機動戦士ガンダム00 A.R   作:NY15

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The Moon

宇宙 ソレスタルビーイング輸送艦 プトレマイオス

 

 

 例の件のレポートでのヴェーダからの返答はスメラギ・李・ノリエガにとって想像通りでもありであるからこそ自分の中でさらに不安が増していく思いであったのだ。

 

 ヴェーダを信用していないわけではないのだが頼り切っているわけでもない、特にことユニオンに関してはあまり当てにならないとすら最近は思い始めているのだ。

 

 今現在判明しているユニオンの状況を整理してみるとユニオン、米国のセキュリティーが進歩したのが武力介入を始める1年ほど前、そして彼らのL1に存在するコロニーでの何らかの動きがあることも把握済みである。

 

 対外的にはユニオンは宇宙関連開発の加速、及び宇宙移民の促進プロジェクトと銘打ちコロニー及び月面開発を推し進めているのである。特に月面には彼らの簡易的な拠点や月面開発基地が建設されておりそれらはアンマン、エアーズ、グラナダ、フォン・ブラウンと呼称されていた。特にエアーズと呼ばれた拠点には物資打ち上げ用と思われる大型のマスドライバーの建設すら進められているらしいのだ。しかし未だにどのような資源を採掘しているかの情報に関しては入手出来ていない。これらの情報を入手できたのは以前からユニオンに対して行っていた諜報活動がようやく実を結んだ結果なのだが...これほどの時間をかけてもこの程度の情報しか入手出来なかったとも言えるのだ。

 

 月面には豊富な鉱物資源が存在しておりアルミニウムや鉄、チタンなどが存在していることは既に判明していることである...なぜこれほどまでにユニオンがその採掘している資源に関しての情報にプロテクトをかけているのか、またなぜ急に彼らが月面開発を重視し始めたのか不明のままであったのだ。

 

 私は端末で月面の地理及び埋蔵されているとされる資源のリストに目を通しながらグラスに注がれた蒸留酒に口をつける。

 

 その時リストの端に存在したある資源の存在が私の目に留まったのである。

 

 

 その資源の名前はヘリウム3

 

 まさか...いいや、それはありえないはずである。この資源を活用したあるエネルギー機関の開発や研究は21世紀頃に世界各国で盛んに行われていたのだが太陽光エネルギーの実用化など様々な影響で研究は中止されている。(この件に関してソレスタルビーイングが関与していたかは不明である...少なくとも私が保有しているヴェーダへの機密情報のアクセスレベルではの話であるが...)

 

 しかし私は頭ではありえないとは判断してもその名前を目にしたとき自らの脳内に嫌な想像が広がっていくことを感じていたのである。

 

 

 

 

リニアトレイン公社 会長別荘

 

 

 アリー・アル・サーシェス、少し前まではPMCトラストに所属する傭兵であり様々な戦場を渡り歩いてきた俗に言う戦争屋と呼ばれる人種である。またゲイリー・ビアッジと言う名でAEUフランス軍外人部隊にも所属しておりその正体は全くの謎であると言っていいであろう...現在名乗っているサーシェスと言う名も本名ではなく偽名である。

 

 その彼に先日極秘裏に接触してきたある人物が存在したのだ...その人物はリニアトレイン公社総裁ラグナ・ハーヴェイ...

 

 その彼に呼び出されてサーシェスはこの会長別荘にまで足を運んでいたのである。しかしリニアトレイン公社総裁などのような人物に呼び出される理由は不明である。

 

 最も彼のような役職の人間には公には出来ない隠し事の一つや二つあっても何ら不思議ではない...傭兵を頼るということはその秘密とやらが多少血なまぐさい臭いを放っているだけと言うことであろう。

 

 「・・・単刀直入にお伺いしますが私のような傭兵に総裁がどのような用件で?」

 

 「正確に言えば私が依頼するのではない、私は仲介役に過ぎないのでな...」

 

 「総裁ほどの人物が仲介とは...最も私達傭兵は代金さえ支払われればその分の仕事はさせて貰いますがね...」

 

 「分かっている、早速本題に入るがその前に一応確認しておこう...本件に関しては決して他言は無用、PMCトラスト側にも我々の情報を漏らさないよう確約してもらいたい。」

 

 「もちろんお約束しますよ、顧客の信頼や情報が第一なのはこのビジネスにおいても変わりはありません。」

 

 既に先方は俺の経歴などは全て調べつくしてから接触を行ったのだろう、だからこそ表沙汰に出来ない依頼内容であることは直ぐに予想出来ることである。

 

 「では、ビジネスの中身について話させてもらおう...」

 

 総裁がこちらにある資料を提示してきたのである。それはMSと思わしき機体の情報であった。

 

 そのMSは既存の機体とは随分と異なる特徴を持っているようであり共通点と言えば可変機であるというくらいであろう。

 

 海洋生物を思わせるその外観からはその設計思想はどの国家陣営の機体ともかけ離れており搭載されている武装も見覚えのないものばかりであったのだ。しかし機体に存在するコーン型のスラスターと思われるパーツだけは見覚えがあったものであった。

 

 「このMSは...」

 

 その時であった、物陰に隠れていたある人物が姿を現した。

 

 馬鹿な、この俺が気配すら感じ取れなかったとは...このような依頼であるからこそ細心の注意を払い面会に臨んでおり懐にはもちろん銃を携行している。それだけに奴の気配を感じ取れなかったのは俺の失態と言えるだろう。

 

 「GNドライヴ搭載型のMS、その機体をキミに預けたいと思っているのだよ。」

 

 その人物が口を開く...先ほどまで気配を完全に消して潜んでいた人物とは思えないほどに今度は奴が放つオーラのような...圧倒的な存在感を目の前のこの人物は放っていた。一目見ただけで奴がタダ者ではないことが直ぐに察知出来たのである。

 

 「GNドライヴ...」

 

 「そう、そしてそれは君の想像通りの物であることは間違いない。ガンダムと呼ばれるMSの動力機関と同等のものであるのだよ、一部を除けばだがね。」

 

 「まさかソレスタルビーイングから依頼を受けるとは思っても見ませんでしたが...最も傭兵は代金さえ頂ければ依頼主が誰であろうとそれで結構ですがね。」

 

 「フッ、それは少し違うな、私は彼らとは違う手法で人類を導く必要があると考えているのだよ。」

 

 「...で私にそれを手伝えと?」

 

 「そうとも言えるかもしれないな、私は君のデータが欲しいのだよ。」

 

 「つまりはテストパイロットと言う事ですか...私が言うのも何ですが傭兵に依頼する仕事としてはあまり適切とは思えませんな。」

 

 「君が適切だと判断したからこそこうして依頼しているのだよ、君からは中々良いものを感じるのでな...私には君が必要だ。」

 

 この人物から俺は底の知れない何かを感じていた...しかしそれと同時にどうやら自体の風向きが変わってきたという確証も感じていたのだ。

 

 なるほど...こいつについていけば俺にとって面白い方向へと事態が動きそうだという確信めいたものを感じたのだ。

 

 「分かりました...では今回の件お引き受けしましょう。」

 

 

 

 

 




ビジネスモードのサーシェスの口調が難しくてなかなか再現できませんね。
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