機動戦士ガンダム00 A.R   作:NY15

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熱砂の伏魔殿

 中東、そこに位置する多くの国々は石油輸出産業で経済を支えていたが太陽光発電システムの建設計画によりその存在価値を失おうとしていた...国連決議により一部を除いて大幅な石油輸出規制が採択されそれに反対する中東国家の一部が武力を行使、戦火は拡大しこれが20年続いた太陽光発電紛争である。(本件に関してソレスタルビーイングが関与していた可能性はあるが真実は闇の中である)

 

 この紛争で疲弊し世界からも見放された多くの中東国家は貧困から分裂や統合を繰り返している...スイール王国などの極一部を除いてかつての栄光からはかけ離れた状態であったのだ。それが現在の中東の現実であった。

 

 そして今、その中東においてある人物の思惑の元大きな動きを見せようとしていたのだ...本来であれば存在しないはずの人間による干渉によって中東情勢は大きく変化を見せようとしていたのである。

 

 最も変化することが正しいとは限らないのだが...

 

 

中東 アザディスタン王国 王宮

 

 アザディスタン王国はカスピ海とペルシャ湾に挟まれた王国である...内政の悪化したクルジス共和国を6年前に吸収、新興国家として王政を復活させたが国教の解釈の違いにより国民は大きく二つの教派に分かれていたのだ。

 

 そのような状況の中、アザディスタン王国第一皇女であるマリナ・イスマイールの元に保守派の指導者であるマスード・ラフマディーの突然の死の情報が舞い込んできたのだ。

 

 彼女は俗に言う改革派であり保守派のマスード・ラフマディーとは政治的に対立する立場にある...しかし真実はラフマディーは変化を嫌う保守派の受け皿となるべくあえてマリナとは対立する立場を取っていたにすぎないのである。

 

 アザディスタンにおいて大きく二つに分かれる教派があることは事実だがどちらの派閥も一枚岩ではないのである。改革派や保守派の内部でもまたさらに様々な考え方の違いによる対立...どちらの勢力の内部にも過激派や穏健派というものが存在していた...

 

 「一体なぜ...何があったと言うの...」

 

 マリナ姫のその問いかけに彼女の側近かつお目付け役のシーリン・バフティヤールが答える。

 

 「入ってきた情報によると以前からの持病が悪化しての病死...しかし国内の超保守派はそうは考えないでしょうね...真実がどうであれ彼らは改革派がマスード・ラフマディーを暗殺したと考えると思うわ。」

 

 「そんな...」

 

 「実際のところ保守派と改革派の双方において近年重要な地位を占める人物が不審な死を遂げているのは事実...今回の件を受けてさらに対立が深まることは間違いないと思われるわ。それにラフマディー氏の後を継ぐ指導者は彼と違って本気で改革派と争うつもりでしょうからね。」

 

 実際のところ保守派内部の過激派閥の行動を抑えてきたのはマスード・ラフマディーであったのだ、彼の優れた指導力のおかげで少なくとも現在に至るまで武力を伴う直接的な対立は避けられてきたのである。国連の支援により建設された太陽光受信アンテナが今現在テロ活動等により破壊されていないことから考えても彼の功績は大きいと言わざる負えない。

 

 「とにかく保守派指導者の後任となる人物の行動に注視しなくてはならないわね...この状況ではスイール王国との会談の要請も断らなくてはならないかもしれないわね...」

 

 シーリンの提案は先日スイール王国側から提案された両国の王族同士の会談でありマリナ姫はスイール王国に国賓待遇で招かれていたのである...しかし今現在の状況では国内の保守派を刺激する事でもあるのだからその実現は危ぶまれていた。

 

 中東と言う特殊な情勢下に置いてたとえ同じ神を信仰する者同士においても対立は存在するのである...異教徒との対立はもちろんの事同じ宗教同士であっても教派による対立は数世紀の時間が経過しても解決しておらず同じ国の内部においても対立が存在するのであるから他国とあらば言われずもがなである。

 

 「でも...折角の会談の要請を無下にするわけにもいきません。」

 

 「とにかく今現在は国内の安定に努めるべきですわ。」

 

 その時であった、執務室に新たなる情報が飛び込んできたのは...

 

 その情報はスイール王国からもたらされたアザディスタン内部の保守派の後任となる指導者の情報、及びその後任となる人物からの極秘のメッセージであったのだ。それはシーリンにとってマスード・ラフマディーが死亡することをあらかじめ予測していたのではないかとの疑念を抱かせるに十分なタイミングであったのだ。

 

 それにスイールを通してこちらに情報を届けるなど国内の保守派はスイール王国と密接な関係にあるという事であろう...国内の保守派はただでさえ余所者を嫌う傾向があるというのに同じ中東、宗教とはいえ外国と繋がりを持つなど不自然である。

 

 この不自然さ、違和感の正体は中東全土を巻き込んだある人物の思惑、陰謀によるものであるとまだこの場で気が付く者は存在しない。しかし陰謀の種は数年前に既に撒かれ発芽の時を迎えようとしていたのである。

 

 

 




シロッコの野望...

世界観についてですがSEEDやOOが黒歴史の一部であるのなら同一の世界観ということなのでミノフスキー粒子が存在したとしても何ら不思議ではないですね...
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