このポーション屋に祝福を!   作:霜降り 

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えっと……遅れてごめんなさいの前に

感想で、紅魔族は冒険者カードを持っているんじゃ?という指摘ありました。

完全に私のミスです。ごめんなさい

すでにそのミスは修整済みです。ほぼ内容自体に変化はないので読み直す必要はないです。

あとは……まぁ、遅れてごめんなさい!!


第七話

ウィズのテレポートで送られ目をあけるとそこは、水と温泉の都として有名なアルカンレティアだった。

ただ私はここを一刻でも早く去りたい。

なぜなら、ここには紅魔族をはるかに凌駕する頭のおかしい連中アクシズ教がいるからだ。

奴らは出会えばアクシズ教に入れと言ってくるわ、だれが考えたかしらんが、糞みたいな茶番を見せてくるわ、挙句の果てには最高責任者とプリーストがセクハラしてくるわ。

だから、私は早くここから去りたい、そのためにはめぐみん達が温泉が気になるとか言い出す前に早くここを出るようパーティーリーダーのカズマに言っておかなければならない。

なので、私はカズマに近づく、それと同時にアクアがカズマに近づいてくる。

何か話すことでもあるのだろうか?

 

「おい、カズマ」「ねぇ、カズマ」

 

私とアクアが、同時にカズマに話しかける。

 

「今すぐここから出るぞ」「ちょっと寄り道してかない?」

 

「「ん?」」

 

私の隣にいたアクアと顔が向き合う。

 

「ちょっとアンタ、めぐみんの同級生だかなんだか知らないけど、女神の私を差し置いてカズマに命令するなんて何様のつもりよ」

 

アクアがいらついたような声で言ってくる。

まずいな、どうやらアクアはアクシズ教の恐ろしさを知らない、もしくはここがアクシズ教の総本山という事を知らないみたいだ、忠告しなければ。

 

「いいかアクア、このアルカンレティアはアクシズ教の総本山だ、そしてそのアクシズ教というのかなり頭がおかしい、どのくらいかというと同じ人間だと思わない方がいいレベルだ。奴らのことは悪魔、いやそれ以上のモンスターといっても過言ではない、絶対にとは言わんがまともに生きたいなら関わらない方がいい」

「ア、アンタうちの子たちをなんだと思っているのよ!いいわ!決闘よ!私のこのゴッドブ「ストーーーップ!!」いったぁぁぁ!!」

 

カズマがアクアを思いっきりチョップする、それがアクアの脳天に直撃しアクアが叫ぶ。

二人の騒ぎを見てめぐみんとダクネスがこちらに集まってきた。

 

「ちょっと何すんのよ!今からこいつと決闘するつもりだったのに!」

「お前は何当たり前のようにケンカ売ってんだ!!あと言っとくけどこの町は寄らないからな、アクシズ教とはもうかかわりたくない」

「だって!だって!仕方ないじゃない!!こいつがうちの子たちを悪魔以上のモンスターだとか言ってくるんだもの!!」

「「「事実じゃないか」」」

「なんでよー!!わかったわ!!アンタら全員同時に相手してあげるからかかってきなさい!!ぶっ飛ばしてあげるわ!!」

「さ、カズマ早く行きましょう」

「おう、そうだな」

 

私達に対してシャドーボクシングをしてくるアクアを無視して私達は紅魔の里への街道に向った。

 

 

 

アルカンレティアを後にした私達は、整備された街道をダクネスを先頭にして、私、カズマ、めぐみん、アクアの順で歩きながら紅魔の里へ向かっていた。

私はアクアに睨まれ続けるという、なんとも落ち着けない状態だが。

 

「……む、誰かいるぞ?」

 

先頭に歩いていたダクネスが、突然立ち止まる。

ダクネスの視線の先に私も視線を向ける。

林の入り口で、出っ張った岩の上に腰かけた緑髪の少女がこちらに手を振っていた。

…………一番最初に会うのがこいつか。

安楽少女、植物型のモンスターで攻撃などはしてこないがその見た目で冒険者相手に庇護欲をいだかせ、その場に立ち止まらせ、栄養失調で殺しそこに根を張る、という、見た目に反してなかなかに恐ろしいモンスターである。

 

「怪我してるじゃない。ねえあなた、大丈夫?」

 

そう言って、ホイホイと安楽少女に近寄ろうとするアクアの肩をいつの間にか地図を持ったカズマがガッと掴んで引き止めた。

 

「敵感知スキルにモンスターの気配をビリビリ感じる。あれ、擬態したモンスターだ」

「「「えっ」」」

「安楽少女だな、攻撃はしてこないが旅人に庇護欲を抱かせて、足止めし、餓死したところに根を張る」

 

私の説明を聞いてカズマ以外の三人が安心したように、安楽少女に近づく。

こいつらには一回危険を理解させる必要があるな……

 

「今傷を治してあげるからね!……あれっ?これって怪我じゃないのね。包帯じゃなくて、そんな感じに見える様、擬態してるんだわ」

 

アクアの言葉にカズマも安楽少女の方に近づいていく。

こいつら危機感ないな?

四人が安楽少女の怪我の部分をまじまじと見る。

よし、じゃあ、殺るか。

私は安楽少女の前に近づき、魔法の詠唱を始め

 

「ちょっと待ってください、ふらすこ、なんですかその手のひらの雷!それで何をするつもりですか!?ていうかちょっとかっこいいですね!?」

 

ようとしてめぐみんに止められた。

 

「何って?もちろんこいつを殺そうとしただけだけど?」

「あ、あんた、こんないたいけな少女を殺すつもりなの!?鬼畜すぎるわ!?なら、今度こそ決闘よ!!私のゴットブローでその腐った性根を叩き直してやるわ!!」

 

そう言ってアクアは安楽少女を庇う様に抱きしめながら睨みつけてくる。

邪魔なのでどいてほしいのだけど。

 

「安楽少女は冒険者が見つけたら殺すように言われている。それに……こいつは安く回復ポーションを作るための素材になる、殺さない理由はないだろう?」

「おおありよ!?あんた鬼畜どころじゃないわ!?クズじゃない!?」

 

……なんでモンスターを殺すのにここまで言われなきゃいけないんだ……

と、ここでカズマが地図をしまい刀を抜いてアクアに抱きつかれてる安楽少女の前に立つ。

 

「ちょっと!?カズマまでそんなことするの!?あんたも外道じゃない!?」

「カ、カズマは確かに外道だの鬼畜だの言われてますが、流石にこんな少女に手を出すわけないですよね?ない……ですよね?」

 

めぐみんが安楽少女の手を握りながら、訴えかける目でカズマを見上げる。

カズマの手がぷるぷると震え始めた。

迷ってるようだ。

それを見かねたのかダクネスが、大剣を抜き、安楽少女に身構えて言った。

 

「……いや。カズマが駆除すべきと判断したのならそうすべきだ。怪我をしてるように見せる擬態なんてしてくるモンスターだ、よっぽど狡猾なモンスターに違いない、ここで駆「……コロス……ノ……?」……っ!?駆除す「……コロ……スノ?」っ!?すべ……駆除……す……すべぇっ……!!」

 

前言撤回、安楽少女に、悲しそうな目で見られ、駆除すべしと言えなかった。

そういやこいつら喋るんだったな、いつも見かけたらすぐに殺してたから忘れてた。

安楽少女の声を聞いたカズマはさらに迷いが増えたのか、頭をかきむしり始める。

そんなカズマを見てアクアが諭すように言った。

 

「カズマ、迷っている時に出した結論はね、どの道どっちを選んだとしても後悔するものよ。なら、今楽ちんな方を選びなさい」

 

何を言っているんだこいつ、完全にダメ人間の考えかたじゃないか。

それからもカズマは葛藤を続ける。

……もう私殺しちゃっていいかな?

 

「クルシソウ……。ゴメンネ、ワタシガ、イキテル、カラダネ……」

 

葛藤してるカズマを見かねてか、安楽少女が呟く。

そして儚げに微笑み。

 

「ワタシハ、モンスター、ダカラ……。イキテルト、メイワク、カケルカラ……」

「ウマレテハジメテ、コウシテニンゲント、ハナスコトガデキタケド……」

「サイショデ、サイゴニアエタノガ、アナタデヨカッタ。……モシ、ウマレカワレルノナラ……。ツギハ、モンスタージャナイト、イイナア」

 

そう言って、観念するかのように目を閉じた。

それを見たカズマは刀を鞘にしまい、安楽少女から顔を背けて歩きだした。

 

「カズマが殺さないなら、私が殺っていいか?」

「感動的な雰囲気なのでちょっと黙っててください!?」

 

 

 

結局めぐみんに止められ、安楽少女を見逃した私達はまた街道を歩いていた。

 

「はぁ、もったいない……」

「いつまで言ってるんですか……ふらすこってそんなマッドでしたっけ?もうちょっとまともなイメージあったんですが」

「……紅魔の奴らに毒されすぎだ」

 

私がまともなわけがない、周りがもっとおかしいだけだ。

そんなことをめぐみんと話していると、唐突にカズマが足を止める。

 

「おいちょっと待て。やばいんじゃないか、この道に安楽少女がいるってのは」

 

そう言うとカズマの顔がどんどん青くなっていく、どうしたっていうのだ。

同じことを思ったのかアクアがカズマに尋ねる。

 

「ウィズみたいな顔色してどうしたの?お腹でも痛くなったの?そこに茂みがあるわよ。ちょっと離れてあげるから行って来なさい」

 

いや、同じことではなかったらしい、こいつさっきのカズマの発言聞いてたのか?

 

「違うわ!おい、お前ら先行っててくれ!俺は安楽少女の下へ行って、ちょっと話をしてくる!」

「えっ、ちょ、ちょっとカズマ!?」

 

アクアが止めにかかるが、それを無視し、カズマは、今来た道を駆け出した。

 

 

4人で話し合い、カズマが戻ってくるのを待つことにするのを決めて20分ほど。

カズマが駆け足で戻ってきた、何故かスッキリした顔を浮かべている。

今度こそ同じことを考えたのかアクアが尋ねる。

 

「なんかスッキリした表情ね!どうしたの?なにか良いことでもあったの?」

 

そんなアクアに向けてカズマが冒険者カードを見せつけた。

 

「見ろよこれを!一気にレベルが三つも上がった!これでめぐみんの里に行っても少しは役立てるだろう!」

 

カズマの言葉に私含めた四人の時間が止まる。

レベルが上がる……それが表すことは……

 

「わっ……わあああえああーっ!!カズマの外道!鬼畜外道っ!あんたはバニルが可愛く見えるぐらい悪魔だわっ!」

「お、おいカズマ!素材は!素材は!採ってきたんだろうな!?安楽少女の足と腕!!一体分あれば10万エリスになるんだぞ!!」

「い、いや待ってくれ!これには理由が!……え?まって、何その猟奇的な素材」

 

アクアは私といっしょにカズマの胸元を掴みながら叫び、めぐみんは何も言わず泣いている。

そしてダクネスは真面目な顔でこう言った。

 

「辛かっただろう?……お前は、冒険者の義務を果たしたんだ。すまない、お前にだけ嫌な役割を押しつけて……」

 

その後カズマが説明するのに一時間がかかった。




主人公まともとか結構言われてたけど、そんなことないです。変人というかどっちかと言うとやべーやつです。思いっきりマッドです。ポーションさえ関わらなければまともではあるんですがね……

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