機動戦士ガンダム00 A.R   作:NY15

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ゼータの鼓動

ユニオン 米国 秘密工廠

 

 アムロが想定していたユニオンにおける次期主力MSの仕様としては宇宙世紀で運用されていたRGM系列の機体...ジェガンの細部を調整したような機体を想定していたのだがユニオン軍、正確には米軍が要求した仕様は今現在までの運用実績のある可変機構を保有するMSであったのだ。

 

 アムロとしてはコストやメンテナンス性が損なわれる可変MSの量産にはあまり前向きではなかったのだが実際に運用する軍がそう希望するのであれば仕方がないことである。それにユニオンの今現在のドクトリンからしてやはり可変MSが適合しているという事であろう。

 

 ...となればいくつかの候補が存在する。まずはコストパフォーマンスに優れるアッシマーのような機体かはたまた燃費と言う面においては劣悪だが優れた高高度迎撃機であったギャプランの設計を改良したものなど様々考えられるのであるが...

 

 やはりバランスと言うものを考えたうえでZ系列の機体、それもカラバで運用されたZプラスA1と呼ばれた機体をベースにアイリス社かまたはベル・ファクトリー社に性能要求を提出することになったのだ。

 

 Zプラスは高性能だが高価かつ複雑でメンテナンス性が劣悪であったZガンダムの機能を絞り込み変形機構の簡略化などの低コスト化を図った一応の量産機であったのだ。

 

 捕捉するとMSの開発能力は間違いなく宇宙世紀世界の方が上であったのだが航空機と言う面においてはこの西暦世界は劣っているというわけではない...むしろ凌駕する面すら存在しているのである。技術力の底上げは必要であるが本機のデッドコピー、あるいは改良型のようなMSを製造することは不可能ではないであろう。

 

 それにプロフェッサー・エイフマンの存在も大きい...教授の優れた能力は多方面に及んでおりここまで事が進められたのは間違いなく教授の力のおかげである。

 

 そして今現在最重要と呼ばれる物事が存在する...

 

 それはニュータイプ論の存在である。

 

 かつてジオン・ズム・ダイクンが提唱したニュータイプ論は人々の間で解釈が分かれその定義は非常に曖昧であり研究自体は行われていたもののそれは軍事的な方面ばかりに偏っており殆ど解明されていないに等しい存在であったのだ。

 

 ニュータイプとは広大な宇宙に進出した人類がその環境に適応し優れた空間認識能力獲得し手段としてのテレパシーのようなものまで保有している...と言われているのだが世間一般では一種の超能力者のような扱いすら受けてしまっていた。

 

 そしてその捉え方は様々であり人々は彼らに対して興味や恐怖、畏怖あるいはその存在自体を認めないなど多岐にわたっており時には選民思想と結びついたことすらあったのである。

 

 定義自体が定まっていないニュータイプ論であるがこの世界においてアムロは公表するべきであると思っていた。もちろん公表したことによる混乱は間違いなく発生する事であろう...あるいはいきなりこのような存在を世間に公表すれば戯言として扱われ全く相手にされないということも考えられる。

 

 だが将来必ずや人類の変革と言う存在が現れたとき肯定的な人間ばかりではないというのは間違いのないことである。間違いなく彼らを排除しようとする人間は存在するだろうしそこまでの考えは持たなくても拒否感を抱く人間は少なくないはずである。それは人間としては仕方のないことなのかもしれない...宇宙世紀世界においても差別や偏見は何もニュータイプ関連だけではなくアースノイドやスペースノイド間においても存在しており人種問題ですら解決には至っていなかったのであるのだから...

 

 ならば対立が発生することは仕方がないにしてもそれを軽減させることは可能ではないのだろうか?もちろん対立自体無くせれば一番いい方法なのは間違いないが理想論だけでは世界は変わらない...

 

 いきなりニュータイプ論を全て公表するのではなくユニオンが開発しているスペースコロニー居住者の中に優れた空間認識能力及び感応波を保有する人間が発見されたという体で発表をする予定である。

 

 エイフマン教授が第一著者となり世間に論文を発表する予定であるのだ...そしてニュータイプという存在の情報を長い時間をかけて研究成果の報告という形で小出しに発表することにより世間にその存在を徐々に広めようという目論見であろう。

 

 実際にそうしたところでどれほどの効果があるかは不明である...たとえ時間をかけて広めたところで対立自体は起こってしまうのかもしれない。しかしそれでもやってみる価値はあると俺は思っている。

 

 宇宙空間における空間認識能力の拡大及び人類の進化の可能性というタイトルを着けられた論文は近日中にも世間に公表予定である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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