AEU軌道エレベーター、「ラ・トゥール」内の秘密工廠
アフリカに存在するAEU陣営に属する軌道エレベーター「ラ・トゥール」内に存在する秘密工廠、特別手術室においてある作業、実験が行われようとしていた。
ただの実験、手術ではない...それはほぼ人体実験と呼ばれるような類のものであるのかもしれない。だがこの工廠、研究所に招集された私は罪悪感などは一切感じていなかった。
確かにこの研究自体世間に公表されれば非人道的との非難を受けるのかもしれない。だが私はあの御方にこの研究所に招集され人類の未来を担っているという自負がある。そしてなによりこの実験、手術は成功さえすれば被験者を救う今現状の最適解であるのだ...私はたとえ後世にどう評価されようが今、目の前の...そして人類の未来を救えるのならどんな評価さえ受け入れよう、そしてなによりあの御方こそ、真の天才たるパプテマス様こそが人類の未来を導く存在であると確信している...
手術台に乗せられたその男性はあの東京におけるガンダムスローネの武力介入時に巻き込まれてしまった民間人の一人であったのだ...
被験者名、沙慈・クロスロード
彼はGN粒子を圧縮させた際に発生する人体への悪影響...細胞異常を引き起こしており今回の手術はそれを回復させることが目的であると同時にパプテマス様が考案した人類を次のステップへと導く、そして来るべき対話への備えでもあるのだ。
宇宙世紀世界のNT研究、脳量子波研究、いずれ出現するであろうと予想される純粋種たるイノベイター...そしてあの天才たるパプテマス様が考案したとされる新たなる
今回の手術が成功すればその全てが被験者に対して実装されることになるだろう。
人工的に、その本人がもつ素質に関係なく強制的にオールドタイプをイノベイターへと進化できるのであれば...細胞異常を克服することも可能であろう。
それは宇宙世紀世界とこの世界の技術の融合であり、新たなる可能性であった。そしてなによりもあの御方が新たに考案した技術...
私などのような凡人には到底、一生かかっても創造しようがないあの技術...恐らくはイノベイターの脳量子波を扱う事から着想を得たのだとは思うがその新型サイコミュは想像を絶するものであったのだ。
人間の感知能力と機械を接続...繁栄させるニュートリノに近い因子「スウェッセム」、体液中に含まれる酵素「スウェッセム・セル」を、外科手術を用いて後天的な強化を行うそのネオ・サイコミュと呼ばれる新たなる技術がこの被験者に対して行われようとしていたのだ。
このネオ・サイコミュと合わせ、GN粒子を用い人工的に遺伝子を改変、宇宙世紀世界の強化人間研究も参考にされ今回の手術は新人類の誕生と表現しても過言ではないものであるだろう。
今、祝おう...新人類の誕生を。
そしてあの御方...パプテマス様こそ人類を導く救世主、宣教者であるのだ。