今回はバニル回です
「うぅ、朝か……」
窓から差し込んだ日光で目を覚ます。
一回あくびをしてからベットからでる、正直なとこまだ眠い。
ベットの横に置いておいたゴムで髪を結びながら洗面台までいく。
「クリエイト・ウォーター」
水を魔法でだして顔を洗う。やはりこういうときに初級魔法は便利だ。
顔を上げると、そこには腰まで届くほどの黒髪のポニーテールで目の色は奇麗な黄色だが、その下にはくまがある、なんというか不気味な少女が不機嫌な表情でいた。
ポーション作るために昨日夜ふかししすぎたか……
目も覚めたので早いとこ朝ごはんを食べて売り込みに行こう。
くまもとらないとな、このままじゃ悪魔と勘違いされかねん。
「ふぅ、結構いい感じだな」
大きなリュックを持って商店街を歩きながら呟く。
ようやく準備が整ったので今日からポーションの売り込みを始めることにしたのだがありがたいことに今のところ2店に売り込んで買ってもらうことに成功した。
正直ここまでうまくいくとは思わなかったのだがな……こんな安いポーション疑われて当然だと思ってたから、ちょっとずつ信用を得ようとしてたのだがな。
この調子ならなかなかの売上を得られるだろう、さて次の店に行こう。
「ここか……」
地図を見ながら歩くこと10分くらい、「ウィズ魔道具店」というらしい店についた。
次はここで売り込みか、買ってくれるといいのだがな。
少し緊張しながらドアノブに手をかけてドアを開ける。
「ごめんくださーい」
「フハハハ、よく来たな薬中女よ!今我輩は、あのポンコツ店主を追い出せて機嫌がいいのだ!さぁ、早速商談といこうか!」
閉めた。
「おっと、帰るのにはまだ早いぞ、吾輩の見通す目によると貴様とはなかなか良い関係になれるのでな」
仮面の男が閉めようとしたドアに足を引っ掛けて閉められないようにしてきた。
……これを私がされるか……普通売り込みに来たほうがするものだと思うのだがな。
「仮面の不審者と良い関係になどなりたくない、帰らせていただく」
「むぅ、ならば仕方ない貴様のその魂の秘密について貴様の友人……頭のおかしい爆裂娘とかに話すしかないな」
仮面の男が言った言葉を聞いてドアを閉めようとした手を止める。
何故こいつは私の秘密を知っている……?
「ふむ、商談することを決めたようだな、なら早く入ってくるのだ」
どうやらこいつと商談するしかないようだ、私は舌打ちをしてウィズ魔道具店の中に入った。
「では早速商談へ入ろうか、貴様のポーションを見せてもらおう」
「おい、その前に色々聞きたいことがあるのだが?」
私の秘密もそうだが、何故ポーションについて知っている、話した覚えはないのだが。
「落ち着け、我輩の目については後で話してやろう。それよりも貴様のポーションを見せてもらおうか」
くそ、ムカつくが秘密を握られてるかぎり、こちらが不利だ、従うしかない。
舌打ちをしながらバックから回復ポーションを取りだして、仮面の男に投げつける。
仮面の男はそれを難なくキャッチしポーションを確認する。
「ほぅ、確かに良いポーションだな、それではこいつをいくらで買い取るかの話だが」
仮面の男が仮面の下にニィーッと悪い笑みを浮かべる。
クソが、そういうことか。
「脅しと商談は違うぞ、もう少し勉強したらどうだ?それで何割だ?」
「ふーむ、貴様とは関係を持っておきたいし、5割でどうだ?」
5割……マシなほうか……どうやら本気で関係を保ちたいらしい。
こちらとしては二度と会いたくないのだがな。
「わかった、5割でいい、それじゃ貴様についていい加減教えてもらおうか」
「まぁいいだろう、我輩は地獄の公爵バニル、魔王より強いかもしれないバニルさんである」
魔王よりも強いかもしれない地獄の公爵ねぇ、なんでそんな上級悪魔がこんなところにいるんだか。
もう関わりたくないし帰るか、他の店にも売り込んでおきたい、そうと決めたら早く帰ろう、バニルとかいうやつに背中を向けてドアノブに手をかける。
「商談は終わりだな、後日ポーションは送りつける」
「おっと、まだ終わりではないぞ、貴様のポーションまだいいものがたくさんあるだろう?」
本当になんでこいつはわかるんだ、イライラしてきた。
「フハハハ、その悪感情美味である!我輩の見通す目にかかれば貴様の未来過去今考えてることすべてお見通しである!例えば貴様が帰ったらナニをしようとしてるか、とかな?」
「帰っていいか?」
こいつと話してると秘密も恥ずかしいこともバレて金を巻き上げられる予感がする、秘密とか脅しとか無視して逃げるべしかもしれん。
「おっと逃げるのはやめてもらおう、さっき言った通り貴様とは良い関係を結びたいのだ、我輩としてはな」
「貴様と良い関係などお断りだ、そもそも私のポーションで生産が安定してるもので需要があるものはほとんどない」
「いいや、あるだろう?貴様のポーションで生産が安定していてなおかつ需要があるものが」
まさか"アレ"のことか?チッ、やはりこいつに隠し事は無理らしい。
バックから一つポーション……いやムカつくし聖水を取り出し、蓋を開け、これもまたバニルに投げつける。
だがバニルは避けるどころかさっきみたいにキャッチした。それも聖水を一滴もこぼさずに。
「おっと、急に聖水を投げつけるではない、まぁ、我輩には効かないがな!」
いちいち人を煽るような口調しやがって。
今度はバックからちゃんとポーションを取り出してバニルにぶん投げる。
それを二本指でキャッチしたバニルはさっきと同じようにポーションを確認する。
「ふむ、これもなかなかいい性能をしている、変態の多いこの街ならよく売れるだろう、これも5割でいいな?」
「別にそれでいい、どうせそれは売るつもりはなかったものだしな、ただそれ関係の責任は私はとらんぞ」
「まぁ、いいだろう、いくら我輩とて"媚薬"関係のトラブルなど関わりたくはないのだがな」
媚薬関係のトラブルなんぞ、私も関わりたくないし誰も関わりたがらないだろう。
媚薬使うやつなんてろくなやつじゃないだろうしな。
「爆裂娘に飲ませようとしてた貴様が言えることなのか?」
「おっと、それは言わないでもらおうか」
「なぁ、このポーションはなんだ?」
「それは開けると爆発するポーションだ、いるか?」
「いらない」
クソ悪魔との商談も終わり早いとこ帰ろうと思ったのだが、ポーションが目に入ってしまいついつい聞いてしまう、ポーション関係になると後のことを考えられないのは私の悪い癖だな。
「これは?」
棚から水色のポーションを一本取り出し、バニルに聞く。
「それは飲むと一時的に魔法の威力が大きく上がるが、代償として筋力が落ちるポーションである」
ふーん、なかなか使えそうなポーションだな。
「どのくらい、筋力が落ちるんだ?」
「だいたいだが足が自身の体重に耐えられなくなって倒れてしまうくらい筋力が落ちる」
「誰が使うんだそんなポーション!」
「それは我輩が知りたい、脳味噌空っぽでもわかることであろうにうちのポンコツ店主はこれを売れると思っているのだ」
どんな頭をしてればこんなもの買うことになるんだ。
空っぽどころか腐ってんじゃねぇの?
「じゃあこれは?」
今度は棚から赤色のポーション一つ取り出す。
「それは透明になれるポーション……ではなく自身が鏡に映らなくなるポーションだ、いたずらくらいなら使えるだろう」
自滅しないだけさっきよりはマシだが本当にいたずらにしか使えなさそうなポーションだな。
ここって魔道具店だったよな?
「ああ、そうだ、貴様に聞きたいことがあるのだった」
「なんだ?」
「ポーションを元の素材に戻すことは可能か?」
ポーションを元の素材にか……できないことはないが……
「ものによる、元の素材が液体状のものなら基本的にできる」
「そうか、ならばこれは戻せないのだな?」
そう言ってバニルが赤色のポーションを指す。
なんだ?そんなレアなもの使ってたのか?
「ドラゴンの肉にドラゴンの骨、ドラゴンの爪にドラゴンの角の豪華ドラゴン四点セットである」
「アホなのか?」
高級なドラゴンの素材を使ってこれとは、流石にしょぼすぎるだろ。
ていうかこれいくらしたんだ?
「なんとびっくり20万エリスである」
…………ドラゴンの素材使ってると考えれば安いか……?
効果に対しては高すぎるが。
「今なら100エリスで譲ってやろう、いるか?」
「はぁー、まぁその値段なら買わせてもらおう、他の素材と混ぜれば何かになるかもしれん」
こんなんでもレアな素材使ってるわけだし、何かしらに使えるかもしれん、期待はできんが。
「まいどあり!うちのポンコツ店主が買ってきたポーション、まだまだあるが見ていくか?」
「見せてもらおう、嫌な予感しかしないが」
その日ウィズ魔道具店から女の子の悲鳴が聞こえたらしい。
バニルさんと主人公はかなり相性が悪いです。
理由は性格が似てるからですね、どちらも人をいじったりするのを楽しむ性格、そのため二人は口喧嘩多めで主人公もいつもと比べて口悪いです。
ちなみに見通す目があるので主人公は基本的にバニルに勝てません()
そういえばバニルさんって見通す目で金稼ぎすると痛い目にあうらしいですね