宇宙世紀に舞い降りし流星   作:ナナシのG愛好家

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EXAS

「どういう事だ!!ザク二個小隊が連邦のMSにやられただと!?しかもたった三機の!!」

 

 ヒルドルブを下りたソンネンは、オーディン小隊の面々と共に、作戦会議室へ急いだ。

 扉を勢いよく開き、大声で怒鳴りこむ。

 そんな彼の頭には、自分にマシンガンを振り下ろそうとするザクと、男の声。そして、装甲越しに交わした、忘れる事のない殺気が、頭をよぎっていた。

 

『あ、少佐。』

 

 すると、ディスプレイから声がした。

 見ると、その画面には、ヤマギの顔が映っていた。

 

「あ?あの時の技術屋じゃねぇか!!」

 

 ソンネンが声を上げる。

 

「それって、ヒルドルブの試験を担当したっていう?」

 

 首をかしげ、問いかけるアルジュ。

 

『アルジュ・サンダルフォン准尉だったよね?その話は又にして、オーディン小隊の皆、座ってくれる?』

 

 そう言い、奥を指すヤマギ。

 そこにはパイプいすが並んでおり、すでに一部の兵士が座っていた。

 

「おう、悪いな。」

 

 そう言い、全員に座るように促すソンネン。オーディン小隊の各班はそれぞれ席に着いた。

 その後も、MSパイロットたちがぞろぞろと入って来た。

 

『よし、全員揃ったみたいだな。』

 

 その言葉と共に映ったのは、地球攻略部隊の最高階級保持者。ノイエン・ビッター少将がそこに居た。

 

『待て、ノイエン少将。』

 

 そこに現れ、生死をかけたのは、地球攻略部隊の最高司令、ガルマ・ザビ大佐。

 

『まだ私が呼んだ彼女が来ていないようだが?』

 

 そう問いかける?ソンネンの頭に、彼女とは誰だ?と言うハテナマークが浮かんだが、その問題は解消された。

 

『おや、随分と待たせたようじゃないか。』

 

 すると、声と共に画面に映ったのは、緑がかった黒髪の女。

 

「シ……………シーマ・ガラハウ……………。」

 

 その女の名前に、ラジードは顔を引きつらせる。

 悪名高い、ジオンの『コロニー落し』その実行に当たり、サイド2の人民を排除するための毒ガス。VXガスをばら撒いたのは、他でもないこの女と、その部下達、

 『シーマ・ガラハウと海兵隊』なのだ。

 

『このアタシをザビ家のお方が自らご指名とは。感謝するよ。ガルマ大佐殿。』

 

 手に持ったセンスを肩に乗せ、そう言葉を投げかけるシーマ。

 

『ああ。こちらとしてもぼ…………私の呼びかけに応じてくれたことを感謝しよう、シーマ少佐。』

 

 その言葉に、満足そうに笑うシーマ。

 

『何なりと。ガルマ様。』

「で?今日の指令って?」

 

 そう聞くのは、リツだ。彼女は空気を読むという事はしない主義らしい。

 その言葉に、辺りの空気が少し重くなる。

 

『コホン。今回、このサラド基地に勢力を集中させたのはほかでもない。

 近日中に、ジオン存亡をかけた戦いが始まる。』

 

 咳払いをし、自分に注目を集め、そう声をかけたのは、ガルマだ。

 

『我々の目標は、このサラド基地から十数キロ離れた位置にある、連邦軍の資源採掘施設『オデッサ』の奪取。』

『我々ジオンの懐事情はよくない。弾薬やMS。戦争には資源がいる。その為、一刻も早く、オデッサを落す必要がある。』

 

 そう声を上げるノイエンとガルマ。

 

『しかし、現在、オデッサに最大の障壁が確認された。』

 

 深刻な顔つきで言うのは、ガルマだ。

 

『これを見てほしい。』

 

 そう言われ、ディスプレイに映ったのは、灰色のMSだ。

 いずれもフォルムがシュッとしており、ザクなんかよりも数倍身軽そうな印象を受ける。

 どの機体にも斧と雷が交叉したエムブレムが記されているが、それ以外、特にこれと言った印象的な構図は無い。

 あえて言うなら、頭部に装着された、暗視ゴーグルの様な、バイザー。

 そこからは水色の光が×字に出ている。特徴的なカメラアイだ。

 一機目は、ロングレンジライフルの様な武装が確認できる。片部分にもカメラが用意されており、狙撃特化型の機体に見える。

 二機目には、大型とも中型ともいえない様なサイズのライフルが。見たところ、カートリッジの様な物は見えない。

 三機目が持っているのは二丁のサブマシンガンだ。この機体は、無駄な装甲をはぎ取った軽装特化のMSに見える。

 

「これが、件のMS。」

 

 そう呟いたのはティナだ。今は薬物を使って、脳を覚醒状態にしている。

 

『そのとおりだ。一機目は後方支援型。二機目、三機目が前衛を張っている。』

『しかし、見たところ、性能はよさそうだが、たかが3機で12機も相手に出来るもんかい?』

 

 そこで飛んだのは、シーマの意見だ。確かに、流石に12機も居れば、一機は落とせそうな気がするが、

 

『そう思うかもしれない。しかし、この映像を見てほしい。』

『うわぁ。来るな、来るなああぁぁぁぁ!!』

 

 そこに映ったのは、半狂乱になったパイロット声がこだまする映像。

 

『ザクの残骸から取れた、記録映像だ。』

 

 そこを見ると、半狂乱になったパイロットはマシンガンを乱射するが、一機目、二機目には効いていない。

 当たっているが、全て装甲に弾かれているのだ。

 

「そんな馬鹿な。このMSのどこにザクマシンガンを弾く装甲が!!」

 

 アルジュが声を上げる。

 更に続きを見ると、二機目の持っていたライフルから、ピンク色の光が、放たれ、ザクを貫いた。

 

「これは!!」

 

 流石のティナも、目を見開いて驚いていた。

 更に、一機目の狙撃銃からもピンクの光が発せられ、ザクをまとめて貫いていた。

 三番目の機体は乱射されるマシンガンを、MSとは思えない様な機動性としなやかな身体捌きでマシンガンを躱し、至近距離でザクをハチの巣にした。

 更に腰から二本の光の剣を引き抜き、ザクを切り刻む。

 一方的な展開に、一同は唖然としていた。

 そして、とうとうザクは、たった一機を残して全機撃墜された。

 

『うわぁぁぁぁ!!』

 

 恐怖で叫びっぱなしのパイロットは、マシンガンを構えるが、光が放たれ、右腕を吹き飛ばす。

 とっさに残った左腕で抜いたヒートホークは、あっさりと光の剣に溶断され、腕ごと切り落とされてしまった。

 そのまま、両足も失う。すると、そこで、ザク宛に通信が入った。

 通信を放ったのは、正面の二番目の機体。ディスプレイに映ったのは、眼帯の男だった。

 

『よう、これ、届いてるか?戦車野郎。』

「ッ!!」

 

 その声に、ソンネンは目を見開いた。

 

[テメェなんざ!!]

 

 脳裏にこだまする、あのザクのパイロットの声。聞き間違うはずがなかった。

 ソンネンの、因縁の男だ。

 

『あえて、記録を残させてもらうぜ?これはお前への挑戦状だ。

 テメェの戦車を、この【EXAS(エグザス)】でスクラップにしてやるよ。せいぜい楽しみに待っておくんだな。』

 

 その言葉に、ギリッ、と奥歯を噛む。

 

『最後に一つ、名前を教えてやる。お前も、名前も知らない奴に殺されるのは不遇だからな。

 フェデリコ・ツィリアーノだ。お前のコクピットに、風穴開ける男の名前を、よ~く覚えておけよ。』

 

 そんな言葉と共に、ザクのコクピットは光に貫かれた。

 

「アイツ…………!!」

『異常が、残された、いや、敵があえて残した我々への『置手紙』だ。』

 

 ガルマがそう言う。

 

『この機体の、以上に分厚い装甲と、光線の正体について、ヤマギ・ギルマトン技術小尉から、解析結果がある。技術少尉、』

 

 そう言うノイエン。

 

『うん。まず、この機体が放っている光線についてなんだけど、ビーム兵器と予想されるんだ。』

『と言うと、やっぱり戦艦の技術が転用されてるのかい?』

 

 シーマはそう問いかける。

 

『うん。戦艦のメガ粒子法の縮小版だと思ってくれればいい。でも、破壊力には目を見張るものがあるよ。』

 

 と、ヤマギは言う。

 

『既存の装甲や盾は全く役に立たない。ビームには、対ビーム兵器用のコーティングが必要なんだ。』

 

 つまり、装甲が売りのヒルドルブなどは、真っ先に不利になると言えるだろう。

 

「なるほどねぇ。じゃぁ、この馬鹿みたいに分厚い装甲は何なんだよ?」

 

 そう声を上げたのはリツだ。

 

『うん、この装甲の強度。僕も信じられなかったよ。』

 

 声のトーンを落とし、深刻そうな顔をするヤマギ。

 

「正体は、何なんスか?」

 

 そう問いかけるのは、ラジードだ。

 

『ナノラミネートアーマー。』

 

 しかし、ヤマギの口から出た答えに、一同は頭に疑問視を浮かべた。

 

『それはどんなシロモノなんだい?』

 

 シーマの問いかけに、

 

『ナノラミネートアーマーは、流星号にも搭載されている技術さ。専用の【エイハヴ・リアクター】を搭載した機体に、特殊なコーティングをすることで作用するアーマー。

 このアーマーはとても堅牢なんだ。ザクマシンガンなんて豆鉄砲にすら劣る。』

 

 その言葉に、辺りはざわついた。

 

『でも、攻略法はあるんだ。ナノラミネートアーマーを破壊する方法はいろいろある。

 まずは、至近距離で強力な砲撃を叩き込むこと。所詮は装甲。固さにも限度がある。』

『フン。そこまで隙のあるパイロットには見えなかったが、他の案は何だい?』

 

 シーマの問いに、

 

『二つ目は、質量武器を使ってアーマーごと叩き潰すこと。』

『質量武器の急造は、現段階は難しいだろう。現時点では、あまり得策ではないな。他には?』

 

 これはガルマ。

 

『三つ目。未稼働の状態を奇襲する。ナノラミネートアーマーは、エイハヴ・リアクターが起動している時しか機能しない。』

「当然だが、未稼働の時は基地にしまってあるな。ヒルドルブの砲撃でも狙えねぇ当たらねぇよ。」

 

 ソンネンの正論である。

 

『四つ目は、火だ。名のラミネート・アーマーのコーティングを火を使って引っぺがす。』

 

 その案に、一同は、それだ!!と言う顔をした。

 

「ヒート兵器とヒルドルブ系列の焼夷榴弾なら可能です。」

『ああ。そのため我々が考えた作戦では、三機の敵新型MSを、それぞれを孤立させて、精鋭部隊で足止めし、総攻撃することだ。

 この敵新型MSは、強い。はっきり言って一般の兵士では役に立たないだろう。よって足止め部隊だが…………。』

『狙撃タイプの一機目は、我々海兵隊が仕留めますよ。』

 

 そう言い、得意げな顔をするシーマ。

 

「二番目は、俺がやる。」

 

 そう言ったのはソンネンだ。

 

「アイツは、フェデリコだけは必ず!!」

 

 その言葉に、

 

「お供しますよ。隊長。」

「我々は、チームですから。」

 

 と、ティナとアルジュが賛同する。

 

「レギン達も!!精一杯手伝うなの!!」

「ああ。兄貴の名に懸けて。」

 

 小学生ほどの小柄な体格のレギンが、精いっぱい手を挙げ、オッテルもそれに賛同する。

 

『三機目だけど、シノが担当するよ。』

 

 そう言ったのはヤマギだ。

 

『今は、流星号の準備に取り掛かっていないけど。』

『だが、問題があるんだ。』

 

 しかし、ヤマギの言葉を、深刻な表情で張る魔が遮った。

 

『流星号は現在、少々離れた地点にある。しかし、時間的に、夜明けには攻撃を仕掛けなければならない。』

 

 そう、深刻な表情を浮かべる。

 

『シノ少佐が到着するまで、時間を稼ぐ必要がある。どうするべきか……………。』

 

 深刻な表情のガルマ。だが、オーディン小隊、海兵隊を覗けば、あの常人離れした動きの三番目の機体の相手をできるパイロットはいない。

 

「だったらさ、」

 

 そこで手を挙げたのは、リツだった。

 

「いい案があるよ。」




 次回、【死闘!!オデッサの戦い!!】

先に見たいのは……?

  • 亡霊が生んだ奇跡(ヅダ編)
  • 大海ニテ白鯨ノ影アリ(リゴック編)
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