機動戦士ガンダム00 A.R   作:NY15

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宇宙世紀の影3

中東 スイール王国 砂漠地帯

 

アリー・アル・サーシェスはコックピットから撤退を始めたソレスタルビーイングのガンダム2機を眺めてた。

 

 まあこのくらいが頃合いだろう。大将にも連中にはまだ利用価値があるので撃墜しない程度に留めておけと釘を刺されたことだしな。

 

 ガンダムと同じくこのエリアに出現したティエレンもガンダムが撤退を開始してから数分後には撤退を始めていた。

 

 

 それよりもあのティエレン...あれが例の赤い彗星...

 

 

 大将はなり損ないだとかなんとか言ってはいたが、とんでもない技量を持っているようであった。

 

 なるほど...今まで半信半疑ではあったがどうやらこれはニュータイプって奴を認めなくてはならないようだ...全くとんでもない存在のようだな、大将と言い赤い彗星と言い...

 

 

 だが、まあいい。俺にとっちゃ宇宙世紀の因縁とやらを持ち込まれたほうが都合がいいんでね。

 

 さて、世界はどう動くか...少なくとも連中が動き出すことは間違いない。まあどう動くにしても俺にとっちゃ歓迎する展開になるだろうがな。

 

 

 

 

 

 

 

 

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 なぜヒトは...戦う...?...私は戦うために.....生み出された...?....違う....あのヒトは...私に戦いは......求めない......私にヒトを.....学べと...このヒトから...いやこのヒトだけじゃない...全てのヒトから......私の使命は.....

 

 

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 中東 スイール王国 砂漠地帯

 

 

 デュナメスとエクシアの2機は先ほどのあの謎のティエレンから送信された...厳密に言えばあのティエレンからトレミーを介して送られた合流地点に撤退を完了し今その謎の人物を待っていたのである。

 

 トレミーを介しての情報と言うこともあり罠と言う可能性は低いであろう...ロックオンはそう判断していた。もっとも念のためガンダムのコックピットの中でいつ戦闘が始まってもいいよう待機してはいたのだが。

 

 

 それにしても刹那はあの謎のMSと交戦してからいつにも増して無口になっていた...だが冷静さを欠いているようにもロックオンには見受けられたのだ。刹那はエクシアに...ガンダムに人一倍特別な思いを抱いているようであり太陽炉を他勢力が使用していたことに衝撃を受けているのかもしれない...だがそれ以外にも何かあるようにロックオンはなぜか感じていた...

 

 

 その時、遠くからホバー走行の独特の音がこの場所に徐々に近づいてくるのを確認したのである。

 

 

 

 赤いティエレン...先ほどの神がかり的な対空戦闘を行ったその機体は恐らく通常のティエレンではなく新型か何かしらのカスタムを施しているとロックオンは判断した。

 

 コックピットハッチが開きパイロットが降りてくる...ヘルメットを外したその人物の容姿はブロンドのオールバックヘアーでありロックオンは彼を見た瞬間謎の威圧感に襲われたのだ。

 

 

 刹那にはエクシアのコックピットで待機させ俺もデュナメスのコックピットから降り地面に降り立つ...

 

 

 「先ほどは助かった...しかしあんた一体何者なんだ?...俺たちには知らされていないソレスタルビーイングの別動隊か何かか?」

 

 謎のブロンドヘアーの男にそう問いかける、数秒の沈黙の後、彼は俺の問いに答え始めたのだ。

 

 

 「いや、正確にはそうではない...しかし今現在の時点で君たちの敵ではないということは保証する。」

 

 

 「随分と回りくどい言い回しだ...まあ、なにはともあれ助かったのは事実だ。感謝する。」

 

 その時だった、航空機のエンジン音が辺りに鳴り響きエクシアが警戒態勢に入った...だがその音の正体は王留美が保有している輸送機であり直ぐに警戒は解かれたのである。

 

 なるほど...この男は王留美の関係者であったか。

 

 「皆様ご無事で何より...しかし状況はやはり想定を上回る事態でしてね。」

 

 王留美はそう語り掛ける、彼女のあの視線は何か特別な感情をあの男に抱いているようにロックオンは感じられたのだ。

 

 

 「我々はどうやらうまく逃げられたというよりも見逃されたという方が正しいのかもしれん。あれほどの敵機であれば我々を追撃することも可能であるはず...」

 

 

 確かに、それはロックオンも同じく抱いた違和感である...あの太陽炉搭載機は可変型MSであり俺たちを追撃することなど造作もない事と推察される...間違いなく俺たちは見逃されたのだ。だが何故?

 

 

 「だがそうだったとしてもあまり長居は得策ではないな...」

 

 

 「ええ、それに今回の戦闘でエクシアとデュナメスは少なからず損傷を負いました...特にエクシアは太陽炉の安全装置を解除した影響で重点整備の必要がある...」

 

 王留美が語った通り太陽炉の安全装置を解除したエクシアはトレミーでの整備を受ける必要がある...宇宙へ戻らなくてはならないだろう。

 

 「ああ、先ほどトレミーからも宇宙への帰還命令が来ている...それに今回の件はソレスタルビーイングの計画の根本を揺るがしかねない事態だ。一度宇宙に戻り作戦を練り直す必要がある。」

 

 「天柱を利用できるよう手配を整えます...しかし今回の宇宙への輸送の件はいささか急な事...人員はともかくガンダム2機をコンテナに紛れ込ませる工作には少々時間を要します。今しばらく待機を...」

 

 「ああ、了解した。なら暫くはゆっくりさせてもらうことにしよう。」

 

 その後、なにやらブロンドヘアーの謎の男は王留美と数回言葉を交わし再びティエレンのコックピットに戻ったのである。

 

 そういえば結局彼の名前を聞くことはなかった...もっとも俺たちのような存在は文字通り機密の塊といっていい。彼が仮に仲間であったとしても個人に関する情報全てを互いに知ることは無いだろう...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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