何があったかというと普通にエタりかけてました。
どのくらいエタりかけていたというと、この回が投稿されるまでの合間にヒロアカ二次の短編を投稿し、ダンまちの二次の小説が始まるくらい。
「つまり、魔王軍に入った理由は、魔王軍が所有している書物が読みたかったからと」
テーブルを挟んで座る父が私の言葉に首をぶんぶんと縦に振る。
父が魔王軍幹部とかいう、意味不明なことをカミングアウトされた私は、家で詳しい話を聞いていた。
聞いていたのだが……
「それで、入る際に結界の維持と魔王軍に攻撃をしない、そして、魔王軍に人間側が攻め込んできたときのみ、魔王城の防衛と」
父がまたもや首を縦に降る。
うん、うん、なるほどね。
「馬鹿なのか?いや、馬鹿だな?馬鹿なんだな?」
魔王軍に攻撃をしない、結界の維持、書物が読みたかったから、これらの理由はまだ!まだ!許そう。
私だって魔王軍の書物は気になるし。
最後の魔王軍に人間側が攻め込んできたときのみ、魔王城の防衛、これはまずい。
何がまずいって、こいつは国から認められている(世間からの評価は一応)天才錬金術士なのだ。
つまり、何が言いたいかと言うと、魔王軍に人が攻め込むときにこいつは確実に呼ばれる、確実に。
そこんとこ、どうするんだ?と聞いたら「裏切りってカッコいいよね!」とかほざきやがった。
どっちに裏切るつもりなのかはしらんが、紅魔族の特性の厄介さを久々に思い知った。
「待て待て、裏切りって言ってもあれだ、二重スパイって奴だ、ほらこういうのはもっとカッコいいだろ?」
「今そういう話じゃないんだよ」
というか、話を聞く限りこいつは魔王軍の機密情報とか手に入れてるわけじゃない。
なんかそういった情報ないのかって聞いたら、最近魔王が娘を超溺愛している、みたいなホントなのかも怪しいクソみたいな情報ばかり。
魔王軍攻略に魔王が娘を溺愛してる情報なんか役に立たねぇよ。
そして、私の頭をさらに悩ませることが……
「そうそう俺が魔王軍に入ったから自動的にお前も魔王軍に入ったから」
これである、なんとこの父、娘を勝手に魔王軍に入れやがったのである。
しかもなんか、こいつが私のことを魔王軍に言いまくった(しかも恐らく誇張している)おかげで私は、魔王軍幹部候補になってるらしい。
私は一応父と違ってとくに契約はされてないので、行動が制限されたりしないが……厄介事の種には違いない。
昨日のシルビアが私のことを気づかなくて良かった。
もし気づかれていたらと思うと背筋に悪寒が走る。
別に裏切ることに抵抗があるわけでもないのだがね。
「なんでそんな厄介事を持ってこれるんだお前は」
「いや〜、それほどでも」
「褒めてない」
この父の厄介なところは百害あって一利なし、のニートのような穀潰しではなく、百利あるところだ。
つまり下手に処分できない。
この父、こんなんでも割と人類の発展に協力してるのである(衰退に協力仕掛けたことも結構あったけど、ゾンビハザードとか)(そのたびに私が全力で止めた)
百害あって百利あり、これが私の父だ。
つまりただのクソ厄介者である。
昔、それも私が生まれる前はこんなんじゃなかったらしいのだけど……
なんだろう、親バカだったのだろうか?
前世にも今世にも(今世に関しては当たり前だけど)子供のいない私にはよくわからん。
「もういい、この話をしたくない、私がいない合間に何かやったか?」
やったか?というかやらかしたか?なのだが。
基本的にこいつは、自分のやらかしに気づかないのでこう質問しないと理解してくれない。
疲れた私は、コップに入れたお茶を口に注ぎ込む。
「んー、ライフルの開発が少し進んだことと、貴族の立場を買ったくらい?」
父の言葉にブッ!?と口からお茶が吹き出す。
「しゃ……爵位は?」
「侯爵!」
どうやら厄介事は尽きないらしい。
もう、言い訳を聞くのも怒るのもめんどくさくなって、本気でぶん殴るという原始的な方法で父を罰した私は、里にある鍛冶屋に来ていた。
シルビアとの戦いで刃のこぼれた短剣の代わりを探しに来たのだ。
ここの鍛冶屋の店主も紅魔族なので、すごく紅魔族しているが腕は確かだ。
どこかの大貴族が自分が作っている鎧を愛用しているとか言っていたし。
大貴族の娘なんて恵まれた立場で戦うなんて相当立派な娘なんだろうな、すこし見てみたいな、とか思いつつ鍛冶屋の扉を開ける。
「おうらっしゃい!ん?なんだ、あの引きこもりの娘さんじゃねーか。何が欲しい?お前さんみたいな理知的な表情の子には、このハンマーとか、ムチとかもオススメだぞ」
引きこもりというのは恐らく私の父のことだ。
確かに研究に没頭してよく引きこもって入るが言い方が凄まじく悪い。
否定はしないけど。
「そんな似合わない武器いらん、それよりオーダーメイドをしたいのだが」
「似合わないというギャップがいいんだよ、小さい女の子がでかい武器を振り回すのもいいが、理知的な子がえげつない武器を使うのも良い、どうだ?」
「いらない」
何言ってるのか全然わからん。
「で、オーダーメイドか、なんか要望あるのか?」
「切れ味に完全特化のナイフ、もしくは短剣をお願いしたい、できる限り刀身は細く」
普段の攻撃は基本的に魔法で十分なので、できれば素材採取に使えるようなものが欲しいのだ。
特に、龍の鱗とか硬くて面倒くさいのだ『ライト・オブ・セイバー』だと細かな作業が難しいし。
「なかなかえげつないことを言うじゃないか、分かったその条件なら2から3日あれば作れる。ところでそんなえげつない武器使うならこんなのもどうだ?これは毒を吸う短剣なんだがな、吸った毒を切りつけた相手に付与できる、他にも色々あるぞ」
「何度も言わせるな、いら……あ、いや、ちょっと待て、詳しく聞かせろ」
もしかして、それポーションも吸えるのか?
それは、鍛冶屋で結構いい買い物をして、鍛冶屋から出たときだった。
「あ」
「あ」
物陰に隠れる男……ぶっころりーと目があった。
……というか、こいつまだストーカー行為してたのか……
取りあえず魔法で……
「ちょっ、ちょっと待った!魔法唱えようとしないでくれ!?」
「なら今すぐストーカー行為を辞めろ」
このニート、ああ、いや、私がこの里から出てある程度たったしニートじゃない可能性もあるか、このニート。(暫定)は昔からとあるそけっとという女性にストーカー行為を繰り返しており、それを私が見つけるたびに魔法で攻撃していたのだが……
最近しないと思っていたが、私がいなくなったから再開したのだろうか?
取りあえず反省の色が見えないので魔法で氷の彫像にでもしておくか。
「いや、だから魔法を唱えないでくれよ!わかった!ストーカー行為はやめる!」
「そうか、じゃあ駄目だな」
「あぁあああああああああああ!!!!」
────しばらくお待ちください。
「はぁっ、はぁっ、本気で魔法撃つの辞めてくれよ……」
「ならストーカー行為を辞めろ」
別に私も撃ちたくて撃ってるわけじゃないんだよ。
私に凍らされた状態から魔法で抜け出したニート(暫定)の涙ながらの訴えをばっさりと切り捨てる。
「別にそけっとに対して求婚するのはいいがストーカー行為は本当に迷惑辞めろ」
「なんか実感の籠もった言い方だね?」
それはどっかの自称美少女金髪プリーストに実際にされたからだな。
思い出したくないのであまりこういった話はしないでほしい。
「いちいち見かけたら魔法撃つのもめんどくさいんだ、早く告白して砕けてこい」
「せめて成功を祈ってくれよ!というか俺の社交性で告白なんて難易度の高いことできるわけないだろ!?」
自覚あんならストーカー行為なんてしてないで治す努力をしてほしいものだ。
できないからニート(暫定)なのだろうけど。
「だから、昔惚れ薬を渡してやったんだろ」
「そんなものを盛れる度胸も俺にはないんだよ」
「じゃあ酒の力を借りろ、酔ったときの勢いでそのまま……なんてのはありがちな話だろ」
「酔えるほど酒を買えるお金があるとでも?」
「じゃあ、働けよ」
もう私はこんなニート(確定)の恋のキューピッドとかいう不名誉なものになりたくない。
せめて仕事しろ仕事。
そうだな、酒に頼れないなら。
白衣の裏に取り付けている一本の試験管を取り出しニート(確定)に投げ渡す。
「何これ?」
「媚薬」
「いやだから、さっきこんなもの盛れる度胸ないって言ったよね!?」
「飲ませんじゃなくて、お前が飲むんだよ、性欲の力に身を任せろ」
「それただの強姦じゃないか!?ただのクズだよ!」
「ニートな時点ですでにクズだろ、これ以上落ちても問題ない」
「問題大アリだよ!」
駄目か……
注文が多いニートだこと。
……もうこっちでそけっとに媚薬飲ませてぶっころりーに手渡そうかな?
「そ、そうだ!勇気をくれるポーションとかないのか!?」
「媚薬ならあるぞ」
「それ以外で!」
媚薬以外で勇気をくれるポーションかぁ……
ああ、そうだ、確か一つだけそんなのがあったな。
「あるぞ」
「ほ、本当か!?それならそれを僕に!」
「そうか、これなんだがな、勇気がすごく湧くが、その勇気が綺麗に空回りする副作用があるんだよ。それともう一つ効果が切れたときにとんでもない自己嫌悪に襲われるんだが……いるか?」
「いらない」
話数ごとにホント文字数減ってくなこいつ。
果たして今までに前書きをツッコまれ修整した人がいただろうか()