人革連 スペースコロニー 全球
ここ人類革新連盟が建造したスペースコロニー全球にはコロニー内での戦闘を禁止する条約を逆手に取り、またその隠匿性の高さを生かし超人機関技術研究所が設置されていたのである。このような非人道的な研究が公になれば世界からの非難は免れない為この研究所の存在は極秘でありスペースコロニーという環境は本研究を行うのに最適な環境であったのだ。最もどれだけ高いセキュリティーを施していてもネットワークにつながっている以上ヴェーダからハッキングを受けてしまうことは避けられないのであるが...ヴェーダのネットワークは世界中に張り巡らされており今現在例外はユニオンの極一部かスタンドアローンで運用されている端末や施設のみである。
そしてついにこの研究所に対してソレスタルビーイングによる武力介入が行われようとしていたのだ。
ガンダムキュリオスのパイロットであるアレルヤ・ハプティズムは己の過去と決着を着ける為この場所にやってきたのだ。
「セキュリティーシステム制圧完了...ここから先は出たとこ勝負!」
機体をコロニーの内部へと進める、この先にあのおぞましい施設が確かに存在するのである...今日でそれを終わらせなくてはならない。これ以上、自分と同じ存在を増やすわけにはいかないのだ。
コロニー内に機体を進出させると機体が流されていくのを感じた。
「く!気流に流される、コロニーの回転にキュリオスを同期。」
機体を同期させコロニー内部に降下させる、目標は超人機関技術研究所...
「スメラギさんの予想通りコロニー内での反撃はない...クッ...」
その時であった、脳量子波の干渉による頭痛が襲い掛かってきたのは...
自らの脳内に自分ではない声が響くような感覚...言葉で表すのが難しいほどの苦痛が降り注ぐ...
「いる...僕の同類が...あの忌まわしい場所に!」
しかし躊躇わないさ、僕はガンダムマイスターだ!これで終わらせる。
施設に向かってミサイルユニットを構える、あとはトリガーを引くだけ、それでこの忌まわしい研究に終止符を打たなくてはならない。
その時、ある考えが自らの頭に降りてくる...
本当に殺す必要があるのか?そうだ...彼らを保護して...
(甘いなぁ)
ハレルヤ!?
(どうやって保護する?どうやって育てる?施設から逃げたお前がまともに生きてこられたか?へっ!できもしねえ事考えてんじゃねーよ!)
しかしこのままでは彼らがあまりにも不幸だ!
(不幸?不幸だって?施設にいる奴ら自分が不幸なんて思ってねーよ。)
いつかはそう思うようになる...
(ならティエレンに乗っていた女は自分が不幸だと感じているのか?そうじゃないだろ?独りよがりな考えを相手に押し付けんな、どんな小綺麗な言葉を並べ立ててもお前のやさしさは偽善だ、優しいふりして自分が満足したいだけなんだよ!)
彼らは生きている!
(改造されてな!そしていつか俺らを殺しに来る!敵に情けをかけるな、それとも何か?また俺に頼るのか?自分がやりたくない事に蓋をして自分は悪くなかったとでも言うのか?俺はやるぜ、他人なんざどうでもいい!俺は俺という存在を守る為に戦う!)
そんな事...
(なら何故お前はここに来た?)
僕はソレスタルビーイングとして...
(殺しに来たんだろ?)
違う!ガンダムマイスターとして!
(立場で人を殺すのかよ?引き金くらい感情で引け!己のエゴで引け!無慈悲なまでに!)
撃ちたくない...
(アレルヤ!)
その時の僕は絶叫した、そしてミサイルのトリガーを引いたのだ...
全球への武力介入と同時刻 AEU軌道エレベーター、「ラ・トゥール」内の秘密工廠
「ん...不愉快だな、この感覚は...生の感情を丸出しで戦うなどこれでは人に品性を求めるのは絶望的だ。」
その工廠の主は自らの能力でこの不快な感覚をこの距離の離れた場所からでも察知していたのだ。
感覚といえばつい最近ある人物がこの周囲を嗅ぎまわっている事にも私は気が付いていた...その人物は私がよく知る人物でもあった。
シャア、奴もこの世界に来ていたとは想定外だったがその程度では私の計画に支障はない。シャアなどの邪魔が入ったところで何の問題も存在しない。
この舞台に奴のような存在の出番は存在しないのだよ
既に基盤となるシステムは完成している...これは私が発想し生み出した存在ではないが全てがオリジナルで無くてはならないなどと言う愚かな物の考え方に囚われるつもりもない。
宇宙世紀時代私は連邦軍の兵器開発に少なからず関りを持ったがその時期に軍の機密情報のいくつかにアクセスする事に成功していた。その手段については非合法的な手段も含まれてはいたがさほど苦労はしなかったのである。
MSの完全な無人化を模索して生み出されたシステム、それを私の手で新しく生まれ変わらせた存在が今完成したこのシステムである。最もオリジナルのそれと私が完成させたこのシステムでは既に大きく異なっておりこの世界に存在する量子型演算処理システム、ヴェーダの構造も参考にされている。
本システムのオリジナルの存在を危惧した一部連邦の軍や政府上層部の意向によりこの開発者は暗殺されてしまったのであるが、やはり俗人などは天才の足を引っ張ることしかできないという事の証左であろう。
私はこのシステムをMSの操縦システムとして活用するつもりはない。そちらには私が開発したまた別のシステムであるバイオ・コンピューターを用いたほうが適切であろう。
後はこのシステムを、彼女を育てる適切な人材が必要であるが既に目星はつけている。
例のシステムはあれですね。
彼女を育てる人材はあの人です。声が同じあの人ですね