機動戦士ガンダム00 A.R   作:NY15

29 / 70
見えざる脅威2

ユニオン MSWAD本部 

 

 

 「高出力のプラズマジェットに新型のリニアライフル、そしてなにより例の新素材とソフトウェアのアップデート...独立飛行隊らしくなってきたじゃないか。」

 

 ハワードの今の発言はまさに今現在の対ガンダム調査隊改めオーバーフラッグス規模を再確認するようなセリフであったのだ。

 

 各部隊の精鋭たちがこのオーバーフラッグスに招集されており配属された全てのフラッグに改良が施されている最中であったのだ。

 

 「とはいえあのガンダムにどこまで対応できるのやら...」

 

 格納庫の前でハワードとダリルが今まさに改造を施されているフラッグの前に立ち尽くしていた。その光景はまさに壮観と言った感想を抱かせるのだがガンダムの性能を知っている者からすれば楽観視は出来ないのは当然とも言えるのかもしれない。

 

 「出撃前から臆病風かよ、部下がこんなんじゃグラハム中尉の力量も知れるってもんだな。」

 

 挑発的な口調で会話に割り込んできたその人物はユニオンが誇るフラッグファイターの一人、アラスカから転属してきたジョシュア・エドワーズであったのだ。

 

 「中尉じゃなくて上級大尉だ!新部隊編成で昇進なされた!」

 

 「ほう!そいつはすごい、また上官でも殺したか?」

 

 「根も葉もないことを言うな!」

 

 「ふ...せいぜい気をつけな。ヘタこくと後ろから撃たれるぜ、上級大尉殿にな。」

 

 「貴様っ!」

 

 「そこまでだジョシュア少尉。」

 

 私がダリルを静止しようとしたまさにその時どこからともなくその声が響いてきたのである。

 

 ユニオンの軍服に少佐の階級章を着けたその人物は何か今までにない雰囲気を醸し出していたのだ。

 

 「...!!アムロ大尉...いや今は昇進なされて少佐でしたね。宇宙勤務になったと聞いていましたが再びお会いできるとは光栄です。」

 

 恐らくはプライドが高いと思われるジョシュアがその人物を目にしたとき急に態度が急変したのである。階級が上なので当然かと思われるかもしれないのだが...なんというかただそれだけの理由とは異なっていると私は直感で感じ取っていた。

 

 例の開示された模擬戦の結果、ジョシュア・エドワーズはあの人物、アムロ・レイに完敗していたのだからそれを受けてと言えるのかもしれない。実際にジョシュアの表情からは対抗心をむきだしにしているとも感じ取れるものであるし尊敬や畏怖を抱いているとも思えてたからである。

 

 彼があのアムロ・レイ...異なる世界、宇宙世紀と呼ばれた世界のエースパイロット...

 

 私に知らされているのは簡単な概要のみであり宇宙世紀の情報全てを把握しているわけではない...だが彼ら、アムロ・レイとシャア・アズナブルと呼ばれた人物の繰り広げた戦い...地球の統一政府である連邦と宇宙移民者、スペース・ノイドの自治独立を掲げたジオンと呼ばれた国家の戦いの規模は我々の戦争とはそのスケールは比べられないほどに異なっているものであったのだ...

 

 規模だけではない...あの戦争、一年戦争と呼ばれた想像を絶する戦いの後にも戦乱は続き事態は単純な連邦対ジオン、アースノイド対スペースノイドの戦いと言ったシンプルなものではなかったというのだからその複雑性は理解しがたいものがある...

 

 連邦内部でもその後内戦のような状況に発展したのと同じくジオンも一枚岩ではなかったのであるのだから...

 

 そしてシャア率いるネオ・ジオンと地球連邦軍の外郭新興部隊ロンド・ベルの戦いはまさに地球の命運をかけた戦いであったのである。

 

 シャア・アズナブル・・・キャスバル・レム・ダイクンの人生は私が把握している限りの情報で判断する限りでも数奇なものであったのだ。

 

 あの二人の関係は恐らく知らされた情報だけでは判断できない何かがあることは間違いないと思われた。

 

 アムロ・レイ...

 

 遠目から眺めていただけでも彼からは何か異質な雰囲気を私は感じ取っていた...

 

 

 

 

 

 同時刻 MSWAD本部 

 

※ビリー・カタギリ視点

 

 今の彼の仕事はオーバーフラッグスに配備されたフラッグの改良であったのだが諜報部が入手してきたスイール王国に配備されているMS群の解析と言う急な仕事も任されていたのである。

 

 監視衛星が捉えたその画像データはまさに驚愕に値するものであったのだ。

 

 MS自体は旧式のアンフとヘリオンであり本来であれば何も問題のないことであるのだ。

 

 しかし問題はその装備されている兵装であった...

 

 アンフに装備されたあの大型兵装...外部から有線で電力を確保していることから考えて間違いなく従来の火薬を用いた火砲で無いことは明らかであった。大型のリニアライフルかとも思えたのだが解析を進めるうちにそれは否定された。

 

 「あれはリニアじゃない...スイールとはいえなぜあんな兵装を...」

 

 ビリー・カタギリは困惑していた...その理由はどう考えてもスイール王国の技術力では...いやAEUや人革連ですらあのような兵装を開発できるとは思えなかったからである。

 

 

 

 

 MS解説

 

 アンフ(スイール王国配備型)

 

 30mm機銃 

 500mm大出力レーザー砲

 

 スイール王国に配備されたアンフの改良型。ある人物によって導入された新技術によりレーザ兵器を装備している。その威力は既存の火砲、リニア兵器を大幅に上回る威力を誇る。しかし通常のアンフに輪をかけて鈍足であり稼働には外部からの電力を必要とし実質的には移動砲台に近い代物である。

 

 アンフ(スイール王国配備型、対空レーザー装備タイプ)

 

 30mm機銃

 240mm二連装対空レーザー砲

 

 対空レーザー装備型のアンフ。速射性を重視しており威力は大出力レーザー装備型に劣るが機動性は通常のアンフと同程度である。対空レーザーであるが可動域、俯角を大きく取れるため対地攻撃にも転用可能である。大出力タイプも対地、対空の両方に対応しているためこちらのアンフの役目は大出力タイプを補う目的で開発されたものである。

 

 ヘリオン(スイール王国配備型)

 

 20mm機銃

 ディフェンスロッド

 ソニックブレイド

 レーザーライフル

 

 スイール王国に配備されたヘリオン。推進機関は従来の水素プラズマジェットエンジンのままだが動力は新型のバッテリーに換装されている。やはり特筆すべきはリニアライフルに代わりレーザーライフルを装備している事であろう。スイール王国のヘリオン全機に改良が施されたわけではなく従来通りのヘリオンも相当数存在している。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。