ウルトラマンゲイル   作:桂ヒナギク

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1.ハヤテとゲイル

 水色短髪、童顔の少年。彼の名は、綾崎(あやさき) ハヤテ。この物語の主人公である。

 彼は両親に、一億五千六百八十万四千円の借金を押し付けられ、それを肩代わりした主人(あるじ)である三千院(さんぜんいん) ナギに、執事として仕えていた。

 彼の日課は、ナギを起こすところから始まる。

「お嬢様、朝ですよ」

「うーん、あともう少し……」

 だがナギは起きようとしない。

「早く起きないと学校に遅刻しますよ」

「ハヤテ、お前、先に行ってろ。後から行くから」

「そう言っていつも来ないじゃないですか。今日という今日は連れて行きますからね」

 ハヤテが布団をひっぺがすと、金髪の女の子が姿を現した。

「お嬢様、朝食が冷めてしまいますよ!」

「うるさいな! 眠いんだよ!」

「そんなの知りませんよ!」

 ナギは起き上がり、ハヤテに枕を投げつけた。

 枕がバフっと音を立ててハヤテの顔面にヒットする。

「やっと起きましたね」

「あ、しまった! 気分悪いからもう寝る!」

「ダメです!」

 ハヤテはナギを引きずって食堂に連れて行った。

 機嫌が悪そうに朝食を摂るナギ。

「おはようございます、ナギ」

 と、具合が悪そうに入ってくるメイドのマリアことハヤテの姉。

「あ、姉さん。どうしたんです?」

「ちょっと風邪を引いてしまったみたいですわ」

「大丈夫ですか?」

「ええ、なんとか」

「でも相当悪そうですよ。休んでて下さい」

「そうですか? ではそうしますね」

 マリアは食堂を出て行く。

「ハヤテ、今日は学校を休め。マリアの看病をするぞ」

「そうですね」

 満場一致で二人はマリアを看病することにした。

 その頃、地球から少し離れた宇宙では、青色のウルトラマンらしき巨人が、星人に追われている。

「待ちやがれゲイル!」

 ゲイルと思われるのその巨人は、逃げながらも星人に光弾を放つ。

 星人を光弾をかわし、ゲイルとの距離を詰めてくる。

「くそ!」

 ゲイルは地球を見掛ける。

(あそこに逃げ込もう!)

 ゲイルは光の球体となって地球に飛び込んだ。

「あの惑星(ほし)は……?」

 立ち止まった星人が地球を見つめる。

 

 

 ハヤテは部屋で休むマリアを看病している。

 濡れタオルをマリアの額に載せる。

「ハヤテー!」

 ナギが屋敷中に響く大声を上げた。

 ハヤテはナギの元に駆けつける。

「どうされました?」

「あれ……」

 ナギが指差した先を見ると、壁が抉り取られていた。

「えっと……?」

「あいつらの仕業だよ!」

 壁の外側で、巨人が星人に追い詰められている。

「なんですかあの巨人?」

「知るか!」

「なんか、ウルトラマンみたいな姿ですが」

「とりあえず、ウルトラマンみたいなのを助けてやれ」

「わかりました」

 ハヤテは戦場に躍り出る。

「おい! お前の相手は僕がしてやる!」

 星人がハヤテを見る。

「ありが一匹。そんな小さな姿で何ができる?」

「そこの者、危ないから離れるんだ!」

 ハヤテは額に一筋の汗を垂らす。

「あなたの方こそ追い詰められてるじゃないですか」

「僕は戦うのが苦手なんだ」

「あなたは一体?」

「僕はゲイル」

「僕はハヤテです」

 二人が自己紹介をしていると、星人はイライラし始めた。

「おい、作戦会議は終わったのか?」

 ハヤテは構える。

「ならばお前から踏み潰してやる」

 星人は巨大な足でハヤテを踏み潰しにかかる。

 ハヤテは疾風のごとく巨大な足をかわした。

「決めた。君に僕の力を託そう。あとはうまくやってくれ」

「へ?」

 ゲイルが光の玉になり、ハヤテの体に入り込んだ。

 ハヤテの体は光に包まれ、巨大化してゲイルになる。

「ええええ!?」

 驚き戸惑うゲイル。

「ほおう。合体したら少しは強くなったかな?」

 星人がゲイルに襲いかかる。

 ゲイルは星人をかわし、カウンターキックをした。

「ぐわ!」

 星人はよろめいて後退する。

(凄い力だ!)

 ゲイルは星人を乱打する。

 星人は追い詰められ、最後は光線技でトドメを刺され、爆裂霧散した。

 ゲイルは光に包まれると、小さくなってハヤテの姿になった。

「ゲイルさん?」

 ……………………。

 ハヤテは声をかけるがゲイルは反応しない。

「あれ?」

 

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