機動戦士ガンダム00 A.R   作:NY15

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スローネ強襲

人革連 高軌道ステーション

 

 

 セルゲイ・スミルノフ中佐は数日前発生したスイールでの戦闘映像を確認しながら頭を悩ませていた。

 

 スイールが何故ガンダムと同じ動力機関を搭載した兵器を保有していたのか...そしてあの戦場に現れたティエレン...

 

 

 映像だけでは断言できないがあのティエレンは恐らく以前行方不明となったティエレンタオツーの予備パーツを用い製造されたものである可能性が高いとの報告が上がっていたのである。結局横流しを行った犯人は特定できておらず今でも捜査は続けられているのだが...

 

あの状況から判断すればあのティエレンのパイロットはソレスタルビーイングの関係者の可能性が高い...軍内部に内通者が存在することはもはや疑いようのない事実であろう。

 

 

 あのティエレンタオツーは対空型に装備されている連射砲を追加装備したカスタム機であるということは判断できたのだが、それにしても対空戦闘においての命中精度が異常なまでに高いようであったのがセルゲイ・スミルノフ中佐の気にとまっていたのである...

 

 

 あの戦場はガンダムとスイールが保有していた同タイプの動力機関搭載兵器が多数存在していたことから考えてレーダーや索敵システムが使用できたとは思えない...ガンダムの特殊粒子が及ぼす影響全てが判明しているわけではないだろうが少なくとも今までの戦闘データからそれは判断できる事柄であった。

 

 その後の更なる偵察衛星が撮影した画像や映像から得られた情報では対空戦闘において撃破されたヘリオンは10機以上に上るということが確認出来ていた。ガンダムが撤退してからティエレンが戦闘を行っていた数分間の映像を解析したものなのでその10機に関してはティエレンが撃墜したと考えて間違いない。

 

 

 もしそれが人の技量による行いであったとしたらある意味ではガンダムより恐ろしいとスミルノフ中佐は考えていた...そしてそのような事を普通の人間には恐らく不可能であるとも中佐は考えていたのである。

 

 ガンダムのパイロットの中に超兵機関出身者が存在することは確認済みである...であるならばあのティエレンのパイロットもまさか...

 

 たしかにあのティエレンタオツーと言う機体を操りその神がかり的な技量を持つということから判断すればあのパイロットも少尉と同類の可能性は高い、だがたとえ超兵であってもあのような事を本当に出来るのであろうか...

 

 

 しかしこうも身内に足を引っ張られては...

 

 これでは対ガンダム戦など...いや、それ以前の問題である。

 

 

 鹵獲作戦失敗後、キム司令が話していた国家主席がユニオンやAEUと接触を図っているとの情報の続報だが、どうやらあまり進展はないようであった...AEUはともかくユニオンは今現在ソレスタルビーイングに対して積極的な行動を起こしておらずこちらの提案に興味も示さなかったようなのだ。スイールの件もありソレスタルビーイングに対する作戦は一時中断を余儀なくされていた。

 

 

 思えば謎だらけである、ソレスタルビーイングといいスイールといいユニオンといい...

 

 

 

 世界の警察を自称するユニオン...いや、アメリカのこの態度はスイールでの戦闘が発生してからですら一貫して同様のものであった...まだ数日しかあの戦闘から経過していないが普通に考えれば我々の提案に対して何かしらのアクションがあって然るべきなのだが...

 

 

 その時であった...高軌道ステーションに警報が鳴り響いたのは。

 

 

 「中佐!大気圏を突入する機体を確認!数は3...」

 

 鹵獲作戦時に名誉の戦死を遂げたミン中尉に代わりセルゲイの副官となった人物がそう報告する...

 

 

 「なに!?降下予測ポイントは分かっているのか?」

 

 「暫くお待ちを...予想ポイント絞れ込めます...はっ!?このポイントは我が陣営の領土内!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人革連 広州方面軍駐屯基地

 

 3機のMSがGN粒子の航跡を引きながら地球へと降下していた...

 

 ガンダムスローネ...ソレスタルビーイングの監視者であるアレハンドロ・コーナーがヴェーダ内部の太陽炉のデータを利用して開発したGNドライヴ[T]を動力源とするMSである。

 

 中距離から長距離戦闘を得意とするガンダムスローネアイン

 

 近中距離戦闘を重視し、さらにGN粒子散布下においても量子通信を用いたおかげで機能することが出来る誘導兵器たるGNファングを装備したガンダムスローネツヴァイ

 

 

 索敵や攪乱などの支援を担当するガンダムスローネドライ

 

 

 この3機のモビルスーツはアレハンドロ・コーナーがイオリア・シュヘンベルグの計画へ介入するために用意したガンダムであり、その目的は世界に対してソレスタルビーイング、そしてガンダムに対する憎悪を増長させる為の駒であった。

 

 

 「目標ポイントに到達した。ネーナ、ドッキングしてくれ。一気に殲滅させる。」

 

 「了解!」

 

 

 チームトリニティのリーダーでありトリニティ兄弟の長兄ヨハン・トリニティがガンダムスローネドライのパイロットであるネーナ・トリニティにそう命じた。

 

 ガンダムスローネアインはドライとドッキングすることによりGNメガランチャーを使用することが可能である。また3機連結での使用の場合はGNハイメガランチャーというさらに強力なビーム攻撃を行うことも可能であった。

 

 「高濃度GN粒子転送!」

 

 2機が機体に装備されているコネクタを介してドッキング...折りたたまれていたGNメガランチャーの砲身が展開し目標に狙いを定め始めたのである。

 

 「GN粒子転送完了!」

 

 「了解、スローネアイン...GNメガランチャー撃つ。」

 

 今回の攻撃はスローネの初陣であり完全なる奇襲攻撃であった。広州方面軍駐屯基地は警報こそ出ていたものの対応は遅れ、MSや戦闘車両を用いた対空戦闘をこの段階になってようやく開始したがスローネの攻撃を防ぐことは出来なかった。

 

 

 GNメガランチャーの破壊力は絶大であり配備されていたMS及び小型戦闘車両型MA...そして基地設備の殆どをその一撃で破壊しつくした。

 

 

 そしてこの一撃...スローネの出現により世界の歯車は本格的に狂いを始めたのである。

 

 

 




たくさんの感想ありがとうございます。

ちなみにスローネは3機とも通常通りの性能であり改良などは施されていません。
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