狙撃主は何を思う・・・   作:紅霧竜

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スズランとアクイラとフォリア

アクイラが自室で武器の整備をしていると

 

「お前がアクイラか?」

「そうですけど…何かご用でしょうか?」

「リサがずいぶんと世話になっているときいていてな、どのような人物か見にきただけだ」

 

アクイラは特に思い当たる事も特別何かした覚えも無いため疑問を浮かべていると

 

「アクイラさ~ん、新しいクッキーの…あっ!お母さん!!」

「おはようリサ、この人にクッキーを持ってきたのかい?」

「うん、アクイラさんは自分で何かを食べることがほとんど無いのでこうやって味見もかねて持ってくるんです!」フンス

 

衝撃の事実を暴露されたアクイラは

フォリアから発せられる圧に恐怖を感じる

 

「アクイラ、食堂へ行くぞ」

「みんなで食事ですか!?行きましょう!!」

 

 

アクイラは二人の提案を断れるはずもなく(片や威圧、片や純粋な提案)ついていく

 

食堂に着くと

 

「私が見繕ってやる、待っていろ」

「私も着いていきます!」

「リサはアクイラと共にいてくれ…おそらく逃走するであろうしこやつの場合は私が居るあいだ二度と帰ってこないということも平気で行うだろうしな」

「お母さんよくわかりましたね、アクイラさんの事」

「いつも手紙で教えてくれていたではないか、自分への好意を無下にしない形で逃げおおせる狙撃手が居ると」

「何でそういうことも書くんですか…スズランさん…」

「だっていつも私が困っていても何もしてくれませんが、本当に助けてほしいと言った時は必ず助けてくれるじゃないですか」

 

その瞬間

食堂内に緊張が走るも

 

「そうか…良き師を持ったな、そろそろ食事を取りに行くとしよう」

 

フォリアがカウンターへ向かいアクイラ達は三人席を確保する

 

「スズランのお母さんは怖いけど怖くない人だね」

「うーん私には優しいお母さんでしたからよくわからないです」

「それにしても何で私のところにきたんでしょうか?これといって何もしてないし…このロドスにおいても成績下の方だし…交流もそれほど無いし…なんででしょうか?」

「私が個人的に気になったからだ」

 

アクイラの言葉にお盆を3つ抱えたフォリアが返す

 

「お帰りなさい…これ私ですね」

「私はこれですね」

 

アクイラが取ったお盆にはスープが入った器が一つだけのっていたがその中身は何もない

 

スズランのお盆はサンドイッチが乗っており

レタスや玉子が挟まれたものやハムやトマトが挟まれたものなど数種類ある

なおマッターホルンの采配でやや小さめになっている

 

フォリアはパンとスープ、ソーセージやベーコンエッグにサラダというオーソドックスな食事である

 

「先程カウンターでお前の名前を出したらこれを用意されたが…これで足りるのか?」

「私はこれといった仕事をしていませんしできないので、他の方のように食べるのは気が引けるんです…なので基本的に食堂では食べないようにしているんです」

「私から言わせてもらえば、最終防衛線を守りつつ最前線を援護するあなたが働いていないというなら私の方がこと戦闘においては役立たずに聞こえるな」

「でもお母さんみたいに一番前で戦う人がいるから私やアクイラさんが動けるんですよ?」

「そういう意味で私はそんなに働いていないです」

「そこまで言うなら模擬戦をしようではないか…久方ぶりに血が滾る」

 

フォリアの目に怒り、悲しみ、恨みの光が宿りアクイラへ宣戦布告する

 

「わかりました、ではこの後甲板上でやりましょう」

「そうしようか…それにしても料理が美味しい」

「マッターホルンさんとグムさんの料理は他のオペレーターからも好評なんです、要望があればある程度聞いてもらえますよ」

「私のサンドイッチも持ちやすいように少し小さめなんです」

 

厨房のスタッフの努力により他のオペレーターが円滑に楽しめるこの空間はほとんど類を見ない

 

 

「ところでそのハンドガンは護身用か?」

「ええ室内戦闘では狙撃できないので」

「でもアクイラさんはそれ使わないですよね?」

「普通に使うと3マガジンが限界なんですよね…お恥ずかしい…」

「なら地面や柵等で固定した場合は?」

「6マガジンくらいでしょうか?そこまで撃ち込むような状況になったら私を捨てていくようにマニュアル組んでいますけど」

「お前は命をなんだと思っている?」

 

完全にウルピスフォリアが怒りを込めた殺気を放つも

 

「私一人で20人倒し4人助かるのと5人死んで戦力下がるなら前者を選ぶだけです」

「この後の模擬戦…覚えておくがいい…」

「お母さん?ちょっと恐いです…」

 

食事を終え互いに武装を整える

先に甲板上にでて準備をするのはアクイラ

狙撃位置を確保し待機していると

 

「さあ、狩りの時間だ」

 

ウルピスフォリアが剣を構え甲板に出ると同時に狙撃が始まる

 

顔、足、腕、胸、肩

 

あらゆる場所をあらゆる角度から襲う

 

「なるほど…口だけではないようだな、狐渡り」

 

ウルピスフォリアの姿が揺らぎ完全に消える

観戦していた看破持ち以外のオペレーターは完全に姿を見失っていたが

 

「看破持ちか!?ならば接近するしか」

 

ウルピスフォリアは一呼吸の間に数十メートルを詰める

アクイラの背中に剣を向けると

 

「チェックメイトですよ」

「この状況でか?」

「そうですね、まあ一秒以下で40メートル以上離れられるならですが」

 

ウルピスフォリアは剣を納め降参を示す

 

「お前は自分が逃げきるのではなく敵の最大戦力をどう破壊するかを考えているんだな」

「ええ、それが最終防衛線を守る私の役割であり後続を攻めさせないために行う最大の手段ですから」

「だからといって己を犠牲に得られた一時の勝利では意味などあるまい」

「私が死にかける時はすでに部隊も壊滅していますしそれ以上何を守るというんです?」

 

ウルピスフォリアは勘違いをしていた

最終防衛線に居る彼が戦うその意味を

彼の居る場所まで敵が来ているというその本当の意味を

 

「もし…もしも私が敵の将だとしたら…数千の人々を切り捨て、お前の前に立たねばならないということか」

「それを踏まえた上でもう一度答えましょう…私の命1つで敵を破壊できるならそれが最善の一手だと」

 

 

暗く、しかし焔を纏うその眼は眼前の最大戦力を一撃でもって葬り、進軍する者共をもまとめて食らいつくす最小で最強の攻撃を躊躇無くという意思を宿す

 

 

訓練を終え自室に戻りシャワーを浴びようと準備をしていると

 

「やっぱりお風呂に行くんですね」

「あっスズランさん達もですか」

「ああ、先程の戦闘で久方ぶりに汗をかいたのでな」

 

三人で歩いているとそれを見たオペレーターが

 

「まるで親子みたいだなぁ…」

「ホントにね~なかいいよね~」

 

その会話を聞き逃さないアクイラとフォリア

 

「親子か…夫は元気だろうか」

「今度旅行にでもいきますか」

「行きましょう!!お父さんにも会いたいです!!」

 

と笑顔を向けられたため

三人で任務の無い日を選び旅行へ行くことにした

 

 

 

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