機動戦士ガンダム00 A.R   作:NY15

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ガンダム

ユニオン 米国 秘密工廠

 

 武力による戦争根絶...!?

 

 何を馬鹿なことを...それにガンダム...あのテレビに映った老人は確かにガンダムを所有していると言った。それはあり得ないことである。

 

 ガンダムは宇宙世紀の世界において連邦軍が後れを取っていたジオンに対する形勢逆転を狙うため当時の地球連邦軍の技術の粋を集めて作られたMS...V作戦によって生み出された兵器群の中の一つでありその設計者はアムロの父親であるテム・レイである。

 

 それがこの世界に存在するはずが無いのだ...正確に言えば俺が乗ってきたνガンダムを除いてだが...

 

 

 しかしテレビには人革連の高軌道ステーションを襲撃するテロリストのMSを迎撃したガンダムの姿が確かに映し出されていたのだ。その外観からはその機体が重装甲を持った砲撃戦に特化した機体のように見受けられる...そしてその頭部もまさにガンダムタイプの特徴と一致していたのだ。

 

 

 ...これは早急に宇宙に上がらなくてはならないだろう。

 

 今コロニーで極秘に建造中の核融合炉は人類が宇宙に進出するためには必要なものだ。まだどこまで武力介入を行うのかは不明だが彼らの言葉に嘘偽りがなければたとえ戦闘行為が禁じられたコロニー内部であっても戦闘を仕掛けてくるであろう。核融合炉搭載のアレも完成間近なのだから情報が洩れれば危険性はある。

 

 ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉、Iフィールドを用いてプラズマを封じ込める方式のタイプの核融合炉でありその核融合燃料はヘリウム3である。宇宙世紀においてはヘリウム3を採掘するために木星にまで船団を送り込みそれらは木星船団公社が執り行っていた。この世界でも将来的に核融合炉が普及すれば同じことをしなくてはならないだろうが今現在はまだ月に存在するヘリウム3だけで問題ないだろう。

 

 しかしこれほどの大規模計画である...どれだけ安全策を取ったとしても情報が洩れる可能性はあるのだ。

 

 ソレスタルビーイングとやらは全世界にこんなことを宣言するのだ...それだけの力があるという事だろう。そして恐らくは全世界に彼らの協力者が存在することは間違いがない。

 

 

 アムロがこの世界に来てから彼が関わってきたプロジェクトの機密は厳重に保護されている。この世界のネットワークの脆弱性は彼の手によって一部改善されておりハッキングを受ける可能性は低くなっていた。だが何も機密情報を入手する手段がハッキングだけなわけではないのだ。

 

 恐らく彼等ソレスタルビーイングはネットワークに接続されていないスタンドアローンで運用されている端末の情報を入手するためのエージェントのようなものを保有しているのだろう。それは昔ながらの古典的な手段であろうが有効な手段には違いが無く宇宙世紀の時代においてもそれらは行われていたのだから。

 

 アムロは既にソレスタルビーイングにこの工廠やユニオンのコロニーで行われていることが少なからず漏洩していると考えていた。

 

 以前この施設の職員の一人に妙な感覚を発している人物が存在したのをアムロは自らの能力で掴んでいた。その彼女に捜査を行おうとした矢先既にどこかに行方を眩ませていたので結局正体を掴めず仕舞いだったのだが今にして思えば彼女はソレスタルビーイングの関係者だったのかもしれない。幸い職員と言ってもチタン合金セラミック複合材やνガンダムに接触できるレベルの上級職員ではなかったので完全に機密が漏洩したわけではないのだろうが...しかしあの感覚...正確に言えば脳波のようなものを発していた彼女の存在はニュータイプとはまた異なっているようにアムロは感じていた。

 

 まさか強化人間...可能性はある。

 

 この世界にもモビルスーツやガンダムと言う概念が存在する以上強化人間かそれに近い技術が存在していても不思議ではない。人間の発想と言うのは異なる世界においても似通ったものなのだろうか...

 

 ソレスタルビーイングという組織はそういった強化人間を作り出し世界中に諜報活動を実施しているのかもしれない...いやあのガンダムのパイロットすら強化人間の可能性も十分にあり得る。

 

 しかし彼らは本気なのだろうか?...しばらくは彼らの動きを注視しておこうか...

 

 それに彼らの所有するガンダムの性能も気になる...

 

 

 しかし今は計画が進行中のコロニーに直接赴いて作業を加速させるとともに防諜を担当するのが最善かもしれないとアムロは考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 事件から数時間後、AEU起動エレベーター 軍事演習場付近 

 

 

 車両の中で何やら端末を操作しているカタギリはどうやらガンダムに対する報告書か何かを制作しているのだろう...しかしカタギリは、いや軍の上層部は何やら既にガンダムについて知っているようである。

 

 「軍に戻らなくて良いのかい?今頃大わらわだよ?」

 

 「ガンダムの性能が知りたいのだよ、あの機体は特殊すぎる...戦闘能力は元よりあれが現れるとレーダーや通信、電子装置に障害が起こった。全てはあの光が原因だ。カタギリ、あれは何なんだ?」

 

 

 「...現段階では特殊な粒子としか言えないよ。ただレーダーや電子機器等を無力化する粒子については心当たりがある。」

 

 「なに?」

 

 「しかしあのガンダムが放っていた光は僕の知っているそれとはどうも異なっているようなんだ...恐らくあの光はフォトンの崩壊現象によるものだね。」

 

 「特殊な粒子...」

 

 その時前方から車両が接近してきたため今搭乗している車から私たちは降りた。あの車両はユニオンの物であることは分かっていた。

 

 「粒子だけじゃない、あの機体にはまだ秘密があると思うな。」

 

 「ふっ...好意を抱くよ。」

 

 「え?」

 

 「興味以上の対象だと言う事さ。」

 

 

 

 

 「グラハム・エーカー中尉、ビリー・カタギリ技術顧問。MSWADへの帰投命令です。」

 

 「その旨を由とする。」

 

 

 

 

 

 

 




アムロが違和感を感じた人物はイノベイドですね

情報収集型のイノベイドは自身がイノベイドだと知らぬまま人類社会に潜入し情報収集するようなタイプが存在するらしいですがさすがに捕獲されて医学的に検査されれば人間とは異なる存在ですから正体がばれてしまうでしょう。

 そんなことになってはヴェーダとしては明らかに不都合でしょうから無自覚と言えど自らに危険が迫った場合逃亡できるようになっているのではないでしょうか?

 今回の場合は自らが怪しまれていると感づいた段階でユニオンの施設から逃亡していますが恐らくはその時だけイノベイドとして覚醒したのかはたまたそれすら気が付かせずにヴェーダに逃亡するように指示されたのかは...

 ただ彼等(彼女等)は無自覚とは言ってもヴェーダとは周期的にリンクはしているそうなのでヴェーダが直接指示することもイノベイドとして覚醒させることもどちらも可能だとは思いますけど...
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