このポーション屋に祝福を!   作:霜降り 

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遅れてないっ!!遅れてないっ!!(遅れてる)

正直今回もっとうまくかけたんじゃないかと思ってる


第八話

夜、真っ暗な中、街道沿いの地面の上に、大きめの石を取り除いたあとカズマが持ってきた布を敷く。

今日はここで寝る予定だ。寝心地は良くないが仕方ない

旅先で贅沢なんて言ってられない。

 

「……カズマ、本当に寝なくても大丈夫なのか?確かに、スキルの特性上お前が起きていると有り難いのだが……」

 

ダクネスが闇の中からカズマに尋ねる。

寝てる合間にモンスターに襲われるわけにもいかないので見張りを誰かがすることになったのだが……カズマはスキルが索敵に優れてるということでカズマは常に起き続け、私含む他四人は交代で休むことになった。

正直私も心配ではある。

 

「気にすんな。俺は徹夜に強いって特性を持っているんだよ。俺が住んでた国では、徹夜なんてしょっちゅうだったからな」

「そういえば、カズマやアクアはどこに住んでいたのですか?カズマの国の話が聞きたいですね。カズマが開発した商品を見るに、便利な魔道具がたくさんある国みたいですが。カズマがそこで、どんな暮らしをしてきたのか気になります。徹夜に強いだなんて、一体どんな暮らしをしていればそんな特性が身につくのか……」

 

カズマの住んでた国……正直薄々感づいているが、日本なのだろう。

名前も、姿もまさに日本人って感じだし。

というかこの世界は私と同じで日本人と思われる人物が結構たくさんいる、それも昔から。

前、村に来た人もそれっぽい名前だったし、伝説の勇者の名前はサトウだったらしいし、この世界で古代文字と呼ばれてるのが日本語だったりと。

ただ少し気になることがある。

私と彼らでは決定的に違う場所があるのだ。

彼らはこの世界に日本人の姿でやってくる、私とは違って。

今のところ私があった日本人らしき人物は全員、日本人と一目見てわかる見た目をしていた。私の見た目とは違って。

これは、仮説でしかないが、多分他の日本人は私と違う手段でこちらの世界に来たのだろう。

というか、おそらく私がかなり特殊な手段だったと考えるべきか……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

彼らがどんな手段を使ってこちらの世界に来たのか知りたいところだが……多分私が日本人だといえば言ってくれそうではある。

ただ下手にバラして周りに言いふらされても困る、特に前世が男だというところ……私の友人が女しかいないせいでバレたら怖い。

前世が男というところを隠しても、結局周りに言いふらされたい話ではないしな。

なので私は前世については話さないことにしている。

もし話すなら信用ができるくらいの仲になるか、言わざるを得ない状況になるかの二択だろう。

前者はともかく後者は避けたいところだ。

それに

 

「言ってみれば、ランキング上位者って意味だな。仲間には『レア運だけのカズマさん』だの、『インしたらいつもいるカズマさん』だのと……。まぁ色んな通り名を付けられ、頼りにされていたな。戦友と一緒に砦へ攻め込んだり、大物のボスを狩ったり、楽しかったなぁ……。徹夜なんて当たり前。ロクに食事も取らず、毎日二時間ほど寝て、またすぐにモンスター狩りへと戻ったもんさ……」

「す、凄いな……。砦攻めだのボス狩りだの……!なるほどカズマの機転はこの経験が元になっていたのか……!」

「普段のカズマからは信じられない様な今の話ですが……。なぜでしょう、嘘を言ってる気配が全く感じられませんでした。今のカズマからは、確かな自信と懐かしさが感じられます……」

 

こういったことのタネバラシをするのもつまらないだろう。

 

 

 

特に何事もなく……なく…………なく?朝を迎え、軽い朝食を終えた後私はカズマを睨みながら街道を進んでいた。

 

「……まったく、昨晩は騒がしいカズマとめぐみんのせいで……なんかカズマさん睨まれてない?」

「い、いや、その、ちょっと色々あってな?」

 

昨晩、ひさびさの野宿でなかなか私が寝付けずにいたとき、どうやら見張りのめぐみんが眠ってしまったらしくカズマが起こしたらしいのだが

その起こし方が問題だった、その起こし方というのが……正直言葉にしたくない……

で、それを見た私がブチ切れて大体3時間くらい怒って今に至る。

 

「うう……。と、とんでもない事されました……」

「おー、よしよし、怖かったな」

 

めぐみんの頭を撫でようとして逃げられる、ちょっとショック。

そんな緊張感もないゆるい状態で街道を順調に進んでいたのだが……

 

「参ったなあ……」

 

カズマがだだっ広い平原を呆然と眺めながら呟く。

ここらへんは遮蔽物がないのでそれを心配してるのだろう。

 

「なぁ、ふらすこ、俺らを守りながらここを通り抜けれるか?」

 

カズマが質問してくる。

ふむ……ここらへんのモンスターなら数でせめて来られたり、足を引っ張られたり、運のないイレギュラーでも起きない限り守りきれるだろう。

 

「足を引っ張られたり、何か変なことが起きなければ平気だ」

「なら大丈夫ね!!私にかかればどんなモンスターもイチコロよ!!むしろあんたこそ私達の足を引っ張らないでよ!!」

 

さっき安楽少女というモンスターに囚われてたのを忘れたのだろうか?

 

「ええ、そうですよ!最悪私の爆裂魔法でぶっ飛ばしてやります!!」

 

この平地で爆裂魔法を撃ったらどうなるのか理解してないらしい。

 

「私も硬さだけなら自身がある、それに……ここらへんのモンスターには女騎士の天敵の性欲絶倫のオークが……想像しただけで……んっ////」

 

なにを言ってんだこいつ。

 

「よし、お前ら俺とふらすこが二人で先行するから、お前らはいつでも逃げれるようにしてろ、というか何もするな、わかったな」

 

私もそうすべしだと思う。

 

 

 

ただ広い平原をカズマと歩いていく。

カズマは千里眼スキルを持ってるらしく、モンスターに見つかる前に見つけるためキョロキョロと顔を動かしている。

正直サーチの魔法でいいのだが、頑張ってるみたいだし黙っておこう。

 

「そういえばカズマはどのくらい戦えるんだ?」

「ここらへんのモンスターは絶対に無理ってくらい」

 

つまりロクに戦えないと、カズマはレーダー以上の期待はしないほうがいいな。

 

「というか、そんなレベルで逃げれるか?」

「逃走スキル持ってるからそれは平気だよ。あ、おい!何かいるぞ」

 

カズマが何か見つけたらしく道の先を指差す。

私も視線を向けるが遠すぎて黒い点にしか見えない

仕方ないのでカズマに聞く。

 

「カズマ、何がいた?」

「多分、オークだと思う」

 

『オーク』

豚の頭を持つ二足歩行型のモンスターで、繁殖能力が高く年中発情している生物。

日本ではRPGなどで雑魚扱いのモンスターなのだが……この世界は違う。

特に男に対しては。正直、こいつのせいで私が女になったのは幸運だったんじゃないかと思ってる……

 

「カズマはここで待っていてくれ、私が倒してくる」

「えっ!?あ、は、速っ!?」

 

カズマの驚きの声を無視して、オークの方に走り出す。

私はとある事情でオーク達にえげつないくらい恨まれてるのでできる限り仲間を呼ばれないようにたおさないと、ただ射程的に、見つけられてから魔法を撃つことになるので間に合うかどうか……

自身に近づいてくる足音に気づいたのかオークがこちらを向くが。

 

「あ、あんたは……」

「『ライトニング』!」

 

オークが何かを言う前にオークに手を向け魔法を唱えると、手から電気がほとばしる。

それは吸い込まれるようにオークに当たりオークは倒れる。

なんとか、仲間を呼ばれる前に倒せたか。

 

「私の仲間によくやってくれたわねぇ、あんた」

 

後ろから声を投げかけられる、どうやらオークは一人だけじゃなかったらしい。

変に気を使わず、サーチの魔法ちゃんと使っておくべきだったか……

ケモミミやらなんやらが生えた大量のオークが私の周りに展開する。

こんなにいたのか……これを全員倒すのは少々骨が折れそうだ。

 

「っ!!……あんた。まさかあの……!?昔、私達の集落に唐突に来て同族を大量に生け捕りした女ね!」

 

私の顔をみて一人のオークが目を見開いて言った。

昔、人間に比較的近い体を持つオークならポーションの人の適量を調べる実験台にできるんじゃないかと思って父と一緒にオークを大量に誘拐したのだが……やはり恨まれてるようだ。

ちなみに結果としては失敗だった。オークの体がでかすぎて人の適量がわからなかったのと、試しに媚薬飲ませたら暴走して父が犯されかけたのが理由である。

閑話休題。

この量のオークどうしたものか、別に倒しきれる量だけど、魔力がなぁ……ポーションでドーピングして殴り倒すか?

スコーン!!

と、ここで、私を取り囲んでいたオークの一匹が気持ちの良い音と共に倒れる。

後頭部には矢が刺さっている。

 

「お、おい!大丈夫か!」

 

遠くからカズマが声をあげる、その片手には弓。

どうやら私がピンチだと思って弓を撃ったらしい。

……まずい

すべてのオークの視線が私からカズマに移る。急に視線を向けられビビったのかカズマがひぃっ!と悲鳴を出す

そして次の瞬間、オークの群れはカズマの方に走り出した!

 

 

 

 

俺はオークをふらすこが倒しに行った後、本物の紅魔族なら問題ないと判断して、言われたとおり三人と合流していた。

そして元の場所に戻ると、ふらすこがオークに囲まれていた。

それを危険と判断し、素早く弓での援護をした、その判断は的確だと、自分でも自画自賛していたのだが……

 

「あんたって本当にいい男ね。あたしの仲間を倒すなんて!……絶対に逃さない。惚れちゃったわよ、どうしてくれるの?あたし、絶対にあんたの子を産むわ!!」

 

今は走りながらその判断を全力で後悔していた

砂埃を撒き散らしながら、後ろから迫りくる大量のオーク、なんでこんなことに!?

 

「最初は男の子がいいわねぇ!オスが六十匹にメスが四十匹!そして海の見える白い家で、毎日あたしとイチャイチャするの!」

「助けてぇ!めぐみん!!ふらすこさーん!!」

「こんな近くで爆裂魔法を使うと私達も巻き込まれてしまいます!!ふらすこが戻ってくるまでなんとか耐えましょう!!」

「クソぉぉぉ!!本当に何なんだよこの世界は!!普通オークってのは男じゃなくて女を襲うもんだろ!」

「そうだ!なんで男のカズマが襲われてるんだ!そういうのは私の役目だろう!」

「カズマ!今この世にオークのオスはいません!!今ではたまにオークのオスが生まれても、成人するまでにメス達に弄ばれて乾涸びて死にます。おかげで、今いるオーク達は混血に混血を重ね、各種族の優秀な遺伝子を兼ね備えた、もはやオークとは呼べないモンスターです!!」

 

めぐみんが俺と並走しながらオークの情報を伝える。

それを聞いてダクネスが驚いたようにめぐみんに質問する。

 

「ま、待て、オークといえば女騎士の天敵だ!性欲絶倫ので、女とみるや即座に襲いかかる、あの、オークのオスが……」

「もういません。……彼女達は優秀な遺伝子を持つ強いオスを求めています。そしてオークを倒してしまったカズマは……その……」

 

めぐみんが、最後になると言い難そうに声を落とす。

つまり、俺は狙われてるってことですね。

それを理解した俺は叫んだ。

 

「まじでこの世界ロクでもないな!!」

 

ていうかさっきよりオークが近い!怖い!

この調子だと追いつかれると思った俺は、ダガーを取り出し前に突き出す。

だが、優秀な遺伝子の良いとこ取りをしたオークは、巨体に見合わぬ速度であっさりとダガーを弾き、俺を地面に押し倒した。

バカでした。

この危険地帯で生き抜くオークの力を舐めてました!

俺は、オークにのしかかられながら必死に叫んだ!

 

「話をしよう!話をしようっ!!」

「エロトークなら喜んで!さあ、話してごらん?あんたの今までの恥ずかしい性癖をさ!ふーっ、ふーっ、ふーっ、ふーっ」

 

駄目だ!話が通じねぇ!!

貞操の危機を感じた俺は、周囲に助けを求める。

 

「助け!助けてぇ!」

「『ライトニング』!」

 

オークが荒い息を吐きながら、俺の上着を引きちぎろうとしたとき、横から電流がほとばしる。

ふらすこが追いついてくれたらしい。

 

「ふらすこさぁーーん!!感謝しますうううっ!!」

「ちょっ!?まとわりつくな!早く逃げろ!この数は抑えきれるか怪しい!『インフェルノ』!」

 

俺がふらすこに抱きつくがすぐに振り落とされる。

そしてふらすこが魔法名を唱えると巨大な火炎がオーク達に飛んでいき、オークを焼いていく!

おお!これが本当の魔法!どこかのネタ魔法とは大違いだ!

 

「『ボトムレス・スワンプ』!」

 

俺が状況を忘れ魔法に感動していると、聞き覚えのある少女の声が響き渡る、それと同時、悲鳴が上がった

オークの方を見ると、そこには大きな泥沼の中でもがくオーク達の姿がある。

この聞き覚えのある声といい、魔法といい、まさか!

 

「ゆんゆん!ゆんゆんじゃないか!」

 

どうやら俺たちに追いついたらしいゆんゆんに声をあげる。

 

「大丈夫ですかみなさん!今の内に逃げましょう!」

 

 

 

 

オークの縄張りの平原地帯を抜け、森の中に入った私達は、そこで小休止する事にした。

 

「ゆんゆんもいれば、モンスターなんて怖くないわね。もう楽勝じゃない」

 

アクアがそう言う、事実まともな紅魔族二人いれば足手まとい4人でも楽勝だろう。

 

「ゆんゆん、ふらすこ改めてありがとう。感謝するよ。どのくらい感謝してるのかというといえば、これからの人生で毎日ありがとうと言うくらい感謝してるよ。ありがとう」

 

気持ち悪い事をカズマが言う。

普通にやめてほしい。

 

「ところで、皆は何故こんな所に?」

「いやな?めぐみんがゆんゆんのこ「違いますよ!妹が!妹が心配になりましてね、ほら、あの子は色々無茶をやらかす子ですから!」

 

ゆんゆんの質問に対して答えようとしたカズマをめぐみんが横から止める。

相変わらずツンデレのようだ。

 

「い、いやそうじゃなくて、ふらすこ……テレポート使えた……よね?」

 

ゆんゆんが確認するかのように私に聞いてくる。

それを聞いてカズマ達が私に『えっ』と言わんばかりの視線を向ける。

はぁ……、ゆんゆんは空気読めてないというか……なんていうか。

私は、彼らに微笑んだあと。

 

「『テレポート』!」

 

魔法を唱えた。

 

 

 

テレポートした場所はモンスターがひしめく森の中、太陽は木の葉に隠れて見えない。

……一応言い訳しておくと、テレポートポイントを紅魔の里じゃなくて森の中にしていて、ここから紅魔の里まで守り切れるかわからなかったからテレポートを使わなかったのである。

さて、紅魔の里に向かいながら素材でも集めようか

 

「あら、こんなところで、何をやってるのかしらあなた?」

 

そんな私の計画は後ろから投げかけられた声で壊されたのであった。




主人公のクズさがだんだんあらわになってきてますねぇ……

次回戦闘、ガチガチの戦闘にするかこのすばらしい戦闘にするかどっちにするか迷ってます

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