宇宙 ソレスタルビーイング輸送艦 プトレマイオス
「アメリカのモビルスーツ部隊が発進しました。予想通りタリビアの防衛行動だと思われます。」
「そう...」
やはりこうなるのね...しかし利用されていると分かっていても行動するのがソレスタルビーイングである。
「ミッション通り各ガンダムは撤退を開始、安全圏へと離脱。」
「とんだ茶番だ。」
ティエリアの呟くような言葉が聞こえてくる、しかし彼にもたとえ茶番だとしても武力介入を行わなくてはならないことは分かっているはずである。
「あっ!待ってください!エクシアに接近する機影があります!米軍のフラッグです。」
「米軍?どういうこと?」
「スペックの2倍以上のスピードでエクシアを猛追しています。」
タリビア近海 海上
なるほどこの機体、何度乗っても完璧に扱いきれる気がしない、だがしかし...
「これでガンダムと闘える、それに見事な対応だ!プレジデント!」
しかしトップスピードを出した場合の旋回はかなり厳しいと言わざるを得ない、ならばスピードを殺して旋回するまで。そのための変形である。
機体の機首に装備された試作リニアライフルをガンダムに発射する、恐らくこれだけでは撃破は不可能であろう。しかし直撃すればバランスを崩す程度の効果はあるはずだ。
そのままライフルを発射し続けガンダムを追い抜く、回避運動を取ったこともあってかガンダムのスピードが落ちたためオーバーシュートのような形になってしまうが問題は無い。
そのまま機体は変形させる、変形の難易度が落ちたとはいえまだまだ失速を起こす危険性をはらんでいることには変わりないがこの場合においてはその失速を利用する形となる。
そのまま変形と失速の両方の効果でスピードを殺しなおかつ回避運動を取りながら旋回することで隙を晒すことなくガンダムを再び正面に捉えることに成功したのだ...しかしここまでしても人体への負担は存在する。
ガンダムがビームライフルと思われる兵装でこちらを射撃してくるがこのフラッグであれば避けられないほどではない。
こちらも再びリニアライフルで応戦する、数発発射した。
電磁力で加速された弾丸がガンダムのシールド部分に着弾して大きく機体バランスを崩し海面に落下していくようであった。しかしその一瞬グラハムの脳内にある可能性が過った。
「あのまま体勢を立て直さないだと...やはりガンダムは水中行動が可能とでもいうのか!?」
もしそうだとしたらソレスタルビーイングとしてもこれ以上この場で戦う必要が無い...逃げに徹するのが正解だと思われた。このまま逃げられるにしてもまだもう一撃このフラッグならば可能かもしれない、いや、する必要があると判断する!
身体が悲鳴を上げるのを承知で機体を加速させる、そしてライフルではなくソニックブレイドを機体から取り出し構えガンダムに急接近したのだ。
その行動が予想外だったのか既に海面スレスレのところを飛行していたガンダムの対応は遅れた、そしてガンダムの左腕の関節部分、どれだけ頑丈な機体であろうが関節部分にこのソニックブレイドを突き刺されてはダメージを追わないはずがないと判断しそこを狙った。
Eカーボンではなくチタン合金セラミック複合材製の高周波振動させたソニックブレイドが確実にガンダムエクシアの関節部分を捉え切断したのだ。
...しかしそこまでであった。そのままガンダムは水中に姿を消しこの場から消えた。やはり予想は的中したのだ。
それにしても大戦果と言えるだろう。カスタムフラッグの初陣でガンダムに損傷を与えることに成功したのだ。
「ンッ、クッ...カスタム・フラッグ。対応しては見せたが...この機体はまるでじゃじゃ馬だな。」
「お見事です、中尉!初陣でガンダムに損傷を与えるとは流石です。」
「逃げられたよ、しかし手ぶらではない。ガンダムのパーツを回収し基地に帰投する。」
しかし本当に水中行動が可能とは...汎用性が高すぎるぞ、ガンダム