ガンダムスローネの広州方面軍駐屯基地への武力介入から2ヶ月後...
さらなるガンダムの出現...それは世界に衝撃をもたらした。この2か月間で既にスローネによる武力介入は15回を超えその全てが人類革新連盟に対して行われたのであった。彼らの武力介入は以前までのガンダム4機と比較して非常に過激かつ徹底的なものであり人類革新連盟の戦力は急激に低下を始めていた...
ソレスタルビーイング出現以前に危ういながらも保たれていた国家群間でのミリタリーバランスは音を立てて崩壊を始めたのである。
人類革新連盟の軍事力はもちろんの事、経済状況がついに国民の肌で感じられるほどに悪化を始めたのだ...そして現代社会というのはたとえ国家間で対立していたとしても経済状況は複雑に絡み合いリンクしているものであり、ユニオンやAEUはもちろん三大国家群に属さない国々にもそれは波及を始めようとしていた...
宇宙 ソレスタルビーイング輸送艦 プトレマイオス
新たなるガンダムの出現はトレミーのメンバー全員をさらに混乱させるものであった...
さらにティエリア・アーデに限って言えばターミナルユニットの中でヴェーダにアクセス中、内部に何かしらの改竄が行われている事に気が付いた瞬間アクセスを拒否された事がさらに混乱に拍車をかけたと言ってもいいだろう。
「まったく俺らへの風当たりが強くなるようなことしてくれちゃって...」
ロックオンが口にした通り人類革新連盟内での反ソレスタルビーイング感情は増大を極めていた...もっとも今現在はユニオンやAEUには経済的な損失を除けば被害は出ていない為世界全体からの憎悪と言うほど大きいものではなかったのだが。
「やつらは本当にガンダムマイスターなのか?」
刹那がそう口にする...当然の事ながらトレミーのクルーからのトリニティへのイメージは最悪に近いものであったのだ。
「それをこれから確かめましょう...彼らが指定してきた時刻はそろそろよ。」
そう、今になって彼らはこちらに接触を図ってきたのである...
「光学カメラが接近する物体を捕捉...」
「メインモニターに出して!」
そこには3基のコンテナブロックで構成された艦艇が映し出されたのである。背部からはGN粒子と思われる光を排出していた...
こちらからあの艦艇に対してスキャンを開始する...その結果やはりあの光はGN粒子のもので間違いないとの結果がフェルト・グレイスから報告され、スメラギ・李・ノリエガはヴェーダに抱いていた不信感をさらに強めたのである。
「船内にGNドライヴを4基確認。」
その時、あの船のハッチが開きガンダムと思われる機体が1機こちらに接近を始めたのであった...
着艦許可を相手に出しスメラギ・李・ノリエガとガンダムマイスターの4人は扉の前で客人を待ち構えていた...
数分後、扉がスライドしトレミーの艦内に3人のガンダムと思わしきMSパイロットが姿を現したのだ。
「着艦許可を頂きありがとうございます。スローネアインのガンダムマイスター、ヨハン・トリニティです。」
「ふん、スローネツヴァイのガンダムマイスター、ミハエル・トリニティだ。」
「スローネドライのガンダムマイスター、ネーナ・トリニティよ!」
日本 経済特区 東京
絹江・クロスロードはここ最近の情勢の変化を受けさらにソレスタルビーイングへの情報収集を続けてはいたが取材が空振り続きであり、めぼしい成果を挙げることが出来ないでいたのだ。
特に新型のガンダム3機が武力介入を行っているのは人革連と言うこともありユニオン陣営に属している日本からでは情報収集にどうしても限界があった。人革連が情報統制を行っているということもありこちらに入ってくる情報など既に古くなったものばかりなのだ。
そこで絹江は少し取材のアプローチを変えてみることにしたのである...それは数日前ユニオンから発表されたニュータイプ論と呼ばれる論文に対する取材であった。自らの伝手を使ったわけではないがこの論文を執筆したレイフ・エイフマン教授の関係者であるビリー・カタギリという人物にリモートで取材出来ることになったのだ。
ユニオンは今現在このニュータイプ論を国家を上げて大々的に宣伝しており、それは自らの宇宙開発の成果の最たるものと評していた...
そのためニュータイプ論やさらに今までベールに包まれていた宇宙開発の一部の情報規制を解除しマスメディアに宣伝を始めたという訳だ...今回の取材に漕ぎ着けられたのもこのユニオンの活動方針のおかげと言うこともあるだろう。
ついでにと言う事にはなるだろうがソレスタルビーイングに対する見解などを機密に接しないレベルであってもいいから聞き出せれば何か今までとは違う成果が得られるかもしれない...もし得られなくてもニュータイプ論と言う新たな概念に対する取材は記者として重要であることに変わりはないのだ。