西暦2307年 ソレスタルビーイングが武力介入を開始してから4か月の刻が過ぎようとしていた。彼らの介入行動回数は50を超え人々は好むと好まざるとにかかわらず彼らの存在を受け入れていく...
地球にある3つの国家群のうちユニオンは今のところ彼等に対する直接的な言及を行っていない。AEUは同盟国領内での紛争事変のみソレスタルビーイングに対して防衛行動を行うと発表。発表が無いだけで恐らくはユニオンもAEUと同じスタンスであると予想はされていたがタリビアでの一件以降ユニオン加盟国領内での反米派による活動は鳴りを潜めていたのである。モラリア紛争の件もあり世界中で行われている紛争は縮小を続けていたが彼らの活動とは別に独自の行動を起こしている者も存在したのである。
自然回顧主義組織、ラ・イデンラの壊滅などは表向きは各国の諜報機関やテロ対策部隊が活躍したと思われていたがその裏ではある人物の思惑が存在したのである。
もしこのテロ組織が予定通り活動を開始していたらソレスタルビーイングは彼等に対して武力介入を行っていたであろう。そしてその行為は3つの国家群との利害の一致でもありもしかすれば世界の心が一つになるという大いなる一歩でもあったかもしれなかったのである。それは世界から見ればほんの些細な事なのかもしれない、だがその小さな現象の羽ばたきがいずれ大きく波及する可能性があるようにそれ自体が無くなった場合未来の世界は大きく変わることになる可能性も否定は出来なかったのであった...
勿論彼がそれを全て計算の内に入れているというわけではないのかもしれない。例のラ・イデンラへの介入は彼が開発したMSの実戦テストも兼ねておりテロを中止させることだけが目的ではなかった。
彼は自称する、私は歴史の立会人に過ぎない存在であると...だがそれと同時に私が存在しなければ時代が変わらないとも発言していたのである。
彼の才能に引かれ支援しているラグナ・ハーヴェイは自分自身彼が何を実行しようとしているのかを完全に理解していなかった。しかし一度彼にその件について尋ねたことがあり帰ってきた言葉はこうであった。
曰く、世界を導くためにはその過程において緊張状態を作り出すことが必要であると。世に蔓延る凡人や俗人などはそのような状態になれば簡単に操ることが出来るのだというのだ。世界の統一などはその後すればよく、肝心なのは戦争のあと誰が人類の支配を握るかであってその時に地球圏を治める天才が必要だというのだ。
さらに彼はそれだけではなく技術者としての才能も存在していたのだ。軌道エレベーター内に存在する秘密工場に彼専用の工廠が存在しており独自にMSや関連機材の開発を主導していたのである。そこで開発されたMSや機材は凄まじいの一言でありGN・Oと呼称されたMSの性能はソレスタルビーイングが保有する第3世代ガンダムを大きく上回っていた。...最もあの機体は彼以外には恐らく扱う事の出来ないまさにワンオフ機であり量産性などは度外視の特注品であったが...
その天才の名はパプテマス・シロッコ...本来ではこの世界に存在してはいけないはずの人間であり彼の才能がこの世界にどう影響するのかはまだ未知数であった。
GN・O
武装
GNビームソード(4基搭載、隠し腕あり)
GNビームライフル
GNフィールド
動力
GNドライヴ[T]2基(同調稼働はしておらずツインドライブではない)
かつてシロッコが設計、開発を行ったPMX-003ジ・Oをこの世界でGNドライヴ搭載機として再設計した機体。装甲材質は量産性を度外視したガンダリウム合金であり装甲表面にGN粒子を定着させることで文字通り次元の異なる耐久性を誇っている。またGNコンデンサーを搭載しGNフィールドを長時間稼働させることが可能、そして最大の特徴であるのがシロッコが独自に開発したバイオセンサー及びバイオコンピューターを搭載している事であろう。バイオコンピューターは生物の細胞活動を模倣したサイコミュデバイスであり人間の脳内から発生する電気信号をコンピュータを通して機械に伝達するというまさにシロッコが望んだパイロットの腕を最大限引き出せる最高のマンマシーンインターフェースとして完成している。
バイオコンピューターは有機材料を使用しているため極端に熱負担に弱いという弱点があり機動兵器に搭載することが困難と思われていたがGNドライヴがそれを解決したのである。GNドライヴは廃熱が殆ど発生しないという特徴がありこの特徴のおかげで大規模な冷却システムを搭載することなくMSにバイオコンピューター搭載を可能にしたのである。またシロッコの搭乗を前提としているためシステムのリミッターは最初から外されている。なおヴェーダからは完全に独立した機体でありバックアップは受けていない。
天才にしてもバイオコンピューターは少しやりすぎでチートな機体になってしまった気もする...