宇宙 ラグランジュ1 ユニオン、スペースコロニー
創設されたばかりのニュータイプ研究所会議室に多くの人員が詰めかけていた。
数日前、スイール王国に対して行われたソレスタルビーイングの武力介入時にユニオンの偵察衛星が撮影した映像が大型モニターに映し出されていたのである。
今回の戦闘は世間には公表がなされていない...介入を受けたスイールはソレスタルビーイングを撃退したにも関わらずその成果を宣伝する気は無いようであったのだ。
今回の戦闘を確認しているのは第三者では恐らく偵察衛星を保有している三大国家群のみと言うことになるだろう。
そして問題なのはその戦闘の内容であった...
アムロ・レイは偵察衛星が撮影した映像及び画像データを食い入るように見つめていた...その戦場には明らかにソレスタルビーイングのガンダムと同様の動力機関を搭載した兵器群...そして例の赤いティエレンが確認されたのである。
「...しかしこれは一体どういうことだ?連中は仲間割れを始めたとでも言うのか?」
「それはまだわからん、だがスイール王国に何か劇的な変化が起きたのは事実じゃろうて...ソレスタルビーイングにも同じことが言えるのかもしれん。」
アムロの隣で同じく映像を確認していたエイフマン教授も今回の事態を重く受け止めており映像の検証に参加していたのであった。
「ん...?そこで映像を止めてくれ、拡大は出来るのか?」
モニターの映像はあのソレスタルビーイングの近接戦闘に特化したタイプと思われるガンダムと謎のMSが戦闘を行っているシーンで止められ、一同の注目は謎のMSに一気に集まったのだ。
「この機体は...」
RX-139 ハンブラビ...かつてグリプス戦役時にティターンズが実戦投入した可変MSである。その機体に類似したMSが映像に映し出されていた。
一体どういうことだ?この機体までもがまさかガンダムと同じく偶然の一致という訳でもあるまい...
現在シャアからもたらされたサザビーのコックピットの解析作業に携わったおかげでこのコロニーに駐留している技術者や軍人の何人かはネオジオン製のMSに対しての知識が存在している...だがティターンズが運用していた兵器群に対する情報などは存在するはずが無かった。
交戦経験こそ多々あるもののアムロの知識の中にティターンズ製の兵器に関するものはあまり多くはない...地球連邦政府にとってあの組織は汚点であり彼等が運用した兵器の多くは廃棄処分されたとされる。ただ噂でそれら兵器が保管されている倉庫のようなものが存在するらしいとロンド・ベル内で囁かれたことはあったが...
それにシャア...奴までもがこの戦場に姿を現している...あのティエレンは間違いなく以前アーマーザガンのテスト中に現れたものと同一の機体である。
それが余計にアムロ達を混乱させたと言ってもいいだろう...シャアはどうやらソレスタルビーイングのガンダムに対して援護を行っていたようなのだ、奴もあの組織に参加した...!?
もしくはあのハンブラビモドキがシャアの行動に関わっている可能性もある...敵対していることから考えてシャアがあのMSの製造に関わっている可能性は低いだろうが...
まさか...俺とシャア以外にもこちらの世界に来ている人間が存在する?
しかし、もしそうだとしたら一体誰が...