ついにランクインするまでに至りました。
皆さん、ありがとうございます!
これからも頑張って行きますのでどうか最後までお付き合いください!
こちら拙こいコラ絵ですが、現在仁がどこにいるのかイメージしやすいよう作ってみました。
これで少しでも物語を楽しめるようになれればと思います。
【挿絵表示】
そして前々回で登場した異型の存在は饕餮と名付けましたが、饕餮が属する四凶には混沌、窮奇、檮杌という存在があります。
説明不足でしたが、本作での饕餮には本来財を蓄え他人の物を奪う貪欲さに加えて、混沌の無限な食欲、窮奇の極端までに捻くれた悪性と檮杌の凶暴さを合わせ持ったいわばハイブリッド体ということになっております 。
これについては今後の展開で追々説明しますのでもしこれに気づいたお方にはもう少し持っていただけれればと思います。
それでは、どうぞ!
中国の内陸部にある青海省、その外郭に位置した孫日市。
大都市とまではいかないものの、それなりの規模と人口を誇る都市である。市外には住宅地帯と工場地帯がそれぞれ左右から挟むよう設計されており、三つの地域を覆うように広がる広大な森林地もあって中々の観光地としても有名である。
そして、その広い森林の中でも奥地に該当し、観光コースの管理人ですら滅多に入らない場所。そこに大きな老木の根本に横たわっている仁の姿があった。
(あれからもう二週も経つのか…)
曹天市で現れたノイズの群れを一匹残らずに倒してもう二週近くが過ぎた。偶然通りすがっていたとは言えども目の前で襲われている人たちをただ見ぬふりをするのは出来なかった。せめて、俺の手が届く範囲内でだけでも助けようと思っての行動だった。けれど、今こうして思い出すとあまりにも軽率だったと思う。誰かを救うのは間違いじゃない、それは確かだ。ただ、今の俺はそう安々と人前に立てる状況じゃないのに不特定多数が見る中で力を振るったことが無鉄砲すぎたということ。
今の俺のなりはどこからどう見ても不審者そのものだし、普通の人間とはかけ離れた異常な存在だ。
左腕は黒光のゴツいガントレットがハメられて、背中には二本の大剣が重なるように背負っている。銃刀法に引っかかるのはもちろん、もしそれで職業の質問でもされてみろ。禄に身分証明も出来ないのにそれが外国からの不法入国なんてバレたら即逮捕待ったなしだ。
だから急いで走って街から外へと逃げ隠れた。もし、警察やその他の国家公務員にでも見つかればすぐ政府の上層部に報告されるし上に、身柄を拘束しようとするに違いない。
今は誰にも頼ることは出来ない。
信頼出来るのも、信用するのも俺自身とこの
もし俺が誰かと触れ合えながら普通の生活を送るには、少なくとも今の俺が抱えている問題を大方解決出来てから。それが出来るまではこうして隠れて動き続ける以外に道はない。俺とてこんな後ろめたさを感じるようなことはしたくない。でも、今はそうしなきゃ前には進めない。現時点で唯一の方法は一日でも早く俺の目的を達成すること。
その目的は、俺の望む情報を閲覧できるレベルまで侵食率をあげること。少なくともどうして俺がこんな状況に陥ているかさえ知れれば今後について計画を立てられる。それさえ出来れば後はどうにかなる筈。
(すでに身体の三割をも持っていかれたんだ。事がすでに起きたからには少なくともその三割に値する何かを手に入れなくては割に合わない)
(今日でちょうど35%、次のレベル解除まではあと5%ってところか……)
あの時の戦闘で体内での侵食率が1.33%更に進んだ。幸い機械というより、冷たい金属に変わったのは左肩甲骨を中心に背中の一部だけ。もし顔や手など目に見える部分が機械になっていたら今以上のハードモードになっているにちがいない。こればかしは感謝するべきかも…
(もうすぐ身体の四割が機械に置き換わる。そしたらヴェーダから聞き出せる情報の数もそうだが、それらに関して閲覧できる情報の質もだいぶ上がるに違いない)
それに、これならもう少し
「そう簡単に人の身体を弄り回せてたら世の中、病気やら何やらで苦労したりはしないだろうし……」
愚痴半分諦め半分を込めて呟くも、これだけはどうにも出来そうにないって感がする。
いくら人間の身体に無機物が含まれているとしても、機械にはアミノ酸やビタミンといった生物が生きてくに必要な栄養を作れるわけではない。生身を燃して金属になったんだ、ならその逆も可能なんじゃないかと思って最初に飛ばされた山で焚き火を起こしては左腕を丸ごと入れてみたことがある。結果は散々だったがな。元に戻る所かむしろ痛みも熱さも感じない左腕を見てようやく現実を受け入れるしかなかった。
今の俺はすでに普通の人間を半分やめていると。
認めたくなかった。勝手に身体をいじられたことに対しても怒ったし、いつか自分も気づかずに人外に変異するんじゃないかと怖かった。ただ現実を否定しながら一日泣きながら嘆くこともあった。しかし、それでも現実を受け入れるしかなかった。
そして俺は今の俺自身と、完全な機械に変わった半身を受け入れた。何があっても俺は俺だ、と。今の俺は萩原幸之助と萩原春菜の息子で、萩原健太の兄だ。例え直接血が通らずとも俺を受け入れてくれた、大事な家族たちだ。もうあの人達には会えないけど、それでも俺の大事な家族として記憶に残っている。
それに、もう元の世界にいた頃の記憶はほぼ消えて、この世界での記憶が強く残っている。小学生の頃にはよく健太と遊んだし、翔太とはよく夏休みになるとカブトムシを捕らえては相撲をさせたこともある。
「あの時は本当、毎日毎日が楽しくてしょうがなかったなー」
ハハッもう一度戻れるのなら戻ってみたいよ。家に帰れば母さんと健太が迎えてくれて、夜になるとまれに父さんが帰ってきた、あの頃を。
健太とはよくニチアサのマスク戦士やウルトラ小隊も見てたなー。母さんとは夜の洗い物や干し物を畳むのを手伝ったし、父さんはよく小さかった俺を抱き上げたりもした。
こんな優しくて暖かい記憶があったからこそ俺は俺だと現実を受け入れられたと思う。現実を受け入れたからこそ、俺はただこの世を憎み、果てのない復讐の道を歩まずに済んだ。両親の最期の言葉が俺の心を支えてくれたおかげもあるけどな。
生きろっ!何があっても生き残るんだっ!!それにっ
これから…辛いことが多いでっ…しょうけど、諦めたら駄目よ?最後にっ
愛しているぞ、二人とも/愛しているわ、みんな
…………うん、俺も大好きだよ、ふたりともみんな。
父さんと母さんは、死ぬ間際になってしも健太はもちろん、俺も愛していると言ってくれた。この言葉がある限り、俺は心が折れずに前へ進めれた。そして、それはこれから何度も俺の心を支える柱として俺を応援してくれる、かな?
まぁ結局なんだ、その、あれだあれ。
俺があの二人の息子だと思う いや、息子である限り、俺は
「それにまぁこの力のおかげで助けられた命もあったし、最悪だとも言い難いよなー」
俺は寝転がったまま機械になった左腕を空に向けて掲げる。
木の枝から所々漏れる光にあたって光る機械の腕。
黒い金属の装甲に覆われた左半身。
ゴツゴツしたガントレットと、その中に隠された紅い刃の四本爪。
そして今はガントレットを嵌めて見えない五本指も指先が爪もろとも鋭くてまるで悪魔のような感じもする。
その大きさと長さもそうだが、この左腕は片手で車も持ち上げられるし、何なら左手の握力をもって握るだけで廃車化するのも可能だ。掌からクソデカイ紅いビームを出せるし、もう何でもありだ。これだけでも子供、いや一人の人間が持つには過剰な程の破壊力をもつ兵器なのにこれに双剣にもなる、これまたクソデカ大剣まで背負うと?
そう思いながら俺はすぐ横の土にバツを書くよう刺しておいた二本の剣に目を向けて
(うん、完全に脱人間だなこりゃ)
先程あんなことを言っておいてはなんだが、そのなんだ。時には諦めも必要だと思う。(悟った目)
まじで一人で軍相手出来る気がして本気で悩む時もあるから相当酷いもんだよ。この剣って重ねると大剣になるし切れ味も偶然だったけど軽車をスパーっと両断出来たから相当びっくりしたけど、問題はこれじゃない。実はこの剣、大剣になるよう重ねると鋏にもなるんです。最初はどっかの特撮ヒーローとかが使いそうだなーと思ったけど試しに曹天市に来る前に見つけたノイズで試し切りしたらなんと、ビル並みはあるあの大型ノイズの首をチョパンと切り落としたんです(震え声)
いやーあん時はさすがに驚きすぎてしばらくポカーンと
「こんな力があればいつか、きっと……」
確かに俺はシステムと計画のせいで人生が狂わされた。元々住んでいた世界から態々切り離されてはやっと心を開けた新しい家族も皆眼の前で死んだ。帰る場所は無くなった上に身体も人間でも、機械でもない中途半端な存在になったのも大抵はこれらのせいだ。
しかし、だ。
この力があったお陰で俺はあの場で生き残るのができた。俺がノイズに触れても平気な理由も事前に何かしらの仕込みをされたからだと思う。でなければ生身のままそう何時間もノイズと殴り合える訳がない。いくら火事場のバカ力とアドレナリン過剰分泌による興奮状態であったとしても、普通の人間には一時間戦うだけで力尽きるのだ。だから、それをまだ子供である
それに、そんな俺が現場にで
だから俺は思った。
この力のお陰でノイズも平気だし、少し無理をすれば大規模で発生しても何とか抑えられる。人が住む街のど真ん中だとさすがに被害はゼロにするのは出来ない、けどかぎりなく減らせるのは事実だ。俺は俺の目的だけを求めるよりは目の前に映る、手の届く範囲だけでも助けてあげたいと思う。
それに、この世界には原因なくして結果はありえないと言うだろう?だからノイズにも何かしらの原因があって地球に現れているかもしくはどこかで作られているんじゃないかとも思っているんだ。だから俺の目的がある程度達成するんなら、その次はノイズの出現する理由もしくは原因を探して潰したい。そうすればもうこれ以上理不尽な理由で殺される人が現れずに済むし俺みたいに目の前で大事な家族を失う人も少なくのるはずだ。
「大きな力にはその分大きな責任が伴う、なら俺はその両方を背負える大人になる。その上でこの世からノイズという理不尽を一つでも無くしたい」
すでに理不尽な理由で人生を狂わされたんだ。もうあんな経験をするのは嫌だし、二度とそんな目にあうのもゴメンだ。そして、それは俺だけじゃない、この世界で生きている全ての人がそうだ。誰だって死にたくはないし、理不尽な目にあうのも嫌だ。だから、俺はこんな理不尽だらけの世界から一つでも無くしたい、俺と同じ痛みを知る人が一人でも減ることを祈って。
大自然とも言える程の大きな森林、生え茂ている草の上に広がる数々の野花。ほどよく広がった老木の陰に寝転がり野鳥たちの鳴き声を静かに聴いている。そしてちょうど吹き始めた春風も相まって
彼はまだ大人になってすらない少年である。しかし、そんな彼がよく道を踏み外せずに留まれたのはきっと彼の両親のおかげだろう。血が繋がっていないと言われた子供を死んでも尚愛し続けられる親は一体どれ程いるだろう。結局はよその子である筈なのに、それでもここまで情を注げれたのはきっと死んだ二人の持っていた大人としての責任感だっただろう。しかし、それ以上に大きなのはやはり愛、である。
本当の子のように思い、また愛したからこそ死んでもなお彼の心に残り続けているのである。この愛が彼の中に残っている限り、彼は自分が正しいと思う、もっとも後悔しないだろう道を歩み続けるだろう。そして、それがこの世を変える大きな風になるに違いない。
彼は様々な可能性を抱えている。これは単純にどんな職業につき誰かと結婚するのかのような個人的なものではい、可能性それぞれ一つが世界規模の違う未来を作るのである。地球なら人類の半数以上が死に絶える破滅の未来もあれば、人類を導く存在になり
萩原仁は一人である、しかし独りではない。
仁の中には彼の愛する家族たちとの記憶があり、その家族たちもまた彼の中で共に生きていく。いつか彼の命が絶えこの世ではないどこかでまた再会するその時まで。
そうか、それが今の君が出した答えなんだね
そして、そんな彼の様子をどこからか見つめている謎の男。
僕は君の選択を尊重するよ、これは僕のではなく君の
その男は仁を知っているかのような素振りだが、当の本人はこれに気付く所かむしろその男すら知らないでいる。彼が立っている場所とて、まわりには何もない、ただ広いだけの空間。
それに、そろそろ彼もこちらに気付いて眷属たちを動き出す頃だ
彼とは誰なのか、眷属とはまた何のことか。
仁にはまだ知らない内容を口にするも、その全てがまったくもって伝わらずにいる。もっとも話す本人はまるで気にもかけないが。
これからもっとたくさんの人を知り、多くのことを見て聞いて感じなさい。きっと君にとって大事な思い出になるに違いない
だが君が多くのことを知れば知るほど、それと同じ数だけ痛みも知っていくだろう。
しかし、それでも君は前に進むだろうね。ま、それがいい方向か悪い方向になるかは僕も知らないけど♪
時にはやさしく、時には厳しく、そしてある時にはまたいたずらっぽく。
いつか直接君の口から答えを聞けるといいね、萩原仁君?
しかし、最後にはまるで子をあやすような丁寧な口調で話す謎の男。
その見た目はどこにでもいそうな平凡な人間である。しかし彼がいる空間がその男を只者ではないと語る。
目に見えもしないのに何故仁のやっていることが見えるのだろう。
物理的には音が届く筈もない、完全に隔たれた空間にいるにも関わらず仁の声と心を聴いている。
もし人類の思う全知全能があるとしたら、この男がもっとも近い存在なのかもしれない。
ソレは今日も孫日市の裏通りに隠れたまま眼の前で通り過ぎてく人々を見つめていた。ある存在から直接命令を受けて以降、大好物の
ッミツケタ…!
ミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミィツケタァ
ついに来た。
永遠かのように感じる空腹を耐え凌ぐ苦行の時を終わらせる存在が。
イレギュラー、ヤットミツケタ
コレデメイレイマモレル、ソシテオナカイッパイタベレル!
命令とはあくまでイレギュラーを排除すること。
それさえちゃんと終わらせば後は自由だ。イレギュラーを殺して食べる。そしたら残りの人間たちを腹一杯になるまで喰い放題だ。甘美な朱い
しかし、当の
デモ、アイツ……ミエナイ。ドコォ?
気配は感じられるのにどこにも見当たらない。
念の為、人間にはバレないよう建物の上と上を飛び回りながら都市の全区域を見渡すも見つからなかった。限界近くまで研ぎ澄ませた鋭い感覚にも捉えられるのはただ普通なだけの
ナゼ、イナイィ?ドウシテ…ドウシテイィナイッッ!!!!
いくら探しても見つからないならこっちだって方法はある。
探しても出てこないなら、出てくるまで
夜の孫日市。
その中央にたつ市内でもっとも大きなビルの上にて叫ぶ黒い異型、または人外とも言われる怪物。
サァ、カリノジカンダ。イレギュラー
血に飢えた
背中から開かれたのは大きな二枚の羽。
夜中の月光にあたって光る様は幻想的ながらも、どこか禍々しい。
ハヤクデテコイ、ジャナイトコイツラ
時を待つのはすでに十分だ。
これからは思うがままに
ゼンイン、クッチマウゾォ?
そして夜街の摩天楼から悪魔は飛び落ちた。
その先にはちょうど三人の親子が笑顔を浮かべながら家に帰る姿があった。
生まれつきの狩人であり、秩序を乱し混乱をもたらすことで我欲を満たすことをよしとする
食えど喰えど腹は膨れず、輝く
その者は生まれてから一度も満たされることはなかった。
かの名は饕餮。
かつて中国大陸の神話に出てきし三皇五帝のうち一人の子孫により西へと追い出されたと言われる怪物である。遥か昔の神話に出てくる空想の産物と思われた存在が今この瞬間、再び地上の表へと帰ってきたことを告げるのであった。
はい、今回は一度休んで仁が今の自分とその境遇をどう思っているのかを描く話でした。
失った家族、しかしその絆は死してもなお彼の中で残り続ける。そしてその絆あってこそ立ち直ることが出来た仁。
こういう展開っていいですよねー私はすごくニヤニヤしながら書きました(笑)
これで彼はよくある身内を全て失った復讐者や闇落ち系の主人公とは違い自分の思う正しい道を歩もうとする希望系(?)の主人公ということが判明しました!
最初に構成する時にはやはりドロッドロの闇系にしようかなーと思ったけど、やはりこっちの方がいいと思って書いてみました。
それにしてもすげぇなこの主人公。
こいつ、これでまだ中学校すらまだ卒業してない歳なんですよ?
結構子供らしくない大人しい面をもつ子供をイメージしてたのに想像以上の存在になっちゃた(笑)
さてと、今回も伏線やら設定やら色々ばら撒きましたが皆さんお気づきでしょうか?多分気づいている方は多いと思いますが、そんな方々にはお願いです。今後のネタバレになるかもしれないので感想欄などでは出来るだけ伏せてどうしてもお聞きしたいというのなら個人メールなどで聞いてください。
今後の展開のために色々考えながら書いていますので他の方々に予期せぬネタバレになると面白くないですので、おねがいします。
今後のR-15タグ付き描写について
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R-15描写は好きだから今後も使って
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毎回じゃなくて、たまに使うぐらいならOK
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むしろもっと苛烈で生々しくしてぇ!
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そもそもやるな
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好きにしたら?