今更ヒロアカ買ったらヒロアカの二次創作が書きたくなりました。
暗い暗い森の中、風か、動物か、それともモンスターか、どこかの木々がかさかさと揺れる。
そんな暗闇を暗視のポーションを飲んだ私は里を目指して走り抜けていた。
いつもなら素材を採取しながら行くところだが、ステータスが落ちてる今はやめたほうがいいと判断して走り抜けている。
『ウォオオオオオ!!』
「『ブリザード』」
目の前に出てきた一撃熊を魔法で凍らせ、蹴り飛ばす。
ステータスが落ちてるといっても数で来られなければ問題なく倒せる。
『『『ウォオオオオオオオオオオ!!』』』
……フラグ立てた私が悪いか。
大量発生した一撃熊を苦労して倒し、せっかくだからと欲張って素材を取っていたらもう一回バグベアーの群れに襲われつつ、なんとか森を抜け、里にたどり着く。
里は時間が時間だからか皆寝静まっているようだ。
そういえばカズマたちはどこに泊まるんだろう?とか考えながら実家に向かって歩いていく。
そして自宅、正直に言ってみすぼらしい家だ。
外見は、であるが。
ただいまーとなんとなく言って玄関を通る、返事は返ってこなかった。
リビングに行ってみると、紙やらなんやら泥棒に荒らされたかのような状態だ。
思わず、はぁとため息が出る。
私が出るときにきれいに片付けたのだがな。
まじで、あのクソ父が……掃除しろと何度言ったか
そして人の気配がしない。
つまり父は出掛けている。
こんな時間、父が出かける場所となるとあそこしかないか。
「いらっしゃい。おっふらすこじゃないか帰ってきてたの?久々だね?」
ドアを開けると髪の長い紅魔族が話しかけてくる。
酒場『サキュバス・ランジェリー』どっかのアホな紅魔族が考えだした名前の旅人や冒険者を騙す酒場である。
今まで何度も騙された人を見たことがある。
「やぁねりまき、めぐみんとゆんゆんの付き添いでね、久しぶり」
カウンター側にいるねりまきに返答する。
久しぶりといっても私が里を出る前にも来てたからそんな久々ってわけでもないのだが。
昔は2日に一回はここで飲みふけってた弊害か、そんなことを考えながら座る。
いつもの、と言うとすぐに酒が目の前に置かれた。
横には飲みすぎたのかテーブルに突っ伏して寝てるダメ人間みたいな見た目の男がいた。
「おい、起きろ」
そのダメ人間とは私の父である。
背を叩くが起きる様子がない、どうやらかなり飲んでたようだ。
…………ムカつく、この父の状態と、これが父であるということに。
幸せそうに寝てる顔にムカついた私は、ポケットから一つポーションを取り出して父の口にぶち込んだ。
今飲ませたポーションの効果は酔を覚ますポーションだ。
結構強力なやつで寝落ちしてるやつに飲ませても数秒で起きあがある品物だ。
もちろん強力な分、副作用はあって。
「うっぷ……」
父が唐突に立ち上がって口を抑えながらトイレに駆け込んだ。
まぁ、そういうことだ。
「帰ってきてくれたのか娘よ!!」
「うるさい、他の人に迷惑だから黙れ」
私の姿を見て騒ぐ父を黙らせる。
多分、ここまで騒いでるのは私が里を出たとき、ほぼ家出……いや、どっちかと言うと夜逃げみたいな感じで出たからだろう。
「娘よ〜、帰ってきてくれて嬉しいぞぉ〜、今日はお祝いに朝まで飲むぞ!!」
「黙れって言ったの聞こえなかったか?」
このクソうるさい父、あるけみはこんなんでも国から認められている本物の天才錬金術師なのだが……他の部分が壊滅的だ。
主に頭と家事と料理。
とくに料理に関しては初めて見たとき、ポーションの素材になるのでは、と思ってしまったレベル。
研究者としては尊敬できるんだけど……人として尊敬できん。
「ねりまきちゃん!お酒頂戴!」
「さっきまで酔いつぶれてたくせによく飲むな」
「仕方ないだろう?娘がアクセルから帰ってきてくれたんだから!」
「言っとくけどめぐみん達が帰ったら私も……おいまて、なんで私がアクセルにいることを知っている?」
私は父に何も言わずに出てったのでアクセルにいることを父は知るはずもないのだが。
「ハハハハハハハハ!!実はお前がつけてる髪留めには発信機の機「『ティンダー』」あー!?お前それ作るのクソ大変だったんだぞ!?」
クソ父が人の髪結びに発信機つけてると言った瞬間、髪留めを解いて魔法で燃やし尽くす。
にしても、娘に発信機って……ただの変態じゃねぇか。
「お前それ作り直さないからな!?ステータス隠せなくなるけど仕方ないよな!?だってお前が壊したんだもの!!」
一応あの髪留めはステータスの隠蔽効果があった、アクセルに見合わないレベルを冒険者登録の際に驚かれないようにとつけていたが、まぁ別に同効果のポーションを作ってるので別にいらない。
それを抜きにしても、発信機のついた髪留めはつけたくない。
ムカついたので酒を飲み干してもう一度酒を頼む。
すると、私が頼んだものを持ってきながらねりまきが話しかけてきた。
「ねぇ、ふらすこ、向こうでのめぐゆんがなにしてるか教えてよ」
「別にいいが私もあまり関われてるわけじゃないからな、えーと、めぐみんは……パーティーメンバーにセクハラされてたな」
「へー、めぐみんにセク…セクハラ!?しかもパーティーメンバー!?も、もしかしてあのめぐみんが男!?」
「私もそれは知らないが……まぁ、仲は悪くなさそうだったな」
横から見てるだけでもめぐみんはかなり楽しんでそうだったし、仲が悪いってことはないだろう。
「そんな……嘘でしょ、私はてっきりあの二人がくっつくのかと……ま、まさか、ゆんゆんにも男がいたりしないよね!?」
「ゆんゆんは、男どころか女も一人もいない」
「ねぇ、それはそれで心配なんだけど」
ゆんゆんなぁ、うーむ、まだ一週間程度だが、あいつが私とめぐみん、カズマ、ダクネス、アクア以外と話してるのを一回も見てないんだよな。
流石ゆんゆんと言うべしか……
と、ここで横でちびちびと酒を飲んでいた父が唐突に立ち上がり叫んだ。
「二人して俺を無視してるんじゃないぞ!その話俺も混ぜろ!」
「ねぇ、他にはなんかないの?」
「うーん、そういえばめぐみんのパーティーメンバーは里に来てるぞ、明日にでもあったらどうだ?」
流石酒場の娘と言うべしか酔っ払いの扱いになれているねりまきが父のことをガン無視する。私もそれに乗っかる。
「へー、来てるんだ、からかいついでに会ってみようかなぁ」
「おーい、無視するな。それ以上無視したら俺の魔道具が火を吹くぞ」
「あ、あと、めぐみんの仲間あと二人いるから」
「二人?どんな人なの?」
「おーい、いいのかぁ?俺の魔道具が火を吹くぞ、例えばこれは冒険者のスティールを再現した魔道具でだな……」
「アークプリーストのアクアとクルセイダーのダクネスって人、ちなみにどっちも女性」
「えっ!?それってまさかハ、ハ、ハ、ハーレムってやつ!?」
横から見てた感じそんなことなかった気がするが、面白そうなので頷いておこう。
「おーい、流石にこれ以上無視は辛いんですが」
「ま、まさかめぐみんがハーレムの一人に落ちぶれるなんて……」
「私もあいつが男に気を許すのは予想外だったな」
「よし、俺の魔道具が火を吹くぞ、この魔道具は盗賊のスティールを再現したやつでな、これでねりまきちゃんの下着を……」
「『テレポート』」
横がうるさいのでテレポートを放っておく。
その数秒後店の扉がバン!と音をたてて開かれた。
そこにいたのは父。
私は森の奥のほうに飛ばしたはずなんだが戻ってくるの早すぎないか?
その私の疑問を表情で察したのか父は言った。
「俺はこの店の目の前にテレポートポイントを設置してるからな!」
「殴るぞ」
本当に何してるんだコイツ。
昔からほぼ毎日ここに通い詰めてると思ってたがこれほどか。
ちなみに私の家からサキュバス・ランジェリーまでは徒歩で5分かからない距離だ。
「殴りたいなら殴るんだな!俺の目にかかればお前のステータスが落ちてることなど水を見るより明らかなのだよ!」
「なぁねりまき、いじるネタにめぐみんがどんなセクハラされてたか教えてやるよ」
「せめて突っ込めよぉ!」
あー、聞こえない聞こえない。
もうコイツに酒飲ませて潰したほうがいいか?
てかもう帰ろうかな、デカすぎてアクセルに持ってこれなかったポーション作成の機器を使いたくて来たのだが……ついでにカズマ達に謝ることも。
いや、まずこの店に来るべきじゃなかったか?
でも久々にここのお酒飲みたかったからなぁ……アルコール濃度80%超えの酒(私が要望して無理やりメニュー加えてもらった)とかどこも出してくれないし。
ここまでのアルコール濃度なら少しだけだが酔うことができる。
本当に少しなのがつらいが。
「そういえばさ、ふらすこ」
「なんだ?」
「なんか女っぽくなってない?」
ねりまきの質問に思わず固まる。
「お、女っぽくってどんな?」
「いや、なんていうか細かい仕草、というか色々変わってるなぁって」
仕草か、原因として考えれるのは……あ
気づいてしまった瞬間、体がぷるぷると震えだす。
「ちょ、ちょっとどうしたの!?」
「すまん、その話題なしで」
アクシズ教、金髪プリースト、お着替え、メイド服、ゴスロリ、銭湯、セクハラ
もう、あれは、思い出したくない。
体の震えを抑えるため、震える指で酒を傾ける私だった。
結局朝まで飲んでしまった私は、またあの酔い覚ましを飲まされ気持ち悪そうな父と共に帰路についていた。
あ、そうだシルビアのこと頼んでおこう。
「なぁ、今来てる魔王軍幹部のやつ倒せないか」
「魔王軍幹部?シルビアのやつのことか?」
父は顔を青くしながら、まるでシルビアのことを知っているかの口調で言った。
「まるで知り合いかのような口ぶりだな」
「ん?ああ、言ってなかったっけ?俺魔王軍幹部だよ?」
「……は?」
は?
キャラ紹介
あるけみ
ふらすこの父、錬金術師としてはとんでもない天才で国からも認められている。
ただかなりのダメ人間、さらに純粋な紅魔族なので紅魔族の性質も持ち合わせている。
ふらすこと同じくマッドサイエンティストなところがある。