人機絶唱シンフォギア 機械仕掛けのD   作:火力万能主義

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祝通算UA2000突破!…といいたい所ですが、まず読者の方々に謝罪を<(_ _)>

プロローグ最後の編の残り半分をすぐ投稿すると言っておきながらもすでに3日以上経っていることに対して言い訳も何もありませ…あ、まって!石だけは投げないでぇ!?


今回は少し視点をズラしてみました。
主人公ごと、仁君が家族全員でキャンピングに行ったけど何かが起こった話でしたが、今回はその話を後日談のように書いてみました。

と言うことで少し長めになりましたがプロローグの後編をどうぞ!



始まりはいつも突然 2ー2

 この世界に来て始めてのピクニックに俺は弟の健太と一緒にウキウキしながらも荷造りをした。着替えや水着はもちろん、記念写真を取るためのカメラやビデオキャプチャーも準備をした。まだ3日も前だというのに俺は子供のようにはしゃぎながら早くピクニックの日が来ることを待っていた。

 健太とはあまり年が離れたせいで共通した遊びは少なかったけど、俺はよく遊び相手になっていた。元の世界では一人っ子だったせいか兄弟同士のコミュニケーションは新しく、よく二人で公園や家で遊ぶ程には仲が良かった。 

  

 すごく楽しみだった。

 一度失ったと思った大事なものを、家族をようやく取り戻したんだと思った。いつも欲しいと思った兄弟も出来た。だからか俺はどこか浮かれていたのかも知らない。

 

 

 

 

 

 キャンプの当日、俺は弟の健太を連れていろんな遊びをしながら1日目を堪能した。

 テント設置用の土地とコテージが建っている地の間を分かつように川が流れていた。キャンプ場に来て早々その川で健太に泳ぎを教えながらも水遊びで夢中になり、ずぶ濡れで帰ってきては二人仲良く母さんに叱られたのはいい思い出だ。

 

 

「健ちゃんならともかく何でシンちゃんまで濡れてるのよ、もう」

 

 

 その後もまた、早く着替え終えた俺たちは水遊びをした川でまた水切りをした。しかし、水切りをしている内に同じく近くで遊んでいた同年代たちと一緒に盛り上がったせいで腕が痺れて上がらなくなるまで投げ続けたのは少し恥ずかしい。

 

 

「よろしくね、仁さん」

 

 

 他にも弟と同じ年頃の妹を連れた一つ年下の女の子とも知り合い、友達になって一緒に写真を取り両親にも紹介した。

 

 本当に綺麗な子だった。綺麗な黒髪をまとめてポニーテールにしていたが、それがまた凄く似合う子で俺も思わず綺麗な髪だと口走ってしまう程の子だった。その子の名前は花咲紗耶香。彼女とは迷子になった健太を探す途中に出会った。川辺で水切り用の投げ石を探しているすきに居なくなった健太を探しまわった時のことだった。キャンプ場を走りまわりながら探しているとその子が泣いていた健太をあやしてくれていたのを見つけることが出来た。

 

 

「うわあああん、兄ちゃんー!」

 

「大丈夫だよ。お姉ちゃんが一緒に探してあげるから」

 

「あの、すみません!弟を見つけてくれた方ですね?ありがとうございます!」

 

「いえいえ、どういたしまして。この子のお兄さんですね?ほらお兄ちゃんが来たよ、健太君?」

 

 

 彼女のお陰で健太を見つけた俺はお礼と言うにはあれだがアイスを奢ることにした。アイスを食べた後に両親に紹介してみると紗耶香のテントがすぐ近くに張っていることを知った。『せっかくだから両家合わせてバーベキューを楽しみませんか?』と母さんが誘ったこともありテントを移動させては一緒にバーベキューの準備を始めた。

 

 

「よーし、仁!そろそろ火が着きそうだから肉と野菜の準備頼めるか?」

 

「わかったよ、父さん」

 

「あ、私も手伝います」

 

「ありがとう、紗耶香ちゃん」

 

 

 その夜に食べたバーベキューはすごく美味かった。バーベキューが終わった後、大人たちは缶ビルを飲みながら話に夢中になり、まだ幼い弟と妹は先にテントで眠ったから俺たち二人はテント地から少し離れた場所で互いのことを話した。

 草の上に寝転がって星空を見上げた俺たちは自分のこと、家族のこと、好きなものや嫌いなものなど何でも話した。星空と夜風に感化されたのか俺たちは夜遅くまで、それこそ大人たちが俺たちを探すために声をあげるまでにただひたすらに互いのことを聞き、また話し続けた。 

 一夜で打ち解けた俺たちは互いのことを呼び捨てにする程度には距離が縮んだ。

 

 

「ねぇ仁は高校どこに行く?やはり公立の霜川か花春?仁ってお話だけじゃとても頭良いみたいだし」 

 

「いや、お話だけって…」

 

「それにしても高校、ね。それが実は…まだこれって決まってないんだ…」

 

「フフッ」

 

「…何笑ってんだよ」 

 

「だって仁はもうすでに受験生でしょう?なのにまだ進路が決まらないとかおかしいじゃない」

 

「それは…そうだけど」 

 

「…じゃ将来大人になったら叶えたい夢とかはある?目標とか」

 

「…夢はまだない。ただ家族を含めた大事な人たちが長く幸せに生きれればそれで十分さ」 

 

「へぇとても家族思いなお兄さんだね」 

 

「何だ幻滅でもしたのか?」 

 

「ううん、その逆。もしろこんな人が旦那さんなら良いなーって」 

 

「俺みたいなやつが旦那、かー」

 

「あら、嫌だったかしら?」

 

「まさか。…むしろ紗耶香みたいな美人の奥さんなら大歓迎だよ」

 

「あら嬉しい」

 

  

 あの時はまだ自覚がなかったからか、それとも単に話に夢中だったからかは知らない。けど今思うとあんな気恥ずかしくなる言葉をよくも話したものだなと思う。

 でも今なら言える。俺は確かに彼女、花咲紗耶香に人生初の恋をしたんだと。それは彼女も同じだったかも知らない。もしかしたら俺たちは会ったその日から互いのことを好きになったのかも知らない…

 

  

「ねぇ。もしも、もしもの事よ。将来大人になってまた私たちが出会ったら」

 

「…出会ったら?」

 

「いや、何でもないわ。ただいつか私が歌手になったらあなたははどんな風になったのかなーって想像しただけ」

 

「何だよ、面白くねぇなおい。てっきり…」

 

「てっきり?何?」 

 

「…いや、こっちこそ何でもない」

 

「フフッ私たちってどこか似ているかも」 

 

「だな、俺たちって結構似たもの同士かも知れんな」

 

 

 彼女の長くて綺麗な髪が好きだった。

 自分の夢を、歌手になることを喜々と語る彼女が好きだった。

 恥ずかしながらも自作の歌を唄った彼女の歌声が好きだった。

 話中に何度も見せた恥ずかしがる顔が好きだった。

 どこか似たもの同士かも知らないという話に嬉しがっていたあの顔が好きだった。

 間違って両親とは血が繋がってないと言ったにも関わらず俺のことを受け入れてくれたその優しさが好きだった。

 

 

 

 例え会ったばかりだったとしても、たった1日しか続かなかった短い恋だったとしても、俺は確かに彼女に初恋をした(愛を感じた)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 楽しかった。

 

 ただ楽しかった。

 

 たった1日しか過ごさなかったのに凄く温かい時間だった。

 

 本当に最高の1日だった。

  

 いつまでもこんな日々が続ければと思った。

 

 この世界に来て始めての思い出が出来た。

     

 もっと知りたいと思った(初めて恋をした)相手が出来た。

 

 また来年にも来たいと思った。

 

 だと言うのに、それら全てが叶わなくなった。

 

 

 

 全てを奪われた。

 

 家族、友人、思い出も全て……何もかもが奪われた。

 

 心のどこかで愛おしいとすら思った彼女を奪われた。

 

 奴ら(ノイズ)の手により。

 

 

 

 

 次の朝、俺は健太を両親に任せて紗耶香に会いに行った。

 俺たちがいたそのキャンプ場は水浴びを楽しむ子供たちとその横でバーベキューセットを設置してビルと焼き肉を楽しむ大人たち、他にもグループで遊びに来た学生たちで溢れていた。夏休み最後の週末ということもあってか俺が来た時より以上の人集りができていた。

 だが、みんながそれぞれの方法でくつろいでいる中、あの事件は起きた。

 

 山の中にあるキャンプ場という外と断たれた空間にノイズ(厄災)がやってきたのだ。

 

 キャンプ場の中央区に位置する大きな広場にノイズが大量に発生したのがその始まりだった。先程まで休暇の時間を楽しんでいた空気は一変し大きなパニックとしてキャンプ場に広まった。

 

 

「ノイズだッ‼︎ ノイズが出たぞぉぉぉぉぉ‼︎」

 

「うわぁぁぁあああ!!」

 

「いやーっ!助けてー!!」

 

「死にたくない死にたくない死にたくn…」

 

「うわぁぁぁあああん!!パパァッ!!」

 

「来るなっこっちに来るなっ!!」

 

「逃げろぉっ!!」

 

 

 ノイズから逃げるためにそれぞれの家族や友人たちの手を引いて逃げ始める人々。しかしそんな生への足掻きを嘲笑うかのようにノイズはキャンプ場ごと囲い込むようにして再び現れた。それからその場にいた、俺たちをも含めた全員に待っていたのは絶望しかなかった。

 

 それからはただの阿鼻叫喚だった。それぞれ広場を中心にして北、東、西とそれぞれのグループに別れてしまった人たちは次々と炭素に変えられ死んでいった。

 まず北方の山道の入口に面したグループ。そのグループには勇敢ながらもノイズから家族を助けるために身を出した人たちがいた。何の武器もないなかで素手のままノイズに向かって特攻し道を開けようとしたのだ。けれどそんな抵抗も虚しく遅れて身を現した中型ノイズによりその家族ごと押し潰され全滅した。

 それを見て怖じた西方向のグループはコテージやマーケットといった建物が多かったのもあり、その物陰や建物の中等に隠れた。だが彼らもまた壁を素通りにして侵入してくるノイズたちにより全滅した。

 最後に死への恐怖とパニックにより互いを身代わりにしようして諸共炭素になったグループ。それが俺たちのいた南方面の最後の生存者たちだった。

 

 次々とノイズたちに殺されていく人たちの悲鳴と断末魔を聞きながらも俺は紗耶香の手を引いて逃げ回っていた。彼女はまだ無事だったがその両親と妹は西エリアにあるマーケットに朝の買い出しに行ったままノイズの手により亡くなられた。幸い紗耶香だけはテントから出て俺たちのテントに来ていた途中にノイズの襲撃が起きたので早くも合流することができた。合流して早々必死に走り続けた俺たちはようやく両親と健太、その3人を目で確認できる距離までに来ていた。

 3人を見つけた俺たちは大声で呼んだ。

 

 

「父さんに母さんっ!健太も!」

 

「仁っ!!」「しんちゃん!!」「お兄ちゃん!!」」

 

「無事か仁!紗耶香ちゃんも無事のようで良かったっ!」

 

「はい、私は無事ですっ」

 

「今そっちに行くから早く2人も走って!」

 

「分かった!」

 

 

 互いの安否に胸を下ろしつつ早く合流しようとした。父さんも健太を抱き上げて走り始めた。後少しで手が届く距離まで来た俺はようやく家族と共に逃げられると思った。

 けどそのせいで俺たちは気を緩めてしまった。

 

 あれは一瞬のことだった。

 

 

「?!仁、うまく受け取れよっ!」 

  

「と、父さん?!いきなり何するんだよ!」 

 

 父さんがいきなり俺に向かって健太を投げ渡したのと、空から槍状になって降ってきた飛行タイプに両親がそれぞれ貫かれたのはほぼ同時に起きた事だった。俺は会ってまたすぐに目の前でその2人を失ったのだ。

 

 

「カハッ」「キャァ」

 

「父さん、母さんー!!」

 

「くっ…仁、すまないが健太と…紗耶香ちゃんのことはっ…はぁ任せるよ。そして、生きろっ!何があっても生き残るんだっ!!それにっ」

 

「これから…辛いことが多いでっ…しょうけど、諦めたら駄目よ?最後にっ」

 

「「愛しているぞ、二人とも/愛しているわ、みんな」」 

 

 

 咄嗟に反応し抱いていた健太を俺に投げ渡した父さんは最後の言葉を機に母さんと共に炭素の塊になって崩れ落ちた。

 

 

「……ッソがぁああああー!!!!」

 

 

 俺は泣き叫びたくなる感情を何とかその場で堪えた。せめて父から任された二人を死なせないために片手で健太を抱き上げ、もう片方の手で紗耶香の手を取って走り続けた。走る途中に何度も抱き直し、手を繋ぎ直して南口にある下山口に向かって走り続けた。

 

 走った。

 ただひたすらに走った。

 俺たちは前と後ろ、左右から迫ってくるノイズを避けながら走り続き、やがて下山口を目の前に置く距離まで何とか逃げることが出来た。

 もうこれで終わりだ。

 これで2人だけでも助けられると思った先に 

 

タッ

 

 地面には黒い炭の粉末により隠されていた瓦礫があったが、俺はそれに気づかなかった。俺はその瓦礫に挫いてしまい健太を落としてしまった。

 

 

「あう?!」

 

「「健太/健太君っ!」」

 

「お兄ちゃん、姉ちゃん…」

 

 

 急いで立ち上がり健太を探し見つけたが、時すでに遅く健太は何体ものノイズに囲われた状態だった。必死に手を伸ばしながら走るも間に合わず、健太は成すすべもなくそのままノイズたちに押し潰されてしまった。

 

 

「………」

 

「そんな、健太君まで…」

 

「…だ……んだ…」

 

「仁…?」

 

「…らのせいで……お前らのせイデェェェエエエエエエー!!!!」

 

「ちょっ、仁?!待ってノイズに触れたら「死ねぇ!」パサッパキッタサッ「え?」

 

「ハァハァ……っ?!何で炭に…?」

 

 

 家族を失った絶望と無力だった己への怒りに当時の俺は我を失いノイズに殴り掛かった。我ながらもあの時の自分は愚かで感情的になりすぎたと思う。本来、人間はノイズに触れた瞬間に全身を炭に変えられるため接触=即死と言われている。しかし何故か俺だけは触れても炭化しなかった。それからは一方的な戦いだった。いくらノイズの突撃に傷つこうとも、ただひたすらにノイズを殴ることしか頭になかった俺は大して時間もかけずにその場にあった全てのノイズを殴り倒し炭素に還した。

 

  

「仁!一体なんてことをするのよ?!危ないじゃない!!」

 

「…っわるい、お前をおいて俺は…」

 

「それはもういいわよ。ってそんなことよりもあなたの体は大丈夫なの?ノイズに触れても死なない上に素手で倒すなんて」

 

「ああ、俺もどういうわけか知らないが大丈夫だ。】

 

(でも、これなら…多分いけるか)

 

「…走るぞ、紗耶香!俺が先を走るっノイズから完全に逃げ切るまでに後ろに隠れて走れっ!」

 

「でも走るってどうやって?南口はすでにノイズで塞がっているのに?」

 

「決まっている、俺がノイズを倒しながら道を開く。その間に行け!」

 

「っそんな無茶よ!出来るわけが「出来るか出来ないじゃない、やるしかないんだよっ!」仁…」

 

「行くぞ、ちゃんとついて来いよ!」

 

「っ仁こそ死じゃ駄目だから!」

 

 

 唯一の逃げ道である下山口を前に、俺はひたすらにノイズを殴りながら走った。拳と蹴りだけじゃなく途中に体あたりに頭突きまで交えながらも戦い続けた。

 生まれて一度も喧嘩というものを経験しなかった俺だったが、背中には守るべき大事な人がいる、彼女だけは何があっても助けるという一念で戦う事が出来た。傷だらけになった体にムチを打ちながらも前に進み、やがて下山口のゲートまでにたどり着いた。

 

 

「仁、もういいから早く走ってっ!」

 

(ちっもう他のエリアにいた連中まで来やがったか…)チラッ

 

「…いや、ゲートは俺が閉めるから紗耶香は先に下りろ。どうせ追っかけて来るんだ。なら誰かが足止めはしないと」

 

「そんなバカみたいなこと言わないで!は「早く行けってんだろうがっ!!」…っわかった、わかったから。だからこれだけは約束して、必ず帰って来るって」

 

「…わかった。山を下りて待ってくれ。すぐに行く」

 

 

 しかし連中も甘くはなかった。南にいる奴らが大方倒されたと思った先に他のエリア、北と西側にいた奴らまでもが俺らを殺すために集まってきたのだ。だから俺は紗耶香を先に行かせて時間を稼ごうとした。

 

 ノイズに触れても死にさえなければ逆に奴らの方がサンドバッグになる。身体を槍状にして放つ突進攻撃さえ気をつければ問題なく倒せる。ある程度片がつけばゲートのドアを閉めて紗耶香に合流すればいい。

 そう思い目の前にある人型ノイズに殴りかかろうとした瞬間、後ろから紗耶香の悲鳴と共に大きな地鳴りが聞こえた。その震源はゲートから少し離れた方向にある山の腰からだった。はじめて見る形の大型ノイズが土砂崩れと共に地面を砕きながら現れたのだった。5、6メートルは優に超えそうな二本の触覚が生えた芋虫に似た形をしたノイズだった。

 彼女の声に反応して後ろを振り向いた瞬間に俺は見てしまった。(芋虫ノイズ)の起こした土砂崩れに彼女が呑まれる光景を… 

 

 

「…ごめん、約束破っちゃた」

 

「っさやかぁぁぁああああああああああ!!!!」

 

 それが彼女の最後の姿だった。 

 その後、土砂にに呑まれた紗耶香は山の根本に向かって落ち、その後には遺体すら見つけることが出来なかった。

 




またもはや続く…!

今後のR-15タグ付き描写について

  • R-15描写は好きだから今後も使って
  • 毎回じゃなくて、たまに使うぐらいならOK
  • むしろもっと苛烈で生々しくしてぇ!
  • そもそもやるな
  • 好きにしたら?
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