Fish that are called by different names as they grow larger   作:瓶ラムネ

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脱走者3名、うち1人は別行動

「ジン坊ちゃーん!我々の新しい同志を連れてきましたよー!」

 

あの絶望的な状況から問題児たちをやり込めて、ジンの元に戻ってこれた黒ウサギはホクホク顔だ。

コミュニティのリーダー、ジンも黒ウサギが無事に戻ってきてくれたことにほっと一息ついた。

 

ジンと呼ばれた少年はブカブカのローブに跳ねた緑色の髪が特徴的な人物だ。

黒ウサギの後ろに新たな同志がいることに気づいた彼は、居住まいを正しつつ柔和な笑みで彼女たちを迎えた。

 

「おかえり、黒ウサギ。そちらの女性が?」

 

「はいな!こちらの御4人様が————」

 

くるんと笑顔で振り向きそのまま固まる黒ウサギ。

 

「あ、あれ?黒ウサギの記憶が確かならもう御三方いらっしゃいませんでしたか?というかおかしいですよね!?耀さんだけですか!?」

 

「アドル君は街を見て来るって。飛鳥も同じく見に行きたいってついて行った。十六夜は世界の果てを見に行くってあっちに」

 

耀が指を向けるのは上空から見えた断崖絶壁。

口を開けて呆然となった黒ウサギはハッと我に帰って問いただす。

 

「な、ななんで止めてくれなかったんですか!?」

 

「言われなかったから」

 

「もっと主体性を持ちましょうよ!?というか面倒だったからですよね!?」

 

「うん」

 

「うんって言ったぁ!!!」

 

ちっとも悪びれない耀に、手を振り回して取り乱す黒ウサギ。

 

「そ、そんなことより黒ウサギ!世界の果てには箱庭中枢が放置して野放しになっている幻獣たちが跋扈してるんだよ!まずいんじゃ!?」

 

「そ、そうでした!!」

 

「幻獣?」

 

「は、はい。ギフトを宿した獣を指す言葉で、中でも世界の果てには強力なギフトを所持したものたちが数多くいます。万が一にも遭遇すれば最後、生身の人間ではとても敵いません。」

 

「ということは十六夜はゲームオーバー?」

 

「で、ですから!冗談を口にしている場合では……!」

 

ジンは事態の深刻さを訴えるが耀はさらりと受け流すだけだ。

そんなやりとりを横目で見つつ黒ウサギは盛大にため息を吐いて立ち上がった。

 

「はぁ……ジン坊ちゃん…誠に申し訳ないのですが、耀さんのご案内をお任せしてもよろしいでしょうか?」

 

「あ、うん。黒ウサギは?」

 

「十六夜さんを迎えに行ってきます。アドルさんと飛鳥さんは幸い街中ということなので十六夜さんを回収した足で探しに向かいます」

 

艶のある青髪を緋色に染めていく黒ウサギ。

完全に毛先まで変色させた黒ウサギは空中高く飛び上がると、外門の傍に置かれた彫像を次々と駆け抜けていく。

 

「一刻ほどで戻ります!耀さんはゆっくりとした箱庭ライフをご堪能ください!」

 

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