狙撃主は何を思う・・・   作:紅霧竜

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黒猫の誕生日

三月三日

それは黒猫…ジェシカの誕生日

それを祝うため前日から準備するアクイラ

 

場所はとある倉庫

そこは広く防音であるため多少騒ぐくらいなら支障はない

 

アクイラはテーブルや椅子を用意し倉庫内を飾り付けてから、ドクターの元へ向かう

 

執務室前

 

「失礼します、アクイラです」

「いいよー」

ガチャ

「ドクター…」

「ん?どうしたの?」

 

そこに見えたのは

大量の書類が積まれた机と

右にケルシー左にアーミヤ

机の前には地雷とショットガンを構えるイグゼキュター

もはや要塞と言わんばかりの状態に

 

「時間を改めますのでこちらを確認し後程投函してください」

パタン

 

と部屋を出る

次に向かったのはキッチン

 

「邪魔するよー」

「ん?アクイラか、そこの箱にいれておいたのでそのまま台車ごとお使いください」

「ありがとうマッターホルン」

 

受け取ったのはティーセットのはいった段ボール

 

台車を押していると

 

「ちょっとイタズラしただけじゃねぇか!?」

「…殺す…逃がさない」

 

とカメレオンと赤い狼がこちらへ凄まじい速度で向かってくる

 

「イーサン?わかるよね??」

「あっ…」

 

ガシャン!と時すでに遅く

粉々にくだけ散る段ボールと中身

 

「アクイラ…ごめんなさい…」

「レッド「は」悪くないからいいよ~」

 

頭を撫でながらそういうと

しっぽを左右に軽く振りながら安心している

 

「(今のうちに…)」

「でだ…どこへいくのかなぁ?明日の物品が失くなったんだが??」

 

声を出すも返事はない

 

「レッド、いいよね?」

「わかった…僕から伝えとく」

 

アクイラは隠してあるスナイパーライフルを取り出し

台車を三脚代わりにして

 

「しにさらせ!」

「ちょっ!?本気ですか!?!?」

「当然!お前には死を懇願する苦しみをあたえん!!」

 

射撃しながらとある部屋へ誘導するアクイラ

 

イーサンの逃げた部屋は

 

「ん?どうやら来たようだな、モンスター、部屋を封鎖しろ」

「ドクター、少し休憩の時間です…イグゼキュターさんはドクターにお茶とお菓子をお願いします」

「了解…ドクター、こちらへ」

「ああ…つかの間の休息…」

 

イーサンは後悔したがもう遅い

 

アクイラは被害を確認し、関係各所へ謝罪をする

普段の行いもあって特に怒られる事もなかった

 

再びキッチンへ向かい

 

「マッターホルンさん…すみません…」

「いいですよ…イーサンには…」

「あの人は今ケルシー先生とアーミヤさんに絞められています」

 

談話しつつ新しく用意してもらい

再度倉庫へ向かう途中

 

「購買部から火薬の臭い…隔壁起動!!」

 

ボンッ!

 

と隔壁が降りた直後に聞こえる

被害は最小限に抑えられ遠回りをして目的地へと着く

 

お湯や食品等の準備をしてそのまま眠りにつく

 

 

翌日

 

その日は朝から各所でジェシカが祝われていた

本人は少し恥ずかしそうにしながら楽しんでいるも

一番の友人がいない

 

時は夕暮れ

艦内を歩いているとふと思い出す

アクイラのよくいる倉庫に今日は行っていないことを

 

すぐさま歩きだし目の前に着く

 

扉を開けると暗かったがテーブルの上に蝋燭があり

照らされた近くに椅子の存在も見えた

扉を閉め椅子に座る

薄暗い影からアクイラが出てくる

 

「誕生日おめでとうございます、ジェシカさん」

「アクイラさん!ありがとうございます!!」

「これくらいしかできないけどね」

 

手にpしていたのはクッキーといくつかのティーバック

アクイラが何かを作る?その途中で死ぬわ(n敗)

 

ジェシカは自分の好きなパックを取り出し

コップにいれてお湯を注ぐ

 

「それにしても…なんで参加しなかったんです?」

「あまり大人数の中に居たくないし…何より音が苦手」

「そういえば話し声苦手でしたね」

「そういうこと…そしてサプライズゲスト~」

「おめでとうジェシカ」

「あっありがとうございますフロントノヴァ…さん?」

 

出てきたのはスノーデビル小隊の面々

なんでもジェシカには恩があるから祝いだけでもということらしい

 

「我々がこうして生きているのも君たちのおかげだ」

「そんな事ありませんよ!私が守ったものなんて」

「だからこそ私たちはここに居て、生きているんだよ」

 

ジェシカは数多くの命が生きるきっかけになった

それは知らず知らず多くを救い

それは知らず知らず多くを護った

 

「そういうこと!ジェシカ、君はその行動でたくさんの光を紡いで、たくさんの人を助けた

それは私だって例外じゃないんだから」

「我々のような人間でも救おうと必死に足掻き、苦しみ、悩み、涙する…そんなあなただからこそ大切なんだ」

 

ジェシカの顔は複雑そうだったが

 

「ありがとうございます…これからも頑張りまっ!?」

 

盛大に舌をかむジェシカ

 

「ちょ!一番いいときに!!」

「アクイラさん!笑うなんてひどいです!!」

「フフッ…」

「ノヴァさんまで!?」

「いや…ずっとこの時間が続けばな…とね」

「私が…いえ…私たちが守って見せます…感染しているだけで排斥されるような世界を変えて見せます!」

 

宣言と同時に入ってくるドクターとケルシー

どうやら声が漏れたらしく入ってきたようだ

 

「そうだねジェシカ、これからもよろしく」

「理想は掲げるものではないが…その未来を創りだそう」

「さて…そろそろ時間も遅いからお開きにしようか」

 

 

アクイラは立ち上がりカーテンを開けると

 

「綺麗ですね…」

「ああ…本当に…」

 

広がるのは小さな光が輝く空

部屋は蝋燭で明かりを取って居たため

小さな星々もはっきりと見える

 

「我々はあの小さな星か」

「それは私ですよ」

「それなら僕はあの空だね」

「ドクター?どうやら全てを包み込むつもりのようだが…できるのか?」

「できるさ…皆が…この星のように大小関係なく過ごせるようになれば…」

「(私ではもう届きませんね)」

 

ジェシカがうつむいたのを見逃すわけもないメンバー

アクイラはたった一言

 

「君は君らしく生きろ」

 

それはその場にいる全員に向けられていた

そしてその意味を感じたジェシカは顔をあげると

 

「アクイラさん!私は負けません…例えそれが全てを裏切ろうとも!私の意志で!私の力で!乗り越えて見せます!!」

 

誕生日を迎えた黒猫は

その瞳に決意を宿す

新たな目標を胸に

未来を歩むために

 

 

 

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