「レオナとシルバの反応が消えた!?」
迫りくるソンネンたちの猛攻を躱しながら、ビームライフルでオーディン小隊の面々に攻撃を仕掛けている最中響いたアラートは、EX-AS二機の活動停止を示すものだった。
『へっ、どうした盗人野郎!!急に動きが鈍くなったぜ!!』
「チィッ!!」
放たれたType-3弾を盾とナノラミネートアーマーで受け、素早くその場を飛びのく。とびのいた直後に、榴弾と対艦ライフルの弾丸がその場を通り抜けた。
『すさまじい機動性…………いえ、パイロットスキルでしょうか…………。照準を
『これも無理…………EX-ASだけの性能じゃないぞ!?』
少し離れた距離からの射撃を繰り返すティナとアルジュも、そのようにこぼすほど、フェデリコの技量は舌を巻くものがある。さすがは、鹵獲したザクをマニュアルも見ずにいとも簡単に乗りこなして見せただけはある。
そのまま飛んでくるビームを避けながら射点を移動する。
『駄目だ!!この距離ではあたらない!!照準補正システムに頼らない…………照準鏡の直接照準でも狙える距離に…………』
『それは危険です。推奨しかねます。』
『そんな………しかしスプラウト少尉、このままでは無駄弾を撃ち続けるハメに…………』
『ええ。ですがそのような距離まで近づけば、脚の遅いトールではあのビームをもろに受けてしまいますし、機動力にたけたグングニールといえど、モビルタンクには限界があります。それに、奴の物資も無尽蔵ではありません。いかにスラスター容量が大きくとも、いつかは推進剤が切れます。我々は、【使わせる】ことをすればいいのです。』
『…………了解……!!』
そんな会話をしながらも、リボルビングキャノンの連射性と、三連装キャノンと二丁の対艦ライフルによる手数を生かした弾幕をばら撒く攻撃に、フェデリコは舌打ちする。
「(チッ、スラ切れを狙ってやがるのか。厄介だな。
スラスターを起動させ、アルジュ達の方へと向かう。
「まずはお前たちから…………。」
『させると…………。』
『思ってるのかっ、なのっ!!』
「ちぃっ!!」
しかし、素早く表れたオッテルとレギンのラゴゥハウンド二機が、ミサイルによる弾幕を張る。
交代しながらバルカンで迎撃しつつ、狙撃に気を配らねばならない………そんな状態で…………
「危ねっ!!」
「へっ、
飛んでくるのが、中距離、近距離と位置を変えながら撃ってくるソンネンのAPFSDS弾だ。
「(ぶっちゃけこれが一番厄介なんだよな…………。コイツらの連携も妙に統制されてやがる…………前回はお供の旧ザクが一機だけだったが連携がアイツの本懐かよ…………!!)」
素早く移動しながらビームライフルを連射するフェデリコは、そんな風に考える。
『オラオラどうした盗人野郎!!こんなもんかよ!!』
「ざっけんな戦車野郎!!よってたかって部隊全員で掛かってきてよくそんな口を利きやがるな!!俺だって』
そういうフェデリコの脳裏に、ある少年の顔が思い浮かぶ。
シルバ。ファーストネームしか名乗らなかった、EX-AS三号機のパイロット。まるで連邦軍の道具のように振る舞うその様は、フェデリコにとっては「レオナとシルバの反応が消えた!?」
迫りくるソンネンたちの猛攻を躱しながら、ビームライフルでオーディン小隊の面々に攻撃を仕掛けている最中響いたアラートは、EX-AS二機の活動停止を示すものだった。
『へっ、どうした盗人野郎!!急に動きが鈍くなったぜ!!』
「チィッ!!」
放たれたType-3弾を盾とナノラミネートアーマーで受け、素早くその場を飛びのく。とびのいた直後に、榴弾と対艦ライフルの弾丸がその場を通り抜けた。
『すさまじい機動性…………いえ、パイロットスキルでしょうか…………。照準を
『これも無理…………EX-ASだけの性能じゃないぞ!?』
少し離れた距離からの射撃を繰り返すティナとアルジュも、そのようにこぼすほど、フェデリコの技量は舌を巻くものがある。さすがは、鹵獲したザクをマニュアルも見ずにいとも簡単に乗りこなして見せただけはある。
そのまま飛んでくるビームを避けながら射点を移動する。
『駄目だ!!この距離ではあたらない!!照準補正システムに頼らない…………照準鏡の直接照準でも狙える距離に…………』
『それは危険です。推奨しかねます。』
『そんな………しかしスプラウト少尉、このままでは無駄弾を撃ち続けるハメに…………』
『ええ。ですがそのような距離まで近づけば、脚の遅いトールではあのビームをもろに受けてしまいますし、機動力にたけたグングニールといえど、モビルタンクには限界があります。それに、奴の物資も無尽蔵ではありません。いかにスラスター容量が大きくとも、いつかは推進剤が切れます。我々は、【使わせる】ことをすればいいのです。』
『…………了解……!!』
そんな会話をしながらも、リボルビングキャノンの連射性と、三連装キャノンと二丁の対艦ライフルによる手数を生かした弾幕をばら撒く攻撃に、フェデリコは舌打ちする。
「(チッ、スラ切れを狙ってやがるのか。厄介だな。
スラスターを起動させ、アルジュ達の方へと向かう。
「まずはお前たちから…………。」
『させると…………。』
『思ってるのかっ、なのっ!!』
「ちぃっ!!」
しかし、素早く表れたオッテルとレギンのラゴゥハウンド二機が、ミサイルによる弾幕を張る。
交代しながらバルカンで迎撃しつつ、狙撃に気を配らねばならない………そんな状態で…………
「危ねっ!!」
「へっ、
飛んでくるのが、中距離、近距離と位置を変えながら撃ってくるソンネンのAPFSDS弾だ。
「(ぶっちゃけこれが一番厄介なんだよな…………。コイツらの連携も妙に統制されてやがる…………前回はお供の旧ザクが一機だけだったが連携がアイツの本懐かよ…………!!)」
素早く移動しながらビームライフルを連射するフェデリコは、そんな風に考える。
『オラオラどうした盗人野郎!!こんなもんかよ!!』
「ざっけんな戦車野郎!!よってたかって部隊全員で掛かってきてよくそんな口を利きやがるな!!俺だって』
そういうフェデリコの脳裏に、ある少年の顔が思い浮かぶ。
シルバ。ファーストネームしか名乗らなかった、EX-AS三号機のパイロット。まるで連邦軍の道具のように振る舞うその様が、フェデリコは嫌いだった。だが、彼が居なくなった今、
「(そうだ…………アレは俺だ。俺だった。連邦の言いなりになって、汚れ仕事をはいはい引き受けてる俺の姿と、同じだった。そいつを認めたくなかったから…………。)」
そんな事が頭をよぎり、機体の操縦が鈍ったところを、
『おおぉぉぉ!!』
『今、なのッ!!』
二機のラゴゥハウンドの牙が、フェデリコのEX-ASを捉え、名のラミネートアーマーの装甲に傷をつける。
「チッ、このッ!!」
ビームサーベルを振り回し追い払うが、
「そこ!!」
「逃がしません。」
ティナとアルジュの砲撃が飛ぶ。
「ぐっ!!」
正確な砲撃。そこで連想されるのは、フェデリコの部隊でずっと副隊長を務めていた狙撃、砲撃の達人、アンナだ。
彼女との出会いは、彼の部隊、スカルピアッサー隊の隊長に任命されたとき、射撃訓練場で百発百中の狙撃の腕を誇っていた彼女を、フェデリコが誘ったこと。それが、すべての始まりだった。
基地を襲う際の見張りの暗殺、ジオン軍人の軍服を奪い、負傷しモビルスーツに助けを求める同胞のふりをして接近し、降りてきたパイロットの射殺。ザクを奪ってからも、マゼラトップ砲の射撃技術には舌を巻いた。
「(だが、アイツのEX-ASの反応はとっくに消えてやがる……アイツは…………もう…………)」
『そこだっ!!』
「なっ、ぐあぁ!?」
思考が一瞬、感傷に浸ってしまった瞬間、その隙を突かれ、ソンネンのヒルドルブの放ったAPFSDSが、EX-ASの左肩を貫く。
「ふざけんな…………。」
ぽつり、と、そんな言葉がこぼれた。
「ふざけんな!!」
それは吐き出すように、己の憎悪を、原点を。
『動きが止まった、今ッス!!』
そう言ったラジードがヒートホークを抜いて真っ直ぐ突っ込んでいく。
『ッ!!よせラジード、早まるな!!』
ソンネンがそう言うが、
「もう、遅えよ。」
フェデリコは、そう呟くと、己のジャケットを脱ぎ捨てた。
上半身裸になった彼の首の後ろ側。そこに付いていたのは、何かのコネクタ。それは、コクピットの後ろに用意されていたコードに繋がり、機体の後部に隠されたシステムが露わになる。
ふと、フェデリコに『手術』を施した男はこんな事を言っていた。
『このシステムは不完全だ。この機体に付いてるのも、今お前の体に埋め込んだのもな。だから、警告しておく。最悪の場合、MSから流れてくる情報に耐え切れず、脳が焼け死ぬことを覚悟して使えよ。』
その言葉を思い出したフェデリコは、笑みを浮かべて叫んだ。
「知った事か!!」
[ARAYASIKI-SYSTEM STAND BY]
「俺の、家族は、もう死んだ。コロニー落しでだ。俺の部下達は、全員死んだ。お前が殺した。お前ら、ジオンが!!今度は、俺が奪う番だ!!」
脳から来る情報もものともせずそう言ったフェデリコのEX-ASが装甲をパージする。
そこで露わになったのは、赤く輝くツインアイ。
『な、何か来る!!』
本能的に命の危険を感じたラジードは足を止め、撤退しようとした次の瞬間、ザクの右腕と左足が、切り落とされていた。
『…………は?』
横転するザクの中で、ラジードはそんな信じられない様な声を漏らす。その瞬間、コクピットを刺し貫かれて、ラジードは絶命した。
『ラジード!!』
『うそ……なの…………。』
『曹長!!』
『ラジード曹長!!』
『馬鹿な…………。』
小隊の五人は、あまりにもあっけなさすぎる彼の死に驚きを隠せない。
「は、ハハッ。ヒャアハハハハハハ!!」
ザクの遺体を踏みつけ、フェデリコは、狂ったように笑い続けていた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「あ~あ。フェデリコの奴、はじめちまいやしたぜ。どうするんです?」
そう聞いたのは、フェデリコがあの時通信していた、黒髪の男だ。
「構わん構わん。あれは試作機じゃ。あやつが死のうと生きようと、ワシには知った事ではないわい。」
声をかけられた老人が、そう答える。
「そうですかい。しっかし、あの機体、薄桃の流星の乗る機体にそっくりですねぇ。何でしたっけ?」
「ガンダムじゃよ。」
「ああ、そうだ。ガンダム。俺は博士とは違って、【厄災戦】を知らないから詳しい事はわかんねぇですけど、アレはなんなんです?」
「ワシにとっては忌まわしい物そのものじゃ。故に、あのガンダムは、
「ああ、フラウロス、でしたっけ。あのピンクのモビルスーツ。悪魔の名前でしたよね。じゃぁ、アレは何なんです?」
そう男が問いかけると、老人は笑みを浮かべてこう言った。
「使徒じゃよ。」
「使徒?」
「ああ。かつて失敗した天使たちに代わり、この世を救済する使徒じゃ。」
「へぇ、やっぱ難しい事はわかんねぇや。」
「それでいいのじゃよ。さぁ、YBTW-01【ガンダム・アポストロス】奴らに、魂の救済を。」
その老人は、笑みを浮かべ、手を広げた。
次の投稿はなるはやにしたいと思います。なんかもう脳が追いつかねぇ。という方、コメント欄で質問していただければ、ネタバレにならない範囲で答えます。次回もお楽しみに!!
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大海ニテ白鯨ノ影アリ(リゴック編)