このポーション屋に祝福を!   作:霜降り 

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よぉ、また会ったな

……すまんて
いやね?別に小説書くのはサボってないんすよ。書いてるんすよ、これ以外のやつ

……投稿してないけど、お蔵入りしてたりしてるけど
いやー、毎日投稿できる人ってすごいっすねほんと



第十三話

 どうせ兵器はないのだからもう兵器を探す意味はないだろう。というわけで、私とカズマ達は魔王軍幹部のところへ向かっていた。

 

「ねぇ!兵器なかったのになんで戻るのよ!兵器なかったんだから意味ないじゃない!帰らせて!帰らせてよ!」

「うっせぇーぞ!兵器ないんだからむしろ戦力のために行くしかないんだよ!」

「兵器壊したのはこいつのお父さんなんでしょ!?私がやる義務なんてないわよ!?こいつだけ連れていけばいいじゃない!」

 

 隣で相変わらずな言い争いをするカズマとアクアを横目に見つつ、私はあることを思い出していた。

 

『まぁ、それはどうでもいい、忠告……いや、アドバイスだ。貴様はこの旅であの男に貸しを作っておくことをオススメする。わかったなら、早くいけ』

 

 紅魔族の里へ行く前にもらった、胡散臭いクソ悪魔からのアドバイス。

 あいつが言っていたのは恐らくこのことか……

 未来を見通す、かムカつくほどずるい能力である。

 アドバイスの癖に私がやるしかないことを言っているのもムカつく。

 

「我が名はゆんゆん!アークウィザードにして、上級魔法を操る者……」

 

 そんな私の脳内を吹き飛ばす声が遠くから聞こえた。

 聞き間違いではなければ、今のゆんゆんの声だった気がするのだが……

 どうやら、聞き間違いではなかったらしい、ゆんゆんが岩の上に立ち魔王軍幹部と対峙していた。

 何をしているのだろうか、あれか?極限状態でトリップでもしたのか?気持ちよくなれる薬でも服用したか?

 

「ゆんゆんじゃねーか!何してるんだあの子は……!」

 

 同じことを思ったのか、カズマが私の脳内と似たようなことを口走る。

 

「紅魔族随一の魔法の使い手にして、やがてこの里の長となる者!」

「ああっ!?」

 

 ゆんゆんと宣言と同時、何処からか、めぐみんの声が聞こえた。

 恐らく紅魔族随一の部分が引っかかったのだろう。

 

「魔王軍幹部、シルビア!紅魔族長の娘として……!あなたには、紅魔族の族長となる者にしか伝えられていない禁呪を見せてあげるわ!」

 

 ゆんゆんはマントを翻し、片手のワンドを高らかと掲げた。

 すると、雲もないのに蒼い稲妻がゆんゆんの後ろに轟音とともに迸った。

 どうやら、ゆんゆんは族長の娘という責任感からか知らないが興奮状態で錯乱しているらしい、普段のゆんゆんなら存在しない禁呪を言ったりとか、自分の後ろに雷を落として演出みたいなことをするなどといった、アホにも程がある行動はしないだろう。

 取り敢えず面白いので放置、のちのちいじり倒してやろう。

 私が面白いことになっているゆんゆんを見ていると、めぐみんが私達に気づいたのかめぐみんの妹、こめっこと共にこちらに寄ってくる。

 

「あ、カズマ!兵器は見つかりましたか!?」

「い、いや。見つからなかった!それよりゆんゆんのやつは何をしてるんだ!?ダクネスはどうした?」

「ダクネスは途中までシルビアの注意を引いていたんですか……お前みたいな硬くて攻撃力のない女は相手してられないと言われて、あそこで落ち込んでいます……というか兵器見つからなかったんですか!?」

「すまないね、私の父が壊した」

「何をしているんですかあなたのお父さんは!?」

 

 めぐみんの突っ込みに関しては私が一番言いたいものだ。

 アレのせいで私が人類の敵になってしまったんだぞ。

 人を勝手に魔王軍に入れたり、人類を滅ぼそうとするのと比べたら、兵器一個ぶっ壊すなんて甘い方である。

 

「というかカズマカズマ、兵器ないならもう爆裂魔法撃っていいですか?撃っていいですよね?というか、もう我慢の限界なんですか!?」

「待て!落ち着けどんだけ撃ちたがってるんだお前は!?いや、でも確かにそれしか手は……」

 

 めぐみんが目を赤く光らせて、爆裂魔法を撃ちたがっていた。

 確かに、上級魔法すら無効化する魔術師殺しでも、威力だけ見れば最強と言っても過言ではない爆裂魔法は無効化出来ない可能性はある。

 けれど、確実とは言えないだろう。

 というわけで、

 

「仕方ないか……よし、やるぞめぐみん」

「ちょっと待て」

 

 私が強化してあげようじゃないか。

 カズマの覚悟に割り込む形で声をかける。

 

「いくら爆裂魔法でも魔術師殺しに対して効果があるかは確実ではない」

「い、いやでもこれしか手はなくないか?」

「まあ、そうだな。だからこれを使う」

 

 カズマ達に見せつけるように、試験管に入った水色のポーションをゆらゆらと揺らす。

 

「これは、魔法を()()()()()()に変換するポーションだ」

「お、おい、それってつまり」

「ああ、試したことはないが……魔術師殺しを貫通できるだろう」

「…………」

「どうした?」

「まともなポーションも作れるんだなって」

「おい、お前は私のことをなんだと思っている」

「い、いや。と、取り敢えずそれをめぐみんに飲ませれば……!」

 

 ポーションに伸びてきたカズマの手を避ける。

 まさにえっ、と言いたげな顔でカズマ達が見てきた。

 

「ふふっ、私はポーションの職人でもあり商人だぞ?まさか無償でポーションを渡すとでも?」

「ふらすこ!?今そういうこと言ってる場合じゃないでしょう!というか、この前思いっきり無償で渡してましたよね!?」

「めぐみんの言うとおりよ!あなたのせいであの兵器が使えなくなったんでしょ!?責任取りなさいよ!」

「これに関してはアクアの言うとおりだろ、責任を「封印」……いくらですか?」

 

 根本的な原因を思い出してくれたようだ。

 まあ、父の責任とカズマの責任でとんとんということで納得してもらおう。

 確実に父のほうが責任重い気がするが気にするな。

 

「値段は……一億エリスとかでどうだ?」

「完全にぼったくりじゃねーか!買わせる気あんのか!?」

「ないなら貸し一つでもやらんこともない」

 

 あの悪魔の言うとおりになるのは癪だが、あいつがアドバイスと言うときは多分これをすれば、winwinなことでも起きるのだろう。

 新素材が手に入るとかそういったところだろうか。

 

「~~ッ!わかったよ!!貸し一つな!おら、めぐみん飲め!」

「ふらすこ後で許しませんからね!?さぁ、やってやりますよ!」

「めぐみんこれサービス、爆裂魔法の強化ポーション完成版」

「許します!あなたは最高の人です!」

 

 チョロい、めぐみんは扱いやすくてありがたい。

 めぐみんは先程ゆんゆんが立っていた岩の上に立ち杖を構え、魔王軍幹部と対峙した。

 

「あら、また新しい子かしら?あなたもテレポートっていうしょっぼい必殺魔法使うつもり?」

 

 どうやら紅魔族が捕まりそうになるたびテレポートで逃げていたため、魔王軍幹部はお怒りらしい。

 ゆんゆんも見てはいないが恐らくテレポートで逃げたのだろう、姿は見えない。

 

「ふふふ……、我が名はめぐみん!私こそが本当の紅魔族随一の魔法使い!魔王軍幹部シルビア!あなたには本当の必殺魔法というやつを見せてあげます!」

 

 魔王軍幹部の挑発に、めぐみんは高らかに宣言するという行為で返した

 それと同時、めぐみんの目が今まで一番赤く光り輝いた。

 興奮してるな〜、とか思っているとカズマが焦ったような声を出す。

 

「おい待て!あの位置じゃ他の紅魔族も巻き込まれちまうぞ!」

「いい、無視しておけ。言っても意味ないからな。最悪死んでも死ぬだけだ」

「死んでるんじゃねぇか!!おい、お前ら逃げろ!早くできるだけ遠くへ!」

 

 カズマはあたりの紅魔族へ警告するが……

 

「さすがはめぐみんのお連れさんだな!外の人なのに盛り上げ方が分かっている!」

「あの演技力……とてもじゃないが演技には見えないなぁ」

 

 まったく紅魔族には届いていなかった。

 ホント紅魔族はこれなので、注意するだけ無駄なのだ

 そんな中めぐみんが詠唱を開始した、どうやら紅魔族を巻き込んでも大丈夫だと判断したらしい。

 まあ、なんやかんや強さだけはある奴らだ、あの距離なら私のポーション込みの爆裂魔法でも死にはしないだろう、怪我はするだろうが。

 あ、そうだ!怪我をしたやつがいたら私のポーションを売りつけてやろう、アークウィザードしかいないこの里では回復手段は貴重なのだ、高く売れるんじゃないだろうか。

 と思ったのだが、めぐみんの詠唱を聞き彼女が何をしようとしたのか気づいたのか、紅魔族が一斉にその場から逃げ出した。

 どうやら、私のポーションの出番はないらしい……残念である。

 

「アハハハッ!!必殺技?炸裂魔法でも、爆発魔法でもどんな上位魔法でも撃ってみなさいよ!魔術師殺しと一体となったアタシに効くわけ無いんだから!」

 

 周りの様子を見て魔王軍幹部も本当の必殺魔法が来ると感づいたようだ。

 炸裂に爆発……それどころではないのだがな。

 今から放たれるのは、本当の意味での"必殺"技なのだから。

 

「……この詠唱どこかで、もしかしてあのときの……待ちなさい!あなた何をするつもり!?」

 

 魔王軍幹部が、めぐみんに焦った様子で突撃する。

 あのときの、というのは私と戦ったときか、アレはハッタリのようなものだったのだが……あのときも感づいていたし、もしかしたらあの魔王軍幹部は勘がいいのかもしれない。

 もう、遅いのだけれど。

 

「『エクスプロージョン』ッッッ!」

 

 めぐみんが魔法を唱えた瞬間、杖から圧倒的な魔力が魔王軍幹部へ向かって一直線に伸びる。

 そして魔王軍幹部に当たると同時、爆発した。

 

 その暴力的な威力は、砂嵐を起こし、魔王軍幹部どころかあたりのものも、紅魔族もカズマもありとあらゆるものも吹き飛ばし……めぐみんすら吹き飛ばした。

 

 ……ふーむ、強化ポーションの効果が強すぎたようだ。

 

 砂嵐が晴れ、あたりを見渡すと爆裂魔法が当たった場所を中心にまるで隕石でも落ちたかのようなクレーターができていた。

 

 ……テヘペロ?

 

 

 

「なぁ、ゆんゆん。知らないとは思うけど正座ってのは畳とかの上でやるもので、何も整備されていない地面の上でやるものではないと思うのだ。脚に石が刺さって痛い」

「た、畳?じゃなくて!あのめぐみんの爆裂魔法の威力絶対ふらすこのせいでしょ!?」

「私のせいではない、私が作った爆裂魔法強化ポーションが原因だ」

「やっぱふらすこじゃないの!!」

 

 魔王軍幹部が倒され、バカデカいクレーターが里にできた翌朝。

 私はゆんゆんに捕まり地面に直接正座させられていた。

 もちろん、ゆんゆんがお怒りの理由はあのクレーターである。

 ちなみにあのクレーターは現在里の観光地にするか、普通に戻すかで議論中らしい、やはり紅魔族はバカである。

 

「めぐみんになんてもの渡してるのよ!あの威力アクセルで撃ったら大変なことになるわよ!?」

「いや、あそこの連中はむしろ大丈夫じゃないか?」

 

 毎日の轟音に慣れてるし、あれ?今日はちょっと轟音が響くな程度で終りそうだ。

 正直、私は紅魔族と並ぶくらいアクセルの住民もやばいのでは、と思っている。

 

「た、確かにそうかもしれないけれど!ギルドの人達からどうにかしてくれって言われてるって、この前言ったでしょ!なのに、威力が上がってるなんてことになったら……」

「多分ギルドも諦めてると思うぞ」

 

 めぐみんがアクセルに来て数カ月経っているのだ、今更どうこうしようと思っていないだろう。

 そんなことをゆんゆんと話していると、

 

「あ、ゆんゆんにふらすこじゃないですか」

「なんでふらすこは正座しているんだ……?」

 

 ゆんゆんの悩みの種がカズマと一緒に話しかけてきた。

 

「やぁ、めぐみん。爆裂魔法強化ポーションはどうだった?」

「最高でしたよ‼‼今回は距離が近すぎて自分も吹き飛ばされてしまいましたが、あの爽・快・感!あれは癖になります!」

「どんだけオーバーキルしたいんだお前は」

 

 カズマがめぐみんにジト目を向ける。

 実際、爆裂魔法なんてもとから威力馬鹿なのだ、強化する必要なんてない。

 鬼に金棒どころか、鬼に聖剣エクスカリバーである。

 

「あ、次からは金とるからな」

「はぁ⁉友達なんですから無料でくださいよ‼」

「こっちは商売だからな」

「……っ‼カ、カズマ‼」

「やだよ、ていうかお前金あるだろ」

 

 むぅ、とめぐみんが頬を膨らませる。

 

「仕方ありません。この際お金は妥協します。いくらですか?」

「どうせ需要はめぐみんだけだし五百エリスとかでどうだ?」

「む、微妙に高いですね。ちょっと迷います……取り敢えず二十個ほどお願いします」

「え?お前、買うことじゃなくて、何個を買うかに迷ってたの?」

「当然です!取り敢えずこれで二十日は持ちますね!」

 

 めぐみんの発言にギョッとしたのはゆんゆんだった。

 

「ちょっ、ちょっと待ちなさいめぐみん。まさか二十日連続でそれを飲んで撃つつもり……?」

「なんですか『蒼き稲妻を背負う者』ゆんゆん。何か文句あるんですか?」

「へ?何それ?」

「あなたの二つ名ですよ?知らないんですか?」

「え?ちょっ、ちょっと待ちなさい!?なんの話してるの?それ本当なの?そ、そんな二つ名が私につけられてるの?って、逃げるなぁ!?」

 

 逃げ出しためぐみんをゆんゆんが追いかける。

 これでようやく正座から開放される。ありがとうめぐみん。あとでそのゆんゆんの二つ名についての話を詳しく教えてくれ。

 めぐみんに感謝しつつ、立ち上がろうとするが長時間座っていたせいか脚がしびれていて、思うように動けない。

 

「っとと、カズマ体を貸せ」

「え?ちょっ?待て、近い近い近い」

「正座をしていて脚が思うように動かん。少しこのままにさせてくれ」

「お、おう。当たってるんだけど……」

 

 このままだと転んでしまうのでカズマの体を使わせてもらう。

 にしても反応が初心だ。あんな美少女とパーティーを組んでいるのだからそこらへんの耐性はありそうなものだが。

 まぁ、こちらの方が可愛らしいか。

 

「ところで追いかけなくていいのか?」

「いや、お前がいるから追いかけられないんですけど」

「それは残念だったな。言っておくが私はどく気はない」

「それは……(当ってるし)構わないけどさ。つーか貸しでなに要求するつもりなんだ?」

「特に決めてないが、鬼畜なことを要求することはないさ。多分」

「多分を外してくれ。もうこんな旅はコリゴリなんだよ。落ち着いて過ごしたいんだよ」

「魔王幹部と関係することはない。多分新素材が欲しいときに協力してもらうくらいか」

「まあ、それくらいなら……いや、むしろやらせてくれ!生産職の護衛とかすっごく異世界っぽい!」

「そうか。まあ今度龍の素材を取りに行く際に協力でもしてもらおう」

「え?素材ってモンスターの?しかも龍?植物とかじゃなくて?」

「冗談だ。龍の素材を取りに行くときは一人でいくさ」

「あ、龍は冗談じゃないんですね。つーか、ふらすこってやっぱ強いのな」

「それなりだ。私より強者など沢山いる」

「なあ、なんか魔法教えたりしてくれないか?中級とかでいいからさ」

「構わないが、一個千エリスだ」

「お前金の亡者すぎるだろ」

 




次回はなんかサブキャラと関わらせたいなって


いつかはわからんけど
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