「今月新刊たくさんで、うれしいなあー。…でも今月の小遣いもうほとんどないからなあー。」
少年は、迷宮の中を迷走していた。
(魔法科…ストブラ…ソード…んー悩む。でも、今日母さんの誕生日だしなあー。)
しばらく、思案にふけってから、
「よし決めた。新刊は、少し我慢して母さんの好きなケーキ買っていこう。」
前は急げと駆け出したが、不意に大きな声がした。
「暴走トラックだ。みんな逃げろ。」
…完全に不意の出来事だったために対応できなかった。気づいたときには、トラックが目の前に見えた。
(これは、もう無理だ。ごめん、母さん…みんな。)
意識が朦朧となったような感覚に襲われたが、そんなことからはすぐに目を覚まされた。
凛とした声が、弱々しくもはっきりと耳に響く声がしたからだ。
「…
目を開けて、その空間を見た瞬間大方のことが伝わってきた。一面真っ白な空間、そしてその空間に似つかわしくない一人のきれいな女性。
「俺、死んだのか。」
俺が、そんな独り言を言っていると、
女性が、とても申し訳なさそうにこちらを見てから、
「将暉さん、本当に申し訳ありません。こちらの手違いであなたを死なせてしまいました。」
目の前の女性が謝罪を言ってきた。
「あのー。一応尋ねますが、あなたはどなたですか?」
必要のない質問とわかりつつも、聞かずにはいられなかった。
「はい。…あなたの予想通りだと思います。わたしは、この世界で神をやっております。」
予想通りすぎる展開に驚きつつも、どうかドッキリだったという展開を期待もしていたが、その可能性はこの瞬間ゼロになった。
「将暉さん、突然の事でとても混乱していることでしょうが、どうしてこうなってしまったか、説明させていただきます。」
そこからは、女神様の話が始まった。そして、その話を要約するとこうだ。俺は、トラック事故で死ぬことは本来ないはずのことだった。むしろ、幸運の始まりになるはずだったそうだ。…しかし、結果としては
「死んでしまったと。」
悲しくなった、死ぬはずじゃなかったのに死ぬ羽目になったってことを知って、当たり散らしたい気持ちになったが、…女神の顔を見てそんな気は失せてしまった。
「…それで、…女神様これから俺はどうなるんですか?…このまま、成仏ですか?」
自虐的にそんなことを言っていると、
「いいえ。それでは、あなたの人生を奪ってしまったことに対して、償えません。…あなたには、女神として第二の人生と願い事を3つ叶えることにします。」
この提案には、驚いた。だが、このまま成仏してしまうよりは、いいかなとも思った。
「早速ですみません、一つ早急に叶えてほしいことがあります。…家族に俺名義で生活に困らないだけのお金を、おくってください。」
あえて、金額をいわなかったことには、後悔を覚えた。女神様を試しているようでとても心苦しいものだったが、本人は違ったらしい。
「こんなときまで、家族の心配をするこんないい子を死なせてしまって、私のバカバカ!」
自分の事でさらに、気持ちがヒートアップしたようで何やらぶつくさ言い始めたが、俺も残り2つのお願い事をかんがえていると、
「決めた。この子はなんとしても幸せにしなければ、ならない絶対に!」
と女神様は、決意のこもった眼差しをこちらに向けてきた。
「そうと決めたら、私が100%以上好き勝手できる世界に送って楽しい人生を送ってもらいましょう。」
そう言うと、俺の周りに何やら文字の書かれたプレートのようなものが取り囲んでいた。
よくそれをみると、転生先という字が目に入った。
「さあー。将暉さん、この中なら転生先を選んで下さい。さっき、願い事を3つまで叶えると伝えましたが、あなたの素晴らしい志に感銘を受けたので、2つの願いに加えて、役に立つ能力をいくつかこちらでさずけさせていただきます。」
その提案は、とてもありがたいものであった。逆にこっちが恐縮してしまった。待たせてはいけないと思い、希望を伝えた。
「それじゃあ、転生先はこの超おすすめと書かれているもので、お願いします。願いについては、一つは身体能力をあげてください。どんな状態になってもある程度は、対応できるだけのものをください。二つ目は、サーヴァントをください!」
我ながら思い切ったお願い事をしたと、口にして改めて思ったが、後悔はしていない。
「はい、分かりました。一応確認しますが、願いは今言ったものでいいでしょうか?……了解しました。それでは、連れていきたいサーヴァントを六人決めてください。」
「…じゃあー。アーチャー(エミヤ)、セイバー(アルトリア)、ルーラー(ジャンヌ)、ランサー(クー・フーリン)あとは、……うーん。思いつかないなあー。」
四人を決めたが、後二人を誰にするか頭を悩ませていると、
「お悩みでしたら、私が有用なサーヴァントを選定しておきますよ。」
渡りに船な提案だったので二つ返事で了承した。
「後は、転生先の説明をさせていただきます。…その前に将暉さんにお尋ねしますが、セキレイというお話をご存知でしょうか。」
唐突な質問だったが、詳細なことは、知らないがある程度の話なら聞いたことがあると、伝えた。
「それなら、かんたんな説明で済みますね。…あなたには、セキレイの世界に転生していただきます。」
何故という質問をする前に、言葉がかえってきた。
「転生先の超おすすめにセキレイの世界を選んだ理由としては、私が介入しやすいからです。あなたにとっては、アニメ世界に転生と何となく不思議に思うでしょう。…ですが、アニメ世界や、今あるフィクションと呼ばれる作品の多くは、神が人に授けた異世界の出来事なのです。
数多くある世界でセキレイの世界は、私が1から丁寧作っていった世界ということに加えて、神秘が信じられているのでやりやすいからです。」
少し、世界の真理を一つサラリと伝えられたような気がしたが、女神様は何事もなかったように転生の準備をせっせとはじめた。
「まだ、混乱もあるでしょうが、まずはあちらの世界に行ってから細かなことに答えさせていだきます。」
「それでは、…良き人生を!」