Death mark Vegito 作:名無しのななな
梯子から一人の男が登ってきた。
「まだこの学校に来た奴がいたのか。」
とベジットの姿をみて、鼻で笑いながらそう言った。
「悪いが、ここに来たくて来たわけじゃないんでな。それはお前も同じだろう?」
ベジットもフッと鼻で笑いながら真下に返答する。
なるほど…こいつも右手首…だが俺や八敷とは違って掌の方か。
八敷とベジットは手の甲側の右手首にシルシが刻まれている。萌は左の太ももに刻まれている。
男と女で違いがあるのかと思っていたが…そういうわけではなさそうだな。
「確証がないのに決めつけるのはどうかと思うが…」
男は呆れ顔をしながら話してくる。
「確証くらいあるさ。そうだな…お前は右手首の掌に近い場所ってところか。」
「…貴様、なぜわかった。」
男の顔が一瞬で険しくなった。
少し話しすぎたかもしれんな…
「あとで教えてやろう。」
気が向いたら教えてやるとしよう。あの白衣を着た女みたいな奴も気になるしな…
「で、花彦くんはどうなったの?ベジットさん戦ったんでしょ?」
「なに?」
結果的に花彦は来ていない。あの白衣の女みたいな奴が来たと素直に言うか…?いや、ここは…
「…ああ、今度は荒らさないよう静かに撃退したさ。」
変な誤解を生んで混乱させるだけかもしれん。伏せておこう。
花彦くん以外にも怪異のような存在がいるとわかったらどうなるだろうか。知らぬが仏だ。
「待て。じゃあ、あの地震は…」
「ベジットさんじゃないのか?」
「あー、悪い悪い。驚かせちまったな。」
それにしてもなんであの男は一々驚いてんだ?忙し奴だな。
「相変らずだね…ベジットさん。」
「あれほどの力があるんなら、怪異を殺すこともできるんじゃないか?」
少し嫌味を混ぜたような感じの声で男が言った。
「いや、怪異は浄化させる方がいい。なあ、八敷?」
「ああ。そうだな。」
殺そうと思えば殺せる。しかし、ただ殺しだけでは意味がない…かもしれない。
あくまでべジットはテレパシーのような声に従っただけであり、埒が明かないようなら殺すことも視野に入れている。
「何事も穏便に済ませる方がいいだろう。」
八敷の言う通り、穏便に済めばいいんだが…
すると、男は「そうか…」とだけ言い職員準備室を出ていった。その続けざまに「早く来い!」と声を上げた。
その声には怒りと焦りが混じっていた。
職員準備室を出て、廊下をみる。
そこにはガラスの破片やがれきしかなかった廊下が植物で埋め尽くされていた。
例によって赤いバラも無数に咲いており、うねうね動いている。
「貴様らがここに来た時もこんな感じだったか?」
「い、いや、違う。ついさっきまではこんな感じではなかった。」
俺たちの動きに警戒してきたのかもしれんな。
「本気を出してきたのかもしれんな。少し待ってろ。」
ベジットは手から光の剣、「スピリッツソード」を出し、床の植物を切り裂いた。
こんなんじゃ歩きずらい。それに、薔薇の棘で胴着が破れるのもごめんだ。
「これなら歩きやすいだろう?」
「なるほど…怪異と戦っても無傷なのは伊達じゃないってことか。貴様もかなりの化け物ってわけだ。」
「おいおい、花彦と一緒にすんなよ。」
「ベジットさん、説得力がありませんよ…」
萌にまでそう言われるとは…八敷もそう言いたそうな顔だな…
普通の地球人は手から光の剣なんか出てこない。当たり前の反応だ。
「九条館でシルシが消えたらお話しするの覚えてますからね…」と、萌が言う。
チッ…覚えてやがったか…なんか話題をそらさねぇと…
「……………気が向いたらな。そんなことより、こいつらを切ったおかげで鍵が出てきたぜ?」
その間は何?と言いたそうにしているが無視だ。これだから女は苦手だ。
「これって警備員さんが持ってた鍵じゃない?」
「ああ、あの警備員のか。ここで鍵が見つかるってことは…」
あの警備員を見ているのか。
「いや、生きてはいるが重症だ。」と八敷が応える。
「なんだ、容態を知ってるのか?」
「まあな…」
ま、左腕はもうなさそうだがな…
シルシがさらにその色を鮮やかにした……
この更新前が2月25日…そしてこの文字を書いているときは3月8日午前2時、私の誕生日前日…さぼりすぎじゃねぇか…くぉれは失踪フラグがビンビンだぁ!