日本 経済特区 東京
つかの間の休暇、だがアムロは態度こそ平静を装っていたが内心では危機感を募らせていた。この休暇ですら絹江には申し訳ないが返上しようと思っていたくらいである。しかしエイフマン教授に説得され結局は休暇を取得することになった。しかしその教授本人もかなり働きすぎのような気もするが...今教授はミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉に対する改良、具体的には小型化高出力化を模索しているようであった。その理論は宇宙世紀の人間であるアムロにすら完全に理解できるものではなかったが実現できたとしたら凄まじい成果であることには違いない。そして例のサイコフレーム...こちらに関する研究はほとんど進んでいなかった。あれの扱いに関しては特に慎重に行わなくてはならないだろう。サイコフレームに関しての詳しい性質や情報など殆ど判明していないに等しいのだ。サイコミュの基礎機能チップを金属粒子レベルで内臓された物質、フレームだがガンダリウム合金と同じく今現在の設備で生産できるものではない。その存在は入手経路含めてアムロにとってはまさに曰くつきと言うべき代物であることには間違いなかった。
シャア...
「どうしたの?すごい怖い顔してたわよ...」
「いや、何でもないさ...それよりなかなかいい青年じゃないか、沙慈くんは。ただ少し警戒させてしまったかな...」
「しかたないわ...それにあの子意外に世界情勢とか気にするタイプだから。」
「軍人ともなれば警戒されるか...ソレスタルビーイングに助けられたというのもあって心中複雑なんだろう。」
「ええ...貴方は彼らの事どう思っているの?」
「先日のステーション事故のような個々を見れば評価できる点もなくはないが彼らの行動主張全てに賛同できるものではないさ、革命や変革はいつもインテリが始めるが夢みたいな目標をもってやるからその行動は過激なものになる...」
「本当に彼らは世界から戦争を無くせると思っているのかしら...」
「...確かに彼等には違う本来の目的があるのかもしれないな。」
リニアトレイン公社 会長別荘
リニアトレイン公社総裁ラグナ・ハーヴェイ...彼は同じくソレスタルビーイングの監視者であるアレハンドロ・コーナーと結託しイオリア計画への介入を画策していた。軌道エレベーター内に存在する秘密工場において疑似太陽炉搭載MSの建造が行われており既に3機のガンダムスローネは完成していた。そしてGN-Xと呼ばれるこれまた疑似太陽炉搭載MSも各パーツ、部品を各所で製造...それらの組み立てなどもその秘密工場で行われていたのである。
そして彼はこの時点で同志であるはずのアレハンドロ・コーナーの裏切りを見越していたのである...いや正確にはそのアレハンドロの背後の存在についてであるが。
都合のいい話だとは思っていたが...しかし今はまだ騙された振りと言うのが得策か。
しかしその見越しはラグナ・ハーヴェイ自らが気が付いたわけではなかった、彼にもまたアレハンドロ・コーナーにリボンズ・アルマークという存在があったように背後に謎の影が存在していたのだ。
「所詮アレハンドロなどには世の中を動かす器量など存在しなかったという事か...」
しかしその程度の人物に騙されるようではこの私も所詮は凡人か...
世の中は天才が動かすべきなのかもしれないな...私のような凡人やアレハンドロのような俗人などとは違う本物の天才が...
ならばせめて天才の足を引っ張るようなマネだけは避けなければならないな。
今はまさに時代の変革期を迎えようとしているのだ...そして彼のような存在が時代を変えるのだろう。
そして彼は言った、変革後に世界を支配するのは女と言う存在だと...その言葉が私には本気かどうかは判別できない...しかし歴史の流れを作るのは彼だと私は確信している。
もうあまり正体を隠す意味もないですが...
例のあの人はアムロとシャアよりも前にこちらに来ています