地球 某所
「一体あれはどういうことだ!ラグナ・ハーヴェイッ!」
ソレスタルビーイングの監視者の一人であるアレハンドロ・コーナーは声を荒げ激高していた。ソレスタルビーイングがスイールに対して武力介入を行った際に出現したGNドライヴ[T]を搭載した兵器群について同じく監視者の一人であるラグナ・ハーヴェイを通信機越しで問い詰めていたのである。
「どうと言われても私はスイールの件に関しては一切関知していない...こちらも寝耳に水の事態なのだよ。」
「なにをとぼけて...GNドライヴ[T]の製造は貴様が管轄しているラ・トゥールの秘密工場内でのみ行われている!それを知らないなどと通じる話ではない!」
「それはあくまで我々の計画の中での話だ...他に我々と同じ発想に至った者の存在は否定できんよ。」
「あくまで白を切るつもりか!第三者にあれの製造など出来るわけがない!」
アレハンドロ・コーナーは真っ先にラグナ・ハーヴェイの裏切りを疑っていた...奴以外に今回のような事を出来るわけが無いのだ。そこでアレハンドロ・コーナーはラグナにある要求を突きつける...それは踏み絵のような要求であった。
「ならば貴様が今現在管理してるガンダムスローネとGN-Xに搭載予定のGNドライヴ[T]及び機体パーツ30機分はこちらに今すぐ差し出してもらおうか!」
これで奴がどう反応するか...しかしその返答はアレハンドロの予想とは異なるものであったのだ。
「それで私の疑いが晴れるのであればそうしよう...では当初の予定を変更してチームトリニティの指揮はそちらが執るということで構わんかね?」
一体どういうことだ...もし本当にラグナが裏切っているのであればスローネとGN-Xをそう簡単に引き渡すはずがない。...まさか既にスイール国内にGNドライヴ[T]の生産工場を作り上げているとでも言うのか!?
そうであれば確かにスローネとGN-Xを引き渡しても惜しくはないと考えるかもしれん...しかし奴が裏切っているという確実な証拠が存在しないのもまた事実である。
私はラグナとの通信を終えるとすぐリボンズを呼び計画の変更を伝えたのだ。
「...よろしいのですか?ラグナ・ハーヴェイをこのまま放置して...」
「ああ、今はそれで構わんよ。たとえ奴がスイール国内に生産設備を築き上げていたとしても私が世界統一を成し遂げれば同じ技術を保有していたとして物量でスイールなどどうとでもなる...そのためにはスローネの投入を前倒す。」
「スイールに武力介入を行うのではないのですか?」
「...確かにスローネと今現在のガンダム4機を協力させれば武力介入を成功させることが出来るかもしれん...しかしこの段階でスローネを失うリスクを負う訳にもいかんのでな。」
「では武力介入の対象はどちらを?」
「人革連に対して武力介入を行わせる。スローネの投入は劇的なものに演出したかったのだが、この際贅沢は言えん...連中は唯一三大国家群の中でソレスタルビーイングに対決姿勢を示しているのでな...当分の間は人革連に集中的に行うことにする。」
リボンズ・アルマークは一見普段と同じ冷静さを保っていた、しかしその内心は...
リボンズはあのエクシア及びデュナメスと戦闘を行った謎のMSに様々な感情を抱いていた。
あんなものは計画には存在しない、イオリア計画にもこの僕の計画にも...
なんだあの性能は...戦闘データを確認しただけでリボンズにはあのMSの性能が理解できてしまっていたのだ。
あのMSに搭載されているGNドライヴ[T]...恐らく粒子生成量に改良が加えられ増加していると推察される...だが問題はドライヴというよりもあのMSに使用されている技術全般の方であるとリボンズは理解していたのだ。
あんなものは人間風情に製造出来る訳がない、少なくともラグナ・ハーヴェイなどには不可能だ。
誰だ、誰がラグナを裏で操っている...