宇宙世紀に舞い降りし流星   作:ナナシのG愛好家

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お久しぶりです。短くてすみません。下にアンケートがあるのですが、今でもふと読んでいただける方は、
このアンケートで今後の展開を決めますのでご確認ください。
といっても、ただ単に次先に投稿するのがどっちか、って話になるだけなんで、別に展開が大きく左右するとかそういうわけではないです。


第16話

「さて、今後における、ヅダの技術試験だが……」

「中止、せざるを得ないですよね……。」

 

 うむ、とプロホノウ艦長は、自身の言葉に続くように発言したヤマギの言葉に頷いた。

 

「機体としての開発が凍結された今、評価は下された、とみるべきだろう。」

 

 結果は、とても使えたものじゃない(不採用)情報の秘匿のため破壊しろとも、分解するため預けに来いとも言われないことが、その哀れさを物語っていた。

 

「まったく、とんだ欠陥品を押し付けられたものだ。おかげでパイロット1人を無駄にした。」

 

 モニクが発言したのは、ツィマッド社への文句だろう。カタログスペックの偽造とは、詐欺もいいところだ、と吐き捨てるのも無理はない。口には出さないが、こんなものを押し付けられた、と考えるクルーの数は少なくない。

 そんな中、苦虫を嚙み潰したような表情で、その手袋の布がこすれギチギチと音が出るほどにこぶしを固く握りしめるデュバルは、うつむいたまま押し黙っていた。

 

「……あの。」

 

 その空気と沈黙に耐えられなかったのか、おずおず手を挙げるのたのは、アヴィゲイルだ。

 

「ヅダを改修することは……できないでしょうか……」

「改修?あれをだって?」

「う…えっと……」

 

 彼女の言葉にいぶかしむように返したのは、ワシヤである。同僚を失った彼としては、あのヅダは呪われたモビルスーツに等しい。

 

「その……ジオニックの技術なら……エンジンカットのための緊急リミッターとかを含めたもろもろの改修で、何とか使えるMSに出来ないかな……って」

「確かに、物資輸送用の艦艇が保有するMSが長距離狙撃機一機というのは、いささか心許ないか……」

「冗談じゃない!あんなMSを使うなんて俺はごめんだね!また暴走が起きればたまったもんじゃないぜ!」

「お前、まだそんなことを……!」

 

 艦長を示す帽子の唾を抑えながら考え込むプロホノウ艦長。一方でワシヤはまだそう発言する。営巣に入れられただけでは懲りないかと、睨みを利かせるモニクに、うっ、と声を上げて押し黙る。

 彼女自身もヅダの運用には否定的だが、それはそれ、これはこれだ。軍律を乱すような発言をするのであれば辞めさせねばならない。

 

「しかし、改修ともなれば時間がかかります。ここにある機材だけでは限界も。そうなればどこかの基地、あるいはジオニック社の支社がある場所のドックに入る必要があるのでは?あまりそういった場所に釘付けにされるというのは、技術試験隊である我々にとって本質を見失うことにつながるかと。」

 

 しつこいようだが、すでにヅダの評価は下されている。603の仕事は、試作機に対して試験と評価を行うこと、失敗作の再調整はそれこそ技術屋の総本山、ジオニックやヅダの生みの親であるツィマッドの仕事だ。

 かりにアヴィゲイルがこのヅダを持ち帰るとしても、それに603が付いていく理由はない。至極当たり前の話だ。ヅダの試験を行うのであれば当然そちらに集中することになる。

 何よりジオンには物資が足りない。宇宙という不毛の地に居るこちらと、豊富な資源がある地球では生み出せる物量も変わってくる。より強力な兵器にアップグレードし続けないといけないのだ。

 

「技術屋その2、すでに新しい技術試験の任務が来ているのではないか?」

「うん、一大侵攻作戦であるジャブロー襲撃の為に、対EX-ASを目的として開発された試作新型水陸両用MS、【リゴック】の運用試験が来てるよ。出向先は北極海、アジア大陸での攻勢の押しになればというのが、ガルマ大佐からのメッセージだよ。」

「地上用MSか。しかし北極方面だとすると……モビー・ディック部隊か。」

「モビー・ディック?それって確か前、全国放送でやっていたあれですか?『天才少女』が指揮する部隊って」

「あぁ、イルカ使いの白鯨(アンブロエール)若干15歳にして、水陸両用MSゴックで雪原仕様のEX-ASの確認、そして撃破に成功した。指揮官、パイロットどちらをとっても優秀な天才、いや鬼才と称するべき人間だ。」

「鬼才?」

 

 天才じゃないのか、と振り返れば、

 

「あぁ、まさに鬼さ。自身の欲望のために最大限。……私の印象は悪い。私は行かない方がいいだろう。」

「じゃあ行くのは僕と……」

「俺が行く。またヅダに乗せられるのはごめんだね。」

「貴様!いい加減に……!」

 

 またしてもワシヤが毒を吐き、デュバルに睨みを利かせるのに、モニクは肩を怒らせもう一度平手打ちをくれてやろうと近づこうとするのを、プロホノウ艦長が手で制した。

 

「友人を事故で失いナーバスになっているのだ。一朝一夕で収まるものではあるまい。」

「ですが艦長、このままでは艦の風紀が」

「あぁ。今の少尉に、この艦で少佐と仕事をするのは無理だろう。」

 

 そう言って帽子を押さえると

 

「ヒデト・ワシヤ少尉とヤマギ・ギルマトン技術少尉に、試作MSリゴックの技術試験の任を命ずる。

 地上の部隊と協力し、適正な評価を下すように。」

「はっ!」

「……了解。」

「これで構わんね?キャデラック特務大尉」

「……そうだな。」

 

 若干不満げな表情を見せたものの、モニクそう言って頷いて見せる。それを確認した艦長はデュバル、そしてアヴィゲイルに向き直り

 

「では、我々はジオニック社へと向かい、その間にヅダの改修と、改修後の技術試験を行う。」

「「「「「はっ!」」」」」

 

 艦長の指令に、彼らはそう答え、敬礼をした。




しばらく姿を見せないで本当に申し訳ございません。今後ともいつ失踪するかわかりませんが、どうか温かい目で眺めていただけると幸いです。

先に見たいのは……?

  • 亡霊が生んだ奇跡(ヅダ編)
  • 大海ニテ白鯨ノ影アリ(リゴック編)
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