人機絶唱シンフォギア 機械仕掛けのD   作:火力万能主義

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今年が終わる前に一度読み返したら自分が想像したものとはどうも違うことに気付きましたので誠に勝手にですが第2話と第3話だけをリメイクさせていただきました。第3話は明日か年明けのすぐに投稿出来ると思います。

これからバイトが落ち着き次第に第4話も書き始めたいです。

それではリメイクした第2話をどうぞ!


寝て起きると異世界? 1-2

 俺がこの世界に来て7日目、まだ冬休み明けには時間がある、らしい。部屋に掛けてあるカレンダーには来週の金曜から春学期が始まるって書いてあったから合っているはず。

 

 

 今までこの一週間、俺は風邪にかかったということでずっと部屋に籠もっていた。でもこれ以上部屋に籠もっていても何も起きない。帰る方法は見つからないし、俺がここにいる理由もまだ知らない。

 

 

 こんな四面楚歌とも言える状況だと言うのにこのら状況を抜ける手がかりはおろかむしろ悪化するばかりだ。

 

 俺はこれからこの世界での両親の息子として振る舞わねば生きていけない。でも誰かを騙したくないし、それに嘘をついたっていつかバレてしまうのが落ちだ。なのに方法はそれしか思いつかない。

 

 不幸中の幸いというか何というか、一応俺の弟になる健太はまだ小学生になったばかりでこの世界の俺をあまり覚えていない様子だったぐらいかな?

 

 

 アニメやゲームの主人公たちがピンチの時にはいたって冷静でいられたのも少しは分かったような気分がする。たしか、あまりにも感情が激しくなると逆に頭が冷えるって言ってたか?丁度こういう時に言うのだろうな。まぁ今の俺は理不尽さに対する怒りよりも戸惑いや焦りなどでもうすでに限界だがな。

 

 さて、独りでブツブツと愚痴を言うのはここまでにして

 

 

トントントン

 

 

「シンちゃんー、お体は大丈夫?何か独り言が凄く聞こえてたけど」

 

 

 やっべ、この世界の母さんが入ってくるぞ!それとそういえば今の俺は風邪のせいで自室で寝込んでいるって話だったよな。

 

 

 

「あ、うん大丈夫だよ、母さん。心配しないで体はもう平気だから」

 

 

「そう?またどこかおかしいと思ったらすぐに言ってよね?」

 

 

「分かった。ありがとう、母さん」

 

 

 

 危ねぇ、もはや風邪なんか掛かっていなかったかのようにピンピンとしている所を見られる所だった!

 

 

「いいわよ、あなたは私達の大事な息子なんだから」

 

 

 大事な息子、か。

 

 この世界に来てもう一週目だけど、やはり嘘をつくのは辛いな。仮にも自分の親だというのにいつまでも嘘をつかねばならない。

 

 今すぐにでも、貴方達の本当の息子さんはここに居ません。貴方達が息子だと思っているのは、顔が似ただけの別人です。と言ってあげたい。

 

 

「…ありがとう」

 

 

 でもいざ二人の前に立つとうまく口が開かない。

 

 

「ふふ、それじゃ私はこれから健ちゃんと一緒に買い出しに行ってくるから留守番おねがいね?」

 

 

「分かった。行ってらっしゃい」

 

 

「はーい、行ってきまーす」

 

 

 そう言って部屋の前から遠下がっていくこの世界の母さん。変な疑いを掛けられないよう注意しながら彼らの息子として振る舞ってみたけど、やはりキツイなこれ。いつこの嘘がバレるか分からないから余計にドキドキする。しかしどうしても言えないな、これ…

 

 もしかしたら俺はこの世界で唯一だともいえる居場所が無くなることを無意識的に恐れているのかも知れない。あの二人にまで拒絶されたら俺は本当に独りぼっちになってしまう。なんの前触れもなく、いきなり知らない世界に放り投げられたと言うのに唯一頼りになる居場所を奪われるのは

 

 

「…やはり怖いな」

 

 

 もう中学校の3年生になると言うのに情けないな。

 

 今年で半分大人になったのも同じな歳なのに俺は…

 

 

「ハァしっかりしろ、俺。これからはこの世界で生きて行くしかないんだろう?これからやるべきは山ほどあるから」

 

 

 そう、まず来年の受験にて志望高校に受かるためにも勉強をしないといけないから志望校を考えて受験勉強と並行に面接の練習もしなくてはならない。こんな状況になったからこそ更に頑張らないといけないが

 

 

「まじで泣きたい…」

 

 

 いきなり異世界転移しては受験勉強を控えているとしたら溜息しか出ないもんなー。しかも血の繋がった家族は誰もいない。最悪この部屋からはもちろんこの家から追い出されて路上でホームレス生活をせねばならない。まだ高校にすら入っていない年の少年がそんなことをしたら絶対に警察の世話を受けてしまう。

 

 そうやって警察署に行っては何の個人情報も出てこない俺は必ず怪しまれる。戸籍も何もない俺に行く宛などどこにも存在しないしそんな怪しいやつが行く場所って刑務所や少年院ぐらいか?

 

 

……………

 

 

 もうやめよう。こんなこと考えてたってきりがないし。そろそろ腹を括るか

 

 

「…もうこんな気分で居続けるのは嫌だ。殴られるなり追い出されるなりケジメはつけるか」

 

 

 あれもだめ、これもだめってんなら一層のこと覚悟決めて俺の秘密ごと知っている全てを話そう。結果がどうあれ俺は二人に許されないことをしたんだ、ならケジメをつけなきゃ。このままじゃ俺が耐えられない。

 

 

「…明日起きたら全部話そう。後のことを考えるのはそれが終わってからだ」

 

 

 そして俺はベッドの上に寝そべり静かに寝始めた。

 

 

 

 

 

 翌日、俺はベッドから起き上がった後俺の正体をまず3人に明かすことにした。

 

 昨日まで息子だと思った相手が実は違う世界から来た同姓同名の赤の他人だと言われたらどうする?普通頭の心配をするだろう。まだ幼い健太はともかくこの世界の両親も同じく急に何言っているんだこいつ見たいな目で見てきたからあの時はさすがに恥ずかしかった。

 

 最初は信じて貰えなかったが何度も説明しているうちにこっちが本気である事に気づいてからは真面目に俺の話を聞いてくれ始めた。今まであなた達の息子を演じてきたのを謝ると共にもしかしたらこの世界の萩原仁を殺したのかも知れないことも包み隠さずに全て話した。殴り罵倒され、すぐにこの家から追い出されることも覚悟の上だった。

 

 

…まぁその覚悟もすぐ要らなくなったがな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜翌日、家のリビングにて〜

 

 

 

 

 今この家のリビングで集まっているのは俺とこの世界の萩原仁の両親、この3人である。そして今俺はこの二人に俺の正体と現在分かっていることの全てを語っているところだ。

 

 

「…以上が俺の知っている全てです。俺が元々いた世界にはノイズという化け物もなければ西暦も違う所でした。この世界の俺、萩原仁が今どこに居るのか生きているのかどうかも分かりません。でも、俺がここに来たせいでお二人の息子さんの行方が分からなくなったのは確かです」

 

「許して下さいとは言いません。ただお二人の気が済むのなら俺のことを好きなようにしても構いません。この家から出ていけというのならすぐ出ます。殴るなり追い出すなり好きにして頂いて構いません」

 

 「「…」」

 

 

 俺の話が全部終わってから暫くの間沈黙が続いた。

 

 まぁそれはそうだろうな。本当の息子は今どこに居るのかその生死すら分からない状態な上でその元凶とも言える男が目の前にいるんだ。しかもその男を今まで大事な息子と思い接してきたんだから複雑な気分だろう。

 

 

「…少し良いかな?」

 

 

 この世界の萩原仁(おれ)の父親である萩原幸之助さんが静かに俺の目を見ながら言った。

 

 

「はい、萩原さん」

 

「いや、名字呼びはよしてくれ。君も萩原だからややこしいし息子と同じ顔でそう呼ばれるとむず痒い」

 

「分かりました。なら何と呼べば?」

 

「今までと同じく父さんと呼んでくれて構わない。良いよな、春奈?」

 

「え?で、でもそんな「ええ、あなた。今まで通りでいいわよ、シンちゃん?」え?」

 

 何で?何で二人ともこんなにも落ち着いているんだ?

 

「お二人は何ともないんですか?俺はあなた達の息子を殺したの同様な上に彼になりましてあなた達を騙したんですよ?普通ならそんな相手を今までと同じく接しれないし父や母と呼ばわせたりもしませんよ?!」

 

「そう、みんな普通ならそうするだろうね「なら!」でもね?それでも君は僕達の息子なのは変わらないよ」

 

 

 え?

 

 

「…どういうことですか?」

 

「例え生まれた時代や世界は違っても、あなたは私達の子供だってことよ。顔は違っても同じ萩原の家で、萩原幸之助と萩原春奈の間で生まれて育ったのでしょう?なら私達の子供でも当然ってことよ」

 

 

 そんなんで良いのかよ…俺は…人を殺したのとも同然ですよ?そんなやつを自分達の子って言っても良いはずがない。なのに何故だ、この人達からは嘘の気配がまるでしない…本気なのか?

 

 

「俺は…人殺しですよ?しかもその相手が本当の息子さんですよ?なのに自分達の子供だと?俺は「今まで辛かっただろう?ゴメンな、もっと早く気づいてあげるべきだったのに。」って何を」

 

 

「実は最近になって息子の雰囲気が急に変わったことには気づいたんだ。いつもの仁とは違うと」

 

 

「でも年頃の男の子なんだし思春期でも迎えているだろうって理由で気にしなかった。それが子供にとってどれ程大事な時期かは考えずに」

 

 

「…怒らないんですか?」

 

 

「いいえ、私たちは怒ってなんかないわ。むしろあなたには感謝しているのよ?」 

 

 

「感謝って一体どういう事ですか?」

 

 

 そもそも俺に感謝する事ってあるのか?むしろ怒られたり殴られる事なら両手の指でも足りるか怪しいってのに

 

 

「今僕たちは君の勇気に感謝しているんだ。いくら雰囲気が変わったとしても僕たちを騙し通すことは出来たはず。そうすれば君はこの世界の萩原仁として得られる全てを手にすることも出来たんだ。なのにこうして僕たちの前であえてその秘密を話し精一杯の謝罪もしてくれた」

 

 

「そうよ、誰かに自分の秘密を話した上で謝罪することはとても勇気がいることなの。でもあなたは勇気と覚悟を決めて私たちに全部話してくれた。あなたに感謝することはあっても怒ることはないわ」

 

 

「僕たちは君に怒らないしここから追い出したりもしない。君がここに来た理由も原因も知らない?ならここでゆっくり探していけばいいだけさ。それに親ってのはいつでも子供の味方をしてあげるものなんだ。直接血は繋がっていなくても僕たちは君の親として居場所になるさ」

 

 

「だから私たちにいっぱい頼りながら甘えてもいいのよ?」

 

 

「……」

 

 

 

 本当にこれでいいのか?俺はここにいていいのか?

 

 

 

「…本当に良いんですか?俺がここにいても?」

 

 

「「もちろん」」

 

 

 

 

 本当、やさしい人たちだなぁ。

 

 こんな素性も知らないやつを息子と呼ぶしこの家に住んでもいいとか言う。本当人が良すぎるじゃないか、こんなの叶うわけ無いじゃん。

 

 

 

  でも、温かいな

 

 

 

「今まで騙してごめんなさい。あとよろしくお願いしま「違うだろう?」え?」

 

 

「こういう時はごめんなさいじゃなくてありがとうでしょ?」

 

 

 

 …あぁ

 本当に叶わないな。この二人は紛れもない俺の両親だ。顔も声も違うけど、例え世界が違ってもこの人たちは俺の味方だ。俺を愛してくれて守ってくれる大事で大好きな二人がここにいるんだ。

 

 

 

「はい、ありがと、ぅございます」ボロッボロッ

 

 

 

 だめだ、二人の言葉のせいで涙が止まらない…

 

 俺は一人なんかじゃなかった…こんなに優しい人たちが一緒にいてくれてたんだ。

 

 

「今まで辛かっただろう?」「これからは大丈夫。私たちが一緒にいるわ」ギュツ

 

 

 泣き始めた俺を二人はそっと抱きしめてくれた。こんなに温かい気分になるのは久しぶりな気がする。

 

 

 

 

 




作者が考えた主人公の人物像にどうも合わない上にあらすじでは中学生だと書いていたのに作中では高校生と出ていたのでそれも修整しました。

感想と評価、誤字指摘などのアドバイスお待ちにしています。

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