本章の名前もようやく決められたので今回追加しました。
では 本編をどうぞ
ソレは玉座に似た何かに座っていた。
シルエットこそ人間に似ているものの、その細部は異型そのものだった。
両こめかみから天に向けて生え伸びた二本の捻れた角。
それはまるで木の枝のように角先が無数に枝分けられていて、
人間ではありえない程までに凝縮された強靭な筋肉質の
黄金に輝く皮膚とそれを穢すかのよう全身に広がった亀裂の数々、そしてその中から溢れるのは禍々しい泥たち。
その顔には人間のような顔立ちはなく、眼球のない窪み二つと顔を両断するかのごとく裂かれた口部。
髪の毛と眉毛もなければ、唇のない口部の中には鋭い牙でぎっしりと詰まっている。
全身から溢れる神々しさとそれを穢す冒涜さを合わせ持つその存在の姿は、まるで異型という単語をそのままに体現しているようだ。人間など比べる価値すらない高位な存在、まさに王である。
しかし、そんな高位な存在でも全てを知りこの世を思うがままには出来なかった。
最初はただのまぐれにすぎないと思った。
だから後数秒せずに他の
そして百を超える
やつらがどれ程の豪腕と硬い肉体をもっていたとしても、完璧や完全には程遠い存在だ。そんな生き物であるからには
約1tに相当する大質量を一箇所に集めて圧迫したのだ。やつはこれで死ぬ。
あぁ、今度こそ仕留めた。
そう、今度こそやつは死んだ。
何が原因で道具たちの力が通じなかったのかは別にして、今この瞬間まで私の気を紛らわしくさせた存在がたった今消えたのだ。
忌々しき
これでまた静粛が訪れる。
後は約束したあの日を待つだけ。
その日が来れば、この忌々しき牢獄からも自由になれる。
ただ、たかが一匹の
しかし、その
筈だった。
そう、ただの
だというのに、アレは何だ、一体何なのだ?
何故死なぬ?
確実に死んだと思った矢先に、アレはそれでも尚生きていた。
全身から紅い光を放つソレは一瞬にして、己を押し潰さんと集まった
何故消えぬ?
いくら
あんな危険な輝きを放つソレには、一体どれ程のエネルギーが集まっているのか。
一体何を犠牲にしたらただの
何故、生きていr いや、そもそもあれは
果たしてアレの正体は何なのか?
それを知るためにも私はさらなる
先までは数の差程度で押し負ける程にしか戦えなかった
このままでは駄目だ。
あれをこのまま放置してはいつか必ず私の邪魔をするな違いない。
しかし、例え今から千を超える
かの王はかつて地上に君臨していた神々の代理人になりえた人形の成り果てである。
神々からの溺愛を受けていたかの王は血と霊を分けたもう己の
しかし、そんな強大な存在であるにしも眼の前に映し出されている光景には理解が追いつかなかった。
かつての神々の内、誰にも出来なかった霊肉の置換。
それを成したのは一体誰か………
私は、あまりにも眼の前の光景が異質的すぎて
何なんだ、この感情は…?
この、底のしれない牢獄に閉じ込められてからたった一度も感じることがなかった
しかし、どこか
いつ、何処で、誰かからだ?
このっ、まるで胸の奥底から込み上げてくるような、ドロドロしいっこれは……ッ!!
私は何処で感じたのだ、この胸騒ぎをっ懐かしいとすら思うこれをっ!?
待って
まさかっ
………そうか、そうだったのかっ!
このッ無限のように湧いて来る激情は、ドロドロしいこの粘着さはっ
まだ、生きているというのか、我が
そうかそうか、生きていたんだな!
兄として嬉しいぞ、弟よ!
何故なら、この手で貴様をもう一度
何処だ、何処にいるっ
我らの
言ってくれよぉオレたち、仲のいい兄弟なんだろ?
ほら、隠れないで出て来いよ……
アァァべェェエルゥゥゥウウウウ
いぃますぐぅ、何処にいるのかぁ言えぇハヤクゥゥゥウウウウ
イマススグ こたえルナラ ラララ コロスはうほうだだだだけは えらばぜでや"る"ゥ"ゥ"ゥ"ウ"ウ"ウ"ウ"
玉座だけになく閉じ込まれた
かつて己が殺した
人類史上初の殺人者。
彼の抱いくその感情は果たして本物の愛なのか、それとも殺意と悪意で塗りたくった
玉座から立ち上がり狂笑を浮かべて叫んでいる異型の王。
そして、その王の姿を静かに見守る者が一人。
その顔は人と似た顔立ちこそあるものの、目元はバイザーのようなもので隠されており口元は纏っているローブにより隠されている。
しかしその素顔が見えずとも誰もが一目で異型であると分かる特徴が一つ、それは背中から生えた7枚の翼である。
捻れた羽根が数本しか残っていないみすぼらしい翼。
朱く染まった人間の手骨が重なった骨の翼。
異臭を放つ黒いインクのような粘液に濡れた翼。
無数の錆びた刃と鏃が折りたたまれた金属の翼。
冒涜的な文章と文様が隈なく刻まれた枯れた樹の翼
黄金を溶かして作った羽飾りに色鮮やかに輝く宝石で飾られた派手な翼。
純白の羽根をもち神々しさの宿る白き光沢を放つ美しき翼。
いくら全身を包むローブであっても翼だけは隠せなかった。
いや、隠す所かむしろ周りに見せびらかすためにわざと翼が目立つ服装をしているのかも知れん。
そしてその存在は、また玉座に座り直した異型の王を見て密かに微笑んでいた。
(いつ以来だらう、我らの
あの方があそこまでお喜びになるとは、もしや約束の日が近づいたのかも知れん。
これは、いよいよ最終段階の準備に入るべきか。
誰にも悟られぬよう顔を伏せて微笑んていたが、彼の王は突如笑いを止めて眼の前にいる
さて、そろそろあの
『はっ現在
知能は低いが、我が
かの者の名はアザゼル、かつて堕天使の一人にして強大な悪霊と呼ばれてその名を広げていた存在である。
王の眷属にて随一の実力と狡猾さを持ちながらも同じ
そんな彼が認める程の実力を持っているというのなら相当の戦闘力を持っていると見ていいだろう。
そうか。ならこう伝えろ、ノイズに影響を受けないイレギュラーが現れた
『我ら
お前は今から教えるいくつかの座標の内一つにて待機し、イレギュラーを見つけ次第に必ずその息の根を止めろ
『お前は今から教えるいくつかの座標の内一つにて待機し、イレギュラーを見つけ次第に必ずその息の根を止めろ』
それまでは人間を喰らうのは我慢しろ
『それまでは人間を喰らうのは我慢しろ』
これならいくら
今まで先に逝ってしまった兄弟たちにもやっと顔向け出来るっ
アザゼル
『はっ何でしょう、我らの
アザゼル、もし
『
いや、あいつは私の命なら愚直に挑むだろう。だが、その愚直さと愚かしさが足を引っ張るに違いない。むしろ失敗所かその場でイレギュラーに殺されるかもしれん
(何だと?!)
『っ我らの
アザゼル…貴様、眷属の風情が王の命令に逆らつもりか?
他の
一瞬にして周りの
(くっな、何だこの圧倒的な力はっ?!まさかこれ程の力をお持ちされていたとは…!)
………だが、そうだな
しかし、今にも周りの空間ごと私を破壊しそうだった空間のひび割れはいつのまにか消え、揺れも収まった。
(空間震が、収まった?)
アザゼル、我が
お前の感じたその感情は正しい
私の血肉を引いた
『では、一体何故…?』
しかし時には犠牲がなければ何もなせないこともある。それが今なのだ、アザゼル
やはり、
犠牲がなければ前には進めないことを知っていて、それで尚私だけにこのことをお伝えて下さった。
なのに、私はっ主を疑うという何て無礼なことをっ!
(フゥ……しかし、その犠牲があってこそ、我らの望むものが手に入れるとしたら…私はっ)
『……わかりっました、我らの
あぁ頼んだぞ、アザゼル
『はっ、全ては約束された日のためにっ!!』
そう、全ては約束された日のため。
そして我らの理想と自由のため。
そのためになら、私は私の全てを投げ出そうっ
(頼んだぞ、
はい、ということで今回は初登場した謎の人物(?)たち。
今後からは主人公以外の様々な目線から物語を進めるつもりです。
今回の登場人物たちの正体は多分おわかりだとは思いますが、出来るだけそのことは伏せたままで楽しんでいただければと思います(汗)
ただ、今回の描写のためにわざとSAN値を削るようこの三日間、苦手なホラー映画とホラーゲームをしまくった私自身を褒めてあげたい(笑)
深夜テンション+SAN値0近くまで減らした正気+適役はこうしなくちゃという謎の責務(?)
書いている間、ずっとセリフなりポーズなり妄想しては、静かに呟きつつ実際にマネをしてみるなど……正気ではなかった……
っていうか、この
まだアンケートは続いていますので良かったらご意見おねがいします。
感想と評価、誤字指摘とアドバイスもお待ちしております!
今後のR-15タグ付き描写について
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R-15描写は好きだから今後も使って
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毎回じゃなくて、たまに使うぐらいならOK
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むしろもっと苛烈で生々しくしてぇ!
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そもそもやるな
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好きにしたら?