中東 スイール王国 砂漠地帯
突如としての敵航空戦力、謎の大型陸上艦艇の出現...そして何よりあの大型艦艇が持つある特徴にロックオンは驚愕していた...恐らく刹那も同様の感想を抱いているであろう。
さらに謎の艦艇は急降下を始めたエクシアに対してビーム兵器と思われる攻撃を開始したのである。
間違いない、あの艦艇は太陽炉を搭載している。
「ハロ、知っているか?」
「データナシ!データナシ!」
一体どういうことだ...なぜスイールが太陽炉を所持している...?まさかヴェーダをハッキングして製造方法を盗んだ?
いや、考えるのは後だ。今はこの状況を切り抜けなければらない。
敵航空戦力の出現及び敵艦の出現によりエクシアの降下は妨害されている...今現状威力偵察ミッションの目的は既に達成されたのであるから今はもう撤退するのが得策であるとロックオンは判断した。
しかし敵のヘリオンの数を減らさない事にはそれも難しいであろう。
太陽炉...GNドライヴを搭載したMSであるガンダムはそれ以外の通常動力型のMSに対してほぼ全ての性能を凌駕している...しかしただ一つ例外があった。
ガンダムキュリオスを除くエクシア、デュナメス、ヴァーチェの3機はユニオンやAEUが開発、配備している可変型MSに対して加速性能では勝るもののトップスピード、最高速度では劣るのである。
つまり厳密な意味で全ての性能面で優越しているのはガンダムキュリオス1機のみと言うことになる。
GN粒子の恩恵があるとはいえ可変型MSの飛行形態を速度で上回ろうとするならば同じく可変機構を採用するか別途に特殊兵装を用意する必要があるのだ。
つまり今の現状敵機を無視し撤退を開始したとしてヘリオンを振り切ることが出来ないのである。
あるいはこれがもし相手が通常のヘリオンであれば問題はないのかもしれない、だが今相対しているヘリオンはレーザー兵器と言う特殊な武装を装備しているのだ...ガンダムと言えどあの攻撃の直撃を受け続けるのはあまりに危険である。
地上からの大出力レーザーと敵艦のビーム攻撃、それらを回避しまだ数機撃墜したとはいえ残る多数のヘリオンを撃墜するのは至難の業と言えるかもしれない。
ヘリオンはガンダムエクシアに接近するのを明らかに避けている、地上に存在するMS部隊や艦艇との連携によりエクシアもヘリオンに中々近づけず機体の強みを封じられてしまっているのだ。敵機は一撃離脱戦法を駆使しているようであった。ここにきてGNバルカンをオミットした弊害が出てしまっていた...
ロックオンはGNスナイパーライフルで敵機に狙いをつけ発射した。
1機に命中し撃墜したもののそのすぐさま他のヘリオンがカバーに入る、そして地上からの対空射撃が今度はデュナメスの方に集中し始めていた。
目視することが出来ないレーザーにビーム攻撃の組み合わせは凶悪の一言に尽きるであろう。
敵のビームを回避した瞬間機体表面温度が急上昇しついにシールド表面が若干の融解を始める...恐らく敵はあらかじめ区画を割り振りビームを用いてレーザー攻撃に誘導しているのかもしれない...
このままでは...
「ロックオン!」
刹那からの通信が入る。
「太陽炉の安全装置を解除...エクシアのオーバーブーストモードを使用する。」
その刹那からの通信はエクシアに備わっている機能...太陽炉の安全装置を解除し一時的に出力を最大まで高めるオーバーブーストモードの使用であった。
エクシアのオーバーブーストモードについてエクシアR2に改修された時に追加された機能とする説と最初から備わっていた説の二つがありますが後者の設定を採用することにします。