鬼滅の刃-誠の花-   作:仲村 リョウ

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 戦闘描写難しい……


其の弍:その名は沖田総司

下山してしばらく歩いていると町が見えてきました。

 

「やはりここは日本ですよね……」

 

町並みは私が生きていた頃とあまり変わらない感じがしますが……

 

(なんでしょうあれ──大きな木の丸棒の天辺に線が張ってありますね……)

 

あのような作り物は見たことがありません。一体なんなんでしょうか……

 

(てか──鬼が出るんですね……)

 

先程のことを思い出してしまいます。まあ、ここが私が生きてきた日本とは限りませんからね。

 

 

「なんでしょう……何処からか争っているような音が聞こえます──」

 

 行ってみるしかないですね──もしかしたら、英霊同士(サーヴァント)が戦っている可能性もありますし。

 

▽▽▽

 

 それは月が綺麗な夜の日でした。人々が寝静まっているのか、町には人一人としていない。その中に響く異常な音……私はただ、そこへ向けて走っている。

 

「音が止んだ?」

 

もしかしたら決着がついたのかもしれません──だとしてもその場に行かなければ分からない。

 

(あの角を曲がれば何かが──!?)

 

ここに来てから驚きの連続です──角を曲がるなり私が目にしたのは、今まさに男が女性に攻撃しようとしている瞬間だった。女性も血だらけです──

 

(あの男からは異様な感じがしますね)

 

人間の姿であって人間ではない……そんな感じですか。なんと言いますか、少なからず先程の鬼のようなものと同じような感じですね。

 

(ともあれ、あの人を助けないと……)

 

見てしまった以上は見捨てることは出来ません。

 

 宝具である浅葱色の羽織を展開させると刀も変化します。走りながら抜刀し、男の方へと縮地で一気に詰め寄り、切っ先を男の心臓へと定める。

 

 縮地──『瞬時に相手との間合いを詰める技術』。『見えない速さ』と勘違いされていますが、実際には『見えるのに何故か動けない速さ』と言った方が正しいでしょう。しかし、私はサーヴァントです──私にとっての縮地は前者に該当します。

 

「わあ!びっくりした〜!急に刺してくるなんて危ないじゃないか〜!」

 

避けられた──不意をついて突きで仕留める筈でしただが、相手も中々の勘を持っているようです。

 

「あ、あなたは……ウッ、ゴホッ!」

「肺がやられてますね──あまり喋らない方がいいですよ」

 

 私は女性の前へと立ち、男の前へと立ち塞がる。

 

(浅葱色の羽織……)

 

「ん?君も中々可愛い顔してるね〜……名前はなんて言うの」

「生憎ですが──変態に名乗る名前なんてありません」

「そうか〜それは残念だ──せっかく仲良くなれると思ったのに……」

「………」

「あれ?君は刀を抜くと喋らないタイプなのかな?」

 

 私は男の話を無視します。話に付き合ってると絶対に面倒くさいタイプの奴ですね。

 

 というより──なんでしょう、あの目は……左目に『上弦』、右目に『弍』と書かれてます。

 

「斬り合いの場に主義主張は不要。ただひたすら斬るのみ──」

 

 私がそう言い放ち、斬りかかろうとした時だ。

 

「ま、待って……ゲホ!!」

 

後ろにいた女性が私の羽織へを掴んできます。

 

「なにやってるんです──」

「相手は……上弦の鬼なのよ──勝てるの?」

「上弦の鬼だかなんだか知りませんが、斬り伏せる以外なにがあるんです?」

「ほ、本気で言ってるの──ゲホッ!!」

「だから、あまり喋らない方がいいですって」

「お願い……聞いて──無闇に……呼吸は使わないで……」

「えっと?呼吸……ですか?」

「えっ?」

「えっ?」

 

上弦の鬼と呼ばれた男と女性が同時に頭の上にはてなマークを浮かべています。

 

「驚いたなぁ──まさか、呼吸も使わず俺に斬りかかって来たの?あはは!面白いね君は!もしかして、鬼殺隊の隊士じゃないのかな?」

「ほ、本気で……言っ──!ゲホッ!!ゲホッ!!」

「お願いですからそれ以上喋らないでください。死んでしまいますよ」

「でも……あなた……」

「呼吸がなんだか知りませんが、勝機がないわけではありません。ですから、羽織を離してください」

 

私の殺伐とした言葉に女性は気圧されてしまったのか、そっと羽織から手を離した。

 

「あなたの言いたいことは分かりました……なら、速攻でカタをつけます!」

「へぇ〜来ちゃうんだ……いいよ。おいで──そんな哀れな君も救ってあげるよ」

 

 上弦の鬼はニヤニヤと笑みを浮かべながら扇子を広げる。

 

「──一歩音越え……」

 

 踏み込み──

 

「二歩無間……」

 

足音鳴らし──

 

「あれ?消え……!?」

 

 三歩絶刀!

 

「無明三段突き!」

 

刹那。上弦の鬼の前へと現れた私は心臓へと目掛けて三発の突きを繰り出す。

 

 無明三段突き── 平晴眼の構えから踏み込みの足音を一つしか鳴らさず、その間に三発もの突きを繰り出す奥義──つまり、相手は一つの突きを貰ったと思った瞬間には実は三発もの突きを受けていたという超理論的な技です。繰り出した私が言うのもアレですが……

 

「いや〜……びっくりしたけど、ダメだよ?君……鬼を倒すときは頸を斬らないと」

「なっ!?」

 

 確かに急所である心臓は刺さっている──

 

(心臓の感覚がない──まさか……)

 

 ──心臓がない

 

「っ!」

 

私はそのまま刃を突き刺したまま左腕目掛けて斬り払うと、上弦の鬼の左腕が宙を舞い、血飛沫が吹き上がる。そして、頸を狙い刀を横へと振るうが簡単に避けられてしまいます。

 

 上弦の鬼は笑顔を見せながら私を見つめている……

 感じたことのない気味の悪い相手……私は思わず後ろへと跳躍してしまいます。

 

「その様子だと君は知らないようだね──鬼を殺す方法」

 

頸──そうか、さっきの鬼は頸を斬ったから倒せたわけですね。

 

「なら、頸を貰うまで」

 

 再び平晴眼の構えをとります。

 

「あはは、勇敢だね君。そう簡単に頸をとれるかな?鬼はね……頸以外なら簡単に体を再生できるんだよ?特に俺みたいな強い鬼はさ──」

 

 ほらっと、斬れた左腕を見せるが──

 

「あ、あれ?腕が再生しない?」

 

さっきの余裕な顔は何処に行ったのやらですね。焦った様子で自分の腕を見直しては信じられないと言った様子。

 

「君──一体何をしたんだい?」

「特に何もしてませんが……」

「嘘だ。鬼の体が再生しないなんてことは……」

 

 ということは今は好機ということになりますね。

 

「なら、遠慮なく斬らせていただきます」

 

 その言葉と同時に上弦の鬼の顔が青ざめた。なにせ、奴は奥義の速さを知ってしまった──それだけでも私に恐怖するのには十分なものです。

 

「くっ──!?」

 

 上弦の鬼は宙高く跳躍する……どうやら逃走を図るようですね。

 

(敵に背中を向けるとは……今なら殺れますが──)

 

私はチラッと女性の方へと視線を向けます。酷く咳き込んでいますし、外傷もひどいものです。

 ……はあ。先程の小屋の悲惨さを目の当たりにしてから、少しだけ甘くなりましたかね私。刃にこびり付いた血を振り払い、鞘へと納刀。女性の方への駆け寄っていきます。

 

「どうして……私のところに……あなたなら頸を……ゴホッ!……とれたはずでしょう……」

「かもしれませんね」

「じゃあ、なんで……」

「なんでって言われたら分かりませんけど──多分、あなたを見過ごせなかったんですよ。せっかく助けて、助からなかったら目覚めが悪いですから」

 

 そう言って私は片膝をついて、女性の顔を覗き込みます。

 

「先程は刺々しい言い方をしてすみませんでした。なにぶん斬り合いの最中でしたので」

「は……はい……」

 

 にへらと私は笑みを浮かべて女性の体を支えます。

 

「怪我が酷いですね。何処か治療ができる施設とかありますか」

「それでしたら……」

「姉さん!!」

 

 突然、前方から女性の叫び声が聞こえます。声がした方へと視線を向けると、こちらへ動揺した様子で走ってくる。毛先が紫色に染まった女性──隊士のような服を着ているのでこの人と同じ組織の人でしょうか?

 

「あなたはこの人と同じ組織の方ですか?」

「はい。私の姉です──」

「しのぶ──この人は私の命の恩人です……それに──上弦の鬼を……ゲホッ!……撃退しました……」

「本当っ!?」

 

ありえないような目つきでこちらを見つめてくる──そんなに凄い敵だったのでしょうか……確かに仕留めきれなかったのは沖田さんの落ち度ではありますが。

 

「それよりも、この方の治療を優先しましょう。私が肩を貸します」

「そ、そうね……ついて来てください」

 

私は怪我をしている女性に肩を貸して、ゆっくりと立ち上がらせる。

 

「ありがとう──あなた、名前は?」

「私ですか?私は──"沖田総司"です」

 

この時、女性が目を大きく見開いた理由はこの後知ることになります──

 




沖田さん。カナエさんを救済──

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