中東 スイール王国 原子力発電施設隣接軍事基地
ここスイール王国の軍事基地において最近になって稼働し始めていた原子力発電施設防衛のため相当数のMSが配備されていた...それらアンフやヘリオンなどの旧世代MSとはいえレーザー兵器を追加装備した戦力は決して侮れない物であったのだ。
そしてこの基地にスイール王国の人間ではない二人の人物が存在していた。
「GNブラビはどうかな?」
「どうもこうも...こいつはとんでもねぇ兵器ですな。戦争のしがいがある。最も動力機関とは別に何か得体のしれない力を感じはするが...」
「そう感じるのは今まで君が楽をしてきたからだ...」
「俺が楽を...確かにこんなMSを用意されたんでは返す言葉もありませんがね、大将。」
「そういう意味ではないさ...戦いは力だけでは勝てんよ。それを理解すれば感じ方を拡大することも不可能ではないかもしれんな。」
「感じ方...なるほど大将、あんたの言っていることはよくわからんがお前は面白い人間だ。」
「期待しているのだよ、君には...出番は近いぞ。」
「それはこっちの台詞ですぜ、大将。」
アリー・アル・サーシェスはこの男、パプテマス・シロッコに付いた判断は正解だと確信していた。
楽しくなってきたじゃねーか、この男の計画通りならこの先俺にとって都合のいい未来が待っている事だろう。どうやら俺が思っていた以上にソレスタルビーイングという組織は一枚岩ではないらしい...少し前まではあのイオリア・シュヘンベルグを忌々しく思っていたが今は逆に感謝しているほどである。
まあどちらに転ぶにせよ戦争になる、それもとんでもない規模のな。
さて世界はどう動くか、このGNブラビを出せばあの人形連中も何かしらの動きを見せるだろうしな...
中東 アザディスタン
シロッコめ、一体何を企んでいる...?
アザディスタンに滞在中のシャアの元に王留美を通して入ってきた情報...それはスイール王国に顧問として雇われているという重要人物がある軍事基地に滞在しているとの情報であった。
そしてその顧問とはスイール王族に取り入り自らの思うがままに事を運んでいるというのだ。つまりは今回の黒幕、パプテマス・シロッコで間違いないとシャアは確信していた。
しかしその情報を鵜呑みにするわけにはいかない...シロッコ自身が自ら情報を流した可能性もある。...いやむしろこの詳細すぎる情報は故意に流出させたと見るべきか。
だがたとえ罠だとしてもあの男を倒す絶好の機会には違いあるまい...
同時刻 中東 アザディスタン 砂漠地帯
ロックオン・ストラトスは自らが進言した威力偵察の件をミス・スメラギに報告、その件はヴェーダにも承認され実行間近であったのだが...つい数時間前に新たな情報が王留美よりもたらされ作戦は一時保留扱いになっていたのだ。
「つまりはそのスイール王族に取り入っている謎の人物、ミスターXが存在するって言うのかい。」
「ええ、今回の中東連盟結成の裏ではその人物が糸を引いていたとみて間違いなくてよ。」
「その情報が真実だとして、そのミスターXって野郎の正体は何者なんだ?今まで俺らに影すら掴ませずここまで大規模な計画を進めるとは正直考えにくいと思うが...」
「...残念ながらそこまでは掴めていませんの。ただ間違いなくその人物は紛争を幇助する行いをしていることは確かですわ。」
「なるほどね、ならなおさらスイールに対して何らかのアクションを起こす必要があるか...そのミスターXの滞在場所はもう割れているんだったな?」
「ええ、今現在その人物は原子力発電施設に隣接したスイールの軍事拠点に滞在しているとの情報が入っていますわ。無論罠の可能性もあります。」
「たとえ罠だったとしてもこちらにスイールの情報が不足している以上今回の偵察ミッションは実行すべきだと思うがね...」
「ええ、ただその罠がわたくし達に対するものだけではない可能性もある...」
「...どういうことだ?」
「今はまだなんとも...ただ今回の件のミスターX...わたくし達の想像以上に危険な相手なのかもしれないわね。」