルはシャアの隕石落としを今度こそ阻止するためネオ・ジオン艦隊との戦闘に突入...アクシズ内部に爆薬を設置し内部から爆破することでアクシズを大きく二つに分断することに成功するがその際の爆発の威力が強すぎたために分断されたアクシズの後部が地球の引力に引かれ落下コースに突入してしまう...

 

 

 

 

 地球大気圏付近 落下中のアクシズ後部

 

 周囲には爆破の際のアクシズの破片が散乱し、νガンダムに音を立ててぶつかる。その時ガンダムが捉えているシャアの脱出ポッドから通信が入る...

 

 「ふふふふ...ハハハハ...」

 

 シャアの笑い声がコックピットに木霊する、その声は勝ち誇っているようなものであった。

 

 「何を笑ってるんだ!」

 

 「私の勝ちだな、今計算してみたがアクシズの後部は地球の引力に引かれて落ちる、貴様らの頑張りすぎだ!」

 

 「ふざけるな!たかが石っころひとつガンダムで押し出してやる。」

 

 「馬鹿なことはやめろ!」

 

 「やってみなければ分からん!」

 

 「正気か!?」

 

 「貴様ほど急ぎ過ぎもしなければ人類に絶望もしちゃいない!」

 

 そうしてサザビーの脱出ポッドをアクシズの岩盤に押し付け機体のスラスターを全開にしてアクシズを押し返そうとする。誰が見てもそれは無謀な行為であろう...しかしここで諦めるわけにはいかない。

 

 「アクシズの落下は始まっているんだぞ!」

 

 「νガンダムは伊達じゃない!」

 

 

 しかし無情にもアクシズは地球へと落ちていく...いくらガンダムとはいえMS1機で隕石の落下を食い止められるわけがなかった。

 

 「命が惜しかったら貴様にサイコフレームの情報など与えるものか!」

 

 「なんだと?」

 

 「情けないモビルスーツと戦って勝つ意味があるのか?しかしこれはナンセンスだ。」

 

 「馬鹿にしてッ!そうやって貴様は永遠に他人を見下すことしかしないんだ!」

 

 その瞬間、νガンダムから光が放たれる。その光はまるで暖かく人を包み込むようであった。

 

 その光に引き寄せられるように連邦軍のジェガンやGMⅢがアクシズに集結し始めていた。

 

 それらの機体はアムロのνガンダムと同じようにアクシズを押し返そうと岩盤に取りつき始める。しかしこの質量の隕石を押し返すにはそれでも力不足であるには違いない。

 

 「なんだ!?どういうんだ!?やめてくれ!こんな事に付き合う必要はない!下がれ!来るんじゃない!」

 

 「なんだ?何が起こっているんだ?...ええいっ完全な作戦にはならんとは...」

 

 その時友軍である連邦軍のパイロットからも通信が入る...

 

 「ロンド・ベルだけにいい思いはさせませんよ」

 

 「しかしその機体じゃ!」

 

 そして驚くべきことが起こる。先ほどまでこの隕石を落とす作戦を実施していたネオ・ジオン軍のMSギラ・ドーガまでもがアクシズに取りつき押し返そうとし始めたのだ。

 

 「ギラ・ドーガまで...無理だよ皆下がれ!」

 

 「地球が駄目になるかならないかなんだ!やってみる価値ありますぜ!」

 

 「しかし爆装している機体だってある!」

 

 その懸念は的中し1機のMSが熱に耐えられずに爆発してしまう。

 

 「ダメだ!摩擦熱とオーバーロードで自爆するだけだぞ!」

 

 「結局遅かれ早かれこんな悲しみだけが広がって地球を押しつぶすのだ。ならば人類は自分の手で自分を裁いて自然に対し地球に対して贖罪しなければならん。アムロ、なんでこれが分からん。」

 

 そしてさらに光は強く輝き始める、それはアクシズ全体を包むほどに強くそして大きく広がり始めた。

 

 「これは!サイコフレームの共振!人の意志が集中しすぎてオーバーロードしているのか?なのに恐怖は感じない...むしろ温かくて...安心を感じるとは...]

 

 

 その光はνガンダム以外のMSをアクシズから弾き飛ばした。一体何が起こっているのか...

 

 その中でもシャアは通信で話し続ける...

 

 「しかしこの温かさを持った人間が地球さえ破壊するんだ!それを分かるんだよアムロ!」

 

 「分かってるよ!だから世界に人の心の光を見せなけりゃならないんだろ!」

 

 「ふっ、そういう男にしてはクェスに冷たかったな、え?」

 

 「俺はマシーンじゃない、クェスの父親代わりなど出来ない!...だからか?貴様はクェスをマシーンとして扱って!」

 

 「そうか、クェスは父親を求めていたのか。それでそれを私は迷惑に感じてクェスをマシーンにしたんだな。」

 

 「貴様ほどの男がなんて器量の小さい!」

 

 「ララァ・スンは私の母になってくれるかもしれなかった女性だ!そのララァを殺したお前に言えたことか!」

 

 

 「お母さん!?ララァが?...うわっ!?」

 

 さらに強い光が広がる。

 

 

 そこでアムロの意識は一時途絶えることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 西暦2305年 ユニオン 米国 アイオワ州

 

 

 レイフ・エイフマン教授...世界的に有名なユニオンの技術者であり機械工学、材料工学などのあらゆる分野に精通している彼は昨年ユニオン軍で次期主力として採用された最新鋭MSフラッグの設計主任を務めた人物でもある。フラッグは人革連のティエレンやAEUのヘリオンを性能面で上回っており世界最高の性能を持っていたのだ。...一部例外を除けば。

 

 

 そんな彼にアイオワ州にあるユニオン、米軍基地に緊急の招集がかかっていた。カタギリ司令直々の命令でありその彼の甥であるビリーカタギリ技術顧問にも同様の命令がなされていたのだ。

 

 そして彼らの目の前に存在したそれ...白と黒に塗装された機体...20mを超えると思われるその巨大さとどの陣営のMSとも異なっている機体デザイン...特に頭部が特徴的でありあのV字型のパーツはアンテナなのだろうか?

 

 「エイフマン教授...一体この機体は...」

 

 「少なくとも見た限りでは既存のMSとは大きく異なっておることだけは確かじゃ...調べてみないと分からんが恐らくは人革連やAEUのMSではあるまい。...たしかこれのパイロットも生きておるのじゃったな?」

 

 「ええ...今は軍の病院に入院させているそうですが...どうもその彼の言動が意味不明なようで現状を把握できていないようです。そのため本格的な聴取はまだなようですね。」

 

 「なるほど...しかしカタギリ司令はこの機体に関しての情報を完全に遮断するように動いているそうじゃな...まだ大統領すらこの機体のことは知らせておらんらしい。ネットワークに接続した端末にも情報を入力することも禁止しているそうじゃ。」

 

 「ええ、万が一にも情報が洩れるようなことが無いようにとの措置らしいですが...この機体の存在を知っているのも極一部の人間だけのようです。」

 

 

 この機体はユニオン軍のリアルドが訓練飛行中偶然発見したものだった。機体は重度ではないものの損傷を受けているようでありそれは何かしらの戦闘を行っていたことを示唆していた。

 

 しかしこの近辺でMSが戦闘を行ったという報告などされていなかった。またアイオワ州という米国でも中心に近い位置に存在する場所に誰にも気が付かれずに戦闘を行う...いやそもそもこのアイオワ州にMSを持ってくることなど不可能であろう。

 

 「とにかく機体を調べてみなくては始まらんな...後で司令にこのMSのパイロットと面会できるように頼んでみてはくれんかね?」

 

 「ええ...わかりました。まあそれに彼が協力的ならそのほうが機体の解析も上手くいくかもしれないですしね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




息抜きで少しづつ書いてみようと思います

ただし私はOO外伝の話を知らないのでそちらの話は出てこないと思います。

 
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